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第1話 えっ?俺がエース!? 新監督のあいさつが始まった。 「前監督に変わり就任した白石だ。私はこの部員が12人しかいない弱小野球部を甲子園で優勝させるためにきた。私が甲子園で果たせなかった夢を君達に叶えてほしい。それから練習の後ミーティングを行う。部室に集まるように、以上。」 監督は最後にわざとらしくせきこむと、かけ足でグラウンドに向かって行った。 「新しい監督、元プロで一軍で出場したこともあるらしいぞ。すごいな!」 こいつは俺の親友で同じく3年のキャッチャーの辻川秀吾(つじかわしゅうご)だ。俺の投球にいちゃもんをつけず励ましてくれるいい奴だ。 『俺もプロになりたいな』 と心の中でそう思いながらグラウンドに向かった。 投球練習が始まった。 バッシィィィィィィン バッシィィィィィィン 『あぁ今日も荒れるな・・・』 と思いながら投げていると、監督がこっちを見て驚いているのに気付いた。あまりのコントロールの悪さに絶句しているのかと光輝は思ったがそうではなかった。 監督は光輝のもつ天性の野球センスに驚いていた。 『こいつ化け物かよ!なんて球威だ。150kmをゆうに超えてやがる!プロでもこんな球投げれる奴いねぇぞ!こいつは将来必ず大スターになる!』 「おいお前!変化球は何を投げれるんだ?」 とても興奮している監督に少々困惑した光輝だったが 「一応・・カーブとチェンジアップは投げ「よし、分かった!」 光輝がいい終わる前に監督は答えて、 「練習中止!今すぐミーティングだ!」 と言って部室に駆け込んだ。 ミーティングが始まった。 色々な話が終わり、最後にオーダーの発表があった。 「これからオーダーを発表する。意見があれば後で言うように」 光輝は期待していない。エースはおそらく1年の田所幹也(たどころみきや)だろう。この前もエースで4番として練習試合に出場していた。本職は右だが前監督が 「お前の肩なら投手もできるだろ。まぁ少なくとも高嶋よりはましだろ」 と言って勝手に決めた。打撃は天才的で投球は決していいとは言えないが前監督の言うとおり光輝よりはましだった。 文字数が少なくなったので2回に分けます。
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