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ノベルズ=クリムゾン 第二部
名前:
スコットランド学派
日時: 2016/12/14 17:10 修正5回
このスレッドは,主に2017年・二月に執筆を開始する予定である「イーグルスの星・第二部」を投稿するためのスレッドです。
お楽しみに。
鍵を開きました。第二部が始まります。
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Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/07/12 20:09
No. 59
すると。井本の目が,うっすらと潤んでいるのが目に映った。そして。段々と鼻をぐずぐずとしだす。そんな彼は,ゆっくりと,嗚咽しながら口を開いて。
「阿部……,さんが……,初めてです……」
「俺が,初めて……?」
「はい……。今まで僕は,あまり人付き合いに恵まれていなかったので……」
阿部は「うん」と頷く。真剣に,井本の話に集中。井本は続ける。
「こんなに親身になって,僕を助けようとしているのは,阿部さんが……,はじっ,めて,なんです……。本当に……,ありがとう……,ございます!」
「いや,感謝されるほどでもねぇよ……」
阿部は,段々としんみりしてしまう。
それから間もなく。品が届いた。火が付いたコンロにカルビや玉ねぎとか,カボチャとかを乗せる。井本の肉の焼き方を見てみると,なんともか弱く,遠慮気味に見えた。なので。
「なぁ,井本! 遠慮しないで,肉ってのは,こう焼くんだ。俺のを見てろ!」
阿部は,皿に盛られているカルビの山の一部を長い箸でごっそり挟むと,そのままコンロに一気に投入。ジュージュー! 勢いがいい焼き音が響いてきたではないか。
「いいだろう,この音は。食欲をそそられるじゃないか!」
自分でも思う。豪快に肉を焼くのはいい気分だ。
一方。井本はどうやら,見様見真似で肉を焼いてみるようである。彼は箸を思いっきり開いて,肉をごっそりと挟んでいる姿が目に映る。ただし。いくらなんでも少々取りすぎであるのではないか,とも思えるが,そこはご愛きょうとすることにしよう。そして,井本は思い切った表情で一気に肉を投下した。火柱がボウッ! と燃え上がる。びくつく井本である。そのような彼に,阿部は苦笑いするしかない。
さて,ある程度時間が経つと。肉も,野菜も程よく火が通っているではないか。阿部は,タレをつけてほおばりながら井本の食べる様子を見てみる。案の定,細々とした口の動かし方だ。これは男としては問題があると思う。なので。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/07/12 20:12
No. 60
「おい,井本!」
「えっ,あっ,はい!」
「こう食べるんだ。俺を見てみろ!」
阿部はそう言うと,何枚もの肉を豪快にすくい上げて,タレをべチャッとつける。そして,その勢いで口の中へ。それから,白いご飯をもりもりと。猛々しくかみ砕いて,そのままゴクンである。
最後に,ビールを豪快にゴクゴクと。井本を目で促す。見様見真似で,井本は肉を大量に挟む。タレをつける。そして,そのまま口の中へ……。ここまではいい。うんうん,と阿部はうなずく。しかし。
「……,ぐっ,ゴホゴホッ!」
阿部は思った。まさか,ここまでひ弱なやつだとは思わなかった,と。だが,いきなり無理なことを彼にさせるのは酷であるし,悪いな,とも思う。やれやれ,と呟くしかない。
「すまん,井本。少しずつでいいから,沢山食って,パワーをつけていこうな」
右手を井本の肩にポンッ,と乗せる。阿部の目に,「すみません,すみません……」と言いながら,苦笑いをする彼が目に映る。そのような感じで,阿部は井本との焼肉を過ごした。色々なことを語らいながら。彼の苦しみに耳を傾けて,激励しながら。こうして親身に付き合ってみると,井本というやつは案外可愛げがあって,いいやつであると思う。そのようなひと時であった。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/10/27 19:24 修正1回
No. 61
それから,一週間ほどが過ぎた,ある日の事。
阿部慎之助は,足取り軽やかにジャイアンツ球場の廊下を歩く。陽気だ。甚だ陽気だ。
「よ〜っし,もうここまで回復すりゃあ,一軍復帰のメドが立つってもんだ。早く,東京ドームでホームラン打ちてえなぁ〜!」
そのような時である。
ドタドタドタドタ……!
