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――美術部、辞めた方がいいんじゃない? ――辛いのは、やっぱり良くないと思うの。 ――それに野球部のマネージャーなら、ね。 ――緑川先輩! 一石二鳥! ね? 家に帰って、テストのとき以外ろくに座らない学習机の椅子に座って、香奈ちゃんの言葉を思い出していた。 机の本棚には、美術関連の本がたてられている。どれも、前にいつ開いたか思い出せなかった。 視線を落として、しわを伸ばした退部届けと、相対した。 幼い頃から好きだった絵から、離れてしまうのだろうか。 本当にそれでいいのだろうか。でも、目の前に現れた好機を逃がすなんて馬鹿にもほどがある。 席を立って、部屋の隅を見た。 隅っこに寄せられたキャンバスと画材道具を床にならべた。 壁に立てかけていたイーゼルを引っ張り出して、三脚を広げる。横材にキャンバスを固定した。 何分ぐらい経ったのだろう。分かるのは、キャンバスは、真白い姿のままだってこと。部屋の明かりが反射して、見ていられない。 お前なんか嫌いだ。お前なんかに見られたくない、って、キャンバスに言われているみたいだ。 ほほにひとすじの生ぬるい感覚が伝った。私、もう本当に描けないんだ。 私は、涙をぬぐって、部屋を飛び出した。 となりの誠二の部屋の扉を乱暴に叩く。 「誠二! ちょっと!」 反応がないので、何度も叩いた。何回目かで、うるせーな、って声がして、ドアが開いた。 「何だよ」 ぶっきらぼうに誠二が言った。本当に迷惑そうな顔をしている。 「ちょっと手伝って。これからは、私が窓を開けても、アンタも一緒に開けられるわよ」 私は誠二の腕をつかんで、部屋から引っ張り出した。そのまま自分の部屋に進む。 「急になんだよ。って言うか、離せよ」 「これ物置に運ぶの手伝って」 そう言って私は、部屋のキャンバスを指差した。 「はぁ? それいるんじゃねーの? つーか、自分でやれよ」 「いいから、運びなさい! こんな大きなもの持って階段から落ちでもしたらどうするの!」 「わかったよ」 誠二にイーゼルを持たせ、私はキャンバスと画材を持って階段をおりた。 玄関を出て、庭に行く。象が乗っても耐えられます、と宣伝されていた物置を開けて、私は絵にさよならを告げた。 「泣いてんのかよ」 うるさい。これで、いいんだ。
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