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記事閲覧  プロ野球・鯉の陣!U  名前: 広さん  日時: 2012/10/21 18:00 修正26回 HOME  
      
【プロ野球・鯉の陣!U】
〜プロローグ〜
広島東洋カープに1位指名された18歳、川井隆浩。彼の夢であったプロ野球を舞台に
笑いあり、熱狂ありの燃える試合を繰り広げる!
あの男の電撃トレード、ギャラを巡っての大騒動、主力の不振。まさに人生、森羅万象!!

※本小説は閲覧のみとなっております。作者以外の書き込みを固く禁止します。
【目次】
>>1   第1話・新たなる鯉伝説
>>2   第2話・隆浩の憧れ、カープの4人衆登場!
>>3   番外編・大波乱ギャラ騒動
>>4   第3話・お金に恵まれた(?)休日
>>5-8  第4話・オープン戦
>>9-12  第5話・独特の技術
>>13   第6話・新しい仲間
>>14-18 第7話・越えなければならない滝
>>19-20 第8話・立ち上がれ大引!
>>21-25 第9話・対中日戦
>>26   第10話・な・ん・だ・と―――――っ!?
>>27   第11話・大波乱
>>28-29 第12話・対喜多川戦
>>30-32 第13話・進化した喜多川
>>33-37 第14話・喜多川の新球種
>>38-40 第15話・歓喜
>>41-44 第16話・協力
>>45   第17話・ムラッ気の28歳
>>46   第18話・休養日
>>47-48 第19話・大鞆の打撃師匠
>>49-52 第20話・その男、マックス・サムス
>>53-55 第21話・レイズの獰猛な鷹、マックス・サムス登場!
>>56-64 第22話・対巨人戦
>>65-66 第23話・Mr.iron man
>>67-70 第24話・死球
>>71-85 第25話・He is new read-off man
>>86-91 第26話・帰ってきた助っ人
>>92-94 第27話・怪物、天海陽介降臨
>>95-96 第28話・天性のセンス、飯田海翔復活
>>97-98 第29話・暴れ馬
>>99-111 第30話・最速の称号
>>112-115 第31話・ホームスチール!?
>>116-120 第32話・終盤戦
>>121-127 第33話・ルイスと沢村
>>128   第34話・大引のルーツ
>>129-138 第35話・決着
記事修正  スレッド終了
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/03/02 19:48 修正2回 No. 40    
       
神庭はマウンド上で慣れた手付きでロージンの粉を手に付け、息を吹きかけた。
そして腕を軽く何回か回すと、ボールを背中の後ろへ持っていき構えた。まさに本格派投手の様だ。
そして第一球目。うなりを上げてなかなかの速球がストライクゾーンを通過する。
スピードガンでは141キロだが、神庭の球は手元に来てからホップするかのように伸びる。相手打者にとってはかなり打ちにくい球だった。

ストライク!

第二球目、神庭は容赦なくストライクを取った。キレのいいカミソリの如き速球。カウントは2ボール2ストライク。
神庭はマウンド上で手首を回すと、大きなフォームから第三球目を投じた。
しかし、この球は1,2球目の球と違いまぎれもなく遅い。しかし、打者の手元から不規則な変化になった。ナックルだ。
しかし神庭のナックルは一味違った。変化量が普通のナックルに比べて大きい。パームとナックルの中間だ。
6番打者の井上は、タイミングを大きく崩された。しかし、バットコントロールには定評がある井上は、辛うじてバットの先端へ当てると、
隆浩の守るライト方向への犠牲フライを打ち上げた。
「隆浩―――ッ! バックホ―――ム!」
大引が叫ぶ。隆浩はその言葉をはっきりと聞きとると、振りをつけるために後方へ3歩下がり、前に走りながらキャッチングした。
3塁走者阪田はすかさずタッチアップ。隆浩も自分の力を出し切ってホームへ返した。
「行けぇ―――――ッ!!」

ビシュッ!!

隆浩の気合いを込めた送球は弓のような軌道を描いた。大引はその送球をベース上で捕球し、思い切りタッチした。
とてもきわどいクロスプレーだ。セーフと言ってもアウトと言ってもおかしくない。本当に微妙なタイミングだ。そんな中出た判定は・・・

アウト! アウトォ――――!

