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ロックされています  夢色高校  名前: めめ  日時: 2012/08/20 01:56 修正2回   
      
初めましてめめです。
今回初めてこの小説を書かせていただきますことになります。
それにより以下の点にご注意ください。

・作者はパワプロはやっていますがキャラクターや、内容をあまり覚えていません。
・時系列や関係などを破壊しかねません
・出てくるキャラクターは作者のおぼえているキャラクターです。
・かなりオリジナルな要素が含まれます
・あれ?このキャラクターこんなのだっけ?というのもあるかもしれません。

以上の点をご理解いただけるならこのまま読み進めてください、もし気に入らない場合などがありましたら戻ってください

書き直しです、最初と少し変わりますのであしからず
記事修正  スレッド再開
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/08/20 23:22 修正3回 No. 8    
       
かぁーやっちまった!ボールの上叩いちまった!

と悔しがる笠松さん

しかしそんなことは俺の耳には入ってこないい


格の違いを見せつけられた、これじゃあまるでお前の一本足はまだまだだといわれているようなものだ

第一ファーストとセカンドが全く反応できない打球なんて非常識すぎる、ここは強豪校なんだぞ!?

そんなことを頭で思っている間も笠松さんのバッティングは続く

明らかに負けている、まるで音だけしかしていないようなスイングの速度、上半身の鍛え抜かれた柔軟な筋肉、体の幹である体幹の強さ、腰の回転のスピード、そして全てを支える下半身

全てにおいて俺は足元にも及んでいない

坂倉「どうだ?浅井」

浅井「すごいの一言しかないです」

坂倉「幸樹は昔からバットしか持ってなかったんだ、幼稚園の頃からずっと」

浅井「幼馴染なんですか?」

坂倉「そうなんだよ、そして野球センスがすごくて、かなりの努力家で、誰よりも負けず嫌いのバカなんだ」

浅井「なるほど」

納得はできた、努力家で負けず嫌いこの二つが笠松さんの強さだ、センスはその後に乗っかってきたものだと俺は思う

浅井「だから守備もあれだけうまいのか・・・」

坂倉「ん?それは違うよ?アイツはバットしか振らないし、何より守備練習を監督のノック以外でしてるのを見たことないよ」

浅井「はい?」

坂倉「見ててやってみたらできたとか、こう投げたらこんな球が行くんじゃない?とか、とにかく守備に関してはこんな感じだったよ?」

前言撤回、センスの塊だ

そうこうしている間に笠松さんのバッティングが終わっていた

笠松「何の話してたんですか哲さん?」

坂倉「なに、幸樹の昔話さ」

笠松「えぇー!きになるッスよ哲さーん、健吾!お前名に聞いたんだよ!教えろよ!」

浅井「笠松さんがバカってことを聞きました」

笠松「あってめぇ笑ってんじゃねぇ、哲さんまで!」

坂倉「おっと練習中だ、静かにしろよ幸樹?」

笠松「わかってるッスよ、次哲さんッスよ?」

坂倉「もうそんな順番か、わかった行くとしよう」
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/08/21 00:07 修正1回 No. 9    
       
そう言ってキャプテンが打席に入る

浅井「キャプテンてどんな打者なんですか笠松さん?」

笠松「あん?強いて言うなら敵にしたくない打者だな」

浅井「たとえばどんな感じですか?(あんたも敵にしたくないよ)」

笠松「坂倉 哲弘(さかくら てつひろ)3年生でキャプテンはお前も知ってるから・・・そうだなぁ、うちのチームの3番打者でポジションはキャッチャーで右投げ右打ち」

浅井「いやそういうのじゃなくて」

笠松「そうだなぁ・・・まぁみてりゃわかるよ」

と曖昧な返事をよこす笠松さん

その言葉を信じることにした俺は坂倉さんをじっと見る

かまえはごく普通のリラックスした自然体で、体つきも流石は3年生といったところだ

坂倉さんはマシンからバンッと放たれた球をグッと体の近くまで引き寄せるそして、逆らわずにライトの前に落とす・・・とても綺麗なヒットだ

浅井「あの笠松さん?見ていてわからないんですが」

笠松「得点圏打率7割」

浅井「え?」

笠松「打率が常時4割5分以上、右へ左へ狙ったところに打つことができる中距離砲、選球眼がよく観察眼もいい、いざとなれば粘り強く投手に食らいつく貪欲さ、それでもって守備では捕手として投手の能力を最大限に引き出し、勝負強いリードで投手を導き、走るランナーを寸分狂いのない矢のような送球で殺す・・・これほどの選手がどこにいるよ?哲さんほど敵にしたら怖い人はいない」

