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「残念ですが……完全にやられてしまっています。リハビリ期間は年単位になるということを覚悟したほうが良いですね。 たとえリハビリが上手くいって実戦復帰出来たとしても、前までのボールは投げられないでしょう。150キロはおろか、もしかすると140キロも出せないかもしれません」 こうなることは、肩に激痛が襲いかかったおとといから、分かっていたはずだった。そうなることを受け入れる気持ちも持っていた。しかしどこかで、それを否定したい感情が募っていたのかもしれない。医師から突き付けられた診断結果に、菅浪は何も言葉を返せなかった。レントゲンの方に向けていた目線をつま先まで下ろす。まっさらな白衣を身に纏う医師の姿を直視することなんてもっての他だった。そんなこと出来るはずがない。暑さで熱気を帯びていた身体は、とっくの間に冷え切ってしまっている。 正式な症状は右肩腱板損傷。肩を動かす際、重要な役割を果たす腱板と言われる筋肉をやってしまったというわけだ。医師からの話によれば相当厄介な状態に陥っているということ。 これが原因になってプロ野球の世界からドロップアウトせざるを得なくなった選手は、数えきれないほどいるらしい。突然重病患者というレッテルを張られたような気分がして、ゾッとする。まるで俺が俺自身ではないような、奇妙な感覚と脆くて弱弱しいバランスの上で、今の自分が成り立っているようだった。 様々な感情が渦巻く中で、菅浪がようやく右肩を故障したという現実を肌で感じられたのは、車の運転の最中にテレビから流れていた試合中継。 前回のノックアウトから強行した桐生がフライヤーズ相手に気迫の投球で1失点に抑えて完投し、念願の10勝目を手にした。 とても3日前に青ざめていた奴だったとは思えない。まるで別人のようだ。――俺も、だが。 感心する一方で試合中に何度も計測される150キロの数字が、菅浪の現実をざらざらと擦りつける。3日前の投球。やっとたどり着いた境地だったのに、崩れ去る時間はあまりにも早かった。まるで追い求めていた時間と反比例しているみたいに。 こんなことってありかよ。天を仰ぎたい思いを隠しきれずに、菅浪はハンドルを強く握りしめた。 中継を眺める視線は遠く、冷たく、それでいて羨ましかった。そして今存在しているのは宣告を受け入れるしか出来なかった、壊れた自分だけ――
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