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ロックされています  W・B・C(R)  名前: PN.アリス  日時: 2017/03/04 13:31 修正2回   
      
とある球団を世界一にするための、もしもの話のはじまりはじまり・・。

※サクセスキャラクター・実在の選手をいろいろと改変して登場させる予定。
展開次第(主に面白い・くだらない方向)で芸能人やパワプロ以外のキャラによるパロディ描写を含む。


ただただだーーーっと進めて、変な感じで行き詰まる。
硬くなりすぎたところを反省し、リトライ。
超弩級初心者ならびに、その場で考えながらもしくは十分に練ってからの進行になる為、また行き詰まるかもしれませんがどうぞよろしく。

記事修正  スレッド再開
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ロックされています   Re: W・B・C(Re)  名前:PN.アリス  日時: 2017/03/04 21:29  No. 1    
       
〜前書き(茶番)〜

矢部「ここは何でやんすか?」
私「ここは前座的なやつだよ」
私「で、何やってるでやんす?」
作「1回やっちまったから、その反省」
私「やっぱり書いてた時思い出すと、書きたくなっちゃてねー。でもグズグズになったあれから続けるにはボキャブラリーが足りないと思いまして、ある程度の設定は残しつつ最初から始めようかなと」
矢「律儀でやんすねー」
私「実際酷かったでしょ、途中から」
矢「うーん・・・、確かに1000文字で無理やりまとめてた感は出てたでやんすね」
私「だんだん、これに固執しちゃってね・・・。飛ぶのが早かったもんね」
矢「タイトルがW・B・Cということは、その設定は残ってるんでやんすか?」
私「出て来ず設定消滅はあんまりでしょ」
矢「そうでやんすね」


矢「ところで、オイラの出番は変わらないでやんすか?」
私「うん?。ああ、べーやんのポジ=主人公の親友は変わってないよ」
「場合によっては・・・キーマンになってもらう面もあるかなぁ」
矢「マジでやんすか?!」
私「先は分かんないけど、どこかでべーやんには活躍してもらう予定」
矢「ムフフ・・・でやんす♪。ヒーローになる日もそう遠くないでやんす・・・!」
私(べーやんは簡単だなぁ・・・)
私「頼むよ、べーやん」
矢「任せとくでやんす!。真もとい男・矢部になって見せるでやんすぅ!」


矢「もうそろそろ聞く出やんすが、なんで台本調なんでやんす?」
私「・・・お遊び♪」
私「ここはまだ前置きだからいいでしょ、べーやん」
矢「さっきから気になってたでやんすが、なぜオイラを「べーやん」と呼ぶでやんすか?」
私「矢部だからべーやん」
矢「理由になってないでやんす!」
私「えっ嫌なの?」
矢「そんなダサいあだ名嫌でやんす!。他にないんでやんすか!?」
私「・・じゃあ、矢部氏」
矢「どっちもどっちでやんす!!」
私「いいじゃん、別に」
矢「全然よくないでやんす!!」
私「やべっちは?」
矢「すでにいるでやんす!!。もっと言うとそれは矢部田のことでやんすー!!!」

そういうと、いきなり追いかけてきた!
流石に怒らせちゃったかな?、とまあ逃げよう。

始まりは矢部君の出番なんだけどねー。
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ロックされています   Re: W・B・C(Re)  名前:PN.アリス  日時: 2017/03/06 21:45 修正1回 No. 2    
       
〜プロローグ〜

突然何かをぶつけられて、目を覚ます。
これは・・・枕?。
押しのけると、そこにはメガネがいた。
「ようやくお目覚めでやんすね」
矢部君はニヤニヤしながらこっちを見ている。得意げなのがなんかムカつく・・・。
「なんでいんの?」
「『どんな手使ってもいいから起こしてきてくれない?』と、お母さんに頼まれたでやんす」
まだそんな時間じゃないだろうと時計に目をやる。
なんと、短針は9、長針は7を指しているではないか。
「ええっ!?」
「まだ学校気分が抜けてないでやんすか?。もう少し遅かったら、遅刻したルーキーと呼ばれるところでやんすねぇ〜」
このメガネめ・・・。
「そんな顔するより、さっさと着替えてくるでやんす」
こちらが反撃する間もなく、矢部君はさっさと下に降りて行ってしまった。
昨日夜更かししたわけじゃないのになぁ・・・何でこんな時に。
ここまで図々しかったっけ、矢部のやつ。
でも遅れずに済むんだから仕方ないか。
俺はベッドから降りて、服を着替えた。

「ごめんね〜、頼んじゃって」
「これくらいお安い御用でやんす!」
下に降りると、矢部君はなぜか母に敬礼している。
いつから部下になったのやら・・。
「あら、寝坊ルーキーの雅樹君」
母よ、あなたまで俺をイジるか・・・。
「あたしが起こしに行っても、意味ないしね〜。と言うわけで、矢部君にお任せしたの」
「なんで矢部君なんかに・・・どうせならカワイイ子がよかったよ」
同期の男子に起こされてうれしい奴なんかいるか!。
そう思っていると矢部君が
「雅樹君、そう都合よくはいかないでやんす」
母も続いて
「そう、彼女作ってからいいなさい。ねー♪」
な、なぜこんなに意気投合するのだろう・・・。
俺が呆れてるのをよそに、意味のない会話で盛り上がっている。
「何突っ立ってんのー。時間ないんだから早く行った行った!」
喋ってたと思いきや、急に追い立てられる。
「じゃ、矢部君。よろしくねー」
「かしこまったでやんすー!」
息子は俺なのに、なんか釈然としない・・・。
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ロックされています   Re: W・B・C(Re)  名前:PN.アリス  日時: 2017/03/10 16:05  No. 3    
       