誰の足音であるか,察しが付く阿部慎之助である。ここはちょっと,ドスが効いた声で叱ってもいいだろうと思う。なので。後ろを振り向いて。
「おい,作並! いい年して何贅肉揺らしてドタドタ走っとるんじゃい!」
しかし,作並はお構いなしであるようだ。急ブレーキをかけて,立ち止まり。息を切らせたまま,鬼気迫る面持ちで,捲し立てた。
「そんなことはど〜でもいいんすよ,慎之助兄貴! はぁ,はぁ,はぁ……,井本が,井本が,井本が〜……!」
阿部慎之助は,何事か,と思う。思わず顔が強張る。
「井本に,何があったんだ!?」
「これ,これ……」
作並は,自分のスマートフォンを差し出してきた。阿部慎之助は,すぐさま手に取り,画面を確認する。SoftbankのSMSメッセージ画面に表示された文言を読んだ瞬間,慎之助は,凍り付かざるを得なかった。
今まで,お世話になりました……。
如何にも,察しがついて余りある文面であることは論を待つまい。
阿部が,後から作並から聞いた話によると。簡単にはこうであるようだった。
前日に,井本は先輩や後輩の選手たちから,甚だしくリンチを受けてしまったらしい。その理由は,自分。即ち,阿部慎之助がらみの嫉妬であるようだ……。
阿部は,ロッカー・ルームの壁に,万力を込めて拳を叩きつけるより他はなかった。やはり,自分は無力なのか。チームを引っ張る精神的支柱とはなんであるか,兄貴分とはなんであるか……。苛まれるより他はなかったのだ。その三日後,阿部は失意のうちに,一軍に昇格。そして。その日の東京ドームでのナイトゲームでは,即スタメンマスク。東野を徹底的に引っ張っていき,完封させた。打っては二本塁打を含む猛打賞。しかし。これっぽっちも嬉しくはあるまい……。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/10/27 19:27
No. 62
次,後編に入ります。
では。
お久しゅうございます。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/10/28 18:09 修正2回
No. 63
横田は,阿部慎之助の話をあらかた聞き終わると,暫しうつむくしかなかった。ひとえに,人間としての本能が正当に働いているからなのであって。そこへ。
「おい,横田!」
「えっ,あっ,はい!」
「ビビるのも仕方ねぇよなぁ……」
仕方がなさそうな面持ちで後ろ頭をボリボリとかく阿部慎之助の姿が目に映る。そして。阿部は続けるようだ。
「あのな。勿論のこと。話はここで終わりじゃねぇんだ。もう少し……,あっ,いや。かなり長い話が更に続くぞ。我慢して聞いてくれ。頼むぞ。同じ巨人軍の仲間の,切実な話だからな……」
第四十八章「阿部慎之助の回想 後篇」
それからのこと。シーズンがあっという間に終わった。とりあえず,リーグ優勝は出来たし。日本リシーズにも出場できた。相手は北海道日本ハムファイターズ。あえなく巨人はストレートで打ち負かされてしまったけれども。
阿部慎之助は,失踪した井本に想いを抱きながら。粛々と自主トレに励んだ。そうこうしているうちに。春キャンプを無事に。コンディションも最高度に良好である。ただし。宮崎とは言っても,季節が季節なので。防寒着。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/10/29 05:08 修正2回
No. 64
けれども。この日は生憎。しとしと雨が降る始末。キャンプの初っ端から「木の花ドーム」でこじんまり,と練習をせざるを得ない。複雑な気持ちを阿部慎之助は抱く。慎之助はティー打撃をしながらこうつぶやく。
「あぁ〜,初日からしょぼいわ……」
自分でも自覚しているが,自分の顔にも,気持ちが表れていることは言うまでもなし。両手で両方の頬を,パンパンッ! と叩く。チームの精神的支柱たるもの。天気ごときで萎れてはなるまい,と阿部慎之助は,唯ひたすらに,そう思うのである。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/11/30 19:37