隆浩は刺した。ベンチからはまるで優勝したかのようにチームメイト達が飛び出て来た。
(やったな隆浩・・・もうお前は立派な1軍のレギュラーだ)
清水が心の中で言うと、微笑みながら大声で言い放った。

「ナイスプレー隆浩!」
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/03/04 18:06  No. 41    
       
〜第16話・協力〜
隆浩の刺殺によりピンチを逃れた広島カープ。しかし、喜多川は気落ちすることなく先頭の飯田をセカンドゴロに打ち取った。
そして2番の御村に打順が回る。今日ここまで無安打の御村だが、今までの3打席で投球パターンを掴みかけていた。
そして第一球目、喜多川は強気で真ん中低めのストレートを投げた。御村はその好球をきれいに弾き返すつもりだったのだが、
手元で伸びてくる喜多川の速球に対しなかなか前へ飛ばすことが出来ない。ファールチップでバックネットへダイレクトで当たるファールとなった。
喜多川は外角低め一杯にカットボールを投げる。その球はわずかにボールになり、1ボール1ストライクとなった。
(う…今のは全く手が出せなかった…。今までの配球と全然違う!)
御村は厳しい表情で頭の中でつぶやくと、何かを決心したかのように表情を変えて構えた。
喜多川は手にロージンの粉をつけると、大きなワインドアップから第三球目を投じた。
御村の賭けは当たった!前の三打席の内、すべてインロー一杯のシンカーで打ち取られている為、
四打席目も同じ手で打ち取ろうとしている!
インローにきわどく入るシンカーを御村は叩いた。レフト前に痛烈な一打を放ち、1アウト1塁となった。
そして、この試合のカギを握っていると言える3番の隆浩に打順が回る。
(御村さんのヒット…無駄にするわけにはいかない!)
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/03/13 19:02 修正1回 No. 42    
       
喜多川は間隔をあけて、第一球目を投じた。インローのきわどいコースにストレートが入ってくる。
隆浩は果敢に初球から打っていったのだが、簡単に前へ飛ばせない。バットの上に当たるファールとなった。
すると喜多川はあまり間隔をあけずに第二球目を投じた。すると、隆浩が狙っていたインコースにストレートが来た。
隆浩は全身の力をバットに込めて思い切り振った。

ククッ

しかし、それは高速のシンカーだった。そのキレは、WBC台湾代表の王建民のシンカーそのものだった。
隆浩は詰まると分かっていながら全力で振り抜いた。バットが根元から真っ二つに折れ、サード前方のゴロとなった。
隆浩は走る。もはやこれはセーフティバントと同じだ。サードは素早く捕球し、鋭く一塁へ投げた。

アウトォ!
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/03/15 15:24 修正1回 No. 43    
       
隆浩はあっけなくサードゴロに打ち取られてしまった。しかし、その間に御村は2塁へと走り、1死2塁とチャンスを迎えた。
ここで4番、現在9本塁打の大引に打順が回った。親を勇気付ける為にこのシーズンで球界記録を塗り替えようとしている、この大引に。
(隆浩…お前のアウトは決して無駄なアウトじゃない。もはや送りバントと同じだ。自信を持て!)

喜多川はインハイに直球を投じた。浮き上がるような喜多川の速球に、うかつに手出しが出来ない。
第二球目、うなりをあげて速球がインローに入ってくる。大引は辛うじてバットに当て、サード方向のファールとなった。
大引はいきなり2ストライクと追い込まれてしまった。そして第三球目…

ビシュッ!

(親父が心臓病で倒れて…俺が55本塁打を超えると誓った…。絶対に打ってやる!!)


カキィ―――――――――――――ン!!!


大引は振り抜いた。白球は空中でアーチのような軌道を描き、その白球はマツダzoomzoomスタジアムの柵を越え、
場外へと消えて行った。大引は、10本目の本塁打を、場外アーチで飾った。
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/03/24 09:51 修正1回 No. 44    
       
5番と6番が連続三振し、ついに広島1点リードで10回の裏へと突入した。
ここで打順は9番喜多川!自分で点を取り返す、まさにそのような目をして打席に入った。
(この試合…絶対に落としたくない…!)
そして神庭がセットポジションに入ったその時、喜多川の手から赤い液体が垂れた。
喜多川が凄い握力でバットを握っているため、手が切れたのだ。
神庭はワインドアップから第一球目を投じた。
低めに来たストレートに対し、喜多川は積極的にバットを振った。
ボールがバックネットへぶつかる。早くもタイミングが合っている。
そして神庭の第二球目…

カキィ――――ン!

