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ロックされています  夢色高校  名前: めめ  日時: 2012/08/20 01:56 修正2回   
      
初めましてめめです。
今回初めてこの小説を書かせていただきますことになります。
それにより以下の点にご注意ください。

・作者はパワプロはやっていますがキャラクターや、内容をあまり覚えていません。
・時系列や関係などを破壊しかねません
・出てくるキャラクターは作者のおぼえているキャラクターです。
・かなりオリジナルな要素が含まれます
・あれ?このキャラクターこんなのだっけ?というのもあるかもしれません。

以上の点をご理解いただけるならこのまま読み進めてください、もし気に入らない場合などがありましたら戻ってください

書き直しです、最初と少し変わりますのであしからず
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/19 01:06  No. 28    
       
終わってみれば試合の結果は、16対7 

猪狩があれほど早くマウンドを降りるとはだれもが予測していなかったことだったので、準備のままならない投手を登板させることを余儀なくされたあかつきのミスである

急づくりの投手が猪狩を打ち崩した打線を抑えられるはずもなく、あっという間に点差は開いていった

一年生の小鴉は強力なあかつき打線を七回5失点に抑えた、抑えたという表現はおかしいのかもしれないが、一年生がここまでできるとは思っていなかったので大きな収穫だと鬼門は大満足である

そしてほかの一年生も活躍をしたのが喜ばしいことである、これでレギュラー争いがさらに過酷になっていくだろう

「後はもうちょっと人数が欲しいところだな・・・」

余りスカウトには力をいれていないほうなので、来年はしっかり頑張りたいと思っている

まだ四月、この段階でのレギュラー争いの激化は夏までのいい刺激になってくれるであろうと思う

「しっかしこの後の千石のおやっさんがどんな練習をするんだか・・・考えただけでも恐ろしい」

苦笑いを浮かべながらグランドを後にする鬼門、その後はミーティングをしてバスに乗り、高校に帰るそれだけだった・・・
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/30 12:48 修正1回 No. 29    
       
五月に差し掛かり、大分学校にも部活にも慣れてきた一年生は緊張の糸が緩む

運動好きの校長のせいあって、夢色高校では球技大会が月一回行われる

矢部「しかし羨ましいでやんすねー」

浅井「何が?」

矢部「オイラ、野球以外はあんまり得意じゃないでやんす」

浅井「へぇー(野球得意なんだ)」

今は体育館でバスケットが行われている、もちろん俺は試合に出ることになっている

矢部「次浅井君でやんすよ、オイラのクラスと試合でやんす」

ちなみに矢部君とはクラスが違う

浅井「じゃ頑張ってくるよ」

怪我しないようにーでやんすー

と矢部君が声をかけてくれる、怪我しないように頑張ろう


ピッ

笛の合図とともにボールが上に投げられる、ジャンプボールを制したのは俺のクラスC組だ

ちなみに相手はA組だ

俺のクラスにはバスケ部が4人いるので正直なところあまり動かなくて済む

するとバスケ部の一人が3ポイントシュートを決める

クラスの女子は大盛り上がりだ

浅井(すごい)

俺はぼーっと眺めているだけ・・・

「ちょっと健吾ー!頑張りなさいよー」

浅井「えっ!?」

声がしたほうを向くとそこには菜実と他野球部がいた

早川・小山「健吾君頑張れー」

坂倉「浅井ー」

笠松「健吾ー」

栗原「浅井くーん」

なぜこんなに見ている人がいるのだろうか?まだ一回戦だというのに

「浅井!」

何てことだ・・・パスが回ってきた

こんな時笠松さんなら真似したらできたとか言うんだろうな

小さくため息をはいてシュートモーションに入る、幸いフリーだったためシュートをうって入れるだけなので楽だ

むろんシュートをいれること以外の話だ

笠松さんみたいにやってみるか・・・

川井「健吾ー決めちゃえー」

バスケ部をまねたシュートフォームでボールを放つ

するとボールは綺麗な放物線を描きリングに入る

浅井「えっ!?」

まさか入るなんて思わなかった



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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/10/01 01:09  No. 30    
       
