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駅前で香と別れた俺は、歩いて15分もかからない家まで帰る。腕時計を見る限り5時13分くらいで、ちょうど仕事から帰ってきたのだろう。ツードアの赤いミニクーパーから出てきた母さんと鉢合わせする。 「翔真、今日はどこかに行ってたの?」 普段の俺ならこの時間は家で栞とゆっくりくつろいでいるので、それを知っている母さんが何か疑問に思うのは当然のことだろう。 「いや……転入生がシニアの頃の知り合いだったんだ、道案内とかしてたら、ね」 「あら、そうだったの。ちゃんと勉強してるから、今日くらい遊んでいてちょうど良いんじゃない?」 少し茶目っ気のある笑みを見せる母さんに黙って苦笑を返す。 “シニアの知り合い”という部分に触れてこないと言う点は、俺にとってとてもありがたいことだった。 「お兄ちゃん、今日は何かあったの?」 リビングに入るや否や、ソファに座る栞が読んでいるファッション雑誌から目線だけを俺の方に上げて、訊いてきた。 母さん同様、栞も疑問を持っていたらしい。 「転入生が知り合いだったから道案内をしてたんだよ」 俺が少し素っ気なく返すと栞はそっか、と言って特に何も訊かなかった。 「だってお兄ちゃん人が良いもん、それぐらいしてたって不思議じゃないからね」 すべてお見通しと言わんばかりの表情で栞は言う。……たまに栞が俺の妹とは思えない時がある。低血圧で寝ぼけてる朝とかは可愛らしいと思うけどな。 「あ、そうそう知ってる? お兄ちゃん。愛知県のどこか高校の監督が暴行して辞めるらしいよ」 「愛知って、協栄高校か?」 「あ、そこだよそこ! そこの監督らしいよ」 テレビを点けるとちょうどスポーツニュースのコーナーだったらしい。“協栄高校の佐伯監督、暴行で退任”というテロップがスポーツキャスターの下に出ていた。 『この度は本当に申し訳ありませんでした』 常套句を言って、無数のフラッシュの中頭を下げる背広姿の年配の男性(多分学校のお偉いさん)と左隣に同じく頭を下げる、白髪が混じった中年男性が映る。この白髪交じりの男性が協栄高校野球部監督、佐伯雅治その人だ。 鋭い眼光を宿した切れ長の眼が、今は不思議ととても弱々しく見えて、甲子園での威厳ある姿が嘘のように思えるそのシーンの後、昨季の夏の甲子園の映像が幾つか流される。 ……お、香が写ってる。 西東京代表の羽生田実業と対戦した時の映像だった。 背番号10番を付け、1年生ながらその試合を投げ抜いた香が映る液晶に、俺はしばらく見入ってしまった。
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