アウトコース低めの球を喜多川は振り抜いた。白球はスタンドへ向かって一直線に飛んでいく。
ライトを守っていた隆浩はどんどんと下がり、ついにフェンスについた。
誰もが同点を確信した次の瞬間、隆浩はフェンスを登り踏み台にして飛んだ…


「放送席、放送席、ヒーローインタビューです。今日のヒーローは10回の裏に同点を阻止するジャンピングキャッチを成功させた川井選手です!」

隆浩はジャンピングキャッチを見事成功させ、神庭の渾身の投球で広島は勝利を収めたのだ。
マツダzoomzoomスタジアムには、大きなウェーブが作られていた…
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/03/24 10:12 修正1回 No. 45    
       
〜第17話・ムラッ気の28歳〜
対阪神戦の翌日、選手たちは球場に集められた。
「昨日の阪神戦は良かった! 感動した! だが、もう少し戦力が足りない気がする…そこでだ! アメリカから助っ人を獲得した!」
選手たちから拍手や歓声が上がる。そして球場に現れた米国の助っ人とは…
「…あれ?日本人…だぞ?」
飯田が目を細めて言った。そして、すぐに清水が言った。
「そう! 日本人だ!」


「えええ――――っ!?」
監督の爆弾発言に、選手は驚いた。
「28歳、大鞆一志(おおともかずし)だ!よろしく!」
(名前も日本人だ―――――!)

「ちなみに一志はニューヨークからアメリカ各地を10年かけて横断してるからな」

「…え?」
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/03/29 13:48 修正1回 No. 46    
       
〜第18話・休養日〜 (C)Gekokuzyou〜koukouyakyuuhenn〜
今日は休養日。飯田・大引・隆浩の三人は、隆浩の部屋へ集まっていた。
「今年の夏の甲子園はどこが優勝するんでしょうか?」
隆浩がまず口を開いた。
「ちょっと先の事を言ったな〜…でもやっぱ大阪桐蔭かな?」
飯田もそれにつられて話し始める。
「いや〜でもさ、甲子園にはまだ出てないんだけどな、なんか愛媛の……大洲学園…って言ったかな? 最弱最弱って何回も言われてたみたいだけどさ、捕手の樋口と投手の真田がチームに加わってからもの凄い変わったって話じゃないか。そういう所に目を向けるのもいいと思うぞ。」
大引が詳しく説明し始めたが、話が長くなりそうだったので止めた。
話を止めた直後に、なにか思い出したように飯田が行った。
「あ、そうだ! 真田って言うとSFFの改良版みたいな球を投げるやつですよね?」
「ああ。変化量はフォークと同じだが、ストレートと同じ速さで来るから分かりにくいそうだ。」
さすが大引。変化球の知識に詳しすぎる。
「そんな投手がいたんですね…一回見てみたくなりましたよ♪」
その言葉を聞くなり大引は待ってましたと言わんばかりにバッグの中からあるDVDを取り出した。そして言った。
「このDVDに大洲学園対野村高校の試合が記録されてる。」

〜〜〜〜〜〜〜〜DVD〜〜〜〜〜〜〜〜

グググッ ドゴン! シュゥ――

「直球がフォークの如く落ちたぁぁ!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「うわぁ…すげえ……」
「これがSFフォークか…」

日本の高校生の恐ろしさを知った隆浩たちであった。
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/03/30 09:54 修正3回 No. 47    
       
〜第19話・大鞆の打撃師匠〜

今日は練習。柔軟とストレッチを済ませた後はランニングだ。
飯田と隆浩、大鞆の3人は、ランニングをしながらなにやら話していた。まず口を開いたのは飯田だ。
「大鞆さんってどうして打てるようになったんですか?」
大鞆は持参していたドリンクを一口飲むと答えた。
「アメリカ横断中に外野のサムスさんに出会ったんだよ」
「横断中に出会ったんですか!? そのサムスさんって人に?」
飯田が密かに自分も横断に挑戦してみようかと思いながら言う。そして大鞆は続けた。
「凄腕の外野手なんだ。跳躍力が最高約11Mでな」
「へ〜11Mねぇ〜」

………………

「じ、11M――――!?」
時間を空けて飯田と隆浩が驚く。飯田と隆浩が得意としている時間差驚きだ。
「い、いや…11Mって言っても『およそ』だからな?正式には10M99pだよ」
「ほとんど変わらないじゃないですか!!」

〜その頃海外スカウトは…………〜
スカウト「Aye you playing baseball?(君は野球をしてるのか?)」

??「Yes,It can jump a maximum of about 11 meters. (はい。最高で11Mぐらいジャンプできます)」

(うおおっ!! こ、このような逸材は宇宙を探し回ってもなかなかいないぞ!?)