No. 65
午前の練習があっという間に終わる。ランチタイムもあっという間。午後一時までもう少し。阿部慎之助は,練習支度を済ませると,スタスタと,木の花ドームへ向かうところ……,だったのだが。
廊下の向かい側から。ドタドタドタドタ……! たぷたぷ。
阿部は呆れかえらざるを得ない。そして。舌打ちして。激憤。
「作並ぃ〜!!」
つい右こぶしをあげてしまった。けれども。何故か。案外この日の作並は足が速かった。不思議に思う阿部慎之助。目の前に,作並が,アメリカ古典劇画張りの急ブレーキをかけて立ち止まる。「ゼェゼェ,ハァ,ハァ……」な息遣いが,かなり下品にも思える。なので。今に始まったことではないが,ここは,怖い顔してガツンッ! と言ってやろうと思う。
「たぷたぷさせながら走ってるってことは,肉体改造トレーニングにでも勤しんでんのか!」
「い,いいいいいいいい〜!」
阿部慎之助は正直な気持ち,更に呆れかえっている。
「なにどもってんだ……」
「井本が〜〜!」
「えっ!?」
阿部はもう一度問い返してみると。
「井本が〜,ブルペンで暴れている〜〜……!!!」
阿部慎之助は,脊髄反射的に,わき目もふらず,荷物も捨てて。走った。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/12/01 18:51
No. 66
息を切らし。阿部は,ブルペンの中へ。
阿部は,唯。絶句した。背筋が凍り。ひたいからは汗。
……,多くの投手が。青アザを顔に浮かべながら,力なく倒れていた。その山の真ん中にいる男は……。背中を向けている。
彼は。肩幅がたくましいほどに広い。悠然とたたずむ大木のような体幹。野太い二の腕。強靭なる下半身。茶髪でセミロング。
けれども。と阿部は思う。背番号は。失踪していた当時のままだ。99番。
その男が,こちらを振り向いた。目が合う。阿部は,ごくりと唾を,飲まざるを得ない。
彼は,言葉を口にするようだ。それにしても……,悪悪しき憤怒の形相である。
「……,なぁ。阿部ちゃん……。俺を……」
「何だ」
彼は,声を張り上げた。
「巨人軍のエースにしろ!!」
更に続ける。
「今まで散々,俺をコケにして,なじり続けて,えぐってきた奴らに……。この俺の真の姿を……,見せつけてやるんだぁ〜〜!!」
……,もうよいであろう。
阿部慎之助の回想篇は,ここで閉じよう……。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/12/24 13:16 修正1回
No. 67
第四十九章 「原監督の残り任期は二年である 前編」
春キャンプは,第二クールに差しかかった。選手たち各々の仕上がりは総じて順調であることは,自分,即ち「横田真司」も含めて共通認識である。
横田は,高橋由伸選手兼ヘッドコーチから,先ほどこのように眼前にて伝えられた。
「真司,原監督が呼んでいるぞ。三時ちょうどまでに,監督室に入るように。相談事があるんだと……」
由伸ヘッドの語り口調はクールそのものだったが,どこか深淵なる面持ちをも感じた横田である。
横田は素朴に思う。
一体僕なんかに……。原監督はとんでもない悩みでもお抱えなのだろうか……。
横田はつい,不安が不安がるように……,うつむきながら廊下を歩く。「不安が不安がる。by Martin Heidegger(マルティン・ハイデガー) 独逸の哲学者 現象学の大家」
……,横田の実家は,代々コンツェルンを経営する名家である。教育水準は群を抜く。ライバル企業は,直近のドラフトで横浜DeNAに一位指名された投手,「白馬王子(はくばの・おうじ)」の実家が取り仕切る「白馬コンツェルン」だ。横田はこうも思う。「白馬とウチとのミャンマーでの市場争奪戦は,日を追うごとに激烈になっていくもんだなぁ……」,と。
そんなこんなで気付いてみたら,すぐ隣には原監督が宿泊する部屋である。
「とりあえず,ノックから始めるに尽きるよ……」
