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ロックされています  King nine   プロ野球編  名前: 魁斗  日時: 2013/08/25 10:51    
      
高校野球編の続編でございます。
見る人は少ないとは思いますが、よろしくお願いします。
記事修正  スレッド再開
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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/08/25 10:53 修正1回 No. 1    
       
Kingnine プロ野球編


「おい、さっさとテレビ付けや! ドラフト始まるで!」

「わかってるよ! おい、リモコン!」

「うるさいわねぇ! ここにあるから取りに来なさいよ!」

「お前らうるさいんだよ! ちょっと黙っとけ!」

「僕も…そう思う…」

今日はドラフト会議が行われる日。
プロ志望届を提出した魁、長谷川、四田、小南、青星の5人はプロに指名されることが確実視している。

一年の五人は口喧嘩しながら、テレビをつけ、ドラフトが始まるのを待っていた。

だが、テレビをつけるともう1位指名の準備に入っていたところだった。

「読売…」

読売ジャイアンツから一位指名が始まった。

すると…

「長谷川、幸太…野手、清千学園高校…」
巨人軍以外にも、日本ハム、東北楽天、ヤクルト、横浜、ソフトバンクが指名した。

「おい! やったじゃねぇか、幸太!」

魁から祝福の言葉をもらった長谷川は照れくさそうに「ありがとう」といった。
そして、抽選の結果、長谷川の交渉権読売ジャイアンツが獲得した。

あかつき大付属高校では…

「な、何だと! 僕が一位指名じゃない!?」

巨人の一位指名を熱望していた猪狩守はその後、巨人に2位指名された。

そして、魁は埼玉西武ライオンズが単独指名した。
「っしゃぁ!」

嬉しさのあまり、叫んでしまった魁だがその瞬間をマスコミにしっかり撮影されていた。


そして、青星は東北楽天ゴールデンイーグルスに一位指名された。そのほかにも東京ヤクルトスワローズにも指名された。しかし、楽天が交渉権を獲得した。

小南は千葉ロッテマリーンズが指名した。その他の球団は指名せずロッテが交渉権を獲得した。四田も5位指名でロッテが交渉権を獲得。

その他では、帝都実業のギルド・吉野・ゴールデンも魁と同じく西武に指名された。

光都区高校の西城もヤクルトに指名された。
もちろん、玄野も6位指名で西武に指名された。

巨人 長谷川幸太 猪狩守 上杉翔
阪神 ???
中日 橋綾菜 瀬賀隼人
横浜 天王寺
広島 ???
ヤクルト 西城

楽天 青星和弥
ロッテ 小南薫 四田雅幸
西武 伊藤魁 伊藤達也 ギルド・吉野・ゴールデン
ソフトバンク ???
日本ハム ???
オリックス ???
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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/08/25 11:01  No. 2    
       
埼玉西武ライオンズの指名選手の記者会見の日が訪れた。
今回、ライオンズに指名された選手が球団事務所へ集まってきた。

今回指名した6名と育成選手1名を合し、魁と玄野を合した7人の選手が集まった。

真っ先に一位指名の魁への質問が始まった。

数々の質問に魁はすぐに回答していった。
最後に「自分のアピールポイントは?」という質問に、
「自分のアピールポイントは、堅実な守備と抜群のバットコントロールです。こんな自分を指名してくださった西武球団には感謝しています」

次に、2位指名のギルド。
一用、日本人登録として指名された。

指名されたときの気持ちを問われると、「とにかく、活躍したいという事しか考えていませんでした」と答えた。

次に、3位指名されたあかつき大学の内木信一郎という投手。
アピールポイントはマックス151キロのジャイロボールだという。決め球は内角を抉るカミソリシュートで、あまり打たれた事がないという事が、質問をしていくうちにわかった。

次は社会人野球、神楽坂グループの4番ファーストとして活躍した喜屋武幸則という選手。沖縄出身の選手であり喜屋武という苗字は沖縄でも有名な苗字である。今回4位指名された。アピールポイントはパンチ力のある豪打という事だ。社会人通算2年で54本の本塁打を放ったらしい。

