スレッド
一覧
新規
スレッド
ワード
検索
過去
ログ
ホームに
戻る
ザツダン
掲示板へ
記事観覧
> 記事修正フォーム
記事修正フォーム
題名
名前
コメント
「じゃあ神谷はどうだ」 そう吐き捨てた勇の顔からは笑みが消えていた。 そうだ。1番を三振に取ったあの打席。あのときのルイだ。それを俺はベンチから見ていた。 「結局お前が本気で投げたのはあの打席だけだ。いや、最後のインローだけだ。あれは神谷に何かを感じたからじゃないのか?脅威に感じたからじゃないのか?勝手したお前には、説明する義務があると思うがな」 卒業アルバムに並ぶ安売りの笑顔のようなルイの仮面ははがれない。 それ以前に、勇の言った何かが和喜の虚ろな頭を瞬時に切り替えた。 「義務?それはどういう意味だ?」 視聴覚室に亮輔の声が響いた。それまで黙りこくっていた意外な発言の主に、5人の視線が集中した。 「ルイはチームの代表としてマウンドに上がったんだぞ」 少し間があって、勇がそう答えた。 その間も和喜の「心」はフル回転していた。認知資源の配分を切り替え、雑多な情報の入力を遮断し、こころの状態が切り替わった原因、この小さな不快感の原因を捜索していた。 「だからねじ伏せにいった理由をいう義務があるのか?とっさの答えで、ごまかすんじゃねぇよ。なにをイラついてるんだ?」 伏兵の出現で優位となったルイは、安堵の顔で口を開いた。 「勇さんが怒ってるのは、俺がサインを…」 「ねぇ。待ってよ!」 気が付いたら和喜は声を張り上げていた。和喜の心をかき乱す要因の特定は突如として達成され、そして情動を介して迅速な対処反応を喚起した。外環境の明確化、いわゆる真相の究明、それが「疑い」と呼ばれる心的状態の目的である。和喜の冷えた体が、その先端を置き去りに急速に熱を帯びていく。 「待ってよ。義務とかなんとかそこも全然わかんないけど、本気じゃなかったってなに?」 ルイの目がこちらを向いた。そこには、勇に向けていたような刺すような鋭さはなかった。一方で勇はテーブルの正面をじっと見つめたまま動かない。 「なに黙ってんだ、ちゃんと説明しろよ!ルイ、お前本気じゃなかったって、ほんとなのか?」 「あ〜…そうっすね」 頭がカッと熱くなる。目頭の熱が視線を伝う。 「なんだよ、それ!どっか痛めてんじゃないよな?」 「ちがいます、けど。いや厳密に言うと、本気じゃないっていうより勝ちにいってないって感じかな」 それを聞いて優の顔には笑みが広がった。
0文字/1000文字
文字の色
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
イメージ
パワプロくん
矢部くん
猪狩守くん
猪狩進くん
阿畑さん
早川さん
友沢くん
橘さん
六道さん
久遠くん(11,13)
犬河くん(11)
猫神くん(11)
絵里さん(11)
六道さん(制服)
蛇島くん(13)
みこさん(14)
ボール(イラスト)
野球用具
球場1
球場2
球場・喜び
球場・整列
甲子園・外
バッティング
バント
スライディング
ピッチング
キャッチャー
守備
打つ瞬間
審判
応援団
学校
教室
携帯電話
スマートフォン
パソコン
飛行機
管理者用
[
イメージ参照
]
URL
パスワード
(修正不可能)
クッキー保存