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記事閲覧  ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前: ファイター・ドクトリン  日時: 2018/01/28 19:00    
      
 本スレッドの趣旨は以下の通りです。

 @駄弁り(不特定多数の相手を不愉快にさせる言動は控えましょう。まったりとした空間を作っていきましょう。それらの要件を満たせば、基本原則自由です。例⇒好きな動物やペットの話・等々)

 A企画立案(堅い表現ですが、要するに、皆が楽しくなるような話題や企画を思いつけば書いてみてください。例⇒パワプロリレー小説・サクサクセス王者決定戦復活・等々)

 B来る者拒まず、去る者追わず(言葉通りの解釈でダイジョーブです)

 ただ、様々な意味での荒らし行為はお控えください。

 当分は、寓話投稿に専念するぞ。

 レッツ・サクサクセス!
記事修正  スレッド終了
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイタースマホ  日時: 2018/01/29 18:58  No. 1    
       
始めに投稿する寓話を決めたぞ。

いづれに。
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/01/30 21:58 修正5回 No. 2    
       
 【題】ソクラテスのパラドックス

 今は昔,ペロポネソス戦争の最中にあった古代ギリシアでの話でございます。

 その当時は,都市国家アテネを首班とするデロス同盟と,同じく都市国家のスパルタを中心とするペロポネソス同盟が矛を交えていました。最初の頃は,デロス同盟側がやや優勢だったものの,であります。アテネで疫病が蔓延したり,せっかくスパルタ側が停戦を申し込んできたにも関わらず、好戦的な民衆を抑える力のある指導者をアテネは欠いていたので、戦争は長引くことになりました。そうであるので,やがて,戦況はスパルタを首班とするペロポネソス同盟側に有利に傾き始めていったのです。

 ……,さて。その最中にあるアテネに、名のある一人の哲学者がおりました。巷では知らぬ者はいない,ソクラテスという者です。

 彼は,「汝自身を知れ」とか「無知の知」とかいう言葉を使う「問答法(助産術)」という方法を使って多くのソフィストを追及していきました。ソクラテスの前に,アテネで名をはせていたソフィストたちは,黙りこくるしかありませんでした。ソクラテスは最後にはいつもこういっていたようです。「私は何も知らない。しかし,貴方たちは何も知らないことを知らない。その意味では私の方が貴方たちよりも優れている」と。こうして,ソクラテスは弟子を増やしていくことになるのです。

 ……,能書きはここいらで終わらせておきましょう。

 この話の始まりは,疫病の騒ぎがまだ収まりきっていなかった頃のアテネでのある日のこと。ソクラテスがアポロ神殿で,神々に対して祈りをささげているところから始まります。

 神々の像の前で、ソクラテスは祈りながらぶつぶつとこう言っていました。

「神々よ,今アテネは歴史上最大の危機を迎えております。疫病が蔓延し,多くの民が苦しんでおります。一方の政治家たちは,そのような民たちを顧みず,権力に溺れ,戦争をやめようとしません。私は思うのです。彼ら指導者には『無知の知』が足りないのです。『汝自身を知らない』のです。私は,そのような者どもよりも優れています。何故ならば,私は私自身,何も知らないことを知っているからです。私は,世の中を正したい。神々よ,そのような私にお力を添えて下さいませ……」

 その刹那でございます。
 
 以下に続きます。
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/01/30 22:28 修正1回 No. 3    
       
「……,ソクラテスよ,聞こえるか,ソクラテスよ……」

 神々のお声が,神殿に響き渡っているではありませんか。

 ソクラテスは天を仰ぎながら,神々に返事をしました。

「おお,アポロの神様! 私めにお力を与えてくださいますでしょうか……」

 神々は,言われました。

「そなたが,そんなに人々よりも優れていると自負しているのならばだ。我々に考えがある。そなたに力を与えるべきがどうかは,まだ考えねばならない」
「神々よ,何をなさるのですか」
 ソクラテスのその質問から,神々は間髪入れずにこう言われました。
「明日になれば分かる。今日はもう家に帰りなさい。そなたの悪妻が,腹を立てて待ち構えているだろうから……」
 ソクラテスは背筋が寒くなりました。