下手をすればまた外国人がやってきそうな広島カープであった…
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/03/30 17:43 修正1回 No. 48    
       
〜〜〜〜〜海外スカウトと助っ人候補の話〜〜〜〜〜
スカウト「How much are results?」
(成績はどのくらいなんだ?)

??「The batting average is 0.724. A total home run is 375. The number of total RBIs is 1340.」
(打率は7割2分4厘。通算本塁打は375本。通算打点は1340点です)

スカウト「Isn't there any intention ofplaying baseball by your coming to Japan?
(君は日本に来て野球をするつもりはないか?)

??「Is a player called Kazusi Otomo in Hiroshima?」
(広島に大鞆一志という選手はいますか?)

スカウト「Although the player was, he did what?」
(その選手は居るがどうした?)

??「It can say and is not anything.
For then, the Hiroshima Carp which needs to
enter!」
(いえ、何でもありません。では入りましょう、広島カープに!)

スカウト「Thank you!」
(ありがとう!)

こうして、海外スカウトととある助っ人選手は握手を交わした。
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/03/31 11:29 修正1回 No. 49    
       
〜第20話・その男、マックス・サムス〜
広島の練習が終わり、寮へ着いた隆浩たち。隆浩は飯田と協力し、
昨日大鞆が言っていたサムスと言う人物を探り始めた。
隆浩はネット、飯田は監督へ聞きに行った。

探し始めて30分、隆浩は有名動画サイト、『You tube』で何かを見つけた。

「通算本塁打数375本、通算打点1340点の男マックス・サムス? こ、これじゃないか!?」

早速隆浩は携帯電話で飯田を呼んだ。
飯田が寮へ到着し、隆浩の部屋へ入ってきた。
「飯田さん、多分この人ですよ! 身長2M以上、通称・レイズの鷹!」
「ああ、間違いなくこの人だな。隆浩、見てみようぜ」

〜〜〜〜〜〜〜You tube動画・『レイズの鷹「マックス・サムス」』〜〜〜〜〜〜〜

実況「Eye the 4th ball of a pitcher was given up. 」
(ピッチャー第4球目を投げた)

スカァ―――ン!!

実況「it struck! this -- complaint nothing -- lightly -- a stand -- straight line!
A hit ball just like a rifle! Is God dwelling in this man's arm!? 」
(打った! これは文句なし、軽々とスタンドへ一直線!
まるでライフルのような打球! この男の腕には神が宿っているのか!?)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「うわっ…なんなんでしょうかこの打球は…」
隆浩が顔色を変えて震えている。
「ああ…今打った打球200キロ近く出てたぞ…」
飯田もあまりのショックに顔色を変えていた。
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/04/02 14:46  No. 50    
       
隆浩たちがサムスの凄さに驚いていた頃、清水の元に海外スカウトから電話がかかってきた。
清水はすぐに電話を開くと耳にあてた。
「どうかしたか?」
「監督! また広島に来る事を希望している助っ人選手を見つけました」
清水はまたか、と思いながらも聞いた。
「その選手の名前は何だ?」
「マックス・サムス外野手です」
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/04/02 19:14 修正1回 No. 51    
       
〜〜〜〜隆浩の部屋〜〜〜〜AM5:00
「暇だ〜。なんか無いのかな話題は…」

「「次のニュースです。広島は今日、新外国人助っ人の獲得を発表しました」」

「えっ!? ま、マジで!?」

隆浩が驚いて缶コーヒーを一口飲んだ瞬間に飯田から電話がかかってきた。

『隆浩、聞いたか今のニュース。新外国人助っ人だって』

「はい、聞きましたよ。なんでも40代後半だそうです」

『よ、40代後半!?』
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/04/07 11:30 修正1回 No. 52    
       
『そ、それは本当なのか?』
隆浩はテレビを見ながら答えた。
「はい、確かに跳躍力約11Mのマックス・サムス選手は47歳です」
『す、凄え選手生命だ…』
「飯田さん、凄いのは選手生命だけじゃないですよ」
『え?』
「確かにサムス選手は40代後半ですが、野手能力は2・30代とほぼ変わらないんです!」
『はあ!?』
〜その頃、空港では〜
「This is Japan or….(ここが日本か…)」
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/04/08 13:56 修正1回 No. 53    
       
