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香奈ちゃんは「はやくいこーよ!」と言って、歩き出した。 ずいずい進んで、私と距離が離れていく。はやく、と私を手まねいた。 「はやくはやくー!」 「待ってよお」 駐輪場にさしかかって追いつくと、香奈ちゃんは遅いぞと言って微笑んだ。浮かぶえくぼは嫌味がなくて、とてもかわいい。 そして、そのぷっくりしたいつも唇はよくしゃべり、私をぐいぐい引っ張ってくれるのだ。 「さ、いこ!」 香奈ちゃんは足早に歩き出した。 あれ、普段だったら私と香奈ちゃんはここからだらだらとだべり出すはずだ、と思った。 あったことないこと、はしが転がっても笑うくらいなのに。 「香奈ちゃん、何かあった?」 後姿の香奈ちゃんの肩が上がる。 ふと、メールに使われていた顔文字を思い出した。なんか、怒ってるようじゃなかっただろうか。 振り返った香奈ちゃんは「雫はやっぱりするどいなー」と言って、急にその表情をこわばらせた。 「どうしたの?」 香奈ちゃんは言いにくそうにして、足元に視線を落とした。こつこつとつま先でアスファルトを鳴らす。 「嫌なら言わなくてもいいよ」 そう言うわけじゃないんだけど、と香奈ちゃんは考え込むように腕を組んだ。 しばらくして、よし、と意を決したように顔を上げる。 「ウチ、告白したの」 香奈ちゃんは私を見つめた。びっくりして「えー、嘘!?」と声を出して、足を止めた。 「誰に誰に? いつ? いつ?」 私は一気にまくしたてた。 「落ち着いてよ」 「これが落ち着いていられますか!」 恋の話には、甘いにおいがあると思う。女の子はそのにおいに敏感で蜂のように引きつけられて興味深々なのだ。 黙ってなんかいられない! 「こうなると思ったから渋ったんだよー」 香奈ちゃんは困ったように、ため息をついた。 そう言えばそうだ。恋の話で、もし良い話ならもっと嬉しそうにしていいはずだ。 告白した。私を遊びに誘った。メールの絵文字は怒り顔。とにかく早く遊びに行きたい、とすれば? 「もしかして――」 「振られちゃった」 どうしよう、って思った。テニスコートから、威勢の良いかけ声が聞こえてる。 「そういうわけだから、行こうよ。今日は、振られ記念パーティーってことで」 香奈ちゃんはまた歩き出した。 置いていかれないように走り出そうとしたところで、どん、と誰かにぶつかってしまった。
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