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あいつ、本当に日本の「野生児」なのか?ーー 約20m離れた彼の不気味なほど涼しげな顔を見ると、そう思わずにはいられない。 こいつ、本当に日本では「野生児」と呼ばれていたのか? ある日、ジュニア・ハイスクールの担任が陽気な声で、「新しいクラスメートを紹介するそいつは 日本人で日本では「野生児」と呼ばれてたそうだ」と切り出してきた。 担任がオーバーな表現を使うのはいつものことだったのが、純粋に興味が湧いた。 だが、そいつが教室に入ってきた瞬間、俺は目を疑った。 彼の眼には「色」がなかった。 白と黒いう名の無色。 そして、それは今も変わらない。 「なんでそんな死んだような眼をしていたんだ?」 興味本位で聞いてみたら、彼はこう言ったのだ。 「生きがいを失った。」 言った、というよりは、吐き捨てた、という表現のほうが正しいかもしれない。 変な奴だ、と思ったが、ふぅん、とだけ言ってその場を離れた。 とにかく、あと一年と少しの時間が経てば、シアトルから抜け出せるのだから、こいつみたいな変人や、外国人とも関らなくてもすむだろう、と思っていた。 俺は親の仕事の都合で5年前からアメリカに来ていた。 親の仕事の都合とはいえ、嫌いな異国人との生活はもうこりごりだった。 だが、ある時そいつが壁に向かって何かをを投げているのを見て、声をかけずにはいられなかった。 よく見ると、それは軟式野球ボールだった。 俺自身、ベース・ボールは好きだった。 シアトル州の優秀選手にだって選ばれたことがあるし、上手い、という自負はそれなりにはある。 声をかけ、ごく自然に、話し、友人になり、親友になった。 そして、彼が失った生きがい、というものが野球だったことも、打ち明けられた。 「左の肘が壊れたんだ、日本では治らないから渡米を勧められたけど、シアトルのでっかい病院でも、治るのに一年はかかるって。笑っちゃうよな。」 相変わらず吐き捨てるような口調だったうえに、顔が少しも笑ってなかったから、こっちが笑いそうになったが。 紆余曲折あって今に至るが、やはり、今でも彼の眼には「色」がない。 彼の眼は死んでいる。 右投げに矯正して、そこらへんの奴とも引けを取っていないほど成長しているのに…… なんでだろう、と思う。
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