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高校二年生の秋に、俺はある男の幽霊と出会った。幽霊といえば大概ありがちなホラー映画のようなものを想像しがちだが、その幽霊はどちらかと言うとスポ根の方が性に合うような人だった。 「別に俺は誰かを恨んで出ているわけではないよ。ただ未練があるだけさ」と、幽霊のヒロさんは幽霊らしからぬ爽やかな笑みを浮かべる。「一番近いものを言うなら多分浮遊霊だな。自分の死を受け入れられずにこの世をまだ彷徨ってる」 「……ということは、何か未練を残したまま死んでるのか。それを何とか解消すれば、ヒロさんは成仏する?」 そう口にするとなぜだかわからないが、ヒロさんはさも楽しそうに笑う。 「そういうことになるんだろうなあ……」意外にも返ってきた答えは曖昧なものだった。「俺がやり残したことをお前が成し遂げてくれれば、俺は安心してあの世に行くんだろう」 ああ、地雷を踏んでしまったなと思った。 ヒロさん――――黒澤博樹は元プロ野球選手で、全盛期の真っ只中で不運にも交通事故に遭い亡くなった人だ。世間ではもう既に葬儀も終わり既に死んでしまった人間として扱われている…………のだが、この人はどういうわけか未練があって幽霊として俺の前に現れた。 「やり残したこと、ねぇ。ヒロさんが出来なかったことが、果たして俺にできるのかね」 「できると思っているからお前の前に現れたんだよ。お前なら俺の果たせなかった『甲子園に行く』という夢を果たしてくれると思うんだ」 甲子園に行く……。 前までの自分なら「そんなの無理に決まってんだろ」と一笑に付するはずなのに、ヒロさんが口にすればたちまちその言葉は重みを持つ。この人はなんでそこまで言い切れるんだろうか。 「……俺なんかに期待して、後悔なんかしても知らないぞ」 「そこは大丈夫だ」ヒロさんはまた楽しそうにふっふっふと笑う。「俺は常に自分が後悔しない道を選ぶ主義なんだ」 ……こんな言い方は本当に卑怯だ。最初は乗り気じゃなかったのに、いつの間にか乗せられている自分がいる。ヒロさんが言えば、不思議と本当にできる気がするのだ。目の前にいる幽霊に比べれば、そんな言霊の力もあり得ると感じてしまうのは仕方ないかもしれない。 そして、俺も後悔はしないつもりだ。一度目指したものを諦めて言い訳なんかするのは格好悪くて嫌いだからな。
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