襟をただして,コンコンコンッ,と軽くドアを叩いた。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/12/24 13:18
No. 68
いつも,お世話になっております。by ファイター・ドクトリン
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/12/26 12:52
No. 69
第五十章 「原監督の残り任期は二年である 後編」
横田がノックをした後。
「失礼します!」と,精悍な語り口で。
すると,ドア越しからである。原監督が明朗な口調で「よく来た,入りなさい!」と。横田は改めて思う。彼の声は,中年とは思えない若々しき力に溢れている,と。「若大将」は伊達じゃない,と。
横田は,部屋に入った後,原監督に誘われる形でソファに,彼と向かい合わせに座った。玉露のお茶を奢られて。すると。
「ぶしつけで済まないが,近い将来の我が巨人軍についての投手コーチ人事についてなんだが……」
「えっ,いくら何でも藪から棒なのでは!?」
「お前が動揺するのも無理はないな。他の選手たちでも同じだろうよ。けれどもまぁ,話を聞いてくれないか」
横田の目の前向かいに悠然と座る原監督の顔つきは,「柔和な裏に,深淵なる何とやら」という感じに受け取れるほどに,心持が表れているように,横田は思った。
横田は,とりあえず,「はい」と返事をして,原監督を伺うと。彼は,凛々しい笑みを浮かべて,こう。
「ありがとう! じゃあ,単刀直入に。結論から言うぞ!」
「はい……」
「堀内さんを,来シーズンか再来シーズンに,我が巨人軍の投手総合コーチとして
招集したい!」
横田は,目を丸くしてお茶を吹いてしまい,咽(むせ)ざるを得なかった。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/12/26 12:54
No. 70
「……,そうだよなぁ〜。いくら何でも,特に,まだ若手であるお前に対しては藪から棒が過ぎるよなぁ〜……」
と,いう原監督の力が萎えたような語り口が聞こえたので,横田は平手でポンポン胸を叩いた後,彼の顔を伺う。分かりやすいほどに。仕方のなさそうな心持が表れている笑みであるではないか。横田は,自分自身こそが情けない思いに駆られて羞恥心のあまり,顔を落とす。そんなこんなで,原監督は長話を始めるようだ……。物静かな,深い知恵を覗き見ることを感じることが出来るほどの,様子でもって……。
「……,余計な話が適宜省いていくぞ。俺なぁ,この間。堀内恒夫さんと,サンマリンの近くのカフェでランチをしていたんだよ。その話の中で,俺は説教されてしまってな……。堀内さんによると,補強方針が理にかなってないんだと」
「……,何となく,お察しいたします。堀内さんはごもっともです。僕にとっては」
「鋭い」
「原監督の今の目つきも鋭いです」
「そうか。うん,まぁ。確かに。だけど,広島から丸君を獲得できた。西武からは炭谷君も,オリックスからは,代打のキーパーソンとして,中島くんも得られたし,マリナーズからは岩隈君も。そして,昨シーズンの大リーグで20本塁打もぶっ放した「ビヤヌエバ」君も得ることが出来たんだよ」
「僕は,その大補強に賛成の立場です。しかし,堀内さんからしてみれば。ポジションがかぶりすぎているので,合理性がないとのことです。それも,大いに理なのだと思います」
目の前の原監督は神妙な面持ちになった。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/12/26 12:57
No. 71
「ほう,その心は?」
「はい。僕も原監督の補強方針には大賛成の立場です。しかし,FA補強と言うのは,次世代戦力,即ち『若手』が育つまでの時間稼ぎとして機能させるべきだと思うのです。そこは,僕と堀内さんとの共通項であると考えます」
「俺も,賛成だ」
「原監督ご自身は,すでに,将来を見据えた若手育成に着手しています」
原監督は二ッとしたようだ。
「その通りだ。先発ローテ候補を六人一組で二組に分けて,切磋琢磨させる方針はその一環だよ」
