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下駄箱で上履きに履き替えて、その足で職員室に向かった。ドアを開けて、失礼します、と軽く会釈する。 「おはよう、横井さん。今朝も美術室の鍵かい?」 職員室に入ると、おっとりした雰囲気の先生に声をかけられた。 美術部顧問の矢沢先生だ。薄くなったてっぺんとま白い横の髪。大きな鼻もあいまって、あだなは『お茶の水博士』だ。 「おはようございます、矢沢先生。はい、お願いします」 「次のコンクールに向けて頑張っているようだね」 「あ、いや、私なんて、そんな」 矢沢先生は、うんうん感心だなあ、と言って、鍵掛けの美術室と札があるところに手を持っていった。 「はい、また授業が始まる前には届けてね」 鍵を渡してもらって、ありがとうございます、と言って、駆け足で職員室を出た。 私のついた嘘は身近な人に広まって、私自身を突き刺してくる。 それでも、そうする理由はあるんだ、と自分に言い聞かせている。 油絵をやっている私は、当然、美術部に所属している。 階段を一番上まで登って、美術室へ向かった。4階程度で足はガクガクだ。 美術室に入ると、そこは分厚いカーテンが閉められていて、薄暗い。 油絵の油のにおいが染み付いているのか、ツンと鼻を突かれる。 食用油とは違う、独特のにおい。 普通の人なら、うっと来るかもしれないけれど、私はこのにおいが好きだった。すでに過去形だ。 カーテンを開けると、室内がぱあっと明るくなった。急に明るくなったから、少し目がくらむ。 窓を開けると、潮の香りを含んだ風がすさんだ。大きく深呼吸する。やっぱり、春の風は心地が良い。 窓の下からは、さっき横切ったグラウンドがちょうどよく見える。 ここで、野球部の練習風景を眺めるのだ。 野球部はいつもこの時間から、部員が自由に打つ練習を始める。私を一番癒やしてくれるのはこれなのだ。 だから、ごめんなさい。矢沢先生。本当は美術部も、絵もやめたいんです。 なんて絶対言えるわけないじゃん、と思いながら、椅子を窓際によせて、外を見下ろした。
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