〜第21話・レイズの獰猛な鷹、マックス・サムス登場〜
休養も終わり、巨人との3連戦が始まった。巨人が誇る大砲井浦美依斗は、
バントのスキルや守備力を上げて待ち構えている。
巨人との3連戦、果たしてどちらが強いのだろうか。

〜〜〜〜〜〜選手ロッカー〜〜〜〜〜〜
ここは広島カープの選手ロッカー。選手たちはユニフォームに着替え、アップの時間を待っていた。
ガチャッ!
「あ〜みんな、注目!」
清水監督が出入り口のドアを勢いよく開け、咳払いをして続けた。
「今日から新しく入った助っ人外国人選手を紹介する!」
「…監督……チームの契約金大丈夫なんですか?」
飯田が心配そうに言うが、それも制してさらに続けた。
「この中じゃあ最年長になるがな、47歳の現役ってお前たちは信じれるか?」
選手たちは首を振ったり、それはないだろうとつぶやいたりしていた。そして、清水は多少笑いながら言った。
「だがな、47歳の現役は実在する! しかもここにいる!」
(ここにいるって当たり前だろ…助っ人紹介するために連れてきたんだから…)
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/04/09 09:57 修正2回 No. 54    
       
「その名も、通称・レイズの獰猛な鷹、マックス・サムスだ!」
清水が言い放つと同時に、ロッカーの中に1人の大男が入ってきた。
「サ、サムスさん!」
大鞆は当然驚いた。自分のバッティングの師匠であるマックス・サムスが、自分を追いかけて広島に来たのだから。
「Oh! 久しぶりだな! カズシ!」
サムスは豪快に笑いながら大鞆の肩を叩いた。
「オレの名前はマックス・サムス! 気軽にマックスとでも呼んでくれ!」
サムスは自己紹介をさっさとし終え、早速チームに加わった。
「日本語喋れるんですね〜」
「ああ、一応ベンキョウしてきたからな!」
早くも飯田とサムスは打ち解け始めている。
マックスは日本語で喋れるが、ところどころ違和感があるようだ。
それに、「矛盾」や「臥薪嘗胆」など、あまり難しい漢字や四字熟語は知らないことが多い。
だが、外国人からすればかなり知っているほうだ。
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/04/17 16:41 修正2回 No. 55    
       
「このスタメンで行くぞ!!」

1・中・飯田 7本
2・遊・御村 2本
3・右・隆浩 4本
4・捕・大引 10本
5・三・岡本 8本
6・一・石井 7本
7・左・サムス 0本 new!
8・二・原田 0本
9・投・工藤 0本
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/04/18 21:15 修正1回 No. 56    
       
〜第22話・対巨人戦〜
久々に巨人と試合をするカープ。選手全員がアップを終え、1塁側ベンチで今か今かと試合開始を待っていた。
「そういえば久々に井浦を見た気がするなぁ」
投手コーチの健太は懐かしく思いながら、興奮したのかバッターボックス上でマエケンダンスを披露した。
久々にマエケンダンスを目にしたカープ側のスタンドは拍手喝采。隆浩や飯田も、それにつられるかのように拍手を送った。
マエケンダンスを終え、健太がスタンドへ向けて手を振ってベンチへ戻ってきた。
「健太のマエケンダンスを見たのは何年ぶりかな…」
大引が懐かしく思いながらも健太に近寄り、良かったぞ、と言ってブルペンへ向かった。

ブルペンでは工藤が半分呆れ顔で待っていた。
「もう大引さん! 早く受けて下さいよ〜」
大引はすまんすまんと言いながらミットを取り出し、早速サークル内で腰を下ろした。
足を上げて工藤が腕を振る。150km/hは出ているであろう剛速球が大引のミットに収まる。
工藤は好調だ。それは近くで見ていた健太も確信していた。
ブルペンで球を受ける事15分。試合開始の時間があと10分と迫り、大引と工藤は肩慣らしを切り上げてベンチへ腰掛けた。
試合開始の時間は刻々と迫る。試合開始まであと5分…
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記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/04/25 18:36 修正3回 No. 57    
       
「そういえば隆浩、お前今本塁打数いくつだったっけ?」
大引が隆浩にぼそっと呟いた。
「4本ですよ。なんか調子が上向きみたいなんで…」
「じゃあ今日8本まで上げようか」
大引と隆浩の間に長い沈黙が訪れた。そしてすこしして隆浩がやっと口を開いた。
「は、8本って無理ですよ! 一試合に4本なんか打てませんよ〜」
「ははは、冗談冗談! ま、自分のペースでやれ」

