個別記事閲覧 Re: 映画スレ 名前:はっち日時: 2013/06/23 15:47 No. 11
      
>>10
>>あえて善なる部分、救いとなり得る部分を描き入れることなく、

 トリアーは散らかしてはおかずに,「救い」となりうる部分を描いたと思いますよ。罪に対する正当な裁きこそが「善」であり「救い」でしょう。罪は罰によって罪たりえるのですから。ラストシーンでどこか話が整理整頓された感があるのは,加罰によって罪がきちんと確立されたためです。

>>ギャングの女も村人も、皆偽善者
 それも典型的な言い草ですが,その「偽善者」が意味するものは案外不確かでは?もしや善行に「本心」をご所望ですか?自分自身の本心すら存在が霞のようで危ういものなのに。
 
 どうでもいい話なんですが,私は「偽善」の使い方にはいつも引っかかります。だって,偽善が言葉通り「偽りの善行」であって,糾弾されるべきなのは,それが実際は搾取に繋がる時でしょう?つまり詐欺です。
 ところが,おそらく邪宗院さんを含め,善行を目的ではなく方法として利用する人間を「偽善者」と呼び,蔑む風潮は確かにあります。この映画の人々をはじめ,大抵の善行は確かに他人を利する妥当なものです。ぼくには,「偽善者」が良いことをしている人に使う典型的な中傷の記号のように思えて仕方ないのです。