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ただ、それらのものと第3打席はまったく質が違うように感じられる。一瞬姿を現した黒くて強い色がほかの色の下に隠れている。あの打席での成田は、投手としての高いポテンシャルや上質な投球技術とは別次元の顔を垣間見せた。 投球とは意思疎通なのだそうだ。投手と捕手の、投手と打者の、投手と審判の、投手と野手の会話なのだと監督は言う。 − だから球から投手の「呼吸」を読め。お前にそれができればうちは甲子園に行けるんだ。 そう考えるならあれは、投げつけられた礫が外殻を壊していくような、コミュニケーションというにはいささか凶暴なメッセージが込められた投球だったのではないか。 2球目、3球目とカウントを取りに来たチェンジアップは挑発するようにゾーンの真ん中を抜け、4球目外角寄りをかするストレートはさも当ててファールにしてくださいと言っているようだった。気になるのはそれを放る成田だった。マウンドから注がれる視線は、対象に対する一切の興味を失っていた。自分のリズムになれないままに、放たれたのはあの襲いかかるような直球である。完全に踊らされた打席だった。冷然とマウンドを降りる成田が目に焼き付いている。 打者を見下した圧倒的なピッチングはただのまぐれなのか。たまたま俺が呑まれたのか。まさか、楠井がいうようにあの瞬間まで成田は加減して投げていた?それで郁栄に勝てると踏んでいた?それはない。やっぱり偶然だ。むしろピンチになると実力以上の投球ができるタイプなのかもしれない。だから、追い込まれてベストピッチが出ただけの話だ。 懐疑の念に首を振る。この回も先頭打者を打ち取った投手に檄を飛ばす。 試合は5回表を迎えて4点のリード、作戦通りの順調な試合運びだ。ここでエースを温存できる意味は大きい。ベンチには同学年の投手も控えている。主導権は完全に握った。まともにやって点を許すイメージなどまるでできない。むしろここから先は今後を見据えた試合になる余裕すらある。極めて順調な試合運びだ。 言い聞かせる言葉とは裏腹に、ほんの一滴であったはずの不一致感が徐々に拡大していく。 それならどうして俺はあいつが怖いんだろう?この試合がどうこうじゃなく、打者としてあいつに勝てる気がしないのはどうしてなんだろう?
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