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着替えが終わり、黒い長袖のTシャツとジーパンというありきたりな格好で監督室へと向かう。一度身だしなみを鏡でチェックして、ロッカールームを出た。 通路を歩きながら、野球選手のファッションが乏しいのは、おしゃれにかける時間の絶対量が足りていないからだと、ふと考えた。 小学校の時から週7日の練習漬けは当たり前。中学校になって練習量が一段と増して、高校野球にステップアップすれば野球以外のことは日常の蚊帳の外へと追いやられてしまう。埼玉から宮城の私立・宮城第一高校に遠境留学した菅浪は、完全に日常を隔離されてしまったクチのほうだ。 今にして思えば寮生活は地獄のようなものだ。一年奴隷二年平民、三年神様。フレッシュな新興私立校とは聞こえがいい。しかしその実態は悪しき野球の縦社会を存分に詰め込み、見るからにイビツな曲線を描いていたと思う。 県内外の出身を問わず野球部員全員が3年間を過ごすことになる"第一寮"はいつの間にやら、"中世の館"なるあだ名がつけられていた。そりゃあそうだ。青春とかけ離れた毎日が、繰り返し繰り返しリピートのように訪れる。 グラウンドでは神経に意識を集中させるのは当然。厄介なのは、いつどやされるか分からないと朦朧とした精神の下で、最善のプレーを強いられることだ。目をつけられるなんてもっての他。それは限りなく"終わり"に近い言葉に言い渡されていると同じだ。 当然学校の授業なんて聞けるはずもなく、教師の声を子守唄替わりに居眠りをして淡々と時間割を流すばかり。寮では同室の先輩たちに体の良いように使役される駒のような扱いをされ、安眠の境地に入ることすら許されなかった。 そして日の出が昇る前に叩き起こされて、朝練という地獄の前奏曲が手招きしながら待っている。それでも神様は無情にもリピートボタンに手をかけた。地獄の道に終わりは無いぞと、最悪の方向への一方通行の標識を指し示しながら。極楽浄土にありつければもう何もいらないと本気で思ったこともある。 自分も含め、そんな1日が日常と化して大人まで育ってきた人種たちだ。それなのにおしゃれをしろと突然言われても無理がある。Tシャツの袖がほつれた見苦しい部分を見つめながら、菅浪はひとり苦笑いを浮かべた。
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