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ザッ、ザッ、と俺は左バッターボックスの無機質な地面を掻き、手には2年前に使っていたプロモデルより作りが荒く軽い金属バットを握る。 2年もバットを握っていないと、手馴れていたはずの動作も少しぎこちなくなるな。 コインを入れて、俺は半ば睨みつけるようにして、目の前に佇むマシンを見た。 鉄製のアームがゆっくりと、焦らすように引いて行く。 俺は今日ここに野球をやりに来たわけじゃない。140キロなんて、2年もブランクのある奴に、打てるはずがないだろ。 心の中でそう囁く自分と、心のどこかで打ってやると息を巻く自分が居たような気がした。 それは一瞬だった。 目の前を白い線が奔ったかと思えば、もうボールが壁に激突しているのだ。 おいおい、めっちゃくちゃ速いじゃねーか! 「おい翔真、振らねーと当たんねーぞ!」 後ろから香が少しだけ声を荒げて言ってくる。俺だって、そんなことは分かっているよ。 しかし、140キロってこんなに速かっただろうか。片目でしか見えていないからか? もう1球、続けて140キロが白い筋を描く。ほぼ勘に近い感覚でバットを始動させた。 先の方に当たって、少し情けない甲高い音と共に軟球が転がる。 ――当たった! 少し痺れるような感覚が腕に残るが、それでも当たったことに変わりはない。 シニアの頃、スイッチヒッターでどちらかと言うと右のほうが力はあった。が、今はミート重視の左に可能性があるかもしれない。 それに、左目が使えない今、右目が前に出る左の方が少しでも捉えやすいかも。今はそれを信じるしかない。 しかし、直球だけがこのマシンの球種ではない。 案の定、次にマシンが投じたボールは緩い弧線を描いて、俺に向かうように曲がってくる。 これは……カーブだ! 球速自体は直球と30キロ近い差があって遅い。 元々変化球のことも頭に入れていたので、今度はタイミングを合わせるようにして打つ。 マシンよりやや右、引っ張った方向に転がる。 ヒット性の当たりだが、これは実際だとセカンドゴロになるな。 もっと打ちたい―― 眠っていた気持ちが溢れ出したような気分だった。 俺は今だけは。坂本翔真だったあの時の俺に戻っているような気がしていたのだ…………。
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