「ほらほら、急ぐでやんすよ!」
「分かった、分かったって!」
使命感でやる気MAXの彼の足踏みがうっとうしい。時間的には十分間に合うのだが。
「そんなに急がなくても、間に合うと思うんだけど?」
「そんなんじゃプロでやっていけないでやんす」
ぐっ・・・彼にそれを言われるとは・・。
「オイラ達は4位・5位。かなり頑張らないと、友沢・六道・橘とあっという間に差が開いてしまうでやんすよ?。それでいいんでやんすか?」
そりゃあ、確かにそうだけど。
「じゃあさ、矢部君から見て俺のアピールポイントってどこよ?」
「う〜ん・・・」
結構考えてるなぁ。
自分的には捕球・送球には自信あるんだけど。
他は、・・・・・無いな。
「思いつかないでやんす」
えっ・・・まさかの無し?。
「1つも無いの?」
「とりあえず、どこでもこなせることくらいでやんすかね」
とりあえずってなんだよ。
「はぁ‥聞くだけ無駄か」
「その無駄話も済んだことだし、そろそろ行くでやんす」
「お前が無駄いうな!!」
事も無げに走り出す矢部君に怒りを覚えつつ、俺は付いていった。
少なくとも矢部君だけには先に1軍に上がってみせる!・・。



「・・・遅い」
会場のホテルで私たち3人は”彼ら”を待っている。
あと1時間ほどで会見が始まるというのに・・・
「多分、どっちか寝坊でもしてるんじゃないのー?。こんな時こそしそうでしょ?」
水色の髪の女の子―橘がにべもなく言う。
私もまったくもって同感である。
このような場が控えているにもかかわらず、ましてやプロになるというのに・・・はっきり言ってきんつばより甘い!。
「六道、橘、まだ寝坊と決まったわけじゃないだろ?」
今度は金髪の男の子―友沢亮が冷静に返す。
「そうだったとしても、緊張で寝られなかったとかよく言うじゃないか」
やれやれ・・・といった顔で橘が返す。
「新監督が誰か知ってて言ってんのー?」
「もうだれか決まってるのか?」
「あんたたち二人は歓迎するでしょうねー・・・アタシは少し憂鬱だわ」
「誰なんだ?」
橘が私と友沢に耳打ちする。
うむうむ、あの方なら問題ないだろう。どうやら、友沢も納得している様だ。
「だから、それじゃダメでしょという話よ」
私―六道聖は頷いた。
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ロックされています   Re: W・B・C(Re)  名前:PN.アリス  日時: 2017/03/17 16:40  No. 4    
       
「ほら見ろ、全然余裕じゃんか」
二人はもう会見場のホテルの前に着いていた。
そもそも、家から20分と掛からない距離だし。
「確か5階だったっけ?。矢部君早く行こうよ」
(さっきまで慌ててた人が良く言うでやんす・・・)

ほどなく5階に到着し、ホール隣の【新入団選手控え室】と丁寧に紙が張られたドアを発見。
軽くノックして入る。
「セー・・」
「十分アウトだ」
(分かってはいたが)もうすでに到着していた六道が目の前にいる。かなーり、怒ってらっしゃいますね。
「なぜ遅れた?。入団会見だぞ!!」
・・・寝坊とは口が裂けても言えないが、言い訳もそう簡単に思いつかない。
こんな時にその才能でもあればいいけど、私にはないようだ。
「えーと・・」
「雨宮君は、寝坊したでやんすw」
な、なんで言うんだ矢部君?!。そこは裏切らないでくれよー!。
「ほーら、ほらほら!アタシの予想通りじゃない!」
なんか予想が当たって楽しんでるのはいいですが橘さん、こっちは全然嬉しくないよ・・・。
「雅樹・・・それは流石にダメだろ」
友沢まで、そのやれやれ顔すんのやめてー?!。
もはや消え去りたい(´・ω・`)・・・。
「雅樹!、プロになる自覚が足りないようだな」
超集中モードの六道の攻撃は終わらない。
「・・・そうかもしれないですね」
「そうだな・・・またあの特訓を受けてもらうことにしよう」
特訓?。特訓ってまさか・・
「卒業前にやったアレを・・そうだな、2倍でやれば身に染みるだろう」
あの地獄のメニュー、通称六道合宿。しかもその2倍!。
それは無理だな、確実に○ぬ。
「そ、そこまでしなくてもいいんじゃないか?」
流石の友沢もなだめに入る。それくらいキツイのだ。
「そ、そうでやんす。ともかく間に合ったんでやんすから」
「そうそう、そうよ!。聖、大目に見てやったら?」
矢部と橘も加わり、一丸で何とかして落ち着かせようとしているが、六道には通じていないようで
「日程は未定だが、いつか行う。以上だ」
そう言ったきり、腕組をしたまま無言で部屋の1点をじっと見ている。
こりゃ、聞いてもらえないな・・・。
説教(ほぼ宣告)が終わりやっと座ろうとしたその時、担当の方が登場し
「それでは準備が整いましたので、移動お願いします」
…休めねえ。
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ロックされています   Re: W・B・C(Re)  名前:PN.アリス  日時: 2017/03/27 19:41  No. 5    
       
