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記事閲覧  ズダダン! ごらく部 その8  名前: スコットランド学派  日時: 2018/01/28 19:00 修正4回   
      
 本スレッドの趣旨は以下の通りです。

 @駄弁り(不特定多数の相手を不愉快にさせる言動は控えましょう。まったりとした空間を作っていきましょう。それらの要件を満たせば、基本原則自由です。例⇒好きな動物やペットの話・等々)

 A企画立案(堅い表現ですが、要するに、皆が楽しくなるような話題や企画を思いつけば書いてみてください。例⇒パワプロリレー小説・サクサクセス王者決定戦復活・等々)

 B来る者拒まず、去る者追わず(言葉通りの解釈でダイジョーブです)

 ただ、様々な意味での荒らし行為はお控えください。

 当分は、寓話投稿に専念するぞ。

 レッツ・サクサクセス!
記事修正  スレッド終了
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイタースマホ  日時: 2018/01/29 18:58  No. 1    
       
始めに投稿する寓話を決めたぞ。

いづれに。
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/01/30 21:58 修正5回 No. 2    
       
 【題】ソクラテスのパラドックス

 今は昔,ペロポネソス戦争の最中にあった古代ギリシアでの話でございます。

 その当時は,都市国家アテネを首班とするデロス同盟と,同じく都市国家のスパルタを中心とするペロポネソス同盟が矛を交えていました。最初の頃は,デロス同盟側がやや優勢だったものの,であります。アテネで疫病が蔓延したり,せっかくスパルタ側が停戦を申し込んできたにも関わらず、好戦的な民衆を抑える力のある指導者をアテネは欠いていたので、戦争は長引くことになりました。そうであるので,やがて,戦況はスパルタを首班とするペロポネソス同盟側に有利に傾き始めていったのです。

 ……,さて。その最中にあるアテネに、名のある一人の哲学者がおりました。巷では知らぬ者はいない,ソクラテスという者です。

 彼は,「汝自身を知れ」とか「無知の知」とかいう言葉を使う「問答法(助産術)」という方法を使って多くのソフィストを追及していきました。ソクラテスの前に,アテネで名をはせていたソフィストたちは,黙りこくるしかありませんでした。ソクラテスは最後にはいつもこういっていたようです。「私は何も知らない。しかし,貴方たちは何も知らないことを知らない。その意味では私の方が貴方たちよりも優れている」と。こうして,ソクラテスは弟子を増やしていくことになるのです。

 ……,能書きはここいらで終わらせておきましょう。

 この話の始まりは,疫病の騒ぎがまだ収まりきっていなかった頃のアテネでのある日のこと。ソクラテスがアポロ神殿で,神々に対して祈りをささげているところから始まります。

 神々の像の前で、ソクラテスは祈りながらぶつぶつとこう言っていました。

「神々よ,今アテネは歴史上最大の危機を迎えております。疫病が蔓延し,多くの民が苦しんでおります。一方の政治家たちは,そのような民たちを顧みず,権力に溺れ,戦争をやめようとしません。私は思うのです。彼ら指導者には『無知の知』が足りないのです。『汝自身を知らない』のです。私は,そのような者どもよりも優れています。何故ならば,私は私自身,何も知らないことを知っているからです。私は,世の中を正したい。神々よ,そのような私にお力を添えて下さいませ……」

 その刹那でございます。
 
 以下に続きます。
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記事閲覧   Re: ズダダン! ごらく部 その8 寓話投稿  名前:ファイター・ドクトリン  日時: 2018/01/30 22:28 修正1回 No. 3    
       
「……,ソクラテスよ,聞こえるか,ソクラテスよ……」

 神々のお声が,神殿に響き渡っているではありませんか。

 ソクラテスは天を仰ぎながら,神々に返事をしました。

「おお,アポロの神様! 私めにお力を与えてくださいますでしょうか……」

 神々は,言われました。

「そなたが,そんなに人々よりも優れていると自負しているのならばだ。我々に考えがある。そなたに力を与えるべきがどうかは,まだ考えねばならない」
「神々よ,何をなさるのですか」
 ソクラテスのその質問から,神々は間髪入れずにこう言われました。
「明日になれば分かる。今日はもう家に帰りなさい。そなたの悪妻が,腹を立てて待ち構えているだろうから……」
 ソクラテスは背筋が寒くなりました。

 さて,次の日のことです。

 ソクラテスはこの日も,弟子たちを交えながら,人々に対して能書きを垂れていました。……,にしても,まだ市内では疫病の問題が収まり切れていないので,アテネの民たちは,ソクラテスの理屈っぽい話に付き合うことが出来るほどの余裕はありません。そうであるので,つまらない顔をするソクラテスです。ソクラテスは,市内をぶらぶらと歩きます。そんな時でした。

「……,ん……,なっ,なんだ,どういうことだ!?」

 ソクラテスは,思わず驚きました。指をさしました。

 ソクラテスの目の前には,ソクラテスとうり二つ,分身のような人間が,同じように,びっくりした顔をしながら,こちらに指をさしているではありませんか。

「君は誰だ,私は私以外にいるはずがないっ!」
 すると,目の前にいるうり二つの人間もこう言いました。
「それはこっちのセリフだっ,何で私以外に私がいるのだっ!」

 二人はそのまま口論になってしまいました。

 そうこうしているうちに、その騒ぎを聞きつけた民衆がぞろぞろと集まり,二人のソクラテスを囲んでしまったではありませんか。

 ソクラテスは,そこでようやく悟りました。目の前にいるもう一人のソクラテスに語り掛けます。
「そうか,分かったぞ。お前は,アポロの神々がお作りになった私の分身だな。神々は私をお試しするために,お前をお作りになったのだな!」

 以下に続きます。

 
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