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ロックされています  伝説の野球部  名前: 広さん  日時: 2014/02/11 22:06 修正2回   
      
〜プロローグ〜
今から約30年前、伝説の野球部として全国に名を轟かせた野球部があった。
その名も、「岡山県立神蔵(かみくら)高校」。
創立9年目にして甲子園春・夏2連覇を誇った岡山県立校唯一の強豪校である。
この高校の最大の武器は、高校内に多数設けられたあらゆる設備の数々だ。
雨の日には、グラウンドの面積にも決して引けを取らない立派な室内練習場で練習を行い、
1年のほとんどを野球に費やすことも可能な設備が、完璧と言えるほど揃っていた。しかし……

『神蔵高校、甲子園予選1回戦敗退』

『消えた伝説の野球部』

なんと、その翌年の甲子園予選で1回戦敗退。その次の大会も、またその次の大会も予選で敗れ去るばかり。
それからも、県立神蔵高が甲子園への切符を手にする事は無かった。
そんな神蔵高校の野球部をマスコミは大バッシング。
まぐれで甲子園を2連覇した高校。世間にはそうまで言われた。
今や、岡山県立神蔵高校野球部の名は忘れられつつあった……
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/02/11 22:21 修正2回 No. 1    
       
〜第1話・朽ちた野球部〜

岡山県立神蔵高校、石にそう彫られた校門の前に、俺は立っていた。
ショルダーバッグを肩に掛け、これから始まる高校生活に期待を感じながら……。
「おーい零! なにそんな所に突っ立ってるんだよ」
と後ろから聞き覚えのある声が。俺は、そいつが誰なのか確信しつつ振り返った。
やはりそうか。松前圭治(まつまえけいじ)。小学生からの仲で、俺の同級生兼友人だ。
「ん? なんか、いかにも楽しみだっていう目をしてるな?」
なぜ分かる……。まあ、そう珍しい事でもないのだが。
「楽しみにするのが悪いか? お前だって密かにしてるクセに……」
俺はさらっと言ってやった。友人と言っても、よくベラベラと喋る方ではないのだ。
ただ、他の人達よりも馴れ馴れしく喋りあえるだけの事なのである。
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/02/11 23:26 修正1回 No. 2    
       
「別に悪いとは言ってないさ。ただ、何か楽しそうだな〜と思っただけだよ」
「何で俺が楽しみそうにしてるかって?」
「そうそう。それが知りたかっただけなんだよ」
なんだってお前に言う必要があるんだ。まあいい。知られて損になる訳でもあるまい。
「知りたいなら教えてやるよ」
そう言って俺は、ショルダーバッグの中から一枚の紙を取り出し、圭治の顔の前に突き出す。
「これは……入部届けか。しかし意外だな、お前が野球部とは……」
俺が野球をやったらダメなのか? 言いたかったがやめておいた。
「とにかく、俺は人生で初めての野球部なんだ。楽しみに思うのも当たり前だろ」
そういった瞬間、着席5分前のチャイムが鳴り響いた。
「やべっ、遅刻しちまうぜ。じゃあ零、また1時限目終わったらな」
そう言って圭治は下駄箱へ走っていき、無造作に靴を脱いで荒々しく下駄箱へ突っ込んだ。そして、教室へ疾走していった……。

そう言えば言ってなかったか。俺の名前は松本零(まつもとれい)。文武両道(と言っても学力には少し不安要素があるが)をモットーに
伸び伸びと生活している、至って普通の高校生だ。俺が野球部に所属したい理由、それは2つある。
まず、野球がしてみたい。そして、伝説の野球部と呼ばれていた野球部とはどんなものなのか、興味がある。
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/02/11 23:41 修正1回 No. 3    
       
1時限目(入学式)が終わり、俺は教室の前で圭治と話していた。
「そういえば、お前の入る野球部って伝説の野球部って呼ばれてたとこだよな?」
「ああ。だが、結果を求められたがために、翌年の大会から急に調子を落とした。そして年々部員数は減少傾向にあると聞く」
俺はデータベースのようにスラスラと説明した。
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/02/12 18:48 修正2回 No. 4    
       