冗談だろ?まぐれに決まってるさと自分に言い聞かせながら守備に向かう、まさか入るなんて思わなかった

シュートを真似することはできても守備はそうはいかない、まずバスケ部と動きが違うし筋肉の付き方もまるで違う

ボールを持ったバスケ部がドリブルで近づいてくる、俺は抜かれないように必死に食らいつき何とか抜かれることを防ぐことができた

すると表情に苛立ちが浮かび上がってきているのがわかる、こうなればこっちのものであるなんせ秘策があるのだから

バスケ部は強引に体をぶつけ俺を抜き去ろうとするがそうはいかない、ぶつかった瞬間に逆らわないように後ろに倒れる、こうすればファウルをもらえると同じクラスのバスケ部に教えてもらったばかりなのだ

案の定審判が笛を吹きファウルと声を上げる、俺を倒したバスケ部はチッと舌打ちをしてボールを置きゆっくりと離れていく

「ナイス浅井!」

ハイタッチを求めてくる奴や起き上がるために手を貸してくれる奴、いい友達だなと思いながら手を貸してもらい立ち上がりハイタッチをする

しかし本来なら俺を倒した奴が手を貸してくれるものだろうと心の中で呟いてプレーに戻る、笛が鳴り始まると先ほど俺を倒した奴がマークについてきた

「よう野球部、筋肉足りてないんじゃねぇの?」

小声で嫌味を言いながらまとわりついてくるつんつん髪の毛が特徴のバスケ部、面倒なのであまり相手はしたくないのが本音だ

「そうだな、次までに鍛えとくよ」

小声でそう返し顔をそむける、こんなやつとは早くおさらばしたいなんて思っているのは内緒である

やっと笛が鳴り試合が終わる、結果は俺たちの勝ちだがあまり活躍していないので疲労感もなければ達成感もないのが現実だそれでも快く迎えてくれる同じクラスの女子はありがたい

まぐれでシュートをいれることができたので時折

「ナイスシュートだったよ」

と声をかけてくれる子もいる・・・あまり活躍していないが案外いやな気分ではない、それにつんつん頭にも一泡吹かせてやれたので一件落着ということにしておこう
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/10/01 01:24  No. 31    
       
「健吾ーすごかったねあのシュート」

シュートを打つ真似をしながら話しかけてきたのは同学年のマネージャーの菜実である、あんなものはまぐれだとわかってくれてはいないらしくバスケがうまいと思われている

ハァ・・・

最近何かとため息が増えた気がするが年のせいではないことを祈ろう、風の当たる場所に行きたかったので体育館から出ようとすると菜実が体操服の襟元をつかみ阻止される

「笠松さんが俺の試合みていけだって」

何ともわがままな先輩だろうか・・・ハァとまた溜息を吐いてしまう、しかし笠松さんが野球以外のスポーツをしているなんて想像がつかない

「実は下手だったりして」

小声で呟く

「幸樹君は案外バスケット上手だよ?」

隣にいた栗原さんがぽつりと言葉を漏らす、しかし栗原さんの案外がどのレベルなのかわからないので見ていくことにしよう・・・俺より下手だったら今度ネタにしておちょくってやろう、そんな軽い気持ちで菜実の横に座りコートを見始める


「そんなことあるか!?」

驚いたこの一言に尽きる、栗原さんの案外があてにならないことが分かった瞬間である、開始早々ジャンプボールを制した笠松さんのクラスはドリブルで切り込み笠松さんにパスをする

やはりいつものような独特のにやりと笑った気がした、そしてボールを片手に持ち飛び上がるまさかとは思ったがそのまさかだった・・・ダンク

「笠松さんて野球部だよね?」

不安になったのか菜実が俺に質問をしてくる

「正真正銘の野球部のはずだ・・・たぶん」

野球部なのは確かだがバスケ部と同等以上の動きで更にはダンクまで決めてしまう、当然のごとく体育館の女子は大盛り上がりだ、ニコッと笑いこちらにピースをする笠松さん、色黒の肌なため白い歯が余計に目立つ

「私舞さんがうらやましいです」

急に変なことを言い始める菜実、この子は何をおっしゃってるんでしょうか?確かにスポーツ万能のさわやかな先輩といったところであろう・・・他から見たらの話である

「うらやましくないよ菜実ちゃん、だって野球以外に興味ないんだもん」

少しむくれる栗原さん、相当苦労があるようだ
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/10/01 01:44 修正1回 No. 32    
       