浅井「・・・」

笠松「まぁお前に足りないものを哲さんが初球で見せてくれたんだから勉強しろよ?」

いつものようにケラケラと笑いカーブのマシンの打席に歩いていく

俺はただ坂倉さんと笠松さんの打撃を見ているだけだった・・・
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/08/21 21:47 修正2回 No. 10    
       
笠松「健吾?」

浅井「はい」

笠松「どうして打たないんだ?」

浅井「いや見てるほうが練習になるんで」

笠松「へぇー(後でいじめようっと)」

こうして練習は続いた・・・






鬼門「よーし今日はこんなもんだな、俺は今日飲み会だから先に帰るわ、とりあえず解散!」

『ありがとうございましたっ!』

浅井「おーい矢部君今日も自主トレやろうぜー」

矢部「わかったでやんす、今日はなにするでやんすか?」

坂倉「おっとっと、浅井はちょっと来てくれるかな?」

そこにはニコニコと笑う坂倉さんがいた

浅井「なんですか?」

すると後ろからケラケラと笑い声が聞こえてくる、こんな笑い方の人は一人しかいない

浅井「なんで笑ってるんですか笠松さん」

笠松「いやーこれから楽しみでな」

矢部「どーゆーことでやんすか?」

笠松「健吾がバッティングの時に打たないで俺らのことみてたから、これから気合でも入れようと思ってな」

浅井「なっ!」

笠松「ちなみに哲さんもこのこと知ってるから」

矢部「だから坂倉さんもいるんでやんすね」

笠松「正解!じゃあ逝こうか健吾」

浅井「えっそんな、矢部君助けてくれ!」

矢部「そんな必死に言われても、バッティングをしなかった浅井君が悪いでやんす」

笠松「まぁ心配すんなよ、明日死ぬ思いするだけだから」

そういってひきずられていき、俺は地獄を見た・・・
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/08/23 02:39 修正1回 No. 11    
       
矢部「大丈夫でやんすか浅井君」

今は学校が終わり練習中、俺は矢部君、笠松さん、それとピッチャーの人達とロードワークに来ている

提案したのは笠松さんだった

浅井「大丈夫・・・じゃない」

主に下半身が悲鳴をあげている

矢部「昨日は何があったんでやんすか?」

浅井「思い出したくない・・」

矢部「やれやれでやんす」

まるで地獄だった・・・






笠松「哲さん準備できましたよー」

坂倉「話を聞くところによると、直球のマシンを打った後一度も打ってないみたいじゃないか」

ここはウエイトルーム、まるでジムのように設備が整っている・・・流石は強豪校

ちなみに強いのは野球だけではないらしく、ほかのスポーツにも力をいれているらしい、なのでウエイトルームもジムのようになったらしい

浅井「あの・・・笠松さん」

笠松「なんだ健吾?」

浅井「なんですかコレ?」

笠松「もちろんバーベルだけど?」

満面の笑顔でバーベルを持ってくる

笠松「推定120キロだ」

浅井「え?」

笠松「俺がいいって言うまでスクワットやってろ」

浅井「・・・」

坂倉「ちなみに休憩なんてないからね?」






浅井「とまぁこんなことがあったんだ」

矢部「急に喋り初めてどうしたでやんすか?」

「もう距離も近いからラストスパートかけるぞー」

そう言ってスピードを上げ始める投手のみなさん



ゴールについた時には、俺は疲労のあまりその場を動くことができなかった・・・
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/08/27 11:40 修正1回 No. 12    
       
その日の練習はまるで地獄をみているかのようだった


坂倉「さぁスパートかけろよー」

ロードワークから帰ってくるとすぐさまダッシュメニューに切り替わった、この日の坂倉さんは鬼だ

笠松「おいおい健吾、さっさと走れよー」

浅井「しっ死ぬ」

ちなみにダッシュメニューを行っているのは俺と矢部くんだけだ

矢部「・・・もう・・だめでやんすぅー」

浅井「やっ矢部君!?」

矢部君はその一言を最後に倒れてしまう

笠松「あちゃー矢部っち倒れちゃったかー・・・じゃあ健吾、矢部っちの分も頑張れよ」

浅井「えぇー!」

笠松「問答無用」

くっ、こうなったらやけくそだ、やってやる!