5位指名の選手は松本耕也という選手。外野手で左投げ左打ち。50mが5秒を切る超俊足選手だった。今の気持ちを聞かれると「ほんとマジ嬉しい! こんな事二度とないぜ!」
と、思いっきりタメ語で話した。魁は(なんだこの人…渡辺監督すごい怒ってるけど…)と思っていた。

最後に6位指名の、魁の双子の弟伊藤達也。玄野達也ではなく、伊藤の性でプロ野球人生を生きていくことになった。
甲子園では、準決勝で敗れる前の試合まで全試合本塁打を放った。
「え…その…えっと…」
普段は強気な達也だが、会見などには慣れていないのか、いつもとまったく違った。

「一位指名の伊藤選手とは双子の関係だそうですが…」
そう質問されると、いきなり人が変ったように…

「ああ!? そこの兄貴と一緒にすんじゃねえ! 俺に兄貴の事は吹きかけんな!」
と、いきなり怒り狂った。いつもはこんな事はないが、緊張でこうなったのだろう。

最後に、育成指名の選手、名嘉島健司という選手。捕手で抜群の強肩を持つ。
だが、かなり短気なため、ちょっとぶつかったりすると殴ろうとしてくるらしい。



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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/08/25 11:05  No. 3    
       
緊張したなー、達也。お前、カチカチだったな!」

「うるせえ! 話すのに慣れてないだけだ!」

達也と魁が会場から少し出たところで話していた。
空は少し曇っており、少々肌寒くなっている。
すると、タクシーがやってきた。
それに二人は乗り、東京方面に帰って行った。

魁の通う清千学園では、プロの仲間入りとなった魁、長谷川、青星や四田、そして小南の話題で溢れていた。

「ねーねー伊藤くーん!サインちょうだーい!」

「長谷川くーん、サインサイン!」

クラスの女子はとにかくサインが貰いたいらしい。
一方、小南のクラスでは男子がサインをもらいたがっている。

そして、達也のいる風上高校でも…

「玄野くーん、こっち向いてー!」

「玄野くーん! 玄野くーん! 愛してるー!」

とにかく、サインなどいらないようで、達也と目を合わしたりしたいようだ。

そんなこんなで新人合同自主トレの日がやってきた。
今回指名された7選手が所沢市内にある西武第二球場へやってきた。
そこには、大勢のマスコミがおり、少しやりにく状況だった。
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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/08/25 18:22  No. 4    
       
最初に少し軽めのアップをした新人7人は最初に基本の中の基本、キャッチボールを行う事になった。だが、達也はつい最近肩の怪我が完治したばかりなので別メニューとなる。

魁は3位指名の内木とする事に。
「内木さん、よろしくお願いします!」

「おう、よろしく!」
内木は優しい性格の様で、このキャッチボール中、一度、魁はとんでもないところへボールを投げてしまったがまったく怒らず「いいよいいよ」と明るく振る舞った。

しかし、名嘉島はまったく違い…

「てめえ、どこに投げてんだ! ちゃんと構えたところに投げろよ!」

少し構えた所からずれただけでこれだけ怒ってしまう。
そんなに怒らなくても…と、名嘉島とキャッチボールを行っていたギルドは思うが、渋々受け入れた。

さて、次はフリーバッティングに入る。
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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/08/26 13:51  No. 5    
       
球場に木製バットの快音が響きわたる。バッターの魁は金属バットから木製バットへの変化を、マスコミや首脳陣にまったく気にさせない打撃をしている。
たまたま視察に来ていた二軍監督、一浦幸人(カズウラ サチヒト)はすぐにでも魁を試合で使えると見た。その後も打球を右へ左へ打ち分けていた。
ラストの一球を終えた後、バッティングピッチャーを引き受けていた茨木三平(イバラキ サンペイ)に「ありがとうございました!」と言って魁は打席から去って行った。

その後、ポール間ダッシュやストレッチを行い、合同自主トレの一日目は終了した。

選手7名は道具などを手に持ち若獅子寮へ帰っていく。

明日、明後日、明々後日も合同自主トレを続けていく。そして、終了4日前の休養日、内木と魁は西武第2球場に呼び出された。


「内木と伊藤、お前らには2月から始まる春季キャンプをA班から始めてもらう。キャンプは一軍スタートという事だ」

この言葉に二人つい感激。その後、寮へ帰り、一軍キャンプ参加が決まった事を松本に話すと「マジ!? それ凄いんじゃねーの!?」と、とてもうるさくなってしまった。
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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/08/26 17:49  No. 6    
       
