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放課後、約束の時間。 ボクは幸子との約束の場所に来ていた。 中庭。 川上君がボクを野球に誘ってくれた始まりの場所。 でも幸子は、ボクを野球部に入れないために、三打席勝負をしろと言ってきた。 ここを、終わりの場所にはしない。 そう思った刹那。 ーーー高木幸子がやってきた。 「ボク、野球が大好きなんだ。幸子」 「知ってるよ。 だけど・・女性は野球部の練習には入れない。入れたとしても、高校野球の試合には出る事はでき ない。」 幸子の言っていることはわかる。 確かに、ソフトボールをやったほうが利口ってのはわかる。 でも・・・。 「ボクは野球が好きなんだ。 好きな野球をやりたいんだ。 そんな野球を、幸子に言われただけじゃ、あきらめない! 勝負しよう、幸子。」 「上等、それじゃ、始めるよ。」 前もってライン引きで打席とマウンドを作ってくれたみたいだけど、中庭にあるため、当然盛ってない。 ピッチャー不利だけど・・・やるしかない。 ノーワインドアップモーションから投げようと思ったその刹那。 「タイム!!」 「藤井君!どうしてここに!?」 「詳しい話は後。 とりあえず・・・」 チラ、と幸子のほうを見た後、藤井君はこう言った。 「とりあえず、高木さんを倒さなきゃいけないんでしょ? 助太刀するよ。」 「ちょっと待ちな! 助太刀ってどういうことだい!」 「僕はキャッチャーだからね、リードとキャッチングをさせてもらうよ、文句はないね?」 そう言って藤井君は、持ってきていたエナメルバッグを地面に置いた。 そしてバッグの口を開き、中からスパイクシューズとキャッチャーミット、そして防具を取り出す。 そしてそれらを手早く着用すると、藤井君はボクのほうに来た。
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