「その点私は菜実ちゃんがうらやましいな、だって浅井君は何かと気にかけてくれるでしょ?」

「ちょっちょっと舞さん!?//」

女子の会話が始まってしまったが俺はあまり興味がないしい、盗み聞きはいけないと思ったので試合を見ながら休憩することにした、しかし眠い・・・ゆっくりと睡魔が押し寄せてきてそのまま眠りについた






「ちょっと健吾?起きてよ健吾」

体をゆすられ菜実に起こされる、どうやら簡単には寝かせてくれないらしい

「のど渇いちゃったからジュース買いに行こうよ」

そういって手を引っ張って立ち上がらせようとする菜実、昔から少しわがままな気がするが長い付き合いなのであまり気にしてはいない

「仕方ない・・・栗原さんも何か飲みますか?」

「私?私はいいよ、ありがとう浅井君」

ニコリと笑い答える栗原さん、やはり栗原さんは美人だなと頭の中で思い浮かべるが目の前をバスケットボールが通過したので考えるのをやめた

どうやら笠松さんがパスをミスしたらしい・・・


外に出た俺と菜実はゆっくりと歩きながら自動販売機を目指す、無駄に広い校舎のせいで体育館から自動販売機までの距離が少しある、何とも迷惑な話だ

「健吾あれって坂倉さんじゃない?」

菜実が指をさして場所を示す、ちょうど自動販売機の前だ何やら顔が赤く見えるが気のせいだろうか?

「坂倉さんと・・・あれ?女の子だよ?一緒にいるの」

衝撃の新事実でした、彼女は本人曰くいないらしい坂倉さんなのだが実は嘘でしたみたいな話になってしまった、そーっと顔をのぞかせて女の子の顔を見ると思わず絶句した

矢部君が言っていた夢高三人娘の一人だった

ちなみに夢高三人娘とは投票の結果決まった夢高の可愛い人の上位三人のことだ、実は栗原さんもその中の一人らしい

「しかし坂倉さんに彼女がいるなんて」

「みんな知らないよね」

顔を向き合わせてクスリと笑ってしまう俺と菜実、昔からこういう時にはよく笑うのが菜実だ

俺たちは坂倉さんと夢高三人娘の一人のやり取りを見てくすくすと笑いながら、その場を後にした・・・
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/10/03 01:41  No. 33    
       
やはり4月と違い5月になると気温が上がってくるので熱いと感じてしまうことが多くなってきた、自主練習が基本となるこの高校では練習をさぼる選手がいないため飲み物の消費量は多い、それを作るのはマネージャーの仕事となっている

「よいしょっと」

せっせと作った飲み物を運ぶのは1年生のマネージャー川井菜実と2年生マネージャーの栗原舞だ、早川あおいや小山雅のように選手として練習に参加することはないが彼女らも立派な野球部の一員だ、なので野球部のために仕事はきっちりとこなす

運び終わると一息つくことができるので、さっさと運び終わってしまいたいというのが心境だが毎回のごとく途中で邪魔が入る

「いやぁーのど渇いたー」

そう笠松幸樹だ

「ちょっと幸樹君!?」

「いいじゃんか別に減るもんじゃねぇし」

「減るものです!」

まだ運んでいる途中にもかかわらず持ってきたコップをいれ口に持っていき注ぎ始める笠松、勝手すぎるの一言にかぎる

「笠松さん運び終わってからにしてください」

「菜実ちゃんに言われてものど渇いたから却下で」

なんて横暴な先輩だろうか・・・尊敬に値するレベルまで達していると思う、しかしコップに注いだ飲み物を飲み終わると決まって

「じゃあのど潤ったから持っていくよ」

とマネージャーの仕事を手伝ってくれるのが笠松さんのいいところでもある、舞さんがうらやましいといったのは少し前だが今でもそう思っている

「はぁー」

私は小さくため息を吐くことで気分を紛らわせて仕事に戻ることにした
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/10/10 22:48  No. 34    
       
汗を滝のように流し、砂にまみれるなんて初めての経験のような気がするが案外いやな気持ではない、努力は嘘をつかないというが、努力のやり方に問題があれば実らないこともある

