Re: パワプロss(オリジナル) 〜運命の打球音〜 名前:MDO 日時: 2013/08/09 17:22 No. 1
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まだ肌寒い3月下旬、今はまだ高校に入学する前で、ダラダラと中学で出来た友達と暇を潰している。 今はゲームセンターでみんなイマイチ上がらぬテンションを上げようとクレーンゲームをしている。 確かにここに来たときよりは盛り上がっている。 というかなんでこんな難易度の高いクレーンゲームやってんだよ。 現在俺を除く5人が3000円近くの金をつぎ込んだががまったく取れそうな気配がない。 カプセルを取るなんてほぼ不可能だと俺は思っているので現在クレーンゲームから離脱しているがそれもここまでになってしまった。 「雄輝、おまえのやれよ!」 雄輝とは俺のことだ。櫻樹 雄輝(さくらぎ ゆうき)。中学に入ってこの名前について思ったことは「画数多っ!!」だった。 まあ、とりあえず俺も一回やってみるかな? クレーンゲーム。
「4番はPSPか……よし狙おう」 「いやいやいや、狙うんなら5番のPS3にしろよ!」 武内 京介は俺の肩を掴んだ。俺はその手を払いのけてレッツ・クレーンゲーム!。 「あ……」 「どうした雄輝?」 ガコンという音がした。そして数秒後、俺の手には5番の紙の入ったカプセルが握られていた。 5人全員が驚愕の表情を浮かべる。 俺がカプセルを開けると小さな鍵が出てきた。 「こいつすげえ……」 運が良かったな。 俺は結構、運がいい。
翌日の朝、目覚まし時計より先にケータイの着信音が鳴った。 「なに?」と投げやりに問う。電話を掛けてきた相手は奈賀 拓也(なか たくや)。中学では野球部の主将をやっていた。 『ごめん、怒ってる?』 「怒ってるよ。何時だと思ってんの?」 平然と『5時』と返してきた拓也には腹が立ったが声に出して怒るのは面倒くさい。 『単刀直入に言うな。それとこれ命令だから絶対来いよ。9時に市民球場な!』 「はあ!?」 もう切れてるし……。今日暇だし、まあいっか。 俺はもう一度眠りについた。
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