「ところで。話は変わりますが,権藤博さんは,自分だったら,抑え投手を上原さんに一任させると仰っています」
「聞いている」
「はい。新外国人にその任に着かせるのも悪くはないのですが,外国人選手には『ハイリスク・ハイリターン』が常に付きまといます」
原監督は少し神妙に戻ったよう。
「そうだな。いざ,実戦で使ってみないと分からないという掴みどころの無さだ」
「投手の場合,例えば日本と米国とのマウンド傾斜であるとか,盛り土の固さがだいぶ違いますから,違和感が生まれますよね。更に。我が国と米国との野球観の違い故,一流選手であっても,日本のプロ野球で成功を収めることが出来るかどうかは未知数なのです」
原監督は「感心するよ……」と漏らす。顔に出ている。
「はい。クイックモーションの価値観とか,打球反応に関するそれとか,諸々です。堀内さんは,ダン・ミセリさんという苦い教訓を踏まえておられます」
「うん」
「しかし。当時の堀内巨人軍の補強方針そのものは,それなりに合理性があるものであったと考えます」
「その心は?」
「堀内さんは,あくまでも適材適所で補強を行うタイプです。原監督とも共通していると思いますが,それでも。堀内さんは堀内さん。原監督は原監督です。人が違う故に,バイアス,誤差は生まれるものです。仕方がないでしょう……」
横田は,つい青色吐息。暫し,沈黙。
「……,申し訳ございません。端折りますけれども,当時の堀内巨人軍の場合,時流の理(
あや)に翻弄されてしまっただけなのでしょう。結果,あんな感じで,五位です。しかし,前年は三位でАクラスでしたね……」
「よし,解った!」
横田は目を見開く。目の前の原監督は顔つき輝いている。続きを話す様だ。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/12/26 13:00
No. 72
「とにかく,近い将来だ。堀内さんを投手総合コーチとして招聘(しょうへい)することを前向きに考えよう! 上原君の場合,均衡が取れた経験値が尚の事,豊富なのだから,抑え向きなのだろうな!」
「えぇ! 巨人でも,大リーグでも,抑えとして君臨していました」
「けれども……,見極めが大事だ。色々視野を広げた上で,決めていきたい」
横田は思う。Kant(カント 哲学者・独逸)的に言えば,「総合判断」に基づく何とやらであろうか,と……。すると。原監督のお手元に置かれておるスマートフォンが鳴り出した。手に取る原監督。「おぉ,大田泰示,『北の暴走野武士』として大覚醒した泰示じゃないか!」と,原監督の目は輝いていて,正直驚く。しばらく通話が続いて……。監督はスマホを置いた後。
「泰示は……,心が『ご飯がご飯がっている』ようなんだよ! だから,今から宮崎特産の毛蟹でも買って,郵送してやろうかと思うんだ。だから,真司。ありがとう! もう帰っていいぞ!」
綺羅星。
余計な御託は一切省く。
横田は,部屋から出た後,今宵の晩餐を想い描きながら,渡り廊下を走り切った。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/12/26 13:02
No. 73
ありがとうございました。
感謝いたします。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/12/31 04:31 修正1回
No. 74
番外編
巨人軍OB外国人である,アンダーソンとボウカーは,同じくグラッデンとマックを引き連れて,サンマリンに集結。外国人OBの特権を利用してフリーパスなのだw
この四人は,サンマリンの渡り廊下を走り切る為だけに。
「渡り廊下走り隊 巨人軍」を結成。
共同隊長に,アンダーソンとボウカーが。
共同大公には,グラッデンが。
共同通信兵隊長にはマックが。
それぞれ就任。
四人は,早速。サンマリンの渡り廊下を,キャンプ中のジャイアンツの仲間をさて置いて,突っ走りだしました。場の空気とか,公共マナーなどは,どうでも良いのです。人生は,楽しければ善いのです。楽しんだもん勝ちなのです。