そんな効率の悪い努力は極力したくないのが当たり前だ、しかし時には精神論も必要だと思う

「らしくないな、僕がこんなやり方の努力をするなんて」

一日中砂浜を走り続けるという練習メニューを自分の意志で決め、監督に進言し実行している

だがもう負けるわけにはいかないのだ、マスコミや世間に騒がれ将来を期待され、のぼせあがって天狗になった結果がこのざまだ

初めて味わった屈辱を胸に刻みさらに精進したいという気持ちと、もう二度と負けたくないという気持ちの両方を持つことができた

感謝するべきなのかもしれないな・・・


そう考えながらダウンを済ませゆっくりと高校に帰る・・・
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/10/13 00:58  No. 35    
       
夢色高校では毎年五月になると体を大きくするためにウエイトメニューが増えるらしい

本来筋肉はウエイトトレーニングでつけるものだが、ついた筋肉を使えるようにするために2カ月かかるものだといわれている
つまりウエイトトレーニングをいくらしても筋肉が使えるのは2カ月先ということだ

現在ウエイトルームでは約20人の選手たちがウエイトをおこなっているのだが、1年や2年間でこれほど差が出るのかというほど筋力が違う

先輩たち曰く細マッチョはダメらしい・・・何がダメなのかはわからないが

「じゃあ一年生はこっちに来てくれるかな?」

『はい!』

と元気良く返事をするがここにいる1年生は外野手の俺こと浅井と投手の小鴉だけだ
矢部君はダッシュメニュー、あおいちゃんはブルペンで投げ込み、雅ちゃんは同じポジションの草木つかささんと守備練習と別々で練習をしている

「ちなみにだけど小鴉は身長は何cmあるんだい?」

「はい僕は172センチです」

ふむといった感じで身長をきいた坂倉さんは少し考え込む、まだまだ身長が伸びる可能性がある状態でウエイトトレーニングをすると、筋肉で伸びる邪魔をしてしまうからだ

「そうだねじゃあ小鴉は投手だしインナーマッスルを鍛えるかスクワットをするかどちらかだね、背筋はまだ身長が伸びるかもしれないからあまりしないほうがいいね」

淡々とメニューをつげ、小鴉はメニューに従いスクワットの器具のところに向かう
はたして今回はどんなメニューを言い渡されるのだろうか?4月のスクワットはめちゃくちゃだったので正直勘弁してほしい

「浅井は身長180ぐらいあるから心配ないね、だから今日はいつものスクワットじゃなく背筋からのベンチプレスにしようか」

「はい」

珍しくスクワットから解放されてうれしいのだがベンチプレスと背筋は怖い、なんせどちらの器具にも本当に野球選手かというような筋肉の塊がいるからだ
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/10/13 01:28  No. 36    
       
最初に向かったのは背筋だ、ジムのようなウエイトルームなので背筋の機材も十分にそろっているのだが重さが尋常じゃないので、最初はバックチェストというバーベルを肩に担ぎ持ち上げるという方法で背筋をつける

「っあ!!」

目の前では背筋の器具を使い化け物のような重さをあげる先輩がいる、2年生でレフトのレギュラーである三木 博文(みき ひろふみ)さん
夢高の超長距離砲の一人で体格がプロ野球選手顔負けだ

「三木さんよろしくお願いします」

と声をかけるがちょうど終わったばかりなので腕や額などに血管が浮かび上がっており正直怖い

「おぉ浅井か、坂倉さんにメニュー言われたんだっけ?」

「はい、三木に任せるって言ってました」

「そうか、ならとりあえず背筋つけるために一回自分のMAXあげとくか」

「はい!」

そういって気合を入れたが・・・


「なんだよ浅井それ位しかあがらないのかよ」

と言われてしまう、筋力が違うのをわかってほしいがそんなことは先輩相手に口が裂けても言えないのが真実だ

すると三木さんが笑いながら話を始める

「背筋は何をするにしても必要なもんだからあったほうがいいぞ?ボール投げるのも打球飛ばすのも全部背筋使うから、背筋ない奴はダメだ」

とわかりやすく説明してくれる三木さん

そんな説明を聞かされると熱くなるのは当然で、限界を超えるためにそして2か月後の本番をめざし気力を振り絞った
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/10/15 08:11  No. 37    
       
「はいお疲れさま、次はベンチプレスだね」

限界に近づいている中坂倉さんが俺に話しかけてくる、幻聴なんだろうか?