○○の間的な場所に通される。
壁には【横浜スワロスターズ入団会見】といかにも。
登場した俺たちにシャッター音とフラッシュが襲う。正直まぶしい上に何だか多い。
まあ、友沢が注目のルーキーだからだろうな。イチロー2世と言われてるし。
そう言えば監督の就任会見も兼ねているらしいが・・・俺は知らない。誰なんだろう?。
「続いて、新監督の登場していただきましょう。どうぞ!」
司会の声とともに、現れた人物を見て俺は絶句する。
なんで、なんでここに先生がいるんだ?。
「初めまして。横浜スワロスターズの監督に就任した松岡修造です」
「偶然ながら、この5人はアカデミーの卒業生でもある」
チラッと横に目をやると4人は・・・いや矢部君以外が表情からして知ってたっぽいな。特に亮・聖は嬉しそうなお顔してるし。
俺は橘と同じだわ。つれぇー・・・・・。
「それぞれ、僕が保証できる選手だと思ってる」
それに対して記者が手を挙げた。
「それでは、今年こそワロスwと言われなくても済みますか?」
質問と共にクスクス笑いが波のように発生。事実、そういわれても仕方ない成績で現在2部リーグにいる。
スワローズとベイスターズが合併して誕生したけど、良かったの2年くらいだもんな。
先輩たちもこの質問言われてたし、お決まりになってるのはなんか悔しいが。
「それについては問題ありません。まず優秀なスカウトをつけることに成功したので」
ちょっと会場がざわつく
「それは?」
「あの雨宮和人です」
おおー!と大きなざわめき。それと俺の知らない衝撃。
親父・・・帰ってくんのか!?。
しかしまだ会話は終わっていなかった。
「そして、そこにいる雨宮雅樹君は、和人君の息子です」
記者全員の目が一斉にこちらに注がれる。
あー、じりじりする。何故それを今ここで言うかな。
「和人はまだ間に合わないとのことなので、二人で相談した結果、雅樹君にもスカウト業務をやってもらおうと思っています」
はっ?俺が?
「はぁっ!?」思わず俺は立ち上がっていた。
「そう。君がやるんだ・・・!」
ある意味で目立ってしまったけど、嬉しくもなんともない。
ほんとに今日は、寝耳に水が多すぎる。
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ロックされています   Re: W・B・C(Re)  名前:PN.アリス  日時: 2017/04/03 23:18  No. 6    
       
記者会見はそれぞれの抱負、そして5人への質問(と言っても友沢・六道中心だが)を経てつつがなく終了した。・・・会見自体は。
しかし、俺はそれどころではない。
「ちょっ、なんで俺がやんなきゃいけないんですか!!!」
やっとプロになったのに、なんでそんなことやんなきゃいけないんだー!。
「落ち着いてくれ。今すぐやれと言ってるわけじゃないんだ」
「じゃなんであの場で言っちゃうんですか。知らされてもないのに!」
「とにかく僕の話を聞いてくれ」
監督は少し息を整えて、睨みつけている俺とみんなに話し始めた。
「とにかく急だったのはすまない。」と頭を下げる。
「君の父の就任と同時に、いくつかの選手の調査スカウトを頼んだんだ」
「でもそれが難航して、すべてやっていると間に合わないという結論になったんだ」
「先生、それで雅樹に任せるというのは・・」
「友沢、最後まで聞いてくれ。僕もこうはしたくなかった」
「ただ、任せろといったのは君の父親なんだよ」
「親父が?」
なんてこと言うんだい。
「これは和人から聞いたんだが、この3人は雅樹が知っている選手らしい」
先生がいつの間にか取り出していたらしい資料を見る。
「あっ・・・」
「どうした?」
六道が聞き返すがすぐに言葉は出てこない。
彼らは知っているというより、対戦したことがある。
紛れもない高校時代のライバル達だった。
先に入ったはずなのに、フリーになっているらしい。
「彼らをどう思う?」
「・・・いい選手ですよ・・!」
「ではどうする?。無理強いはしないし、出来なくても構わない。もし出来たら、開幕ベンチ入りくらいはしてもいい」
「それあんまりじゃない?」「横暴でやんすー!」
ぶーぶー言ってる矢部と橘をよそに
「条件はどうでもいい。俺やります」
「いいのか?。経験ないんだぞ」
友沢が聞いてくる。
「ああ。俺は彼らと一緒に野球がしてみたい。資料があるから・・・何とかなんだろ」
「そんな簡単に済むとは思えないが‥」
六道は不安そうだ。俺も確かに不安だが、あいつらに会いたい気持ちの方が強い。
「分かった。やるからにはしっかり頼む」
「・・はい!」
いろいろと忙しくなりそうだ。

プロローグ 完。
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ロックされています   Re: W・B・C(Re)  名前:PN.アリス  日時: 2017/04/08 21:34  No. 7    
       