ついにこの日がやってきた。キャンプ地につくとライオンズの熱狂的ファンが姿を現している。

まず魁は宿泊するホテルに荷物を置きに行きそこで、初めて共に練習するライオンズのスター達にひとつ挨拶をしにいくことを決めた。

最初の部屋はライオンズのセンターラインの一角である人物の部屋。

その人物の部屋の前につくとベルを鳴らした。どうぞという声が聞こえてきたので魁はドアを開け中に入る。

「あの…藤ヶ谷さん…今年入団した伊藤です…今シーズンからよろしくお願いします!」

その人物とは藤ヶ谷佐助(フジガヤ サスケ)という名の人物。走攻守がきっちりと揃った左打ち左投げの選手。特に、守備、肩、足は抜群なもので1番センターを張っている。

「おお、ルーキー…お前の事は知ってるぜ! これから頑張ろうな!」


その後、魁はすぐにその他の選手の挨拶に行くことにした。

次はライオンズの主砲、そして去年は45本の本塁打を放った人物、嵯峨峰良也(サガミネ リョウヤ)という人物に挨拶をしようと思った魁だが、時間を見ると既に集合時間に近くなっていた。
これ以上は挨拶出来ないと感じた魁は自分の部屋に戻り着替え球場へと向かうバスへ早めに乗り込んだ。
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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/08/27 21:43  No. 7    
       
「はあ、はあ…」

魁は非常に疲れている。プロの厳しい練習をついに目の当たりにしたからである。
高校時代の練習も、かなり厳しかったがプロの練習はその倍のように感じられた。

しかし、同じ野手陣の藤ヶ谷や嵯峨峰は簡単にこなしていく。さすがスター選手といってもいいだろう。

少しの休憩が終了するとまた練習へと向かう。少しの間脱いでいた背番号23のユニフォームに体を通らせグランドへ走っていく。

一方、親友である長谷川幸太はフリーバッティングを行っていた。

快音を鳴り響かせさく越えのあたりを連発している。

結果、50球中32本が柵越えという目覚ましい結果を残した。
翌日、魁はホテル近くのコンビニに売っていたスポーツ新聞、スポーツ報知に目を通してみると長谷川の事が大きく載っていた。

そこには、「巨人に期待の星登場! 柵越え32本!」と、書いてあった。

魁は、長谷川の事をもうただの親友とは考えずに、親友兼ライバルと考えていくようになっていった。


そして、千葉ロッテドラフト1位の小南薫はブルペンで去年のドラフト1位、そして新人ながら最多奪三振という結果を残した藤沢洋祐の隣で投げ込みをしていた。藤沢はストレート・ツーシーム・Hスライダー・カットボール・カーブ・スローカーブ・フォーク・チェンジアップ・シンカー・高速シンカ―・シュート・高速シュートと、13の球種で打者を三振させていた。
魁はこんなピッチャーと対戦できるのだ。

「ねー、あんたさー。そこ俺の場所なんだよねー。代わってくんない?」
藤沢は、小南が投げ込みを行っているところが自分の場所だと言ってくる。
もちろん、小南が投げている場所は藤沢の特等席という訳でもない。ただ小南に構ってほしいだけなのだ。
小南は黙々と投げ込みを続ける。
しかし、藤沢もしつこくまだ言ってくる。
そして、小南もつい…

「いい加減にして! うるさい! ここが自分の場所なら名前でも書いとけば?」

普段は静かな小南もぶち切れてしまった。
そこに、受けていた四田がやってきて「どうした、薫?」と声をかけた。
事情をすべて説明し納得した四田は藤沢に「自分の場所か…うーん、そんなに投げたいならここで投げたらどうです? 俺達はもう十分投げましたし。それじゃ、行くぞ薫」

と、軽く言ったら小南と一緒にグランドのほうへ向かっていった。
「けっ! 勝手に行っとけバーカ!」
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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/08/28 21:34  No. 8    
       