 さて,次の日のことです。

 ソクラテスはこの日も,弟子たちを交えながら,人々に対して能書きを垂れていました。……,にしても,まだ市内では疫病の問題が収まり切れていないので,アテネの民たちは,ソクラテスの理屈っぽい話に付き合うことが出来るほどの余裕はありません。そうであるので,つまらない顔をするソクラテスです。ソクラテスは,市内をぶらぶらと歩きます。そんな時でした。

「……,ん……,なっ,なんだ,どういうことだ!?」

 ソクラテスは,思わず驚きました。指をさしました。

 ソクラテスの目の前には,ソクラテスとうり二つ,分身のような人間が,同じように,びっくりした顔をしながら,こちらに指をさしているではありませんか。

「君は誰だ,私は私以外にいるはずがないっ!」
 すると,目の前にいるうり二つの人間もこう言いました。
「それはこっちのセリフだっ,何で私以外に私がいるのだっ!」

 二人はそのまま口論になってしまいました。

 そうこうしているうちに、その騒ぎを聞きつけた民衆がぞろぞろと集まり,二人のソクラテスを囲んでしまったではありませんか。

 ソクラテスは,そこでようやく悟りました。目の前にいるもう一人のソクラテスに語り掛けます。
「そうか,分かったぞ。お前は,アポロの神々がお作りになった私の分身だな。神々は私をお試しするために,お前をお作りになったのだな!」

 以下に続きます。

 
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/01/30 22:56 修正7回 No. 4    
       
「その言葉、そっくりそのまま返させてもらうぞ,偽者めっ!」

 結局そのような言葉のやりとりになってしまいます。これでは収集が付きません。周りが更に市民たちによってざわつきます。ソクラテスは決めました。

「そうだ,では,どちらが本物のソクラテスか,それもどちらが『無知の知』を知っているか,勝負しようではないか」

 目の前のソクラテスも,「はっはは!」と笑いながら言いました。

「受けて立とうではないかっ!」

 二人のソクラテスは火花を散らします。
「では,偽物であるお前に問おう。お前は,何故自分がソクラテスであるといえるのか」
 目の前のソクラテスは間髪入れずに返します。
「それはこちらのセリフだ。そもそも,お前は何をもって自分がソクラテスであるといえるのか」
 ソクラテスは即答します。
「それは簡単。ソクラテスと呼べるものは私しかいないからだ」
「そうか,ならば,お前は自分の無知を知らないようだ。お前は,自分が偽者のソクラテスであることを知らない。その意味でお前は自分が無知であることを知らず,そっくり返っている。それ故,私の方が優れているから,私がソクラテスであるのだ」
「その虚言,そっくりそのまま返させてもらおう。お前は,自分が偽物であることを知らない。その上で能書きを垂れている。お前こそ,『汝自身を知れ』。分かったか!」
 さぁ,これでは収集が付きません。そこで,二人は論題を変えることにしました。
 ソクラテスは一枚のパピルス紙を取り出しました。
「これは,見ての通り紙である。さて,お前に問おう。これは完全無欠の平面であるといえるか?」
 もう一方のソクラテスは瞬時に言葉を返します。
「お前は,本物のソクラテスならば,このようなくだらない質問はしないはずだ。そもそも,この世には平面というものは存在しない。皆,何かしらの立体なのだ。紙にも,微細ながら,『高さ』があるではないか」
「そうか,知っているならばよい。しかし,腹立たしいのは,私こそが本物のソクラテスであるのに,お前は,私の質問を,「くだらない」と一蹴した。もしお前が本物ならば,そのような口答えはしないはずだ。そもそもである。『くだらない』とは,如何に定義されているものなのだろか,そなたに訊きたい」

 続きます。
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/01/30 23:17 修正5回 No. 5    
       