〜WBC別館(茶番)〜

私「何とかいった」
矢部「日程的に劇遅でやんす」
私「確かに・・ほぼ週一しか書いてない。でもね、構想を練るのは難しいもんよ」
矢「そんなもんでやんすか?。パパッと書いてるように見えるでやんすが」
私「全然むずいわ。これからは試合のシーンなんかも考えなきゃいけないってのに・・・ぶつぶつ」
矢(そこ一応考えていたでやんすね・・・)
矢「まだ序盤でやんすが、最終的にどうなるでやんす?」
私「そこ聞く?まあいいけど・・・」
私「3年編成で、1年目2部リーグ編」
矢「ほうほう」
私「2年目1部リーグ編。で3年目が」
矢「WBCになるんでやんすか」
私「そういうこと」


コンコン、とノック音。
私「どうぞー」
六道「なんか、ここに来てくれと手紙が来たのだが・・?」
私「ひじりん、いらっしゃい」
矢「六道ちゃんを呼んだやんすか?」
私「今回のゲスト枠」
六「ここは何だ?」
矢「多分、答えはないでやんす」
私「正解。君も分かってきたねぇ」
私「所謂、『裏側』や『向こう側』って言えばわかる?」
六「うむ、舞台裏やセットみたいなものということか」
私「そゆこと。ひじりん、きんつば食べる―?」
六「あるのっ!?・・・失礼。た、食べます」
私(目キラキラしてるし、分かりやすいねぇ〜・・)
矢(分かりやすいでやんす・・)
六「うまい・・!。やっぱりこれでなくては」
六「それで、何の話をしていたのだ?」
私「この話の展開を大まかに説明してたんよ」
矢「大体わかったでやんす。3年編成でやるそうでやんす」
六「結構長いのだな」
私「もちろん、ひじりんの出番は多いから安心して」
六「うむ。ところで、一つ聞きたいのだが‥」
私「何?」
六「球団名は合併してスワロスターズだったな?」
私「うん」
六「それでは、マスコットはどうなるのだ?」
矢「確かに、両チームにいたでやんす」
私「両方出ますよ。でも・・・」
六「でも?」
私「つば九郎がメインになるだろうね!!」
六「そんなにはっきりと・・」
私「問題ない。書くのはわたーしだからねハハハハハ!!」※アルコールは入ってません。
矢(やはり時々横暴でやんす・・・)


つづく。
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ロックされています   Re: W・B・C(R)  名前:PN.アリス  日時: 2017/04/16 21:51  No. 8    
       
1章[万年2部のスワロスターズ]

春季キャンプ。
選手たちにとって、ここはアピールの戦場。
しかしルーキーたちはまだ知ら・・無くもないか。
沖縄は熱い、しかし監督も熱い。
雅樹は思う。やっぱこの人やだな‥・と。
「ここからは、全てが競争だ!!!。君たちが―」
軽い走り込み終わりで全員汗ダラダラなのにも関わらず、熱弁を続けるこの御方こそ、何を隠そう新監督なのである。
ハンカチなんぞ、何の役にも立たない。(一応言っておくが、王子のことではない)
おいおい、コーチ陣の発表だけじゃなかったのかよ・・・。
大体脱線するのは分かってるけど、長い。
それでも、右手にいる亮・聖の両名は熱心に聞き入ってるんだよなぁ・・・。
それから30分ほど続いたのち、各コーチ陣の発表(これは10分くらい)され、解散となった。
「やっぱり長い」
「もう全くよ」
と、いつまにかみずき乱入。
「あ、あれには耐えられないでやんすぅ・・」
矢部君はヘロヘロだ。
「なんだあれぐらいで、情けないな」
「そうだ。こんなもの、トレーニングの内には入らないだろう」
余裕たっぷりな信者二人はそういうものの、顔は汗で光っている。
・・・その顔で言われてもなぁ。
「それより、あのメガネの人誰だろ?」
「あれは乾っちゅうんや」
聞きなれた関西弁に振り返ると、つまようじが似合いそうな顔がいる。
「あ、あばっさんだ」
「オイ!、それやめぇて前にいうたやろが!」
「あばっさんでやんすー♪」
彼はアカデミーの先輩であるあばっさんこと、阿畑先輩。
そう呼ぶ→怒るの流れは定番。
まあ、毎回タコみたいに赤くなって怒って終わるんだけど。
「毎回そのノリすんなって言うとるやろが!!!」
真っ赤になった阿畑さんは矢部君に突撃してるものの、まったく追い付いていない。
「おい阿畑、彼らが今年のルーキー達?」
「そうや、哲人。こいつら凄いで」
さっと見たそこには、かつてのトリプルスリーがいた。
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ロックされています   Re: W・B・C(R)  名前:PN.アリス  日時: 2017/04/25 21:54 修正2回 No. 9    
       