「ほらほら休んでる暇はないよ、メニューは言ってあったでしょ?」

確かに言ってました

俺はしぶしぶベンチプレスに移動するがそこでも化け物がいた

「っぐあぁぁ!」

重さにして約150s、いったいどうなればこうなるのか謎である

肩をトントンと叩かれ頑張れと声をかける坂倉さん、無茶苦茶だと逃げ出したいがあきらめよう

「あれ?浅井だったっけか?」

「あっはいよろしくお願いします」

この人は国府 英明(こくふ ひであき)三木さんと同じ2年生のレギュラーでファーストを守っている超長距離砲

筋肉のお化けである

体がプルプル震えているがあきらめるしかないようだ・・・気合入れていこう・・・
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/10/28 22:47 修正1回 No. 38    
       
5月といえばゴールデンウィークだよねーと目の前の女子高校生が世間話をしながら歩いている、たしかに5月にはゴールデンウィークがある

それは一般的にはうれしい少し長めの休日で、何処かに遊びに行ったりなど楽しい休日になるのは確実だ・・・あくまで一般人の話である

現在ゴールデンウィークという休日のせいで苦しめられている野球部員たちがいた、そう夢色高校の野球部員たちだ

「おらぁ死ぬほど走れー」

いつものあまりやる気の入ってないトーンで選手たちに指示を出す、珍しく全体練習となったはいいがメニューが鬼だ

「栗原ー今のタイム何秒だ?」

「15・67です」

首から下げたストップウォッチを見てタイムを淡々と読み上げる栗原、それを聞いた監督は

「おっせえぞ小山ー!三木や国府じゃねぇんだからもっと速く走れ」

「はい!」

ぜぇぜぇと息をきらしながら返事をする

「全員やり直しだ、ベースランニングもまともにはしれねぇ奴が試合に出れると思うなよ」

監督が厳しい言葉を投げかけるがそれに負けないように選手全員が声を張り上げて返事をする、誰も彼女を責めたりしない

「ほらしっかり」

汗を流しながらニコニコ笑い声をかける、流石は三年生と言ったところだろうか体力が違う

「全員が15秒きるまでベーランおわんねぇからな、しっかりやれよ」

『はい!』






「まぁこんなもんか・・・じゃあ今から少し休憩、それから紅白戦やるぞーメンバーは考えとくから休んでろ」

そういって歩いていく監督

「しっかし気合入ってんなー監督」

地べたに座ってマネージャーから飲み物をもらい飲みながら話す笠松

「去年の借りがあるからじゃないんですか?」

笠松と同様に地面に座り話す浅井、どうやらランメニューは得意のようであまり辛そうではない

「それは違うかな、たぶん警戒してるんだよ県内の高校を」

割って入るように坂倉が口を出す

「どういうことですか哲さん?」

「うちの高校はあかつきやパワフルといった高校とは違う県だろ?でも一昨年に決勝で負けた北川西高校が最近力をつけてきているから、それに負けないようにしているんじゃないかと思うんだ」



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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/10/28 23:26  No. 39    
       
「へぇー」

聞いておいてその返事はないだろうと思うような返事をする笠松、しかし坂倉は全く気にしていない、どうやら慣れているようだ

「メンバー決めたから集まれー」

のそのそと歩いてきながら支持を出す監督、どうしてあんなにやる気が見えないのだろうか?

「じゃあ紅からだ

投手 大石 三年 レギュラー
捕手 幸田 二年 補欠
一塁 国府 二年 レギュラー
二塁 林  三年 レギュラー
遊撃 増田 二年 補欠
三塁 栗峰 二年 レギュラー
左翼 三木 二年 レギュラー
中堅 飯谷 二年 補欠
右翼 吉見 一年 補欠

以上

次は白

投手 小鴉 一年 補欠
捕手 坂倉 三年 レギュラー
一塁 多田 三年 補欠
二塁 草木 三年 レギュラー
遊撃 小山 一年 補欠
三塁 栗峰 二年 レギュラー
左翼 浅井 一年 補欠
中堅 新井 三年 レギュラー
右翼 笠松 二年 レギュラー

以上後は交代で出るから準備しとけ」

メンバーの発表がおわり準備に取り掛かり始める、しかしチーム内とはいえ少しは緊張するものだ

普段は頼もしい仲間だが敵になると怖いというのは少しある、だがこのプレッシャーも練習になるのである

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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/12/03 23:37  No. 40    
       
