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朝からムッとする大きな理由が、これだ。最近の誠二は生意気で、いつも文句を言ってくる。 だいたい、女の子に向かって部屋が臭いなんてよく言えたもんだ。 誠二は、のどへかきこむようにごはんを食べている。 「アンタに言われる筋合いはありません」 そもそも私だって部屋のにおいには気づいているのだ。 私は油絵をやっている。早い話、油絵の道具は独特のにおいがするのだ。 「姉ちゃんの部屋の前通るとき息止めてんだぜ。最近何も描いてないんだろ? あれ何とかしてくれよ」 「雫はこれからコンクールがあるから、題材を考えてる最中なのよ」 いつの間にか家事を終えていたお母さんがフォローを入れてくれた。 けれど私は申し訳ない気持ちになってしまった。 私がお母さんに言ったことそのままだったから。そしてそれは、嘘だ。 残りのごはんを一気に口に運んで私は席を立って、洗面台に向かった。 ちょうどお父さんは身支度を終えたところらしかった。 「おまたせ」 そう言うお父さんには目も向けず、蛇口をひねって、手に溜めた水に顔をひたした。 部屋のにおいに違和感を覚えるようになったのはいつからだっただろう。 小学生から持ち歩いていたスケッチブックは、中学生になってキャンバスに変わった。 さすがにキャンバスを持ち歩くわけにはいかないからって、両親に泣いてねだったことを今も覚えている。 自分の部屋にキャンバスと油絵の道具があるなんて、誇らしい気持ちになった。 高校生の今、それをうとましく思ってしまっているなんて、言い出せない。 部屋に戻って、キャンバスには目もくれずに制服に着替えた。 鞄をもって階段をかけおりる。 はしたないわよ! と言うお母さんに、行ってきますとドア越しに叫んで、家を飛び出した。 最後に見た時計は7時過ぎ。 学校に行くにはまだまだ早いのだけれど、今の私にとっては何の問題もない。 私はいつも学校まで続く1本道の通学路を歩いて通う。 他のみんなは、大抵が自転車で通っていて、私も自転車で行けばいいのだけれど、それじゃ楽しみの一つが減る。 季節によって色んな姿を見せてくれるこの道は、朝の嫌な気持ちを消し去ってくれるのだ。 ゆっくり歩いていこうと思う。
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