すげぇ、本物だ。紛れもない2年連続トリプルスリーだ・・・。
そこに気さくに話しているのは、かの2年連続トリプルスリー達成者、山田哲人。
アカデミー内では超人的な成績からT2(ター〇ーネー〇ー)と呼ばれてた。
(流石に、本人には言えない…)
「確か5人だったかな?」
「そや」
阿畑先輩に改めて紹介されるのもなんだが、相手がうちのスターなだけにさらに緊張する。
「ワイと同じアカデミーの後輩や。この世代は少ない代わりに精鋭ぞろいでな、入った当初からレギュラーの逸材ばっかりや」
一人づつ紹介した後
「ま、矢部以外は期待できると思うで」
矢部君は先輩に憤慨するも大して効果がない感じであしらわれている。
「万年2部と言われてるスターズでOKしてくれたのはほんまありがたいよ」
やっぱり、蔑称では言わないか。
そりゃそうだよな。負けるの認めたようなものだし。
「うちは主力が減ってる分、チャンスはどこかで来ると思うから頑張れよ」
「はい!」
先輩への攻撃で忙しい矢部以外の4人の声が響く。
「俺もケガ明け2年目であんまり言えた立場じゃないけどね」
確か・・・ぎりぎりで3年連続達成を逃した最後の打席で死球で骨折。
そのケガ明け後の18年、6月に併殺狙いで1塁走者と激突し、靱帯断裂で全治6か月―。
新聞には悪運の哲人と大きく書かれてた気がする。
それでも腐らずここまで戻ってくるからすごい。
「阿畑、そろそろ行くぞ」
「ほな、またな」
いまだ続く矢部の攻撃を(めげないな…)阿畑さんは華麗なる足掛けを矢部君に決め、去っていった。
「・・・結構緊張したな」
「・・俺もだ。武者震いがしたよ」
ぞくぞくしてる俺と友沢とは対照的に、女子2名は結構冷静なご様子。
「そんなに凄いの?」とでも言いそうな感じだ。
・・・これは、さっさと切り上げたほうがよさそうだな。
「次は・・適正テストだったよな?」
「えーと、どこでやるんだったっけ?」
「みずき、屋内練習場だ。早め行っておくべきだと思うが?」
「そうだな・・聖の言うとおりだ。」
・・・確かに、修造監督ならもう待ってる可能性が高そうだ。
俺たちは早めに向かうことにした。
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ロックされています   Re: W・B・C(R)  名前:PN.アリス  日時: 2017/05/08 15:00  No. 10    
       
(またやる必要ないと思うんだけどな・・・)
室内に急いでいっているものの、あまり乗り気じゃない。
既にアカデミーでテスト済みなだけに、またやらされるのはちょっとな・・・。
それでも名目上、しなきゃいけないんだろう。

つい4年くらい前までは、投手・捕手・内・外野手で獲っていたが、今では入団後にポジション関係なく適正テストを受けなければならなくなった。
そもそも適正テストとは、選手そのものの素質を見極めるため17年に導入された。
何故かというと、やはり大谷翔平の存在が大きいだろう。
彼の成績により二刀流が証明された今、改めて選手の素質を見直すためだそうだ。
投打だけでなく、どのポジションをどれだけできるかもはっきり検証したいらしい。
(でも、やってること自体は高校野球の延長の気がするが・・・)
利点としては限られた選手数での選択肢が増えることだろうな。
いざとなればリリーフ行ける、守備もこなせる、代打・代走もできる。それが複数いれば、特に投手の負担は軽くなるだろうしな。
・・・TVゲームで再現するのはさらに厳しそうだが。


ほどなく到着し、幸い?監督もおらず、以前の通りに順番にやることにした。
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ロックされています   Re: W・B・C(R)  名前:PN.アリス  日時: 2017/05/18 21:49  No. 11    
       
まずは守備から。
投手以外の全ポジで、ランダムに来る打球を30回ずつ受ける。(捕手は聖しかしないけど)
「次、雨宮!」「はい!。お願いします!」
コーチとのやり取りで地味に懐かしい気分になる。
アカデミーでもノックは受けていたけど、高校時代のほうが数倍きつかったからなぁ・・・。
「のおりゃぁぁぁ!!」
狭い中でも懸命に追い、すかさず投げる。
一・二・三・本と順番に、または逆に‥を繰り返す。
「ほい、亮」「よし来た!」
二遊間は連係プレーもやらされる。
亮が遊撃ならお手の物。(毎回コンビじゃないけど)
「矢部!、もっとそっちだ!」「ちょ、ちょっと待つでやんす!」
矢部君の返球は投げ損ねて一塁を逸れてしまった。やっぱり・・・三遊間は苦手の様子。
「ちょっとー、ちゃんと返球してくれない?」「ごめんでやんす。オイラは三塁は前から苦手でやんす・・」
「・・自信ないとこはパスしていきましょ。これいつまでかかるかわかってるんでしょーね?!」
そう言うと、彼女はすぐさま外野に向かった。
「みずき・・・いつになく自信に満ちているようだな」
俺は一瞬考えて、「やっぱプロだからかな?」
「いや・・・アレを見ろ」
聖の差した先のみずきは、明らかに投球モーションをやりつつ待っている。
「まあ・・そういうことだ」
投げたいだけかい!‥。しゃーない、早くやるか。
俺はアカデミーの時、野手専念だったからなぁ・・・3年ぶりに投げてみようかな。


外野はスライディングキャッチや本塁への返球、所謂レーザービームもやらなければいけない。
「おおっと。ふう、セーフ…」
飛んでぎりぎり、何とかキャッチ。やはりこの距離感が少し慣れない。
「よっと。広い場所なら楽勝、楽勝♪」
ああ見えて、サッと絶妙に滑り込む。意外とみずきは足が速いんだよな。(多分、俺より速い・・・)
「ガンダー・・・砲発射でやんす!!」
・・・なんか言ってるが、レーザービームのことだろう。
普通に投げろと言いたい。
多分、本職だからテンションが違うんだろうな。