こう言ったように試合開始までは冗談話などでカープベンチは盛り上がっていた。
そして、ついに時刻は1時になり、先攻ジャイアンツで試合が始まった。

『1番・センター、長野』

ジャイアンツ先頭の長野がバッターボックスへ入り、足場を均して構えた。
先発の工藤。今シーズンは3勝1敗。自身の調子もなかなかの好調であった。
そして第一球目。長野の体めがけてかなり速い球が来た。
(うわっ! 当たる!)
しかし、これは工藤の持ち球のカットボールである。投手と打者の中間地点で曲がる球だと気付いた長野は、
多少のけぞりながらも体制を立て直して内角のカットボールを叩いた。
そして、持ち前のバットコントロールでサムスの守るレフト線のライナーを打った。

カァン!

「サムス―――ッ! 頼む――――ッ!!」
大引が懸命にサムスに向かって叫んだ。だが、明らかに捕るのは不可能に近い。
しかし、ここが正念場だ。最年長の意地とプライドを賭け、思い切り走る。
だが、いくら意地とプライドがあっても引力を無くせるわけではない。
どんどんボールと地面が近寄ってくる。球場の多くのカープファンが「これはもう捕れないな」と諦めかけた次の瞬間、
サムスが思い切り横っ跳びをした。
「うおおおおおッ!!」
約10Mの跳躍力を持つサムスの横っ跳びは、ライナーの軌道を描き、
遠かった打球をいとも簡単に捕球した。その瞬間、一塁側の赤一色のスタンドから嵐の如く大歓声が起こった。
『捕ったぁ―――!! 広島の新戦力サムス、持ち前のジャンプ力で不可能と思われた打球を捕ったぁ―――!!』
球場の誰もが見たことのないほどのダイビングキャッチに興奮していた。
記事修正  削除

記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/04/26 20:29 修正1回 No. 58    
       
工藤は1回表を三者凡退に切って取り、かなり調子がいい事を見せつけるかのような顔でベンチへ戻ってきた。
「調子、いいな」
大引が工藤の肩をポンと軽くミットで叩き、頑張れよ、と一言言ってからベンチへ座った。

そして一回裏、カープの攻撃は、1番、センターの飯田。
今季はすでに7本塁打。かなり調子がいいようだ。
相手投手は相川。球界1のドロップカーブと落差抜群のパームが武器の投手。
(飯田は一発もあるからな…ここはまず外角低めやろ)
第一球目、真ん中高めから外角低めへ速く、かつ大きな変化のドロップカーブが投じられた。
飯田のバットは空を切り、ボールはミットの中へ収まった。
(す、すげぇ変化だな…こんなの連続して投げられたらひとたまりもねえぜ…)
飯田はゾッとしながらも、何とか打ってやろうとバットを構えた。
(よし、行ける。次は内角高めにストレートやな)
第二球目。足を上げて速い腕の振りからなかなかの速球が繰り出される。

ズバ――ン!!

ボール

飯田はスピードガンを一目見てからバットを2,3回振り、再び構えた。
(148キロか…それに加えてドロップカーブ。緩急をつけての高レベルなピッチングをする奴だな…)
そして相川は、ロージンの粉を手に付け、大きく腕を回して第三球目を投じた。
記事修正  削除

記事閲覧   Re: プロ野球・鯉の陣!U  名前:広さん  日時: 2013/04/26 21:16  No. 59    
       
ドロップカーブが飯田の内角をえぐり、飯田は1ボール2ストライクと追い込まれた。
(よっしゃ! ほな行くで、俺の決め球を!)
相川はニヤリと笑みを浮かべ、セットポジションから第4球目を投じた。

「な、なんだあの球は!?」

相川の第4球目、カープベンチは騒然となった。
高め、完全ボールコースに90km/hほどの遅球が山なりの軌道を描きながら来たのだ。
高すぎてボールのコースとはいえ、あまりの遅さにゾッとした。だが、
(お、遅い…だがなんだ? なぜかこのまま外れる気がしない…本当にこの90キロ余りの遅球が高めに外れるのか…?)

ググッ…

シュルシュル…

飯田の嫌な予感は当たった。いや、当たってしまったと言うべきか、高めの完全ボール球が大きく落ちてきたのだ。
日本球界で緩急を付けるときに広く用いられる『パーム』だ。

グググッ!

「なっ!!」

しかも、低めのコースまで落ちてきた。この変化は、現中日ドラゴンズの倉田態の変化と瓜二つだった。

パッシ―――ン!

ストライ――ク! バッターアウト!
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