キャンプ初日から2週間が経過。この日は久しぶりの休養日だ。
魁と内木は藤ヶ谷の部屋に来ていた。そこには王城と嵯峨峰もいる。

「よし、じゃあ十万払え…」

「くそっ! どうぞ…」

「あ! 伊藤君…俺もだよ…」

なんと、お金のやりとりをしていた。魁は藤ヶ谷と王城に十万払っていた。
しかし、こんな光景を首脳陣が見たらどうなるだろうか…

「ああ! 藤ヶ谷さん、みんなに一万ずつ払ってくださいよ…」

「何!? くっ…」

だが、そんなイケない事をしている訳ではなかった。

「これ面白いですねー! 生涯ゲーム! 藤ヶ谷さん、よくこんなの持ってきましたねー!」

「誰にも言うんじゃねえぞ。監督に怒られるから…」

この5人が行っていたのは生涯ゲームというボードゲーム。ルーレットを回し出た数だけ進める。仕事の給料などで貰えるお金を使い、一番所持金の多い者が勝ちだ。


「あ、そろそろ昼飯の時間だな。よし、片づけるから手伝え」

そして、昼ごはんの時間が来た。生涯ゲームのボードなどを箱にしまうと藤ヶ谷の部屋を出、食堂へ向かった。


「俺は…そうだな、このネギマグロマヨネーズ丼にするかな」

この藤ヶ谷が食べようとしているのはネギマグロ丼の上にマヨネーズを大量にかけて食べる物。藤ヶ谷はかなりのマヨラーなのである。
その後、自分たちの食べたいものをテーブルに持ってきた5人はすぐに食べ始めた。


「あー、旨えー」
ネギマグロマヨネーズ丼を不味いとも言わずに口に入れていく藤ヶ谷を見て魁は(この人の味覚はどうなってるんだろう…)と思っていた。
ちなみに、魁が食べているのはマグロユッケ丼である。


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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/08/28 23:09  No. 9    
       
キャンプもとうとう終了が近づいてくる。そんなこの日は紅白戦をすることになった。
キャンプ参加者は40人なので20対20という振り分けとなる。

魁は白組となった。しかも、7番セカンドでスタメン出場することも決まっている。

そして、紅組の先発には王城正宗が指名された。
白組の先発には先発ローテの3番手、四夜ヶ嶺忠義(シヤガミネ タダヨシ)が見事抜擢。

そんなこんなでプレイボール。

一回の表、白組の攻撃だ。先頭バッターは去年、2軍で3割2分8厘の成績を残した志賀宗(シガ ソウ)だ。s

だが、紅組の王城の超高速スクリューにまったく手が出ずに三振。そして、2番は去年のレギュラーでライトを守る儀田卓(ギタ スグル)。大変バントが優れておりバント職人とも言われる事がある。


(卓っち…バントかな? じゃあこれで…)

王城が投じたのは150は出ているであろうストレート。しかし、ボールは儀田目がけて飛んでくる。

「あっ、危ない卓っち!」

王城もマウンドからつい大声を出してしまった。

ボールは儀田の左足のお皿にあたってしまった。儀田はその場で蹲り担架で運ばれてしまった。
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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/08/29 07:58  No. 10    
       
「どうしましょう…王城さん…」
マウンドに行き、声をかけたのは王城の相棒、銀宮寺司(ギングウジ ツカサ)。西武の正捕手で3番打者。2年前には首位打者に一歩及ばない3割5分3厘という結果を残し日本でナンバーツーの捕手。

「そーだね…とにかく、予定の3回まではもうランナーすら出さないよ。エースだからね! 司っちはサイン出してくれたらいいよ! 後は俺がなんとかするからさ」
あの後、儀田は交代し代走に俊足、天野要(アマノ カナメ)となった。
「…わかりました…スクリュー多めで行かせてもらいます…」

銀宮寺はキャ「どうしましょう、王城さん…」
ッチャーボックスに戻るとすぐに構え、超高速スクリューのサインを出した。

(さぁて…どう調理しようかな…)

王城は突然目が変わった。それは、長谷川幸太が超集中力を発動した時の様に…

(出たな…王城さんの本気モード…)本気と書いてマジと読む。銀宮寺は超集中力の事を本気モードと言っているらしい。


(いくよ!)