約二時間みっちりこなして守備適正が終了。
つづいてはみずきお待ちかねの投球テスト。
「わったしーの・・時間だぁー!!」
全速力で向かうみずきを見て、全員がテストの長さをひたひたと感じるのであった。
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ロックされています   Re: W・B・C(R)  名前:PN.アリス  日時: 2017/06/13 20:24  No. 12    
       
来たのはいいがもちろん空いてるはずもなく、一軍選手の終了後にやることになった。
やるのは俺・亮・みずきと3名だけなので、さほどかからないだろうけど。
聖は受けに回る為、矢部君はほぼ見物人。
(・・本人は投げれるといっているが、誰も見たことはない)
ブルペンをネット越しに見てみると阿畑先輩はまだ投球中のようだ。
シュッ!フワッ、ストーン!。
あの独特の軌道から落ちるのは阿畑ボールだろうか?。また変化が違うような…。
「なんや?お前ら。もう終わったんか?」
「あと投球テストだけですけど」
「それより先輩、それは阿畑ボールですか?」
亮も気づいていたらしい。
「よー分かったな!。チェンジ風を研究しとるんや!。あれが・・・」
ああ、スイッチ入っちゃったな・・・。
「やれやれ・・・ああなると長くなる」
「悪い人ではないんだけどね。どうする?」
「まだかかるしそれぞれ見てましょ」
声のトーンからしてもみずきは退屈そうだ。

15分後、先輩の投げ込みが終了。
ようやくテスト開始。
「こっちはかったるいでやんすぅ〜〜」
自分はもうやらなくていいからか、矢部は無駄にくつろいでいる。
「うるさい。さて、誰からやるんだ?」
聖が向き直って三人に聞く。
「俺はどこでもいいよ。二人はどうする?」
俺としては、とにかくじっくり投げたい。
「あたしは最初は嫌。どっちか先に投げてくれない?」
「じゃあ・・・俺も後がいい。雅樹、先やってくれ」
「え〜、俺3年ぶりなんですけど?。できれば、っておいっ!聖!。連れてくなっ!」
「時間がないんだから、早くやるぞ」
俺は必死に抵抗するも、後ろから引っ張られてるため抵抗虚しくずるずる引かれていく。
「じゃヨロシク〜」
「さっさとヨロシクでやんすぅ〜」
2人していちいち手降ってんじゃねぇぇぇぇ!!。
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ロックされています   Re: W・B・C(R)  名前:PN.アリス  日時: 2017/08/02 21:37 修正1回 No. 13    
       
「ふう…」
約2年半ぶりか・・・。
ブルペンとは言え、実際にくると緊張すんなぁ・・・。
「大丈夫か」
緊張が見た目に出てるのを察知したらしい聖が聞いてくる。
俺は首を横に振った。
「いや、結構ヤバいね。いろいろ思い出すし、今でも投げれるか不安が大きい」
「不安なら、まず何球か投げてみるか?。キャッチボールからでもいいぞ」
「そうだな‥初歩からやってみるか」
まず投げるだけでも何かつかめるかもしれない。
そう思い、二人はキャッチボールを始めた。


一方のネット側
「キャッチボールからじゃなくて早く投げるでやんす!」
「そーよ!そーよ!さっさとやりなさいよー!」
早く見たい2人が不満を言っているが、ブルペン内には聞こえていない。
(緊張してるからやっていると思うんだが・・・、この2人は本当にプロでやっていけるのか?)
しきりにぶーぶー言ってる矢部・橘を見て、要らぬ不安を抱く友沢である。
「…俺が先に投げるべきだったかな」
ぼそっとつぶやく。
このように彼もまた、雨宮と同じくらい心配性なのである。
「・・おい」
「はい?」
急に呼ばれて振り向く。
「ここに雅樹はいるか?」
「今投げてというか、投げる準備中ですけど・・・」
誰だろう?。下の名前で呼ぶ人なんてアカデミー出身くらいしかいないはずだけど?。
でも・・・このゴボウみたいなほっそい顔は知らない…。
「あの〜、ところで誰ですか?」
恐る恐る声をかける。
「ああ、名前がまだだったな。俺は藤田だ。よろしくな、ルーキー達」
と、名前を聞いてもポカーンとしてる俺を見て
「まあ知らなくても当然だろう。大体は2軍にいるからな」
「・・・それで、雅樹に何か?」
「まさか同じ球団に入ってくるなんてな。ここでテスト受けてるって聞いて、早速会いに来たわけよ」
ということは知り合いなんだ。高校のチームメイトかなにかだろうか?
「あのーどういう‥」
「うん?。ああ、後で話してやるよ、もう投げるみたいだ」
確かに、ブルペンを見るともう投球練習を始めていた。
「そこで文句言ってる2人もしっかり見といたほうがいいぞ」
「何せ、元エースだからな」
それと同時にスリーク気味のフォームからボールが放たれる。
それは寸分たがわず、外角の六道のミットに収まった。
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ロックされています   Re: W・B・C(R)  名前:PN.アリス  日時: 2017/08/09 17:46 修正1回 No. 14    
       