「なんだ,そのくだらない質問は。そもそもである。『くだらない』という日常でありふれている言葉の意味について,その定義について,わざわざ論題に挙げることが私には不思議に思える。お前は『くだらない』という言葉の意味を日常において心得ているのか,それともそうではないのか。心得ていないのならば,お前は結局何も知っていないのではないか。これこそ,『エイロネイア』だ!」ソクラテスは,せせら笑いながらそう言いました。
 それに対してソクラテスは反論します。
「君はエイロネイアという言葉の用法を心得ていない。私は何もくだらない質問をしてはいない。そもそも,お前は私の質問に答えることが出来ていないではないか。それこそ,エイロネイアではないか」ソクラテスは高笑いです……。

 ……,さてさて,ここいらで,読んでいる皆さんは頭がこんがらがってきていると思います。どっちがソクラテスなのでしょう。どっちがどっちなんでしょう。どちらがソクラテスであるべきなのでしょう。一体どちらが自分自身を知っていて,「無知の知」を知っているのでしょうか……。

 二人のソクラテスの議論は,延々と続きました。日が暮れてしまいました。そんな二人の能書きを聞いていた周りの聴衆の目は,大変白かったそうです……。

 そうこうしているうちに,もう一方のソクラテスは,気が付いたら姿を消してしまっていました。

 ……,ん? どっちのソクラテスが消えたのでしょうか。結局どっちがどっちなのでしょうか。どっちも本物だったかもしれず、どっちも偽物であったかもしれません。ソクラテスは,途方に暮れてしまったそうです。

 後々の話になります。人望を失い,弟子にもそっぽを向かれたソクラテスは,アテネ国家の秩序を乱そうとしたという罪に問われ,毒杯を仰いで自殺しました。みとったのは,悪妻だったそうです。

 ……、やれやれ,なんともはや。これは典型的なパラドックス,逆説の話です。このお話は勿論,史実に反しています。けれども,皆さん,私も哲学を学ぶものとしてつくづく思うのですが……。「無知の知」ってのは一体何なんでしょうかね? 考えれば考えるほどに堂々巡りになってしまって,私は困ってしまうことがよくあります。その度に、思考停止になってしまいますよ。

 続きます。
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/01/30 23:22 修正3回 No. 6    
       
 最後に,これだけは述べておくべきでしょう。

 堂々巡りほどに,タチの悪い「逆説(パラドックス)」はありませんよね。

 ……,プラトンには出る幕はありませんでした。出す必要性がないのです。

 この話はこれで終わり。

 終
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイタースマホ  日時: 2018/01/31 13:01  No. 7    
       
さてと、たった今、今回の寓話の文章をあらかた修正し終えたぞ。

またミスを見つけ次第、その都度直すだろう。
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/02/01 20:31  No. 8    
       
 次に書く寓話を決めた。

 いづれに。
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/02/02 19:35  No. 9    
       
 ……、……。

 う〜ん、Windows10のアップデートを許可しているのに、なかなか再起動にならないんだが……。

 これでは新しい寓話を書き上げるタイミングがつかめないじゃないか……。

 いつ再起動がなされるんだろう。
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/02/02 20:02  No. 10    
       
 勘を働かせて手動でやってみたら、どうやら大丈夫になったようだ。

 これで書くことが出来るかな。
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/02/02 20:47 修正5回 No. 11    
       
 【題】悪僧と博学者

 今は昔。天保(てんぽう)の頃の日ノ本での話でございます。老中の水野様が天保の改革を執り行っていた最中。そして,西洋列強の大きな軍艦が,度々日ノ本を訪れて,通商を求めてきていた時代であります。その頃はちょうど,大国である清国と小さな島国であるイギリスとの間で戦争が始まりそうな空気も漂っていました。

