スレッド
一覧
新規
スレッド
ワード
検索
過去
ログ
ホームに
戻る
ザツダン
掲示板へ
記事観覧
> 記事修正フォーム
記事修正フォーム
題名
名前
コメント
小波の足は震えた。恐怖で、不安で――。 「どうした、もう終わりかい?」 猪狩の声が小波へ届く。終わり、終わりなのか? そう自問自答しているのか、小波は俯いたまま、何か思想をめぐらせていた。 『だめだ……終われない、まだ、まだここでは……終われない!』 一度ゆっくりと瞼を閉じ、精神を集中させ、目を開いた。 小波の瞳は、さっきまでとは比べ物にならぬほど、意思が宿っていた。 『さっきまでとは違うな……』 猪狩もそれを察知したようで、明らかに真剣な目つきで、右足を引いた。 『絶対に……、打つ!』 小波も、瞳の先に闘志を燃やし、ただ白球がくるのだけを待った。 猪狩の手から、第3球が放たれた。 真っ直ぐに振り下ろされた腕から、風を切るように白球が向かってくる。 『真ん中低め、もらった!』 小波はコースにあわせ、バットを振り出す。 低めのため、出来る限りヘッドを上から真っ直ぐに振り下ろす。 いける、そう体で確信した小波。だが、白球はチェックゾーンぎりぎりで、奇妙にも曲り始めた。 その球は、突如小波の体へと向かってくる。 スライダーだ――。 「く、くそ」 明らかにバットの軌道から離れてゆく白球。 しかし、小波も諦めていなかった。 体で感じるまま、小波は軌道を修正する。手首の返しを早め、バランスの崩れを防ぐため、少し右足を引く。 そのまま腰の回転だけで、小波は、バットを振り切った。 その甲斐あってか、バットはなんとか白球を捉え、打球はショートの方へと転がった。 しかし――。 「ショートゴロ、バッターアウト」 審判は、ショートゴロを告げた。 それは、無情にも、死の宣告となるものだった。 ルールでは、出塁できなければ不合格だ。小波はそれを思い出し、俯いた。 「すごいね、僕の球に当てたじゃないか。誇りにしてくれて良いよ」 にこやかに笑い、猪狩は言う。 それだけいい残すと、マウンドを下り、グランドから去っていった。 小波は、悔しさの解放場所が分からず、一度土をけり、瞼をきつく閉じた。
0文字/1000文字
文字の色
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
イメージ
パワプロくん
矢部くん
猪狩守くん
猪狩進くん
阿畑さん
早川さん
友沢くん
橘さん
六道さん
久遠くん(11,13)
犬河くん(11)
猫神くん(11)
絵里さん(11)
六道さん(制服)
蛇島くん(13)
みこさん(14)
ボール(イラスト)
野球用具
球場1
球場2
球場・喜び
球場・整列
甲子園・外
バッティング
バント
スライディング
ピッチング
キャッチャー
守備
打つ瞬間
審判
応援団
学校
教室
携帯電話
スマートフォン
パソコン
飛行機
管理者用
[
イメージ参照
]
URL
パスワード
(修正不可能)
クッキー保存