その一投だけで瞬間的に周りが静まり返った。
あれだけ騒いでいた二人ですら、言葉をなくしてしまっている。
束の間の沈黙に続いて投げたのは、スライダー。これもかなりキレがいい。
「おいおい・・・ブランクどころか制球そのままじゃねえか!」
隣で見ていた藤田が呆れ半分、面白半分に言う。
たしかに制球がずば抜けてるが、球の質も段違い。
先ほど投げたSFFも、ヤマ張ってないと打てなさそうだ。
審査員も唖然としてるし。
「これ、一軍レベルだな・・・」
「速攻、合格して上に行けるだろうな」
誰もがうなる投球に違いない。見物してる4人はただただ見入っていた。



・・・これはブランク明けの球ではない。そのくらいの衝撃が、私に走った。
「・・・・・」
みずきのクレッセントを受けた時以来のゾクゾク感。
雅樹は、エース級かもしれない。
「どうした?」
「・・いや問題ない」
内心はそれどころではないが。
ポテンシャルの高い相手だと、どうしても心が踊ってしまう‥!。
次は変化球を要求してみるか。
「投げれる球を順番に投げてくれ」
「了解」
まずスライダーにカットボール、SFF、カーブ、チェンジアップ、どれも中々レベルが高い。
そして何より、コントロールが抜群。
とても、ドラフト4位のレベルではない。
「あと10球ほどで上がりだが、どうする?」
「じゃあ、1球だけツーシームいいか?」
軽くうなずく。それくらいなんてことはない。
「それと、気持ち右に意識しといてくれ」
先ほど投げなかったが、何かこだわりでもあるのか?。
考えてるうちに雅樹が動作に入り、ボールが放たれる。
それは球速を落とすことなく、鋭く右に沈みながらの変化。
忠告通り右に集中してなければ、危うく取り損ねるところだった‥。
これは右打者は打てないな。かすりもしないだろう。
雅樹のボールを全て受け終えた後、やはりエース級に間違いないと聖は思うのだった。
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ロックされています   Re: W・B・C(R)  名前:PN.アリス  日時: 2017/08/13 21:52 修正1回 No. 15    
       
「一体、お前は何者だ?」
引き揚げる途中、聖に唐突に聞かれる。
何者って言われてもな・・・。
「何って、ただの選手だよ」
こう言っても簡単に納得しないだろう。
案の定、「どう見ても、ブランクのある投球では無いぞ!」と詰め寄ってくる。
面倒だ…。まあ知らないはずだろうけど、説明すんのもなぁー・・・。
「どうせなら後にしてくれよ」そう言いつつ、室内に入る。
するとその前に、見物組が待ち構えていた。
「うわっ!」
「何よあの球!、どこで覚えたの!?」
「オイラも初めて見るでやんす!」
近い、近い。とりあえずサッと動いて離れるものの、そこには見物人その3がいて
「雅樹、そこまで投げれるのか?」
おいおい、亮もかよ…。
ついに四面楚歌の状況になってしまった。
俺、疲れてるんですけど。どっちか早く受けて来いと言いたい。
「そこまで詰め寄るなよ、投げ終わったばっかじゃねえか」
もう一人いたらしい人物が助け舟を出した。
声のした方を振り返ると、ゴボウの様にほっそい選手がいた。
「よう!」
・・・・。
気さくに挨拶してくるが、誰?。
えっと・・・俺の知り合いにいたっけ?
‥‥‥思い出せん!。
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ロックされています   Re: W・B・C(R)  名前:PN.アリス  日時: 2017/08/15 23:02 修正1回 No. 16    
       
「誰?」「いやいやいやいや!、誰じゃないだろうが!」
いや、こっちがいやいやだわ。こんなゴボウ知らないですよ?。
「高校の時、同期だった藤田だよ!」
藤田・・・。
その藤田と目の前の藤田(仮)を頭の中で比べてみる。
「・・・違うな」「何でだよっ!!」
特に髪が違う。
「じゃ、これはどうだ?」
藤田(仮)は、ポケットから古ぼけたお守りを急いで取り出し、こっちに見せた。
はいはい、野球部のお守りね。まあ確かによく似てるけど・・・ってとこだよね。
「でも、それだけじゃ証拠にならないな」「はぁ!?」
「今度はこっちから質問」「何だよ?」
もし本人なら必ず言えるはず。
「神宮大会前にハゲにした理由は何?」
「・・・髪にとりもちついて、洗うの面倒でそのまま剃った」
周りのみんな(六道以外)は大爆笑。
「あ、本人だわ」「それで気づくのかよっ!」
確認といえば、やっぱインパクト大のエピソードでしょうよ。
「ごめんごめん、お前の見た目があまりに違っててな。それで、よく俺って気づいたな」
「キャンプ前までは全く。ただ各先輩方、筒香さんや乙坂さん達に聞かれてお前って分かったよ」
「筒香さん達が、先輩方?」
さっきまで爆笑していたはずの亮からの質問。結構真剣な顔になっている。
2人で同時に頷き、藤田が返した。
「俺らは横浜高校出身だからな。で、こいつは」俺を指さし、「うちのエースな訳」
「へぇー、アンタ高校球児だったの?」「一応」
「でも雨宮なんて苗字の投手、甲子園で見てないでやんす」
矢部君の疑問に他の3人も頷く。
「その時は親父があれだし、家の方針で母方性で学校行ってたからね」「で、こいつは神本」
これには4人とも絶句。見るからに思考回路が止まってるようだ。
「えーーーーーでやんす!!」「超エースじゃない!!!」
復活した二人が先に声を上げる。
「雅樹がビッグ3の神本か・・・」亮ですら、結構な衝撃だったようだ。
「だからか。しかし…プロには行かなかったのか?」
「実は故障しててね…。それでリハビリ兼ねてアカデミーに」「だから野手しかやらなかったのか…」
なぜか引っかかってたことが解けて満足げの聖。その記憶力?、恐るべし‥。
「まあ、ともあれまたよろしくな!」「こっちこそ」
久しぶりに再会した二人は握手を交わした。
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ロックされています   Re: W・B・C(R)  名前:PN.アリス  日時: 2017/08/17 22:05 修正1回 No. 17    
       