先攻は白から

一番はセンターの新井さんだ、俊足堅守が売りの選手だ

打席に入り主審の監督に一例をしてバットを構え投手の大石さんをにらみつける

「おおこえぇ・・・」

小さくつぶやきながら大きく振りかぶりキャッチャーミットをめがけ腕を振りぬく

新井は足をふみ込腰を回転させとらえに行こうとするがそれだけで止まる…インコースのスラーブ

毎回のごとく切れ味は抜群で、打者は腰を引いてしまうような球を投げるのが大石だ。

主審の宣告はボール、ほっと息を吐きながらさらに集中力を高めていく新井はグリップをギュッと握り頭にイメージを思い浮かべる

(強くだ、強く変化をセンターに)

しかし思惑は外れてしまいアウトコースに直球が決まりカウントはワンストライクワンボール、この後あっさりと追い込まれてしまいツーストライクワンボール

「次インローのVスラっすよ新井さん」

後ろからぼそりと声が聞こえてくる、生意気な二年生の田村だ

田村はインコースのVスライダーだと言い張り黙り込んでしまう、しかしストライクは二球ともストレートのアウトコースで、もう一度アウトコースで遊んでくるかもしれない

考えれば考えるほど変な思いが頭をめぐる、めぐってしまうのが打者だと思う

新井は自分によしと言い聞かせグッと奥歯をかみしめ構える

基本に忠実なフォームから腕が振りぬかれキャッチャーミットにボールは吸い込まれる

小さくうっと声を漏らし苦虫を噛んだような顔をする新井

バッターアウトと主審が宣告し、やられたという思いでベンチに帰る

新井はアウトコースのストレートのボール球と山を張っていたのだ、それがアウトローギリギリいっぱいの147キロの直球と来たものだから手を出すことができなかったのだ

軽く舌打ちをしながら、やっぱり夢高のエースだなとため息を吐いた
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2013/01/15 00:01  No. 41    
       
二番はショートの小山 雅

小山は左である大石さんに対し右の打席に立って構える、何か意図があるようなのだが今はそれがなんなのかは全く見当がつかない

「よろしくね雅ちゃん」

急に後ろから声をかけられる、もうすでにここで揺さぶりをかけてきているのだろうか?

しかし余計なことは考えるべきではないと思い集中する

初級は胸元いっぱいの直球でストライク、二球目もインコースでストライク

カウント2-0

「三球勝負するから」

またもやぼそりとつぶやき黙り込んでしまう田村、ここで考えるのをやめればよかったのだがすでに遅かった

三球目のストライクからボールになるインコースのスラーブを振らされ三振してしまう

「ごめんねー雅ちゃん」

と聞こえた気がしたが言葉は頭に入ってこない、完全に遊ばれて三振されてしまったのだ悔しくないわけがない

うつむき気味にベンチに帰っているとネクストバッターの坂倉さんが声をかけてくる

「気にすることはないよ、ただし次の打席はもう少し冷静になった方がいいし切り替えた方がいい」

それだけを言い残して打席に向かっていく

はっとなった小山は小走りでベンチに戻り気持ちを切り替えた、もともとそんなにカンカン打てる打者じゃないのを一番知っているのは自分だ

たかだか一打席の三振でくよくよしていても仕方がない、役に立てるのは守備なんだと言い聞かせ声を張り上げる

「坂倉さーんかっ飛ばせー」

ベンチでできるのはこれが精一杯だ、自分の与えられた仕事はきっちりこなさなくて意味がない

そう自覚した小山だった
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2013/01/15 00:20  No. 42    
       
2アウト1.3塁で打席が回ってきたのは浅井 健吾である

3番坂倉4番笠松両方ともがクリーンヒットを放ちチャンスが回ってきたのである

左の打席に入りゆっくりと息を吐いていく浅井

セットポジションから足をあげ腕を振りぬいた球は田村のキャッチャーミットめがけて進んでいく、アウトコースの直球

浅井は足を踏み込みショートの頭の上に打球を飛ばすことをイメージした、完璧なタイミングだ


しかし快音が響くことはなかった、ぼてぼてのショートゴロだ

必死に走るが二年の増田に悠々と裁かれてしまいアウト、チェンジとなってしまった

自分が完璧だと思っていたのにもかかわらずどうしてぼてぼてのショートゴロだったのか考えればわかるが、今の状態では難しいだろう

「…完璧なタイミングだったのに…」

「ほら切り替えろ健吾、野球は9回まであるんだしっかりしろ」

声をかけてくれたのは笠松だった

そういわれた浅井は返事をしてグラブを持ち守備位置に走ってい言った


「厄介なことになりましたね哲さん」

「確かに、まさかここで新しい変化球を使ってくるとはね」

初回から不穏な空気が流れる中試合は歯車を回し始めた
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2013/02/11 01:45 修正1回 No. 43    
       