「そういえば……俺ら野球部の部室とかって一度も見た事ないよな?」
圭治が口を開く。
「ああ。初日だからな」
「だったら、次の授業まであと10分あるし見に行こうぜ。……ていうか顧問の先生ってどんな人なんだろうな?」
言われてみれば顧問が誰なのかと言う事も興味がある。
「そうだな、興味がある。……まず職員室へ行くぞ」

こうして、俺たちは顧問の先生へ挨拶する為に職員室へ向かった。

「失礼します……」
俺は、職員室のドアをノックしながら言った。すると、
中からヒゲを生やした教師らしき人物が出てきた。
「はいはい、お待たせしました。……何かありましたかね?」
温厚だな。俺はすぐに確信した。
「あの……こちらに野球部の顧問の先生はいらっしゃいますか?」
するとその教師は、
「野球部……ですか?」
と聞き返してきた。まるで、野球部の存在自体知らないかのように……。次の瞬間、その教師が驚く事を口にした。
「野球部は……今年廃部の予定なんですよ。部員数が2名なので……」
「部員数が……2名……?」
これにはさすがに驚いた。確かに、年々部員数が減少してきている事は知っていた。しかし……ここまで酷いとは想像すらしていなかったのだ。
「待ってくださいね。今顧問の先生を呼んできますから」
そう言って、職員室の中へ入っていった。
……野球部の現状は一体どうなっているんだ?
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/02/12 23:02 修正1回 No. 5    
       
しばらくしてその教師は戻ってきたが、どうやら顧問の先生はまだ来ていないようだ。
とりあえず俺は顧問の名前を聞いた。野球部の顧問は2人いるらしく、
1人目は代田雄二郎(しろたゆうじろう)。練習量の多い事で有名な名監督らしい。
そして2人目は古幡蓮(ふるはたれん)。なんでも腕の良いトレーナーらしく、選手の体調管理面でも相当な実績を挙げているらしい。
俺は思った。なぜこんなに優秀な指導者が揃っているのに、どうしてこうも部員数が少ないのか。
もしかすると、急に調子を落とした理由と関係があるかもしれない。
俺は、現在野球部がどういった状況にあるか確かめるべく、現在野球部に入っている2名の部員に会ってみたくなった。
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/02/16 22:40 修正1回 No. 6    
       
〜第2話・野球部の現状〜

「野球部の主将、ですか?」
温厚なヒゲの先生が言う。
俺は野球部の主将と会うため、職員室で現在在籍している部員を聞くことにした。
「そういえば……間違っていなければ3年C組に海野君という子が居たと思いますよ」
「海野先輩……ですか?」
「はい。北海道の「海」に、野原の「野」です」
この人はとことん正確に言うタイプだな。まず『うみの』と言う時点で大体漢字は浮かんでくるんだが……
まあそれはともかく海野先輩という部員のクラスは分かった。
俺たちは、休憩時間の残りを気にしながら速足で3年生の棟へと向かった。

「おい零ここだぞ、3年C組は」
おっと、時間を気にするあまり通り過ぎてしまった。
そこへ、3年生のC組の生徒らしき人が通ったので、海野先輩は居るか聞いた。
「ん? 海野? ああ辰弥か。いるぜ、そこの席に」
すると、海野はこちらに気付いたのか席を立ち、こちらに歩いてきた。
「俺が海野だが、何か用か? まさか、野球部を侮辱しに来たんじゃないだろうな?」
海野は威圧感のある鋭い眼光で言った。
かなりデカいな。180pあるんじゃないか? と俺は思った。
「違います、侮辱なんてとんでもないですよ、海野センパイ。俺は野球部の入部希望者なんです」
俺がそう言うと、海野の表情が一瞬にして緩んだ。
「本当か! ハハッ、久々の入部者だ!」
海野はそう言って、零の肩を軽く叩いた。
「いやぁよかった。代田先生にも、このまま部員が入ってこなかったら苦しいって言われたばかりだからなぁ!」
どうやら大歓迎ムードらしい。これで野球部には入りやすくなりそうだ。
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/02/18 18:46 修正1回 No. 7    
       
