Re: 星への架け橋 名前:稲本圭 日時: 2012/10/15 21:31 No. 13
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このあと、小波たちは、このあかつき高校についての諸注意などを受け、今日の授業は終了となった。 この後は、一般生徒は、部活動体験が待っている。 これは、一週間、部活動を体験し、その後に入るクラブを決める、という制度である。
しかし、野球部だけは例外だ。 一ヶ月ほど前のテストで、既に野球部の新入生は決まっている。 そのため、野球部の生徒は、これからすぐに練習となるのだ。
「矢部君、急ごう! 初日から遅刻なんて目も当てられないよ!」 「ガッテンでやんす」 小波と矢部は、ものすごいスピードで、教室を駆け出していった。 その光景を、梅田が後ろから、立ち上がり準備をしながら、眺めていた。
部活動別ロッカールームに着くと、そこにはすでに、何人かの生徒が着替えていた。 といっても、2,3年生は入学式のあとすでに練習を開始しているので、ここにいるのは、みな1年生だ。
「ん、おぅ、お前等も野球部か?」 部屋の中にいた、がたいのよい男が、小波たちに話しかけてきた。 「あぁ、そうだよ。僕は小波、小波勇気。こっちは矢部明雄君っていうんだ、よろしくね」 小波が一通り自己紹介をしたところで、今度は相手へと移る。 「俺は合田剛だ。んで、こっちのちっこいのが、柳沢千夏だ。よろしく頼むぜ」 自己紹介を終えると、小波たちは部屋の中を少し歩いてみた。 どうやら、かなり本格的なもので、高校とは思えぬ綺麗さが目立っていた。
少し見てみたところで、小波たちは着替え始めた。 野球のユニフォームとは面倒なもので、着方が少し特殊だ。 矢部は新しいストッキングがきつすぎたのか、小波の隣で奇声を上げながら着替えている。 小波はそれを完全にスルーし、道具を持ち、グランドへ向かった。
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