スレッド
一覧
新規
スレッド
ワード
検索
過去
ログ
ホームに
戻る
ザツダン
掲示板へ
記事観覧
> 記事修正フォーム
記事修正フォーム
題名
名前
コメント
5 「もしもし?」 菅浪を回想から現実へと戻す引き金になったのはスマートフォンの着信音だった。キャッチ―な歌詞とポップなサビの部分のメロディが孤独のロッカールーム内で響き、改めてこの場の静けさを感じさせる。掛けてきた相手は橘。こんな時間にどうしたのかとは思ったが、出ないわけにはいかない。菅浪は指先のタッチひとつで電話に応答する。直前まで深海の奥底に入り浸るように、上書きすることの出来ない悲愴な過去を振り返っていたとは思われないように、いつも通りの口調で言葉を発した。 「突然ですまない。とりあえず今、球場にいるか?」 「ええ、いますよ」 「そうか。それなら話が早い。何してるんだ?」 「あー、ダウン代わりに軽くトレーニングやってきて、それで今ロッカールームで着替えているところですね」咄嗟に嘘をつく。まあまあ辻褄は合っている嘘だな、と我ながら思った。 「よし。着替えが終わったらでいい。後で監督室に行ってくれ」 「どうかしたんですか?」 「大地監督がお呼びしてるんだ」 橘の一言に、菅浪は座りながらではあるが身構えた。ついに来たか。もうそろそろだとは思っていたが、ついに決心されたんだな。注意深く聞き取れと耳に信号を送り、橘が発する言葉の節々を見逃さないようにさせた。 「なに、話は手短に終わるらしいから大丈夫だ。とりたてて悪い話というわけでもないしな。ちゃんと来てくれれば問題無いらしいから、よろしくな」 「ありがとうございます」 画面に映る終了ボタンに軽く触れて、電話を切る。そして顔を一叩きして心持ちを引き締めた。立ち上がって深呼吸をしてから菅浪は自分のロッカーへと踵を返す。悪い話ではない。橘自身は気付いてないかもしてないが、すなわちこのフレーズは、受け取る側にしてみれば"おめでたい話"に相当するのだ。もともと現実主義者で言葉選びが慎重な彼だから、繰り出す言葉が必然とそうなるのは分からなくもない。だから周りから"教授"というインテリジェンスな呼び名で慕われているのだろう。 しかしこの話はどうでもいい。今はとりあえず監督室へと出向かなければ。菅浪は息をつかせる間もないほどのスピードで、ユニフォームを着替え始めた。
0文字/1000文字
文字の色
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
イメージ
パワプロくん
矢部くん
猪狩守くん
猪狩進くん
阿畑さん
早川さん
友沢くん
橘さん
六道さん
久遠くん(11,13)
犬河くん(11)
猫神くん(11)
絵里さん(11)
六道さん(制服)
蛇島くん(13)
みこさん(14)
ボール(イラスト)
野球用具
球場1
球場2
球場・喜び
球場・整列
甲子園・外
バッティング
バント
スライディング
ピッチング
キャッチャー
守備
打つ瞬間
審判
応援団
学校
教室
携帯電話
スマートフォン
パソコン
飛行機
管理者用
[
イメージ参照
]
URL
パスワード
(修正不可能)
クッキー保存