このままトントンと試合は進んでいき6回裏、今までヒットは打たれるものの抑えてきた子鴉が紅チーム国府と三木にアベック弾をゆるし2-0になってしまう

負けじと白チームも笠松が疲れの見えた大石からソロホームランを放ち2-1とする

そして現在は9回表、2番の小山からだ

打席に立ちゆっくりと構え大石をにらみつける…何としてでも塁に出なくてはこの回の逆転は難しい

このまま負けてしまうか、塁に出て勝機をつかむかは小山にかかっている

小山は必死に食らいつき、何とか四球をもらい塁に出るそして坂倉笠松も続きノーアウト満塁で浅井に回ってくる

(死んでも打たないと)

そう思ったがそう都合よく結果はでないものだ、結果はファーストライナーのダブルプレー

しかしそのあと何とか栗峰がフェンスダイレクトのスリーベースを放ち3-2とする


が安心したのもつかの間、三木にサヨナラツーランをたたきこまれゲームセット

終わってみれば3-4と僅差のゲームになっていた

浅井は大石の新たな変化球カットボールに全く手も足も出ずに、チャンスで全く打てなかった

もちろん負けたチームには監督からのきつい罰ゲームがあり、その日は白チーム全員がぐったりしていた…
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2013/02/12 23:40  No. 44    
       
五月の後半になってくるとじめじめとした暑さを感じ始め雨量が増えてくる

野球少年としては雨は嫌いなはずだ、特に雨の中での試合なんてものは最悪である

すべるしドロドロになるし濡れるしめちゃくちゃで、勘弁してほしい

現在夢色高校では大雨により試合が流れてしまったので、雨天練習場で地獄のような練習が行われている

「おらぁ!何で休んでんだー!バットが前に飛ばねぇようにしっかり握ってろ!」

雨が降っているのでいつものように自主練習とはいかず、全体練習になっている

鬼門は名前と同じ、鬼のような連続ティーを練習メニューとして提示した

しかし何をするにしても一年二年歳が違うだけでこれだけ違うものなのだろうか?一年は全員スイングがヘロヘロになってきているのに対し、二、三年はぶんぶんと振り回している

「おいおい健吾ー何へばっちゃんてんの?」

陽気な声とともに笠松が声をかけてくる、この人は全然ぴんぴんしている

「な…なんですか?」

「あれ見てみろよあれ」

上半身裸でバットを担ぎ、顎で方向を示す

目線の先には同じ一年の森口 慶次が鬼監督とティーをしていた

身長は167と小さめの体で右投げ右打ちのスラッガーだ

「あいつお前より打つぜ?」

へらへらと笑いながらあおってくる笠松、普段なら普通に返事するのだがそうはいかない

「打撃は誰にも負けないつもりです」

そういって浅井はバッと立ち上がり連続ティーを再開する

「少しはあおり方がわかってきたじゃないか」

「ははっ、哲さんほどじゃあないですよ…次哲さんの番ですよ?」

「お前を待ってたんだよ」

やれやれといった感じで坂倉が首を振る



監督は森口 慶次が気になるようだ…
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2013/02/15 01:04  No. 45    
       