そうして今日の練習は、筋肉痛に耐えながらロードワークとダッシュメニューをこなし矢部君と同じく倒れた

笠松さんめ・・・
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/08/31 03:58 修正1回 No. 13    
       
笠松「哲さん」

アンダーシャツを脱いで、汗だくの状態で肩にバットを担ぎ坂倉に話しかける笠松

坂倉「どうしたんだ幸樹?」

あまり驚くそぶりを見せない坂倉は、椅子に腰かけてゆっくりと読んでいた本に、しおりを挟み視線を笠松に向ける

笠松「ちょっと急ぎすぎじゃないですか?」

坂倉「なんの話だ?」

くすくすと笑いながら椅子から腰を上げて本を手に取る

坂倉「早いも遅いも、いずれはやらせるつもりだったさ」

笠松「そうですか・・・間に合いますかね?」

坂倉「間に合わせるさ、そうそう何度もアイツにでかい借りを借りておく訳にはいかないさ」

一瞬目を見開いた笠松は我に返ると、持っていたバットをギリギリと握りしめて口角を上げる

笠松「でねぇと今まで死ぬような思いでスイングも、ウエイトトレーニングも、ダッシュもやってませんよ・・・絶対にアイツの顔をゆがませてやる」

坂倉「アイツって・・・先輩だろうに」

笠松「関係ないっすよ哲さん、俺が尊敬するのは哲さんですから」

坂倉「そうか・・・そうだいま思いついたんだが、矢部っていつも浅井と一緒に自主トレしてるよな?」

笠松「まぁね」

坂倉「ならこう伝えてくれないか?」

そういって笠松に耳打ちして笑いながら歩いてどこかに行く

笠松はケラケラと笑いながら楽しそうに坂倉とは違うほうに歩いていき、自主トレに戻った・・・
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/02 02:04  No. 14    
       
?「ちょっと幸樹君ー?」

笠松「はいはい?」

?「やりすぎだよ、まだ一年生なんだからもうちょっと優しくしてあげてもいいんじゃない?」

倒れた浅井と矢部を看病しながら、笠松をしかる彼女はマネージャーである

笠松「いやいや、哲さんだってノリノリだったし・・・」

?「キャプテンは関係ないです!」

笠松「そんなこと言われてもなぁ」

?「問答無用です」

プイッとそっぽを向くマネージャー

笠松「はぁー・・・おい健吾、矢部っちさっさと起きろ」

そういって眠っている二人の顔に水をかける

浅井・矢部「ヴァッ!げほっげほっ!」

?「こら幸樹君!?」

笠松「ヘイヘイ勘弁してよ 舞 」

けらけらと特有の笑いをしながらバットを担ぎ、歩いていく笠松

浅井「ここは?」

?「ごめんねー、幸樹君加減を知らないから・・・」

浅井「あの・・・貴方は?」

?「あっ私?私は 栗原 舞 夢高二年の野球部マネージャーです、よろしくね浅井君」

浅井「あ、はいよろしくお願いします」

矢部「よろしくされたいでやんすー!」

浅井(訳の分からないことを・・・)
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/03 08:25  No. 15    
       
栗原「ははは・・・」

浅井「ありがとうございますね、栗原さん」

栗原「どういたしまして、でも私一人でしてたわけじゃないから、もう一人のマネージャーにもお礼を言ってあげてね?」

浅井「もう一人・・・ですか?」

栗原「そう 川井 菜実 ちゃんて言うんだよ」

浅井「川井 菜実 きいたことあるな」

矢部「そりゃ当たり前でやんす、オイラたちと一緒に入部の時にあいさつしたでやんす」

浅井(そうじゃないんだよなー、どこかで・・・)

うーんとうなる浅井

栗原「大丈夫?まだ具合悪い?」

浅井「あっ、いえ大丈夫です」

急に話しかけられたので少しあたふたしてしまう、ちょっと情けない

栗原「まぁもう少しでここに戻ってくると思うから、その時にまたお礼をいってあげてね?」

矢部「はいでやんすー」

栗原「ははは・・・」

浅井(いい加減気づかないのだろうか?)