「ところで、野球部を侮辱というのは……」
俺は気になっていた。それに対し、海野は低い声で答えた。
「ああ。連敗が続き、部員がだいぶ減っちまったせいか、オレの所まで冷やかしに来る輩が現れてな……」
海野は窓の外を見ながら続けた。
「初めのうちはまだ11人ほど部員が残っていたからまだ良かった。だが、日に日に俺らを侮辱する連中が増えてきてな、
ひどい時は部室のロッカーのドアを壊したり、壁に落書きをされたり、窓ガラスを割られたりもした。
そんな野球部に居にくくなったんだろうな。渋々とみんな辞めていったよ。残ったのは俺と翔太の2人だけだ」
そう言うと、海野は再び俺に視線を移した。
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/03/01 11:01 修正2回 No. 8    
       
その瞬間に、授業開始5分前のチャイムが鳴り響く。
「おっと、そろそろ時間だな。……そうだ! お前ら今日放課後は空いてるか?」
海野は何かいい案が浮かんだかのように笑みを浮かべて聞いてきた。
「は、はい。多分一応は……」
と俺は曖昧ながらも答えた。そして海野は、それきたと言わんばかりに言った。
「よーし! 今日は松本の入部祝いだ! 俺の家でパーッとやるぞ!」
「え?」
「歓迎会だよ歓迎会! 俺の家は駅の近くにあって、一軒家が密集している所に、表札に『海野』って書いてある家があるんだ。
その辺に海野って家は俺の家ぐらいしかないからすぐ気付くさ」
そう言って海野は、念のために自分の携帯の番号を俺に手渡した。
「どうしても俺の家が分からなかったら聞いてくれ。すぐ迎えに行く」
俺は、一応自分の携帯番号を海野に教え、生徒手帳に海野の電話番号を書き込んだ。
「……そろそろ戻った方がいい。とくに松本! お前は1年D組だろう?お前のクラス担当の先生は厳しいから授業遅刻なんかしたらたまらねえぞ」
そう言うと海野は、じゃあまた放課後に、と言い残して自分の席に着いた。
「野球部か……」
といきなり圭治が呟く。
「圭治? なんだよ、急に考え込んだりするなんて」
「いや……実は俺、まだ部活決まってないんだよな。だから、野球部ってのも面白そうだし、なにより……お前がいるから入りやすそうだし……」
俺には圭治の言う事がわかった。すると圭治は、俺の予測と全く変わらない一言を言った。
「……よし、俺も野球部に入ってみるよ!」
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/03/05 17:59 修正1回 No. 9    
       
〜第3話・圭治の入部〜

春と言えど夜はまだまだ寒く、微妙に息が白くなっているのが分かる。
俺たちは、駅の近くの『海野』と書いてある表札をついに見つけた。
「なあ零、ここで合ってんのかな?」
と圭治が聞いてくる。
「ここで間違いないだろう。この住宅街は広いと言えども、海野という表札はここだけしか出ていないからな」
そういうと、俺は上着のチャックを締め直し、チャイムのボタンを押した。
しばらくすると家のドアが勢いよく開き、中から海野が満面の笑みを浮かべて出てきた。
「よく来たな松本! ん? 後ろにいるお前は今朝の……誰だっけ」
圭治はわざとらしくつまずいて言った。
「松前圭治って言います」
「ほう、松前か。ところでお前までどうしたんだ?」
「僕も野球部に入るんですよ」
その瞬間、海野の表情からはこれ以上ないほどの嬉しさを感じた……
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/03/08 17:39  No. 10    
       