……,そのような輩には,遅かれ早かれ,天誅が下ります。
共同隊長であるアンダーソンと,ボウカーを先頭に,スポーツ選手らしい,スポーティでスタイリッシュなダッシュを,物音煩わしい程に,渡り廊下で繰り広げます。とりあえず,咎めるものはいないようです。それもそうです。これで,今回の春キャンプで計10回目なのですから。
お,前方より。向かいから出会いがしらに猛ダッシュしてくる若手のホープ,スラッガーがお出ましではないですか。
横田真司です。
「かれーぱんま〜ん!!wwwww」とかほざいているようです。心中お察ししなければなりますまい。
共同隊長二人は思いました。共同大公のグラッデンに伺いました。
「ターゲットロックオン,ファイア!」
意味が分かりません。
とりあえず,四人と横田真司はすれ違いました。
共同通信兵隊長であるマックは,「赤いきつね」と「緑のたぬき」が大好きなので,すすりながら走っています。
元大リーガーは,伊達ではありませんね。
すると,前方に。またしても出合い頭に二人の姿が。
今を時めく巨人の剛腕双璧リリーバー。
マシソンとクックではありませんか。
共同大公でありますグラッデンは言いました。
「マシソンじゃねーか!!ww」
クックのことは,どうでもいいようですね。
続きます。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2018/12/31 04:43
No. 75
四人は,正直に。
二列で隊列を組んでおりましたが故。
二人の火の球鋼鉄ド直球をまともに食らい。
溝内(みぞうち)にぽっかりと穴が開いてしまいましたね。
四人は,足元を確認します。
穴の分のパーツが落ちています。
ですので。
とりあえず。それを穴にはめ込みます。
ポケモン界隈のフレンドリーショップから,大人買いしてきた「かいふくのくすり」を使いました。
念には念を入れて。木工用ボンドで補強しました。
万事解決です。
この一報を聞いた,東北楽天ゴールデンイーグルスの若手のホープで,甲子園のレジェンドであります,「真上秀行(まがみ・ひでゆき)」投手は。
「これからブルペンで投げ込み100球なので,後にしてくれませんか!」と,報道陣を一蹴したものの,暗に。
すぐ近くで,ニタニタしながら凝視しております,生誕間もない「独逸プロ野球 ブンデスリーガ」のとある球団から監督依頼を受けたので,急遽欧州に渡ってしまった梨田監督に代わって,代行している「平石さん」のことが,気味悪いとしか思っていなかったということは,想像に難くありますまい。
弟で,キャッチャーである,正くんが,待ってます。
終
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2019/01/03 18:24 修正2回
No. 76
【とりあえず,数年来温めていた,書きたかった野球寓話】
題 「走れワロス!ww」
ワロスは激怒した!ww
世界の東西に,とりあえず君臨しているままでいる「ある意味阪神ローマ帝国」にて,暴政を振るい続ける「岡田帝T」の日頃の奇妙な采配ぶりに,堪忍袋の緒が切れた!wwwwwwww
そうであるので。とりあえず,自らの足で突っ走りながら,彼の居城である「阪神甲子園球城」へと向かった。
門の前に陣取る衛兵二人。厳密には「グリーンウェル」と「ブロワーズ」であったのだが,意にも介さずスルーすることにしたのだ!!ww
そして,入城を成す。夕時である。
岡田帝Tは,とりあえず。自らの無為無策を官僚共に責任を擦り付けて,「おーぷん2ちゃんねる」とか「ニコ動」「youtuber」を駆使して「公開処刑(意味深)」を,素面顔して楽しんでいるではないか。
ワロスは,とりあえず。批判することにした。
「いかんでしょ!」
「いかんのか?」
ワロスは,岡田帝Tの采配により,その場で処刑されることに。
切羽詰まったワロスは,近辺の傍聴席に座っていたワロスの大親友である「く〇ざわ亮二」を引き連れてきて,こういった。
「こいつを代わりに公開処刑してくんね?ww」
皇帝はほざきました。
「処刑対象に代替えが利くのなら」
