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記事閲覧  そうだ、ショートショート、書こう。  名前: ナナシ  日時: 2013/02/19 21:49 修正4回   
      
【ショートショートって?】
ショートショート(英: short short story)は、短編小説よりも短い小説のこと。
長さに規定はないが、一般的には原稿用紙10枚に満たない作品を指す。さらに短いものは掌編小説と呼ばれるが、掌編小説とショートショートを区別しない場合もある。ジャンルは、SF、ミステリー、ユーモア小説など様々。ワンアイデアの面白さを追求し、印象的なオチを持たせる傾向がある。
星新一やフレドリック・ブラウンが得意とした。
また、日本に紹介された当初は「ショート・ショート」と記述していたが、のちに現在の記述が一般化した。
(wikipediaより)

【概要】
より多くの方に小説にふれてほしいと考えたので、このスレッドを建てさせていただきました。
小説掲示板だとジャンルが野球一本に絞られてしまいますので、暫定的ではありますが雑談掲示板のほうで行おうと判断しました。
「字を読むとかかったるいよ! 国語の授業でおなかいっぱいだよ!」と思っていらしゃる方、そもそも小説に興味が無い方もウェルカムです。
ショートショートだと短時間で読み切ることが出来ないですし、そもそも文章の絶対量が少ないので飽きが来ないです。
この機会に小説にふれてみませんか?

【ルール的なもの】
・ジャンルに制限は設けていないです。好きなものを好きなだけ書いてください!
・基本的に誰でもショートショートを投稿していただいても構いません。良いアイデアを思いついたらどんどん投稿してみてください。
・小説掲示板で作品を書いている時に、息抜きにここでショートショートを書こう! というのもOKです。気軽にご利用ください。
・文量につきましては特に制限はいたしません。が、多くても10000〜15000文字に抑えてもらったら、レスの消費など考えたら嬉しいです。
・コメントや雑談、作品の感想や批評等のレスもしていただいてOKです。ただしあんまり本題とはズレないようにしてください。

―――――

【投稿された作品のまとめ】>>1
それではショートショートを楽しみましょう。。。
※2/20 スレッドのタイトルを少々変更。
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記事閲覧   Re: ショートショート、はじめました。  名前:ナナシ  日時: 2013/02/19 21:54 修正3回 No. 1    
       
【投稿された作品のまとめ】

>>2-3 ナナシ作「おはなし」
>>5 アチャさん作「ちょっと変わった喫茶店」
>>9 高倉さん作「桃太郎は中二病」

記事閲覧   Re: ショートショート、はじめました。  名前:ナナシ  日時: 2013/02/19 21:59 修正2回 No. 2    
       
とりあえずスレッド主として先陣を切らせていただきます。。。

―――――

“おはなし”


 ユウジはコーヒーをゆっくりすすった。渋い苦みが口の中を伝って、喉元へと一気に流れ込む。ファミレスのドリンクバーのものだが、それなりに味が深い。あっという間に頭が刺激されて、溜まった倦怠感を吹き飛ばした。そして目線をコーヒーカップから彼女へと向き直す。相変わらず口元をせわしく上下させていた。
「それでね、この後めっちゃ驚いたんだ」
 つまらない。口や態度には出さないが、ユウジはイライラしていた。昨日見た夢の話をしているのだが、中々結末を言ってくれない。
 まるでバラエティ番組みたいだ。終わり際にコマーシャルばかりを詰め込んで、視聴者をもてあそぶようにじらす。第一自分がそんなものに興味を示さないと分かってるはずなのに、どうしてこんなに話していられるのだろう。鬱陶しい。それでいて退屈。ふーんと言葉を漏らして、ユウジは小さく相槌を打った。
「死んだはずのお父さんが私の所にやってきたんだよ」
 へぇ。そりゃすごい話だね。言葉とは裏腹に、そっけなく平坦なトーンで切り返す。そしてコーヒーを一口。苦みがもう一度広まっていく。飲みきった後、乾いた笑みで彼女に応える。もういいだろう。満足頂けただろう? もはや彼女に対する付き合いも、社交辞令のような感じで過ぎている気がする。

記事閲覧   Re: ショートショート、はじめました。  名前:ナナシ  日時: 2013/02/19 22:03 修正5回 No. 3    
       
「ところで、この前の日本代表のサッカーの試合、見た?」
「えっ、見てなかったけど?」
 やっと自分の話が出来る。ホッとして、思わず頬がほころんだ。彼女のつまらない話から解放されるだけで今はありがたい。彼女の話は、もう聞き飽きた。それからユウジはまくし立てるように彼女に語り始めた。
「ラトビアと試合したんだ。ラトビアってのはヨーロッパの国ね。それで先制点は岡崎のゴール。チョンとボールに触れただけだけど、彼らしい良いゴールだったよ」
「へえ」
「それで二点目はマンUの香川のパスから本田がダイレクトで押し込んだ。あの流れは綺麗だったねえ。ハイライトで何回も見たけど、本田の絶妙なタイミングで振り切った左足。すごい様になってたね。あれは凄かった。パスを出した香川との連携もバッチリで――」
「ねえ、ちょっといい?」
 彼女が話の途中で口を開いた。何だよ一体。ユウジは水を差されて少しむっとしながらも、彼女のほうに耳を傾ける。
「正直言って、ユウ君の話つまらない。もう聞き飽きたわ」
 彼女はばっさり言い放つと、軽い微笑みをこちらによこしてきた。しかし目は笑っていない。
 突然背中から冷水をぶっかけられたような悪寒が走った。その後に続いた、おびただしく不気味な戦慄が、ユウジの体内をむしばんでいく。
 急に世界が暗転したように見えて、何をすべきなのかすらも分からくなった。
 自分が見えていた世界と、彼女が見えていた世界。
 今まで優越感に浸っていたものが急に底冷えして、ユウジ目がけて一斉に冷ややかな光線を浴びせかけていた。
 感情の一切が無いような笑みを浮かべる彼女。言葉を失う自分。
 ユウジは凍りついたように、ファミレスの椅子の上で固まっていた。

おしまい。

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