「松前……本当に野球部に入ってくれるのか?」
海野は、俺たちを家に連れ込みながら目を潤わせて言う。多分芝居だなこりゃ。
「はい! 入らせて下さい!」
「入っていいぞ! いやむしろ入れ!」
「はい! ありがとうございます!」
「お前、好きなポジションは!?」
「ポジションってなんですか!?」
「いいか!? ポジションてのはなぁ……」
圭治は野球をやっていた訳ではないが、海野と完全に意気投合(?)している。
俺は、玄関での2人の熱い語り合いを傍でただ見ているしかなかった……
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/03/12 16:51  No. 11    
       
こうして零たちは、海野の家で入部祝いをした。海野がいつの間にかコーラを2L飲み切り、トイレに30分篭っていた事には触れないでおこう。

そして次の日、5時間の授業が終わり、俺たちは初めて野球部の部室にやってきた。
部室の前には、部室の鍵を持った海野が立っていた。
「よし、松本と松前は来たな。あとは翔太だけか……」
「あの……」
零が口を開いた。
「前から気になってたんですけど、その翔太って誰ですか?」
俺がそう言うと、海野は腰に手を当てて言った。
「佐藤翔太(さとうしょうた)、2年生だ。元はバスケットボール部だったが、天性のバネを評価して代田監督がスカウトしたんだ」
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/05/09 21:57 修正2回 No. 12    
       
「スカウト? そんな事が出来るんですか?」
疑問に思った俺は海野に聞いた。
「まあ……たとえ他の部にいようと有望な人材を見つけ出すのが代田監督だしな」
凄い監督だな……どんな人なのか改めて会ってみたいものだ。
次の瞬間、部室と部室の間から、大きなバッグを肩にかけた先輩らしき人物が走ってきた。
「すいません海さん! 課題を提出してなかったんで居残ってやらされてました!」
とっさにいい訳を並べるが、海野には通用していない様子だった。
「お前毎回それだろ! ……どうせクラスでなんかやってたんだろ」
すると観念したのか、
「黒板に落書きしてました」
と真顔で言った。
「だから生活態度の欄に1が付くんだよ、全く……。あ、松本に松前、こいつが翔太だ」
「あ、この人がですか」
なるほど、生活態度は良くないのか。まずこれが正直な感想だった。
「ん? 海さん、この子ら何者ですか?」
「新しい部員だよ」
「マジですか!? いや〜良かった! ってことは……廃部の件は無しになる、と?」
「そういうことだ」
その瞬間、えげつないほどの喜びを爆発させた佐藤翔太は、部室のボールをぶちまけるほど喜んだ。
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/05/21 20:47 修正2回 No. 13    
       
〜第4話・大雨〜

俺たちは、部室内に散乱したボールを拾っていた。
「おい翔太! いくら嬉しいからって部室のボール全部ぶちまけるコトはねぇだろ!」
ずっとしゃがみ込んで疲れた腰を撫でながら、海野は佐藤に怒鳴っている。
「これで廃部はナシですねー! くぅーー! 良かったなぁ〜」
「人の話を聞けい!」
そうこうしている間に部室中のボールを全て拾い終わり、俺たちは部室の中央の大きなテーブルに荷物を置いた。
部室内をよく見てみると、とても設備が整っているのが分かる。部屋の奥には大きな薄型テレビ。部屋の横にはかつて伝説の野球部員が使っていたであろうロッカーがあった。
ロッカーの横には冷蔵庫も置いてあり、中にはスポーツドリンクが5人分入っていた。
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/06/17 22:00 修正1回 No. 14    
       
「なんで5人分なんですか?」
冷蔵庫の中のスポーツドリンクを見て、圭治が口を開く。先輩にどうでもいい事を聞くな。
しかし、重度のお人好しである海野は、圭治のどうでもいい質問に対しても答えを返した。
「俺の先輩に当たる人が占い好きでな、なんでも、一個200円以内の商品を5本まとめて買うとその日は金運が上がるんだと」
海野は苦笑いをしながら付け加えた。
「結局その日は財布落としたらしいがな」
俺は思った。財布を落とすと言うオチ、どこかで聞いたような……? だが、まあ触れないでおこう。気のせいかもしれない。
冷蔵庫を閉めた瞬間、部室の中が心なしか暗くなったように思えた。
次の瞬間、窓の外をのぞくと、凄い音を立てて大粒の雨が降ってきた。
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/07/02 19:12 修正1回 No. 15  HOME  
       
