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ロックされています  曖昧な風 -It is over and begins-  名前: sinka  日時: 2014/04/12 01:45    
      
お久しぶりで〜す( ̄▽ ̄)
暇な時間があれば更新します
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ロックされています   Re: 曖昧な風 -It is over and begins-  名前:sinka  日時: 2014/04/12 14:02  No. 1    
       
打率.272、ホームラン1、盗塁4、登板3、失点6、奪三振5。
俺の中学通算の記録だ。ホームラン1以外は普通、むしろ物足りない。
試合に出れなかった。別に守備が壊滅的だったとか監督に嫌われてたとかそんな問題じゃない。
もっと試合に出ればもっと好成績を残せた自信がある。
なぜ出れなかった? それは考えなくてもすぐにわかることなんだ。俺のことを少しでも知っている人ならば。
さっきから風が聞こえる。こんな風にリラックスして外に出たのは久しぶりだ。
真昼の太陽は眩しいな……。やはり季節は冬でも夏でも太陽は眩しい。
左手で太陽を隠して空を見つめてみた。青一色の中に統一性を持たない雲が無数に見える。
俺は自然が結構好きな方だ。特に好きなのは夜、星空の中にポツンと浮かぶ月。最高の眺めだ。
さっきまで全く吹いていなかった風が不意にフワッと頬を掠めた。この風は心地良い。まるで自分のような風、遮るものがあれば跳ね返されるかそれを避けるかのどちらかしか選択肢がない。
こんな情けない風では、なんにも出来ない。
でも、もしも、こんな風ならば何かを動かすキッカケを作れるかもしれない。
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ロックされています   Re: 曖昧な風 -It is over and begins-  名前:sinka  日時: 2014/06/06 23:50 修正1回 No. 2    
       
鈍い音がした。周囲に鮮血が飛び散る。そのせいで着ていた半袖の白いTシャツに返り血がベットリ染み付いた。
今殴った相手が倒れると窓ガラスに映った自分の姿が目に映った。
酷い有様だ。口からは血が垂れていて、左目が少し晴れている。シャツも少し破れている。色が白なせいで血の色がかなり目立ってる。
なんでこんなことをしてるんだ?。
大きな疑問が脳を埋め尽くす。溢れそうになった涙を堪えるために血で濡れた両手で顔を覆った。
こんなことしてても、敵を作るだけだ……。
ポケットに入っていたタッチパネル式のケータイが何度もブルブルっと揺れた。すぐに電話が掛かってきたのだと分かった。
ケータイをポケットから取り出し、着信画面を確認すると新城 豊(しんじょう ゆたか)という名前があった。
緑色の応答とある部分をタップしてケータイを耳に当てるとすぐに大きな声が聞こえてきた。
「今どこだー! 早く来いよ〜、約束の時間とっくに過ぎてんぞー!」
「うるさいよ。あんま騒ぐな、バカが。今から行くから少し待ってろ」
それだけ言うと俺は通話を終了させ、地面に放り投げていた肩掛けのバックを拾い上げ、豊の家へ向かった。


あの場所から豊の家まではそんなに遠くなかった。約10分歩き、曲がり角を曲がると豊の家が見えた。
そこで妙な人影を感じた。焦ってその方向に目を向けると、そこには長めの髪を全体的に左側に流し、血を浴びたシャツを着ている自分がいた。
鏡だ。今度は街灯に照らされ、さっきよりはっきりと自分の姿が見えた。
哀れな姿。自分は今、人生の中での底辺を進んでいるのではないかと感じてしまう。いや、これ以上沈むことはないだろう。今が底辺なのだ。でも、これ以上は這い上がれないかもしれない。
そこには鏡の他にも様々なものが捨てられていたが、それらの物には目もくれずに、俺は豊の家に向かった。
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