「ストライク! バッターアウト! チェンジ!」

審判が大きな声でこのコールを言った。王城の圧巻のピッチングは誰もが驚きを隠せない。

なんと、儀田への死球の後の投球はすべて超高速スクリュー。このボールだけで王城三者連続三振を記録した。しかも、ボールもなし、ファールもなし、9球で終わらせたのだ。



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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/08/29 21:49  No. 11    
       
紅組の1番は藤ヶ谷佐助。
そして、3番には銀宮寺司、
4番には嵯峨峰良也が入る。

(さぁ…かかってこい四夜ヶ嶺…)

一球目…
四夜ヶ嶺は右利きなので、藤ヶ谷にとっては入ってくるように見えるように、ボールからストライクになるスライダーを投げた。

「ストライーク!」

(ほう…去年とは大違いだな…)

四夜ヶ嶺のボールにはキレ味がなかった。綺麗に曲がらずに遅く、ぐったりとする曲がりが多かったが今はそんな事もなかった。キャンプで成長出来たのだ。

2球目、四夜ヶ嶺はタイミングを外しながら外れていくボール、サークルチェンジを投げた。これが四夜ヶ嶺のウイニングショット。

(くっ…今のは若干甘かったか…打ちにいけば…)


すると…

「すいません、タイム…」
藤ヶ谷が突然タイムをかけ、ベンチに戻りなにやら若干青いバットを持ってきた。


(さてと…ルーキー…セカンドから見とけよ…)
藤ヶ谷が持ってきたのは明鏡止水という四字熟語のバット。邪念がなく、澄み切って落ち着いた心を持たないといけない。

そして、3球目…四夜ヶ嶺が投じたサークルチェンジをフルスイング。しかし、ボールは当たらず空振り三振。

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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/08/30 22:27  No. 12    
       
(くっそ…邪心が捨てきれなかったか…)

2番は出雲凡退(イツモ ボンタイ)という選手。2軍ではバントをよく決めている。しかし、セーフティバントを行ったがセーフにならずアウト。

そして、危険な打者銀宮寺は打席に入る。構えたらすぐにボールが来た。
銀宮寺は敏感に反応し打球はレフトへ。打球は先っぽに当たりレフトフライ程の打球だった。

だが、伸びる。以外に伸びた。スタンドに入ってしまうほどではなくレフトフライでチェンジ。


「なんて打球だよ…凄いな…」

魁はその銀宮寺のパワーに関心する態度を示していた。だが、それもよくわかる。バットの先っぽに当たっただけで柵越え寸前の打球。ほんとうに先っぽに当たったのかと思うほどだ。

白組の先頭バッターは新外国人のキスミン・キリシヨンが打席に入る。

その一球目…王城のストレートはド真ん中へ。キリシヨンはいとも簡単にスタンドへ。
しかし、それは銀宮寺にとってわざと投げたようにしか思えなかった。

(いいんだよ、これで…伊藤くんも、これでもっと本気になるはずだ…)



試合はその後9回まで進んだ。王城が降板した3回から少し進んだ5回に魁のタイムリーで白組は2点目を獲る。7回にも嵯峨峰の本塁打で3点目を獲った。
9回に抑えとして白組のマウンドに上がったのは内木。キャッチャーは2番手捕手、宮古都那珂心多市郎(ミヤコトナカ シンタイチロウ)。

(あー緊張する…バッター藤ヶ谷さんだし…)
藤ヶ谷は今日最初の打席以外はヒット、ツーベース、スリーベースと本塁打がでるとサイクルヒット達成となる成績。

内木の投球は緊張のため3球連続でボールとなる。

(やべえやべえやべえ! すげえ緊張してる! 宮古都那珂さん…カミソリ投げさせてくれなし…)

すると…

「タイム!」

セカンドから魁が来た。

「内木さん…豪快なホームラン打たれましょうよ! そしたら緊張もなくなるはずっす!」

「伊藤…わかった…任せろ…」


魁はセカンドへ戻り内木はすぐにセットポジションに構えた。
サインはカミソリシュート。打ち取るのではなく、緊張を解すために投げる。


「らぁ!」


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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/09/02 17:19  No. 13    
       
