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体にぽっかりと穴があいてしまったように感じていた。 あれ以来、朝早起きして美術室に行くことはなくなった。部活で行くことも、だ。 あれだけ楽しみにしていた練習での緑川先輩の姿をもう一週間も見ていない。 大事な何かをなくしてしまったような不思議な感覚がする。でも、学校ではそれほど辛くないのは、なぜなんだろう。 思い当たる節が、ひとつだけある。 油のにおいを嗅がなくなったからだと思う。だから今は家に帰るのが辛くて、家の中ではリビングにいることが多い。 ぼんやりと教室の自分の席で、誰もいないグラウンドを眺めていた。 「雫! しーずーくー!」 香奈ちゃんの声がした。声の方に慌てて振り向く。 何? って聞くと、香奈ちゃんはあきれたように巾着を見せた。 「ごはんいこーよ!」 「もうそんな時間?」 チャイムがなったことにも気づかなかった。 「ちょっと大丈夫?」 香奈ちゃんが、心配そうな表情になる。 そのとき『ぐーぎゅるるる!』と私の腹の虫がなった。 「ようやくカバからヒトに戻ったと思ったら、今度は牛か何かですかー?」 香奈ちゃんがケラケラ笑う。それは言わないで、と言って、私は席を立った。 巾着を片手に教室を出て、階段を降りた。何に使うのかよく分からない教室たちを横切り、渡り廊下に出る。 体育館へと続く渡り廊下には自販機があって、ベンチや小さいテーブルもいくつかある。中庭と言う感じだ。 お昼はここで香奈ちゃんと食べるのがお決まりのルールだった。 空いているベンチに座って、お弁当を広げた。 香奈ちゃんが『いただきます!』と手を合わせて、はしを構える。出し巻き卵をつかんで口に運んだ。 「あれ、そう言えば、グロス変えた?」 香奈ちゃんの唇を見ていて、ふと気づいた。 「よく気付いたねー。先輩に勧められたんだけどさ、どう?」 「すっごい可愛いと思うよ。キラキラ光ってて透き通ってる感じ。ブチュってしたくなるよ」 「ホントにー? そうそう、キスしたくなる、ってクチコミで評判らしいの。まだ結果でないけど」 香奈ちゃんは嬉しそうに手鏡にぽってりとした唇を写している。 「でもさ、実は、あんまり意味ないんだよね。あたし野球部のマネじゃん? 汗でメイク落ちちゃうし、風に当たると逆に渇いちゃうんだよね」 野球部の単語に、あっ、と声が漏れてしまった。
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