栗原「じゃあ私これから他の仕事があるから行くね、あとは菜実ちゃんに任せてあるから」

そういって歩いて別の場所に歩いていくマネージャー

矢部「しっかし可愛いでやんすねー、あんな人がオイラの彼女にならないでやんすかねー」

と変な妄想を作り出す矢部

浅井「あぁー・・・矢部君、やめといたほうが・・・言わんこっちゃない」

矢部「ぎゃー!!空からペットボトルが降ってきたでやんすー!!」

鈍い音を立てて矢部の体にペットボトルが直撃する

笠松「おいおい矢部っち、人の女にてぇだすなよ?」

浅井「笠松さんの彼女さんなんだよ栗原さん」

矢部「先に言ってほしいでやんすぅー」
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/04 02:48  No. 16    
       
笠松「まぁ今後気をつけろよ」

そう言って独特の笑い方でペットボトルをこちらに投げてくる

浅井「笠松さんこれは?」

笠松「あぁ、哲さんからだ」

矢部「この不可思議な色の液体がでやんすか?」

笠松「まぁまぁ一気に飲んどけよ、疲労回復のドリンクらしいから」

浅井(あやしい)

矢部「ならいただくでやんす」

ごきゅっごきゅっ

浅井「どう?おいしい?」

矢部「・・・・」

浅井「やっ矢部君!?」

飲み干した後矢部は勢いよく倒れる

笠松「まぁこういうことだ、あの人の作るプロテインは殺人的にまずいが、鬼のように効果がある」

浅井「いや意味わからないです」

笠松「とりあえず効果は保証できるってことだよ、さっさと飲め」

ケラケラと笑いながら目が笑っていない、半ば強制だ、後輩虐待で訴えてやりたいレベルだ

俺は覚悟を決めてペットボトルのふたを開けて一気に口の中に流し込む

浅井「!!」

笠松「死ぬなよー」

いつものようにケラケラと笑いながらバットを担ぎ、向こうに歩いていく

浅井(さっ殺人的にまずい!)

だんだんと意識が遠のいていくのがわかる・・・笠松さんめ
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/04 03:05  No. 17    
       
目を覚ますと目の前に女の子の顔があった

浅井「うぅん・・・」

?「あっ!気が付いた?大丈夫?」

この光景はどこかで見たことがある気がする、どこだっただろうか?

?「舞さんに目が覚めたって聞いて来てみたら倒れてるんだもんびっくりしたよ」

笑顔を浮かべながら安堵の表情でこちらに話しかけてくる

?「ほんと昔から心配かけさせるんだから」

昔から?・・・

浅井「あぁー!菜実!」

菜実?「思い出すの遅いよ健吾、初日の紹介の時に気が付きなさいよ」

やれやれといった感じで首を振る彼女は、栗原さんの説明してくれた 川井 菜実 である

家の近所に住んでいたので昔からよく俺と菜実ともう一人で遊んでいたのを思い出す

浅井「しかしこんな遠い高校にどうして?」

川井「監督がね「マネージャーやってたんだろ?ならうちに来ないか?」って、初めはこんなことあるのかなって思ったんだけど、私を必要としてくれてるんだったらそれも悪くないかなって思って」

えへへとかわいらしく笑う、昔から変わらない純粋で綺麗な笑顔だ

浅井「じゃあ菜実も寮に?」

川井「そうだよ?しかもあの寮野球部しかいないよ?」

初耳でした

川井「みんな帰ってきて練習してるのに健吾だけいないから心配もしてたんだよ?」

どうやら自主トレをしてる場所もみんなと違うらしい

浅井「大丈夫大丈夫、俺は全然元気だから」

そういって跳ね上がるように起き上がる

浅井「!(体の疲労が抜けてる)」

川井「どうしたの?」

浅井「また話しような、俺練習言ってくる!」

川井「ちょっと健吾!?練習終わってる・・って聞いてないか」

やれやれと首を振りながら散らかったペットボトルを片付けていると、矢部君も立ち上がり、すぐに健吾を追いかけて行った

川井「やっぱり男の子はこうじゃないとね」

くすりと笑い、私は舞さんのところに向かって歩き始めた・・・
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/04 03:34 修正2回 No. 18    
       
