個別記事閲覧 Re: プロ野球・鯉の陣!U 名前:広さん日時: 2013/12/10 18:19 修正2回 No. 97
      
〜第29話・暴れ馬〜
広島の選手達は明日の試合に向け、マツダスタジアムで練習を行っていた。
「あ、暑い……」
隆浩はランニング20周の時点で早くもダウン寸前であった。
「どうした隆浩、7月はまだ始まったばっかりなのにそんなのでへばってたら試合で使ってもらえないぞ?」
と飯田は暑さをまったく感じさせない清々しい表情で言った。
「この後は打撃練習だ。とにかく、あと2周だから頑張れ」
と、飯田は早くも20周を走り終えてベンチへ戻った。そしてこのあと、隆浩もようやく走り終えた。

そしてバッティング練習。大引の豪打は早くも柵越えを量産。飯田のバットコントロールも光っていた。
隆浩は、そんな2人に負けまいと必死に打ったが、暑さのせいか打球が伸びなかった。とそんな時、
「力んどるぞ川井!」
いきなり背後から指摘され、振り向くとそこにはごっつい胸板の男が立っていた。
「肩の力を抜け、そして素振りと同じ感覚でボールに合わせるんだ。そんな基本的な事をもう忘れたのか?」
この男、高橋一峰(たかはし かずみね)。暴れ馬と言う異名で豪快なアーチを描く選手兼コーチである。

個別記事閲覧 Re: プロ野球・鯉の陣!U 名前:広さん日時: 2014/06/21 16:30 修正1回 No. 98
      
「その力みがとれんのなら……俺と一緒にスタジアムの外を20周ほど走るか?」
そう言って鋭い目で睨んでくる。
冗談じゃない! スタジアム内でのランニングでさえ死ぬほど大変なのに、スタジアム外を20周だなんて無茶だ。
「わ、分かりました」
そして一旦打席を外し、大きな深呼吸を3回。すーはー。
肩を回して、自然体に近い形で楽に構える。
その構えのまま、いつもの素振りを打撃投手の球に合わせ、振り抜く。
バットに当たったボールは、先程までとは比べ物にならない程に伸びていった。
「周りの奴らが簡単に打ってるだけあって焦るのも分からんものでもないがな、力めば力むほど打球ってもんは伸びねえぞ」
そして、ドヤ顔でベンチに入って行った。