 そんな中です。ある町に,とても性格が悪い和尚様がおりました。どれくらい悪態かというと,例えば。仏道修行であると言っておいては,弟子の僧侶たちに庭中を掃除させます。そこまでは普通です。問題は,弟子たちがひいコラ言って,頑張って動き回っている間,和尚様は掛け軸の裏に隠しておいてある,とても甘〜い水飴がいっぱい入ったツボをこそこそと取り出しては,したり顔をしてぺちゃぺちゃと舐めるのです。
 ……,うむ。これだけであれば,まだかわいいもんでしょう。
 その和尚様,小僧たちにお経読みの練習をさせているときなんかは,特に読み間違えている訳ではないにも関わらず,何かと難癖を言っては,そう,例えば「なんだお前は,こんな簡単なお経もいまだに読めんのかっ!」と叱りつけて,平手でベチベチと強く小僧の頭をひっぱたくのです。
 更には,またある時にはです。腹いせのために,小僧の一人が木魚をいたずらしたと濡れ衣を着せて,兄弟子たちに尻を引っ叩かせたこともあります。うむ。実はです。その兄弟子たちは,その子は何もやっていないことはしっかりと分かっていました。けれども,あの悪和尚のことです。今度は自分たちに何かしでかすかもしれないと思っていたのです。弟子たちの間でも疑心暗鬼になっていますので,言うことを聞かないわけにはいかなかったのですな。
 ……、他にもその憎たらしい和尚様のことをつつけばつつくほどボロが出るのですがね。キリがなくなってしまってうんざりしてしまうでしょうから、ここまでにしておきましょう。

 ある寒い日のこと。和尚様は,巷ではとても名がある若い博学者を寺に招いていました。
 その若い学者は,まだ数え十八にも満たぬ歳でありながらです。歌学,漢籍,朱子学,陽明学,国学,蘭学,天文学,数学,などなど,多くの学問に精通しているのです。

 以下に続きます。


 
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/02/08 21:15 修正6回 No. 12    
       
 さて。ここいらからは,二人が茶の間で談じている様子をのぞいてみることにいたしましょう。昼時のことです。

 和尚様は,若学者に熱いお茶をつぎながら話しかけます。その和尚様は,大変わざとらしいほどにうやうやしいご様子。
「さてと,啓雪殿。寒うございますな。今日はお茶を飲みながら,ごゆるりとなさい。何なら,悩みごともお聞きいたしますが故」
 若学者の名前は,内藤啓雪(ないとう・けいせつ)と言います。そして,和尚様の名前は……。
「かたじけのうございます,法任(ほうにん)和尚様」
 啓雪は,和尚様にそう返事をしながら,お茶を一口飲みました。
「……,さてさて,啓雪殿は,大変幅広い学問に通じておられるご様子。それがしが,今日そなたをこの寺にお招きいたしましたのは,一度,そなたの学のあるお話を聞きながら,共に談じてみとう思ったからでござる」
 和尚様,口調が更にうやうやしくなっております。わざとらしいほどに。
 啓雪は,一呼吸置きながら返事をします。
「左様でござりまするか。それがしも,和尚様のありがたいお話を拝聴できるとなると,とてもありがたく思う次第でござる。それがしは,まだ元服いたしましてからは,数年ほどしかたっておりませぬゆえ,色々未熟なところがあると思うのでござる。至らぬ点がござりましたら,和尚様,わたくしめにご説教をお願い申し上げまする」
 法任の和尚様は,眉間をぴくっとさせました。
「……,ほう。啓雪殿,そなたのご振る舞いを一目見て感じましたが,やはり心がおきれいで,裏も表もないように見えまするな。感心致しまする。世間の評判通りでござるな」
「え……,あ,いやいや……,滅相もございませぬ,和尚様。それがしはまだまだ未熟な若造でございまする……」
 和尚様の眉間に更にしわが寄りましたが,どうにか外面は保ちます。
「……,ははは,大変謙虚な心の持ち主ですな。感心感心。では,話題を変えましょうぞ……」
 和尚様,少し座り直して。
「ここ最近は……,異国の大きな船が,日ノ本の沿岸を訪れては訪れては,通商を求めに来ているようで,それがしも大変迷惑に思うておりましてな。そなたは,どう思われるのか」
 その話を聞くと,啓雪は,自然と真面目な顔をして,話を始めました。