五月最後の練習試合でとあることが起こった

二試合目で久々に負けてしまったのだ、こんなことを言うのはあれなのだが森口が原因だ

最終回同点の場面でレフトの森口がエラーをしてしまい、それが決勝点になりゲームセット

終わりのミーティングはそのエラーのことに対してのことではなく試合内容のことで、森口の話題は一切出なかった

バスでの移動後夢色高校に帰ってきた選手はいつものように自主練習を始める、夢色高校ではこれが普通になっているのだ

しかし森口の姿が見えない

「落ち込んでんのかな森口?」

「なら健吾見てきた方がいいんじゃない?」

菜実は色々な仕事をしながら意見を飛ばしてくる

「そうだな…」

森口がいそうなところなんてわからないがとりあえず探すことにしてみる






が見つかるはずもなく渋々ウエイトルームに向かいウエイトを始めようとすると奥から声が聞こえてくる、どうやら坂倉さんと笠松さんともう一人は森口のようだ


何の話をしているのかはわからないが立ち聞きなんてしたいと思わないし、された方は気分が悪いはずなのでよしておくことにする


数分すると奥から森口が出てくる

偶然目が合ってしまった…

「浅井…今日ごめんな、俺頑張るから」

「気にしてないよ、エラーなんて誰にでもあるさ」

ここで沈黙

沈黙してしまうと気まずい

「よぉー健吾ー自分から俺にいじめられに来るとはかんしんじゃねぇかぁ」

いつものようなへらへら笑う笠松さんがいて助かったと思ったのは今日が初めてだ

「それじゃ俺自主練行くんで失礼します、ありがとうございました」

そういって森口は一礼してウエイトルームから出て行った

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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2013/03/29 03:51  No. 46    
       
「一番夢色高校!」

現在は6月の後半、最後の夏の大会の抽選会の真っ最中だ

主将の坂倉は部長と抽選会の会場に来ている

「二番坂下高校!」

坂下高校、県内ではあまり強い方ではない高校で投打ともに平均といったチームだ

全ての高校の抽選が決まり解散となり、部長とともに帰ろうとしていると後ろから声をかけられる

「久々じゃん坂倉、去年の夏ぶりじゃないかな?」

「久々だね…それじゃ」

「ちょっとちょっと!」

「あんまり話したいものではないからね、帰って練習したいし」

先ほどからずかずかと話しかけてくるのは北川西の主将 小宮 亮 だ、去年こいつのサヨナラ2ランで甲子園の切符をつかみ取ることができなかったのだ

「そんなこと言うなよー全日本で同じチームだったじゃんかよー」

「そりゃお前も日本人だからな…」

それを聞いた小宮はへらへらと笑う

「まぁお前ら強豪の夢高にはまけねぇから、そこんとこよろしく!」

打席に入った時のような獲物を狙う目でこちらを睨む

それを華麗にスルーして会場を後にする、言われなくてもこちらも負ける気など更々ないしもちろん潰す気でいく

「去年の雪辱ぐらいすぐに果たしてやるよ…」

こちらもこちらで獲物を見る目に変わっていた坂倉だった
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2013/03/30 02:11  No. 47    
       
今日は隣りの県の強豪校が練習試合に来ている、県下でも指折りの強豪校なので一筋縄ではいかない


オーダーは事前に発表されており

一番 ショート   草木
二番 セカンド   林
三番 キャッチャー 坂倉
四番 ライト    笠松
五番 ファースト  国府
六番 レフト    三木
七番 サード    栗峰
八番 ピッチャー  大石
九番 センター   新井

となっている

夢色高校の本気のメンバーである

アップやキャッチボール、ノックは終了し現在は集合してメンバー発表とミーティング中だ

「さて今日は久々のフルメンバーということでしっかり戦いたいと思う、それに本番が近いし対戦相手も決まったことだしこれからは夏にめがけていつも以上に気合を入れていきたい…俺からは以上」

キャッチャー道具を身に着けた坂倉が円陣の真ん中で全員に激を入れるとそれに鼓舞されたように全員が声を上げる

「さて坂倉がいい感じにまとめてくれたからいつも通り簡単に俺から一言だ」

とめんどくさそうなそぶりを見せながら監督が話し始める

「いつも通り俺の野球は打って勝つ野球だ守備はそこいらのチームよりできるはずだ、ミスしても関係ねぇそれ以上点とりゃいいんだからだから…打ち負けることはゆるさねぇからしっかり打ってこい!以上」

ハイ!

全員の気合の入った声を聴いた監督はにやりと笑い椅子に座る


両チーム出そろい審判の一声で試合が始まった、先攻は県外から来た大阪商業だ

投球練習を終えた大石は一番バッターをにらみつける

(左か…)「栗峰セフティ」

坂倉は馬鹿な栗峰に声をかけサインを出す


(初級は外のストレートで様子見で大丈夫だろう)

要求は外一杯のストレート

大石はサインにうなずき振りかぶりミットにめがけて腕を振る


ットライーク

要求通りのたまに少し口元が緩む坂倉、相手の一番バッターは初球の球には手を出さずにボールを見てくるようだ
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