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140キロの速球はコツを掴んできたとは言え、2年ブランクのある俺にとっては、当てるのが精いっぱいのものだった。 実際、さっきから凡打性の当たりばかりで純粋にヒットと言えるような打球は打っちゃいない。 それに、さっきはカーブを打ったとは言え、ランダムで10球中3球交えられる変化球にも対応しきれていない。 「次が……最後か」 自分に言い聞かせるようにして呟く。 10球1セットのマシンだ。変化球も3球……カーブ、スライダー、シュートの3球種を1球ずつ投げているから、次は直球しかない。 無意識に、バットを今まで以上にしっかりと握った。 マシンのアームから、ボールが放たれる。 当たれ……! 一瞬だけ視界に入ったボールに向かって、渾身の力でバットを振りぬく―― 「ありがとーございましたー」 店を後にする俺と香の背に、棒読み気味の挨拶が投げかけられていた。 アルバイトだろうか、同い年くらいの少女が、店に入った時に居たおじさんと店番を交代していたらしい。 5時前ごろ、日は結構落ちてきていて人通りも帰宅する人で多くなっていた。 「ったく、お前はすげえ奴だ」 鼻高々と言った様子でそう言いながらバシバシと背中を叩いてくる香。痛いから叩くにしても力加減を考えてほしい。そう思って苦笑しながら、俺は右手に持った物、『ホームラン賞』と書かれたちゃっちい作りののトロフィーを見る。 「本当に2年もブランクがあるのか? 140キロのボールに1球見ただけで当てるわ、変化球にも対応するわ、最終的に140キロを俺が出来なかったホームランの的にぶち当てやがるとはなっ」 香はさっきから興奮気味だ。このテンションはどうも、シニアの頃を思い出す。 「決めた!」 少しボリュームを上げた声で、また真剣な顔をした香。 「お前をもう一度野球に引きずり込むぞ。テスト週間が終われば、俺と一緒に野球部に入部、だな」 にやりと笑う香を見て、俺は背筋が凍るような感じがした。 ……染谷香という少年は2年前からかなり諦めが悪いと言うか、負けず嫌いでかなり執念深い奴だということを忘れていた。 “アレ”がまた始まるのかと思うと、少し憂欝な気分になる。 俺は野球を、もう一度したいのだろうか? 本当の気持ちは、まだ分からないままだ……
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