 以下に続きます。

 

 
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/02/21 05:46 修正1回 No. 13    
       
「和尚様。はっきりと申し上げておきます。日本は,そろそろ国を開くべきでございましょう」
「国を開く……?」
 和尚様は怪訝な顔つきです。啓雪は話を続けます。
「左様。今の世界の情勢を見てみますと,東洋の国々は,西洋の列強に食い荒らされ始めております。西洋の国々は学問が進んでおります。その結果,文物は優れ,兵器も強く,国は富み,更に国を繁栄させるために東洋を侵略して,その土地の資源を搾取しているのです。ここ最近,清国とエゲレスとの間に戦が始まりそうですが,時代遅れの老大国である清は,必ず大敗を喫することになるでしょう……」
「何を愚かな,清国は大国じゃ,あんな小さな島国にやられるはずがなかろう!」
「その小さな島国であるエゲレスがです! 今では世界の海の国々にまで版図を広げ続けているのです。強大な国になってしまったのです。いや,エゲレスだけではない。フランスや,メリケンだって……!」
 つい興奮して間髪入れずに和尚さまは反論しましたが,啓雪にこのように切り返されてしまいました。啓雪は,ふぅ、と息を吐いて,更に続けます。
「……,申し訳ございませぬ,和尚様。つい高ぶってしまい……。まぁ,我が日ノ本にとっても他人事ではないのです。これからも世界の時世は大きく動き続けますでしょう。日ノ本は,一刻も早く国を開き,西洋の進んだ文物や兵器を取り入れ,国を富ませなけれななりませぬ。そうしなければ,強大な西洋の国々のカモになり,食い荒らされることになりましょうぞ……。日ノ本には一刻の猶予もありませぬぞ……!」
 そんな話を聞いていた和尚様に,悪知恵が浮かびました。
「啓雪どの,そろそろお茶を継ぎ足しましょう」
 和尚様は,湯飲みにお茶を入れ始めました……、が。なんと。
「和尚様,入れすぎでございますぞ,あふれておりまする!」
 和尚様は湯飲みからあふれるまで,お茶を入れ続けているではありませんんか。和尚様は言いました。
「啓雪どの,そなたの頭の中は,今茶があふれている湯飲みのようになっておりますぞ。精神を修行なさい」
 啓雪は,ハッとした表情を浮かべました。
「なるほど,和尚様。私は勉学のし過ぎで考えすぎでしまい,あふれた茶のような心になってしまっていたのですな……。反省いたしまする。この御恩は忘れますまい……」
 
 以下に続きます。

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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/02/21 06:27 修正2回 No. 14    
       
 そんな啓雪の様子を見ていた和尚様は,顔には出しませんでしたが。心の中では,憎たらしいほどのしたり顔を浮かべていたことは言うまでもありません。啓雪が帰った後,和尚様はいつも通りに,隠しているツボに入っているアレをぺちゃぺちゃと舐め始めました。固くなり始めたものの。

