スレッド
一覧
新規
スレッド
ワード
検索
過去
ログ
ホームに
戻る
ザツダン
掲示板へ
記事観覧
> 記事修正フォーム
記事修正フォーム
題名
名前
コメント
おいおい、ビビるほどのボールじゃなかったろ? その場に転がり込んでしまったバッターに向けて、菅浪は軽蔑した。球速表示は147キロとあるように、一回り手を抜いて投げたストレードだ。 さすがに威嚇球までも90マイル後半を投げるほど、鬼じゃない。むしろ仏様だろう。この世には遊びの野球で、あろうことか嫁さん相手に全力のビーンボールを放り込むお方だっている。自分はどうだ? 左肩付近という回避可能な範囲で、仮に当たったとしてもまだ軽傷で済める部位だ。 こちとら最低限の道理はわきまえているんだから、さっさと立てよ。ボールを受け取ってもなお立ち上がらずにグズグズしているアホに、いよいよ嫌気がさしてきた。 しかし菅浪が思っている以上に、事は大きく発展しようと動き出していた。怒りを抑えきれないビッグスターズのファン達が一斉にブーイングを轟かせる。あっという間に、獣が発するような野太い低音が、スタジアムを飲み込もうとしていた。 侮蔑や憤怒を宿したいかれ狂った視線が、菅浪目がけて絶え間なく次々と刺していく。もし目から矢を放てる能力がヒトに備わっていたら、右半身は穴ボコだらけになるまで貫き通されて、見るも無惨な屍に変貌していたことだろう。これじゃあ身体がいくつあっても足らない。 外野は黙ってろと、向こうを指さしながら一喝したい気持ちを、菅浪はなんとか我慢した。 まるでモンスター・ペアレントが仏頂面で学校に乗り込む行為と全く同じじゃないか。全て自分が正しい。むしろ自分が全て。自分が中心に世界が回っている。だから自分が間違っているなんてことなんて一片たりとも疑わない。 そんな彼らにスポットライトを当てた、テレビのドキュメンタリー番組を見て哀れんでいただろうアンタらは、この場で同等の行為をやっているんだぞと、説明してやりたかった。伸ばした右手の親指を地に向けて、いきがるフーリガンに、だ。 紳士たれを貫く名門球団のファンがこの有様ではもう世も末だろう。嘆かわしい思いを粉と一緒に消し去りたい思いで、菅浪はロジンバックに手を入れた。 罵声ばかりがスタジアムを占拠する中でチェンジアップを投じ、相手打者をピッチャーゴロに打ち取る。だけど彼らが恨めしそうに送る視線だけは、まだまだ収まりそうにない。常識さえも通用しない球場のマウンドの上で菅浪は人知れず溜め息を漏らした。
0文字/1000文字
文字の色
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
イメージ
パワプロくん
矢部くん
猪狩守くん
猪狩進くん
阿畑さん
早川さん
友沢くん
橘さん
六道さん
久遠くん(11,13)
犬河くん(11)
猫神くん(11)
絵里さん(11)
六道さん(制服)
蛇島くん(13)
みこさん(14)
ボール(イラスト)
野球用具
球場1
球場2
球場・喜び
球場・整列
甲子園・外
バッティング
バント
スライディング
ピッチング
キャッチャー
守備
打つ瞬間
審判
応援団
学校
教室
携帯電話
スマートフォン
パソコン
飛行機
管理者用
[
イメージ参照
]
URL
パスワード
(修正不可能)
クッキー保存