「あの…内木さん、すいませんでした…俺があんな事言ったから…」

「いやいや、いいんだよ! 自分はまだ2軍なんだって事が実感出来たんだからさ…」

内木はカミソリシュートを投げ、藤ヶ谷に本塁打を許した。その後も2失点し試合終了後、2軍行きを命じられた。

「それじゃ、そろそろ行くな。んじゃ、頑張れよ」

内木は一言言いホテルから出て行った。魁はどんどん遠ざかる内木の背中に悲しみを感じていた。

儀田も2軍行きとなり新たに二人の選手が宮崎へ召集された。
その選手は去年、後半戦ラストスパートの所でよく登板し防御率1.24の結果を出し、中継ぎエースの座を狙う松ヶ崎満(マツガサキ ミチル)。もう一人は去年、先発として10勝とした西洋司零時(サイヨウジ レイジ)。明日から参加し、3日間の参加となる。


翌日正午、二人は宮崎に到着しすぐに練習に参加。

「あー、レイジ来てたんだー。今年もガンバろーねー! あ、ミチルもよろしくねー!」

王城はいつも通りの話し方で二人を出迎える。


この日の魁はノックを重点的に行った。
コーチが放つ強烈な打球に魁は食らい付くのがやっと。
練習が終わればグランドの上で倒れ藤ヶ谷に自分の部屋に連れて行ってもらった。


二日後、キャンプは終了。選手は所沢に戻りついに始まるオープン戦を待っている。
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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/09/05 20:22  No. 14    
       
「ゴーゴーレッツゴー伊藤!」

オープン戦が始まり7試合が消化した。魁は初めて西武ドームの打席に立っている。

ファンの応援が外野から聞こえ、魁も気合が入る。この試合には去年のレギュラーも出ており満員となった。

魁は今日2打席で2安打。オープン戦全体だと25打数15安打とルーキーとしては申し分ない成績を残している。

だが、巨人の長谷川も負けてはいない。35打席に立って10の本塁打を放っている。


今日の試合は巨人との対決だが長谷川は出ていない。
だが、ベンチには入っている。
魁は長谷川が代打で出てくる事をとても楽しみと思っているようだ。

そして、ついにその時が来た。

「バッター、村田に代わりまして、長谷川幸太!」

ピッチャーはクローザー、駆浪咲久弥(クロウザキ キュウヤ)
9回の表、2対1。ツーアウト3塁。ヒットを打たれれば同点。抑えれば勝利。

そして、一球目…
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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/09/08 22:00  No. 15    
       
「ストライク!」

「は!?」

一球目は内角ギリギリのストライク。しかし、セカンドの魁はボールとしか思えなかった。
長谷川もつい声を出してしまい主審のいる後ろを向き胸のあたりを思いっきり押してしまう。

「ちょっと待てよ! どっからどう見てもボールだろがっ! おかしいだろ!」

「ああ? ルーキーが審判に口出しすんのか?」

「んだと? ルーキーもクソも関係ねえだろが。ビデオ見ろやビデオ! おい! 誰かこの審判代えろよ!」

主審と長谷川の言い合いが始まってしまった。

そこに、止めようとした銀宮寺が長谷川の体を抑えると…
「離せって! あんたは関係ねえだろ!」
銀宮寺を思いっきり吹き飛ばした。

ついに両軍がベンチから飛び出した。
巨人の原監督と魁が長谷川を必死に止めようとするが長谷川は言う事を聞かない。

「おい、幸太! やめろ!」

「長谷川、やめるんだ!」

ついに…

「長谷川退場!」

と、主審が告いだ。長谷川はバットを放り投げベンチ裏へそそくさ去って行った。

試合は西武が勝利。長谷川は残りのオープン戦すべての欠場という謹慎処分となっている。

試合後、魁は長谷川のもとへ行き久しぶりに二人で夕食を採る事になった。

(まだかよ…おそい…)