今日もへとへとになって帰っていると目の前を三人の女子高生が歩いている

浅井「菜実?」

ふと声に出していたらしく、その声で三人がこちらを見る

浅井(きっ気まずい)

川井「健吾じゃん、こんな遅くまで練習してるの?」

浅井「まぁね、今日は矢部君も先に上がっちゃったから一人で」

?「ねぇねぇ君、浅井健吾君でしょ?」

浅井「そうだけど・・・どうして?」

?「やだなー同じ野球部だよぼくたち」

その言葉を聞いてもう一人の女の子もこくりとうなずく

浅井「えぇっと・・・」

?「ぼくは 早川 あおい ピッチャーだよ」

浅井「ピッチャー・・・あぁ!思い出したよ、シンカーがすごい」

早川「むっすごいのはシンカーだけじゃないよ」

少しむくれた顔をするあおい

川井「てことはもう一人も覚えてないでしょ?」

浅井「特徴だったら覚えてるよ」

川井「またそうやって変な覚え方する」

浅井「まぁいいじゃん、ポジションはどこ?」

?「え?僕はショートだよ」

浅井「巧打で守備範囲の広い技術が高い、たしかシニアで有名だった・・・」

川井「そこまで覚えてるなら名前覚えなよ・・・」

?「しっててもらえて嬉しいよ、僕は 小山 雅 よろしくね浅井君」

浅井「あぁ、あおいちゃんも雅ちゃんも健吾でいいよ、みんなほとんど健吾って呼ぶから」

小山「わかった、よろしくね健吾君」

早川「僕もよろしく健吾君」

浅井「はいどうも、それよりどうして夢高に?」

早川「ボクは監督に声をかけてもらったんだ、高校では野球は無理だって進路の先生に聞いてあきらめてたら、急に学校に監督がきてボクと話がしたいって、そしたら「うちにこないか?心配すんな、野球を好きでやってるやつに男も女も関係ねぇ」って、それでボクに推薦までくれたから、監督を信じてみようって思ってここに来たんだ」

浅井「へぇ」

早川「差別なんてないし女だからって遠慮なんてないから、ボクはこの高校に来てよかったと思ってるよ」
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/04 03:52  No. 19    
       
浅井「へぇー、じゃあ雅ちゃんも似たような理由?」

小山「そうだよ、僕も監督に「男も女も関係ない、野球の前じゃみんなガキだ」って言われて、ここなら大丈夫なのかな?って思ったから入学したんだ」

浅井「俺もそう思うよ、だって野球が好きなら性別なんて関係なし」

川井「そうだよね、あーあ私も野球してればよかった」

そういって少し残念がる菜実

早川「ボクは菜実ちゃんみたいに野球にかかわってるのもありだと思うな」

小山「そうだよ、僕も菜実ちゃんみたいな人は素敵だと思うよ」

川井「ありがとう二人とも♪私頑張るよ」

そういっていつものように笑顔を見せる菜実

昔からだがこの笑顔を見せているときの菜実はすごく可愛らしい

早川「ほらほら健吾君、菜実ちゃんに見とれてないで一緒に帰ろう」

浅井「なっ!見とれてたわけじゃ」

川井「なによ健吾、私に魅力がないってこと?」

浅井「ちっ違う」

小山「ふふふ」

浅井「もう勘弁してくれ・・・」

と疲れながら寮に帰った

どうやら一年生は俺を合わせて8人、寮にいるらしく、あおいちゃんと雅ちゃんと菜実も寮にいるらしい・・・


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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/04 17:27 修正1回 No. 20    
       