こうして,く〇ざわ亮二は公開処刑されることになったのだが。条件をワロスは突き付けた。
「もうじき。我が妹と,KAZ〇YAくんが挙式するンゴ!ww 三日待っててくれ。それでも俺が来なかった場合,く〇ざわを公開処刑しても構わん!ww」
執政官を務めるブラゼルは言いました。
「いいよwww」
こうして,ワロスの三日間に及ぶ激走劇が幕を開けるのであった……。
ワロスはとりあえず帰宅すると。
自室警備員を務めておる妹にこう言ってやりました。
「おい,みずカス!ww 明日挙式すんぞ!ww」
ワロスはみずきに腸を「クレッセントムーン」されて,無事死亡しました。
続く。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2019/01/03 18:39
No. 77
翌日の朝の事。
ワロスはKAZ〇YAん家に行きました。そして。言いました。
「あん?ww KAZ〇YAくんか?ww 明日,みずカスと挙式すんぞ!ww」
ホッとしたワロスは,そのまま帰宅。
寝ました。
三日目。
式は。とりあえず,一応。華やかでした。
けれども。式が終わるや否や。大親友を助け出すための,とりあえずの義務感に駆られる形で,阪神甲子園球城へ向けて,激走を始めましたww
距離的に半コース位にまで差し掛かりましたが,生憎の山岳地帯です。
思いもよらぬ,微笑ましいハプニングが発生したではありませんか!ww
小笠原三塁手とタフィー・ローズ外野手を両首班とする,以下松本哲也兵五人で構成された「はぐれ傭兵軍団」が,なんの理由もないのに襲ってきたではありませんか。
ワロスは,危機回避するために走りました。
けたたましい機械音がしました。
空を見上げますと。
グローバル・ホークが,一機程飛んでいます。それも。「自〇の声」を叫んでいるかの如く,悠然と,空高く,とりあえず飛行しています。
どうやら,その爆撃機は,彼ら傭兵どもを爆撃するようです。
ワロスは真下が激流河川であるつり橋まで,傭兵たちをおびき寄せました。ワロスは,橋を渡りきるために,橋へと突入。真ん中まで来ました。
「自〇の声」を発するグローバルホークは,10トン爆弾を投下して……,見事。誤爆に成功いたしました。
ワロスはとりあえず,流されました。
それだけでは収まりません。
眼前には,メガ・ギャラドスと,そいつに跨る「も〇う先生」に遭遇。このままでは,ただでさえ溺れているのに,「ばちこり」とやられてしまいます。
しかし。彼らは,ワロスには一切興味を示していないようで,すれ違った後,「たきのぼり」を敢行するという「かたやぶり」なことをやってのけたので,とりあえず,まぁ,良しとしましょう。
続く。
Re: ファイターの小説・第二部
名前:
ファイター・ドクトリン
日時: 2019/01/03 18:51 修正2回
No. 78
ワロスは,気が付けば。
草むらで,寝そべっていました。
夢を見ていたことを覚えています。
ここ最近のゲーム部は他のVTUBERたちとのコラボで忙しいという,それと。とりあえず,自分自身の論文であるとか,小説の原稿の締め切りについて,苛まれるという,それでした。
もう,夕時近くになっています。
「あ,やべぇ!ww」
ワロスは走りました。
福本豊のように走りました。
阪神甲子園球城に間に合いました。
く〇ざわは,一応縛られていました。とは言っても。
く〇ざわの方は,三匹全部がフラージェス縛りであり。もう一方の。夢〇楓は,ガチPartyであるという,それですwww
ワロスは叫びました。
「間に合った模様」
ワロスとく〇ざわは抱き合った末,彼はワロスを殴り,ワロスは無事,終了いたしました。
この一報を聞いた,巨人軍・原監督は「次の方どうぞ」と言うに留めたものの。
政府関係者によると「とりあえず,対ロシア北方領土交渉の難しさを遠回しに言い表したいだけなんじゃねww」ということに尽きるようです。
尚,ワロスは明日の試合には間に合う模様。
終
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