魁が待ち合わせの場所に時間通りについても長谷川は一向にこない。

「おーい、すまん、遅れた」

20分ぐらい経った頃、長谷川がやっと到着。すぐに料理店へ向かう。


料理店は中華料理に決め、そこに到着すると魁は長谷川に今日の話について話しかける。

「おい、どうしたんだよ、今日の試合。いつものお前ならあんなに怒らないだろ」

すると長谷川は、「最近、マスコミに追いかけまわされててさ。イライラしてたんだよ…」と話す。
それには魁も納得し、その後食事を楽しみ2時間ぐらい経過したぐらいに二人は帰宅。魁は寮へ。長谷川は所沢市内のホテルへ。


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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/09/08 22:02  No. 16    
       
オープン戦もついに終了。もうしばらくしたらペナントレースが開始する。
王城が開幕投手という事がオープン戦終了直後に決定した。
魁も開幕一軍が決定。このまま開幕スタメンとなると嬉しいところだ。

この日、魁は久しぶりに弟達也とともに休日を満喫。
とはいっても、寮の中で二人で漫画を読んだり話したりしただけだが…

「おい、クソ兄貴。そろそろ部屋帰れよ。人の部屋にずっと居られたら迷惑だ」

「わかったよ。じゃあ、また明日」

達也の部屋に来ていた魁は自分の部屋に戻りシャワーを浴びた後にベットに入り目を閉じた。

達也はすぐさま一軍に上がれるよう、自主トレを行う事に。
近くの広場にバットと一様グラブを持っていった。

黙々と素振りをし、なんだがさみしいと思っていたところに後ろから自分の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。

「おい、伊藤。おめでとう。君の開幕スタメンが決まった。8番ショートだ。去年の正遊撃手の須田(スダ)が昨日のオープン戦で右足靭帯断裂の大けがをしてしまってな。お前はオープン戦で結果を残したし、そうする事にした。では、今日のところはこれぐらいにしておくんだぞ」

「あ、そうか…いや、そうですか…あの、魁は…」

自分が出ても魁にも出てほしいという達也。なんという兄思いの弟だろうか。

「ああ、魁もスタメンで出てもらう予定だ。2番セカンド。今年はルーキーが豊作だな。ハハッ! じゃあ、そういう事だ。よろしくな」

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ロックされています   Re: King nine   プロ野球編  名前:魁斗  日時: 2013/09/20 21:21  No. 17    
       


「さあ、ついに始まりました! 144試合にわたるペナントレースが今始まりました!」

午後6時となり、試合が開始した。西武の相手は千葉ロッテマリーンズ。QVCマリンフィールドで、ロッテとの試合が行われる。ロッテの開幕投手は藤沢洋介。

一回の表、一番にはこの人、藤ヶ谷佐助が入る。
去年の成績は25打数3安打と、完璧に抑えられている。


(うーし…来い…)

そう心で思うとすぐに構えた。初球はインコースへ140中盤の直球。

(ぐ…らあ!)

だが、インコースと言っても甘さが光るインコースへの直球。

藤ヶ谷の様な打者なら簡単に叩ける。

打球は快音鳴らしセンターへ。センターの岡田は必死に追いかける。だが、低い弾道でどんどんノビていく打球は岡田がどうやっても捕球できなかった。

「入ったぁぁぁぁ! 藤ヶ谷佐助、開幕戦初球先頭打者本塁打!」

この時、魁は改めて藤ヶ谷に関心した。相手は2年目と言ってもエース級の投手。そんな投手からわずか1球で本塁打を打ったという事に対してだ。

「ナイスバッティン! 藤ヶ谷! よく一球目で持って行けたな!」

「いやあ、甘かったんで…簡単に行けましたよ」

ベンチに戻った藤ヶ谷は日本語ペラペラのキリシヨンと話していた。
キリシヨンは「さーて、俺も打つぞ…」と言い、自分の5番まで回ってくるのを待った。

2番はルーキーながらスタメンの魁。
藤ヶ谷に続く事は出来るのか。
初球から魁は仕掛ける。藤沢が投げるとすぐにバントの構えをし、ボールはラインギリギリに転がりセーフティバントが成功。

この時点で藤沢は非常にイライラし、もう打たせまいと気合を十分にしてマウンドで振りかぶった。

バッターは銀宮寺。

(1、2番だけでこんなに出来るなんて…俺も続くしかねえな…)

そして、サインは魁には嬉しく感じるものだった。

(!! …よーし、小学生の時みたいに…)


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