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「一曲目はこれ!」 香奈ちゃんがリモコンをカラオケ本体に向けた。液晶モニターにタイトルが出る。 『これ良い歌よね。勇気の一雫って』 思わず香奈ちゃんと顔を見合わせた。二人で、全く同じことを口にしたからだ。 「ウチら性格とか全然違うのにほんと気が合うよね」 香奈ちゃんが小指を立てて手を差し出す。私も手を伸ばして、そうだねと答えて、小指を絡めた。 これは私たちが気持ちを確かめあうときのサインだ。 するっと指をほどいて、香奈ちゃんはモニターに顔を向けた。マイクを口に近づけて、歌い始める。 香奈ちゃんの透き通るような声が、部屋の中に響いた。 「RINって良い歌多いのになんで失恋ソングないんだろ」 カラオケを終えて駅に向かう道で、香奈ちゃんがなげいた。 「失恋したことがないからとか?」 「またまたー、そんなことあるわけないじゃん」 香奈ちゃんは指でノンノンと否定する。 私が、私たちには何とも言えないよね、と言うと、香奈ちゃんは、そりゃそうだ、と同意した。 「せっかく『勇気の一雫』ってウチが勇気出したのとおんなじようなのがあるのにさー。 なんで失恋したのをなぐさめてくれるようなのがないのよー。それで締めようと思ったのに」 「しょうがないよ。それより香奈ちゃんすごいね」 香奈ちゃんは首をかしげて、何が、と聞いてきた。 「告白なんて勇気のいることが出来て、その、振られちゃったけど、すぐ切り替えられて」 「突然どしたの?」 なんでもない、と答えると香奈ちゃんはさらに首をかしげた。 「あ、さては、雫も好きな人でも出来たな? 聞いてもいつも教えてくれないんだから、今日は聞いちゃうぞ。 さあ、この香奈ちゃんに話してみなさい。答えないのは無しね。振られた香奈ちゃんに冷たくするとあとが怖いよー」 香奈ちゃんは笑いながら身を乗り出してきた。香奈ちゃん、目が笑ってないです。ごめんなさい。 でも、全然嫌な気はしない。 それどころか体から悪いものを出すデトックスでもしているような感覚がある。 「あのね」 私は吐き出すように言った。 絵のこと。嘘のこと。永井先輩のこと。そして野球部を見てること。 好きな人のことは、言わないでおいた。 「ウチに言えることは――」 途中まで言いかけて香奈ちゃんは急に足をとめた。誰かを見つけたらしい。 「あれ、緑川先輩だ」
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