鬼門「明日練習試合をするから準備しとけよ」

練習の終わりに唐突に放たれた一言に、俺は驚いたが上級生の人はびくともしていない、よくあることなのだろう

坂倉「わかりました、ところで相手はどこなんですか?」

鬼門「あぁ、まだ四月だしあかつきと練習試合しようと思ってな」

『!!』

一瞬にして全員の空気が変わった

一年は驚いたように、上級生は殺気ともとらえられるようなビリビリとしたオーラを放っている

それを見た監督は口角を少しだけ上げて

鬼門「じゃあ今日は早く寝ろよ、寝坊したら大変だからな、解散!」

『ありがとうございました!』

鬼門「うーい、坂倉ーちょっとこい」

坂倉「?はい」

そういって監督に連れて行かれる坂倉さん

笠松「じゃあ俺先あがりますね、失礼します」

そういって笠松さんが三年生にあいさつして帰っていく

矢部「なんかいつもと雰囲気が違うでやんすね」

浅井「そうだね、なんか危ない雰囲気だ」

?「まぁ仕方ないよ」

浅井・矢部「!」

?「ごめんね急に、僕は 草木 つかさ(くさき つかさ)三年生」

浅井「初めまして浅井 健吾です」

矢部「矢部でやんす」

草木「ごめんね自己紹介できてなくて、ここ自主トレメインだから同じポジションの子しか知らなくて」

浅井「いえいえ大丈夫です(優しそうな人だな)」

矢部「ところでさっき言ってた仕方ないってどういう意味でやんすか?」

草木「去年あかつきのエースに大きな借りを作っちゃってね、だから特に試合に出てた奴らはピリピリしてるんだ」

浅井「なるほど・・・草木さんもですか?」

草木「つかさでいいよ、まぁピリピリしてないって言ったら嘘になるかな?」

とニコニコ笑いゆっくりと歩き始める

草木「じゃあ明日遅れないようにね」

浅井・矢部「はい失礼します」

しかし明日が楽しみになってきた、笠松さんや坂倉さん、つかささんが借りを作るほどのピッチャーがいるなんてわくわくする

明日は寝坊しないようにしようと、いつものメニューをこなし、寮に帰った浅井であった
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/05 00:50  No. 21    
       
鬼門「ではメンバー発表を行う、まぁ今日は向こうさんもフルメンバーじゃないしな、うちも試したいことあるからフルメンバーじゃないからそこんとこはよろしく」

現在グランド内でアップとノックを済ませた部員たちは監督のミーティングを聞いている最中である、やはり昨日とは変わらずビリビリと感じるオーラは隠しきれていない様子で、先輩たちは怖い

笠松「泣かせてやりますよ」

急に口を開いた笠松さんは目が殺気走っている

それもそのはずだ

坂倉「俺たちに惨めな思いをさせてくれた一之瀬は今日は休養日らしい」

スタメンのメンバーの中に因縁の相手、一之瀬塔哉は入っていないからである

苛立ちはピークに達しているのがわかる、しかしあかつきから見てみればうちも同じような状況である

鬼門「じゃあメンバーいくぞ

一番 セカンド   草木 三年
二番 ショート   小山 一年
三番 キャッチャー 坂倉 三年
四番 ライト    笠松 二年
五番 レフト    浅井 一年
六番 サード    栗峰 二年
七番 ファースト  国府 二年
八番 ピッチャー  小鴉 一年
九番 センター   新井 三年

とまぁこんな感じだ、セカンドの林は肘痛めてんだろ?」

と言って三年生の林さんをジロリとみる

林「・・・」

鬼門「まぁ俺は見たらわかるからよぉ、無理するのはまだはえぇから今日は一年のガキにチャンスやってくれや」

林「はい」

鬼門「大石と三木もだ」

すると二人も小さく返事をする

鬼門「ほらそろそろ整列だ、並んで来い」

その言葉を聞いた全員は顔を引き締め気合を入れなおした、相手はあかつき、負けるわけにはいかない・・・
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/05 01:23 修正1回 No. 22    
       