藤田がグラウンドに戻っていった後、二人のテストを開始。
亮はあっという間に終わった。
150前後の速球に4球種程度を織り交ぜ、淡々と投げる。
特にスライダーいや真っスラのキレがエグい。140以上出てんじゃないか?。
でも、なんであんな颯爽としてるんだろう?。打者時の威圧感・守備時の直向きさと何かが違う…。
みずきは大分時間がかかった。(と言うのも本人のせいなのだが・・・)
アピールの為にサインを無視してクレッセントを無駄に多投した結果、聖が激怒。落ち着かせるのに10分くらいかかった。
聖の方もキャッチング能力を見られているのだから、捕球困難度MAXばかり投げられても困るだろう。
クレッセントムーン自体は異次元の曲がり方ではあるんだけどね。
どうせなら無駄に精密なコントロールをアピールすりゃいいのに…。
最後に驚きと一悶着あって、長かった適正テストは終了した。

「やっとキャンプメニューに取り組めるでやんす・・」さほど疲れてないのに、疲れた感を出してメガネが言った。
「それは、明日からだろ」亮が言い返す。「こんな疲れが溜まった状態でやったら、監督がどう言うか分かってるのか?」
メガネがしまったという顔がするが時すでに遅く、直後にもう一人の信者が続いた。
「そうだぞ矢部。『休息・食事・練習効率のバランスが重要だっ!!』って何度仰られたことか」
こういう状況時、俺やみずきは二人を見ないようにしている。熱心な説法(または布教)が始まるからだ。しかもこれが長い。
「俺急がなきゃいけないんだけど…」「何で?」
すっかり忘れてらっしゃいますねミズキサン。私、代理をやるんですよ。
「スカウトだよ。今日中に戻らないといけないんだって」
「あっ、そうか」いや忘れんとのかい。
目の前の状況をサッと見て、「今行ってもいいんじゃない?。多分‥こっち見えてないから」
確かに、矢部君に過去のありがたい言葉を呪文の如く浴びせている。こちらの状況はほぼ見えてなさそう。
「じゃ、抜けるわ。後宜しく」と動き出そうとすると、いきなり肩をつかまれる。
「何?」「お土産。よろしくね♪」
・・・はいはい。
OKサインを出し、半分呆れながら俺は帰り支度に戻るのだった・・・。
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ロックされています   Re: W・B・C(R)  名前:PN.アリス  日時: 2017/09/02 21:37  No. 18    
       
―球団事務所・会議室―

そこでは二人の人物が話し合っていた。
「まずこちらは高卒。次は大学と、社会人だな」
説明しているのは雅樹の父、雨宮和人である。ン何やら日程の合間で帰国したらしい。
「・・・へぇ」
「そして、これは退団した選手達だ。全て合わせると、まあ100人ほどいるだろう」
目の前にはいくつか並べられてあり、その脇に積み上げられた資料は中々の量だ。
「でもさ、フリーの選手はいいとして・・・ドラフトは10月じゃないの?」
それを聞いた親父は『やっぱり知らないか』顔でため息をつく。
「・・・まあ知らなくて当然か。簡単に言うとだな、プロ志望届を一度出した選手は補強選手の対象として契約できるようになったんだ」
「へっ?」「まあその分、条件は色々と厳しいが」
そんな情報知らなかった。というか今の学生等は知ってるんだろうか。
…それ込みで届出してたらそれはそれで怖いな。
「じゃあ、助っ人選手のように探してOKってこと?」「その通り」
なるほど、だから親父は奔走してるのか。
「大体の事情は分かったよ。で、この中から何人くらい探せばいいの?」「そうだな・・・そこから最低2〜3名、投手は2人欲しい」
親父はさらに話を続ける。
「小川・今永が柱になるが、それ以外が不安定で圧倒的に先発が足りない。・・抑えはいるんだがな」
たしかに、三上さんや山崎さんは健在だから問題はないか。
「それ以外の選手は6回持たなさすぎる」
『…それはコーチに言えよ』と思ったが黙っておくことにした。
「大体は分かった。まず資料見てみて、見知った奴でもいればそこから当たってみるよ」
「よろしく頼む」
これで話し合いは無事終了し、無経験のスカウト業務開始。
…全くできる気がしないけど。
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