「……すげえ雨が降ってきやがったな。通り雨か?」
だが、いくら待っても一向にやむ気配がない。海野はグラウンドの状態を確認しに部室を出て行った。
「ところで先輩、その占い好きの先輩の名前って何ですか?」
部室に残った佐藤に聞いてみる。
「名前? う〜ん…………何だっけな」
「じゃあどんな人かは……?」
「海さんに聞かないとよく分かんないけど、とてつもなく運に見放された人だったとは聞いてる」
やっぱり聞いた事があるぞ? だが思い出せない。
しばらくすると、グラウンドの様子を見に行った海野が部室に帰ってきた。
「お前ら、今日はグラウンドはムリだわ」
雨にやられたか……。
「よって、今日は体育館の裏の格技場を使って体幹中心のトレーニングだ」
すぐに佐藤が反論する。
「ええーーっ!? なんで体幹なのさ!?」
「グラウンド使えないんだから仕方ねえだろ。俺だって体幹は好かん」
「でも雨ならここでサインの確認とか……」
その瞬間、海野の顔がぎくりとした表情にかわった。
「ねえ、どうなの海さん!」
海野は、一度目を閉じて落ち着いた後、静かに言い放った。
「本音を言うとな……」


「俺に代田監督のサインは理解できん……」
部室に長い沈黙がやってきた。
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/08/28 11:41 修正1回 No. 16    
       
〜第5話・初練習〜

海野の衝撃的発言から1日が経過し、その日の授業も終わろうとしていた。
「お〜い松本」
後ろから不意を突かれ、一瞬ビクッとして振り返る。するとそこには、クラスメートで放送部の難波が立っていた。
「なんだ難波か。不意を突くのだけはなぜか上手いな」
「いやぁそれほどでも」
「褒めてねえよ……で、何なんだ?」
サッと突っ込んで本題を聞く。
「なんか3年の……海野さん? その人が今日から練習始めるから、松本に伝えといてくれって言われたんだよ」
今日から練習か。なぜ俺に直接言わなかったのかは気になるが、一応圭治にも言っておこう。
そんなこんなでその日の授業も全て終わり、圭治と共に部室へ向かった。
「おう、早かったなお前ら」
部室前には、いつも変わらず仁王立ちしている海野が立っていた。
「今日は珍しく翔太が一番に部室に入っている。さあ、着替えてグラウンドに出てこい!」
「「はい!!」」
「珍しくは失礼だよ海さん!」
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ロックされています   Re: 伝説の野球部  名前:広さん  日時: 2014/10/03 19:36 修正1回 No. 17    
       
「じゃあとりあえず始めるか」
着替え終わった俺たちは、海野の一言でグラウンドへ出た。
「まずは軽くストレッチからだ」
「え〜……面倒くさいよ海さ〜ん」
佐藤が即反論する。
「バカか。ストレッチをせずに野球が出来るとでも思ってんのか?」
「はーい……」
渋々ストレッチを始める佐藤。こんなので大丈夫なのか?
しかし、グラウンドを改めて見回してみると相当な広さだと言うことが分かる。
両翼は85mはあり、センターは軽く110mはあると思う。これだけの距離があれば、ロングティーも心配なく打てそうだ。
一通りアップを済ませ、素振りへと移行する。
キャプテンである海野のスイングは、凄まじい唸りを上げていた。
「すげえな海野さんって……。どのくらい飛ばすんだろうな?」
圭治は海野のスイングを見惚れるように眺めていた。
「海さんってすごいだろ?」
とそこへ佐藤が入ってきた。
「本人は言わないけどな、実は1年の頃からウチの中軸打ってたんだよ」
なるほど、だからあんなスイングが出来るのか。
素振りはその後30分続いた。
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