一方その頃矢部はというと、試合にはいかずグランドに残っていた

呼ばれた一年生や二年生以外はグランドに残って練習するか、試合を見に来るかという選択権があり矢部やグランドに残っている者たちは練習を選んだ

現在はいつもと変わらない自主トレとなっているが、一味違う

?「もう少しボールを引き付けて近くのポイントでとらえたほうがいいね、そうして君の場合はライトの前に落とすイメージだね」

そういって指導してくれているのは三年生の先輩である 松下 拓実 (まつした たくみ)だ

一年生が入ってくる前の練習試合で左膝の靭帯を断裂して戦線から離れている選手だ、時期が悪く最後の夏に出られるかは絶望的であろう

しかしあきらめてはおらず、大学に進学して監督を目指している

矢部「オイラ燃えてきたでやんす」

松下「うん、がんばりなよ」

そういって他の人のところにいく松下さん、いい先輩でやんす

ここにいるのは一年生13人中10人、二年生10人中4人、そして三年生が2人だ

もう一人はピッチャーの先輩で彼も松下と同じく監督を目指しているらしい

腰の剥離骨折が原因で彼も戦線を離脱している

矢部(早く浅井君に追いつくでやんす)

コツコツと努力を続ける矢部であった
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/05 01:39 修正1回 No. 23    
       
早川あおいもグランドに残って練習していた、同じピッチャーとして呼ばれた小鴉君を見るのが嫌だったのもあるが、練習をしたかったのもあった

今はブルペンで投げ込んでいる最中だ、受けてくれているのは二年生の 幸田 仁 (こうだ じん)さんだ、実力は坂倉さんが認める折り紙つきで、試合に呼ばれていたがボクの球を受けたいという理由で断ったらしい

変わり者だ

幸田「いい球なげるね早川、でも今後の課題はコントロールとスタミナと、ボールのキレと、武器であるシンカーのさらなる進化だね」

と無理難題を仕掛けてくる幸田さん

?「まぁその辺のトレーニングは俺が教えてやるよ」

そういってくれているのは三年生の広田さんだ

広田「何でも聞いてくれよ」

早川「はいありがとうございます」

やはり夢高に来てよかったと今でも思う、女だからと差別されることもないし、対等に扱ってくれる

あの時監督に声をかけてもらっていなかったら、今の自分はないだろう

早川(感謝だね)

そう思いながら幸田さんのミットめがけてボールを投げ込むあおいであった
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/05 02:52  No. 24    
       
僕は今とてもドキドキしているのがわかる、シニアの時にこんなドキドキを感じたことはなかった

草木「大丈夫?そんな緊張しなくても大丈夫だよ」

そう声をかけてくれているのは今回二遊間を組むことになったつかささんだ

小山「すいませんつかささん、僕がショートに入ったから本職じゃないセカンドをやることになってしまって」

草木「気にしないで雅ちゃん、それに今は焦る時期じゃないから僕としてもほかのポジションの経験は積んでおきたいからね」

優しい言葉をかけてくれるつかささん

自主トレの時はよくお世話になっている、守備のセンスは頭一つとびぬけている人なので僕の憧れの選手でもある

草木「気楽にいこうよ、ほら健吾だって」

すると健吾君はあくびをしながら上を眺めていた

小山「クスッ・・・僕頑張ります」

草木「そうだね、わからないことがあったら聞いてね」

小山「はいありがとうございます」

ドキドキがわくわくに変わったのがわかった、試合が楽しみだ
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/05 03:18 修正1回 No. 25    
       
プレイボール!

審判の声が響いた

先攻は夢高からだ

相手のマウンドにはマスコミを騒がせている、一年生 猪狩 守 だ

浅井「守が先発か、何とも言えないな」

中学の時はあまりこいつから打った記憶がないのが事実だ、実質おさえられた記憶もあまりない

つまり対戦数は少ない

つかささんが左のバッターボックスに入りゆったりと構える、アベレージヒッターでチャンスメーカーのつかささん、この人が塁に出れば攻撃の流れをつかむことができるであろう

草木(っ!厳しいね)