 それから数日が経ちました。

 今度は,和尚様が啓雪に招かれておりました。啓雪の家は,小奇麗で,多くの書物が整頓されております。掛け軸も立派だこと。

 二人は今,茶の間でお茶を飲んで暖をとりながら,談じております。その様子を覗いてみる事に致しましょう。
「ところで,啓雪どの。そなたは医学にも通じているようですな。なんでも,順天堂で医学を講じていることもあるとか」
「左様でござる。けれどもまぁ,時々頼まれるだけでござる」
 謙虚な顔を浮かべながら,後ろ頭をかく啓雪です。和尚様は,おだてるように話しを続けます。
「そなたは,本当に稀代の秀才でござるな。なんでも,杉田玄白,とやらが主に翻訳した西洋の医学書の原書を素で半日もかからず読み終わったとか」
「『ターヘルアナトミア』のことでござりまするな。それがしは,昔から医学には興味があったのでござる。趣味が興じただけでござるよ」
 今日の啓雪の顔にも,おごり高ぶった様子はございません。和尚様の眉間に,またしわが寄ります。和尚様は話を変えます。
「おぉ,秀才が極まっておりますな,感心感心。謙虚でもありますしな。そうであるからこそ,おなごにもモテるのでありましょうぞ」
「それがしを好んでくれるのはとてもありがたいことでござる。しかしながら,それがしは,まだ色恋に興味がございませぬ。まだ,勉学に集中しとうござる。縁談は,追々,来るものでござろう……」
 和尚様は顔には出しませんが,はらわたが煮えくり返っております。そんな中です。
「……,ん。おお,啓雪どの,ちょっとよろしいか。ちょっと,用を足したくなりもうした。便所はどこにあるのかの」
「あぁ,それなら,そこの廊下の角を右に曲がったところのすぐそこにありまする」
 和尚様はゆっくり立ち上がり,啓雪は和尚様の湯飲みに茶を注ごうとした……,その時です。啓雪は,足をつっかえて座布団を滑らせました。勢いあまって和尚さまの頭に熱いお茶がかかりました。

 続きます。
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/02/21 06:39 修正1回 No. 15    
       
 びっくりした和尚様。なんと,小を漏らしてしまったではありませんか。大恥をかいて,顔を赤くします。この間の仕返しでもされたのかと思い始めた,その刹那です。
「あぁっ,和尚様,申し訳ございませぬ! 今,お着換えを持ってきますゆえ……,あぁ,それと,それがしの方で洗濯もいたしますゆえ,今日のところは,こちらにお泊りなさいませ……!」
 啓雪の様子には,これっぽっちも悪を見出せませんでした。和尚様は,ただただ,ただただ,あっけにとられるだけ。

 それからのこと。和尚様は,啓雪の家の縁側で,ただ一人,座りながら夜空を見上げておりました。今宵も寒い。星空は,見事なまでに美しく澄んで,輝いております。和尚様は,目を潤ませております。仏様は見ておりますぞ……。

 終
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/02/21 06:48  No. 16    
       
 さて,修正をこれからボチボチとしていくが,寓話投稿は,これで一旦終了として,違う企画を考えていくぞ。

 それはそうと。

 俺は,生活習慣を見直すことにした。

 けれども,簡単なことである。

 勉強や執筆活動は日中に行い,夜は早く寝て,朝は早く起きることである。今日は,ちょいと早すぎたけれどもw

 まぁ,早起きほど,すがすがしいことはないよなw
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイタースマホ  日時: 2018/02/21 19:59 修正1回 No. 17    
       
今回の寓話、悪僧と博学者の冒頭のある表現が、誤解を与えるものだとある人から指摘された。もっともだと思い、修正しておいた。

仏道修行は厳しいものだ。掃除も生半可ではない。肉も魚も食べることを許されない。精進料理である。当たり前だな。

誤解を与えた。
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/02/24 10:34  No. 18    
       
 さてと。

 来月になったら、ごらく部の過去のスレッドを遡って、俺の主な創作物を選び、紙に刷ることにした。それらをまとめてホチキスで留めれば、俺の作品群の一つのまとまりになる。ただ、短歌と俳句に関しては、対象外にしておこうと思う。

 ……、それと。ごらく部の企画は、何つーか、正直言って、ネタが切れているんだよな。

 なので、ごらく部はこのスレを最後に終わらせようと思う。しばらくすれば、過去ログにも格納されることも鑑みてな。

 ……、それにしても、当初のごらく部は試験運用の形をとっていた。ある程度レスポンスが続いたので、本格運用の運びになったが。ごらく部は大体今まで、2〜3年の間は持ったかな〜。最初の頃、俺はそこまでは考えていなかったわけだからな。ここまで延び延びとなったわけだ。

 ……、まっさか、「その8」まで続くとは正直思わなかった。今まで閲覧してくれた皆、レスと投稿してくれた皆には、この場を借りて感謝したい。

 ありがとう!
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