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「いけそうだな」 監督への報告を済ませた高谷慎之介は、廉の隣に腰を下ろすとそう言った。 「配球は予定通りだ。基本的に左連中への決め球はシンカーだけど、序盤成田には『まっすぐ』を使う。なるべく温存する代わり、投球練習で放らせるからな。そこで感覚確かめとけよ」 再び廉の胸に安堵が染みわたる。不安の影はどこにもなかった。勝とうね、喉まで出かかったその言葉は、球場に沸き起こった歓声に気圧されてしまった。マウンドに成田が現れたのだ。 「あとはあいつから点を取らなきゃな」 成田が大きくワインドアップ、ゆったりとした動作が「臨界点」を超え、急加速して体重が指先に乗る。低めのストレート。炸裂音を響かせたミットはピクリとも動かなかった。それは投手なら誰もが欲する音。そして廉にはない豪速球の音だった。 「呑まれんなよ」 レガースを外し終えた慎之介が察したようにそう言った。 「野球は球速で競うスポーツじゃない。俺たちはそれを証明してここにいるんだ」 今の廉には、豪速球を前に自己を卑下する認識はない。ただ、依然としてそこには憧憬が居座っていた。 球速と制球力の間にあるトレードオフを無視するという条件下においては、球速に対する渇望は単なる感情論に留まらず、合理的なモチベーションである。なぜなら球速と奪三振率は正比例する。そして三振は最も安全にアウトを奪う手段である。 しかし、そういった教科書の内容とは無関係に、廉にとって速球で空振り三振を取ること、それは変化球でかわすこととも際どいコースを突いて見逃しを奪うこととも違う特有の快感であった。廉の脳裏に先程の打席が映像となって蘇る。緩急だけで取った小手先の奪三振ではない。高めに投げ込まれた白球は、速球のタイミングで振ったバットにかすられもせず、ミットに収まったのだ。
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