アウトコースいっぱいの直球を見逃し少し目を細めるつかささん

マウンドでは手が出ないだろう?といった顔を浮かべる猪狩が返球を受けサインにうなずく

二球目はインコースの直球、これも手を出さずにストライク

しかしここからが三年生草木 つかさの本領発揮だった

三球目のアウトコースのスライダーをカットし四球目五球目と見極めカウントツーストライクツーボール

笠松「いやらしいなつかささん」

と横でぼそりと呟く笠松さん

坂倉「たぶん怒ってるんだよ、一之瀬が出てこないから」

一之瀬塔哉・・・先輩たちの話に出てきているがどんな投手なのだろうか?ここまで先輩たちの戦意を駆り立てる選手、どれほどすごいのだろうかと気になってしまう

そう話している間もつかささんの打席は続いていた

浅井「今のでつかささん何球目ですか?」

栗原「えぇーと・・・十三球目だよ」

浅井「ありがとうございます」

スコアブックを書き込んでいる、栗原さんに聞いて少し驚いた

流石の守もイライラしているだろう

キィイン

と快音が響く振り返ると打球はセンターの前に落ちていた

アウトコースに逃げていくスライダーを綺麗に合わせたらしい

これでノーアウト一塁、監督はめったに出さないらしいバントのサインをだし、それを綺麗に決める雅ちゃん

これでワンアウト二塁

右の打席には三番キャプテンの坂倉さん

笠松さんの言っていた得点圏打率7割が本当かどうかを確かめることができそうだ
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/06 23:35 修正1回 No. 26    
       
打席にいる坂倉さんは雰囲気が違った

ベンチまでの距離でこう感じることができるのなら、マウンドにいる守はどう感じているのだろう

いつものようにリラックスした構えからバットをゆらゆらと動かす

そして守から繰り出された一球目はアウトローの直球、全くもってものともせずに軽々とスタンドに運んだ

猪狩「なっ!」

「ファールボール!」

一塁審判が両手を上げてファールを宣告する、どうやらポールを巻いてしまったらしい

坂倉さんは苦笑いをしながらゆっくりと走って帰ってくる

坂倉「二宮、一年生で抑えられると思ってる?」

二宮?「思ってませんよ、あんたと笠松は特に」

と呟くのはあかつきのキャッチャーの二宮瑞穂

打撃センスは折り紙つきで、野球能力は同学年では頭一つ抜けている選手だ

坂倉「キャッチャーがピッチャーを信用しないのは余りいただけないね」

二宮「それ位わからなきゃキャッチャーやめてる」

ふふっと不敵に笑ってバットをゆらりと構える

その威圧感に圧倒されたのか、猪狩は坂倉に四球を与えてしまう

そして次の打席には、天才打者が入る

浅井「笠松さん・・・」

ネクストサークルでバットのグリップにロージンを塗しながら、笠松さんを眺める

そして守から放たれた二球目の渾身のストレートはライトの場外に消えた

上げられた足、遠心力を生み出すためのバットの軌跡、踏み込まれた足からの柔軟な筋肉の始動、鋭い腰の回転、バットのスイングスピード

そしてとらえる寸前の不敵な笑み

浅井「すごい・・・」

この一言しか当てはまらない、やはりこの人は俺の目指すべき人だと改めて再認識した
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ロックされています   Re: 夢色高校  名前:めめ  日時: 2012/09/16 22:21 修正1回 No. 27    
       
猪狩守は驚きを隠すことができなかった、公式戦では一度も負けたことのない格下にここまで打ち込まれているのだ

惨めな思いをしたのは久々だ

猪狩「ふぅ・・・」

マウンドで少しため息を吐きながら審判から投げられたボールを受け取り帽子のつばをさわる、こんな気持ちを引きずっていても仕方がない

プレートに足をかけ、二宮さんのサインを見る・・・この打者はどこかで見たことがあるような気がする

猪狩「まさかな・・・」

大きく振りかぶりゆっくりと足を上げ、そしてインローにストレートをぶち込む

ボールが指から離れ、ゆっくりと打者に向かって進んでいくように見えた

この光景は見たことがある・・・

なぜかダメだと思ってしまった、なぜだかはわからない、だがこのままボールに進んでほしくないと思ってしまった

しかしそんな願いはかなうことはない、ボールは無情にもライトスタンドに突き刺さることになる

思い出した、さっきの四番打者の時もこんな感じで叩き込まれた気がする

屈辱

今日猪狩守はこの二文字を与えられた

被安打13
自責点9
4回降板

全くもって無様だ・・・
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