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「投げ急ぎ過ぎだ」 菅浪がベンチから帰ってきた矢先、橘英一(たちばな・ひでかず)が苦言を呈する。 2軍投手コーチの肩書きを持つ彼だが、その表情は険しさをにじませていた。 「気のせいじゃないっすか?」 「アホ、はぐらかしたって無駄だ」 ポン、と頭を小突かれた。ついでに睨みを利かされてしまう。菅浪はバツが悪そうに立ったままでいるしかなかった。 「ったく、本当は気付いてたんだろ? 早くアウトを取りたい取りたい……って気持ちがはやってたことくらいは」 どっこいっしょ、と橘はベンチの椅子に腰かける。 「いや、そういうわけでは無いんすけど」 「じゃあアレか、桐生(きりゅう)みたいにかっこよーくバッターを片付けたかったのか?」 まんま図星。仕方がないのでうつむきながら、菅浪は白状した。絞り出すような、乾いた声で。 「勘弁してくれよ……」 ちらつく白髪混じりの頭を少しかきむしりながら、橘は溜め息をついた。 「何度も言うけどよ。もうお前は桐生みたいな、力でねじ伏せるピッチングは出来ないんだ。 だからあの夏のクソ暑い日に、俺に教えを乞いに来たんだろ? "技巧派投手"としてもう一花咲かすことを――」 このセリフを何回聞いたことだろうか。力だけでバッターを圧倒することは――ちょっと前の自分なら、出来た。 でも今は、出来ない。出来なくなってから、だいぶ年月を経ただろうか。 「いいか。身体を落ち着せて、投球前にしっかり間合いを取る。相手にちょいと思考を巡らせたほうが、ちょうどいいんだ。絶対に焦るな。丁寧に、丹念込めて1球1球投げてこい。 それから、さっきの回は上半身ばっかりの力に頼って投げてるだけだ。全然、下半身の力を活かし切れてない。 もっと腰を上手く使って投げろ。腰を意識して投げれば、少なくとも最後のボールが外野まで飛ぶようなことは無いだろう」 橘が話し終えたところで、ベンチが慌ただしさを醸していることにやっと気付いた。辺りを見回すと、いくぶん選手が少なくなっているように見える。 「ほら、もうチェンジだ。間合いと腰に気を付けて、ピシャっと抑えてこい」 尻をポン、と叩かれてようやく解放される。のんびりと言葉を返す余裕すらなく、橘に言われるまま、菅浪は急いでマウンドへと駆けていった。
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