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ロックされています  King nine  名前: 魁斗  日時: 2013/05/04 13:33 修正5回   
      
小説始めます
そのうち、感想スレ作るので
感想はそちらにどうぞ


書き残した事を書こうと思います。
書き残した事と言ってもドラフト終了直後の事を少し書くだけですが…w
記事修正  スレッド再開
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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/03 20:35  No. 158    
       
「おーい、お前はライトやろー!」

落合は大声で靖也をライトに行くように指示した。
それを靖也は素直に従い、すぐにライトへ行った。

「ほないくでー!」

落合は、センターにボールを…打たなかった。

ライトとはまったく逆の方向、レフトへ打ったのだ。

これには靖也も驚きレフトにダッシュしていった。

「くぉらぁ」

腕を伸ばしたがさすがに届かずワンバウンドで補球した。

「おう、やるなぁ。じゃあ次こっち。」

すると今度はライトへ落合が打った。

「くっそ!」

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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/04 14:19 修正1回 No. 159    
       
次はフリーバッティングだ。ピッチャーは今回入部する九条由香がやる。
まず最初のバッターは堺一馬という選手だ。
関西弁のこの男は大阪出身で清千学園に入りたいだけでこの東京に来たという。

「来ーい!」

九条も軽く投げ堺はそれを軽く打ち返す。

何球か投げたところで堺の順番はおわった。


「うーん、やっぱり硬球は手がしびれるなぁ。」

手を見ながら堺は独り言を言っていた。


さて、次は明司利久。ミートが得意だと言う。

それを知っていた九条はアウトコースギリギリにボールを投げた。

しかし、明司は難なく打ち返す。打球は快音鳴らしセンター前へ。

「おぉー!」

1年生からは見事打ち返した明司へ声が送られる。

明司も何球か打ってから終了した。

そして、今度は靖也の番だ。
兄の和弥が言っていた虚心坦懐というバットを手にバッターボックスへ向かう。

だが、四字熟語のバットを知らない1年生は調子に乗るなということを思う者がいた。


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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/04 16:26  No. 160    
       
なぜか本気になっていた。フリーなのに本気になっていた。
九条由香対青星靖也。

靖也が打席に入ってから九条の目が変わった。
睨みつけるような眼をしている九条は今回のフリ―では投げていなかった、変化球を投げ始めた。持ち球はストレート、ツーシーム、スライダー・スローカーブ・Vスライダー・スクリュー・シュートという七色の変化球を投げるのだ。

「!」

靖也は何度もカットする。ジャストミートしたと思っているのに前に飛ばない。
一方、九条は変化球しか投げていない。しかも何度もカットされているのでスタミナが切れかけていた。ちなみに、九条は左投げ左打ちのサイドスロー。平均132キロ、Max135キロの球を投げる。

(ホント、しつこいなあ…)

(チッ…しつこいんだよ…いいから甘い球投げろ!)

二人が睨みあう…


そして、九条は今日まだ投げていないツーシームを投げた。

そして、その球を当てた靖也。この打球だけが前に飛んだ。


しかし、打球は力がなくセカンドゴロ。

この勝負は九条に分配が上がった。
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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/05 09:43 修正1回 No. 161    
       
その日の練習は後に全体でノックをして終了。
3年生には軽めのメニューだが1年生のほとんどがバテていた。

「これはきついで…こんなん毎日やんのか…」

「こんぐらい頑張らないと…」

中村と堺が部室前で話している。


「俺退部しようかな…」

「俺も…」

高校野球のきつさを初めて知った1年生にはやめたいという者も出てきていた。
しかし、疲れをまったく感じない者もいた。

「あー、もっと投げたいなぁ」

九条由香である。バッティング投手として何百球も投げているのに疲れがまったく出ていない。



「今年の1年はやってくれるかな…力のありそうな奴はいっぱいいそうだけど…」

「大丈夫だろ…特に、あの九条っていう奴…かなりやりそうだな」

キャプテンの魁と副キャプテンに今年から任命された長谷川が部室の中で話している。

「実力があればだれだって大丈夫だ。帰るぞ」

長谷川が魁に帰ろうと呼びかけるが、魁が帰ろうとしない。

「おい、魁!」

すると…

「ごめん、俺1年生に話聞かないといけないんだ。さきに帰っといてくれ。」

どうやら、1年生に部活初日の感想を聞かないといけないらしく、今年の入部者30人全員に聞かないといけない。


「わかった。じゃあ先に帰る」
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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/05 13:13  No. 162    
       
「おーし、1年集合。」

魁が呼びかけると続々と1年が集まってくる。

「じゃ、今日の感想でも言ってもらうか。中村から。」

「え!?え〜っと…」

続々と言っていくが退部したい者は、弱気な発言しかしなかった。しかし、練習が足りないという発言をした者もいた。


「よーし、じゃあこれで終わりだ。全員解散!」


翌日の放課後、練習に来たのは…

「おい、皆辞めたのかよ…」

四田は部室に来ていきなり見てしまった…
20枚近くある退部届を…


「結局、残ったのは中村と九条、堺と明司、靖也だけか…」

それほど練習がきつかったのだろうか。そう考えると、残った1年生には練習がきつく感じなかったのだろう。


「しょうがないさ…とにかく、辞めた奴の事は考えないでいよう。普通に練習しておこう。」

野球部員は部室を出てグランドに向かう。するとそこには落合が待っていた。


「おい、ほかの一年はどうしたんや。もっといたやろ。」

魁は、大量の退部届があったことを落合に話した。


「な、なんやて!?ほんならそこの5人以外は全員辞めたんか!?うーん、練習がきつかったんかな…」

落合も少しだけ反省しているようだ。


「今日の練習は少し軽めにやるわ…お前ら、はよアップしろよ。」

しかし、九条が反論した。


「ちょっと!私たちは大丈夫だから残ったの!だからきつめで大丈夫です!」

そして堺も…

「九条の言う通りやで!大丈夫やからワシら残ったんや!」

これにも落合は何も言えず…


「わかった…昨日よりもキツイ練習やるで!はよアップ行け!」
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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/05 21:56  No. 163    
       
現在、シートノック中。
それぞれのポジションに別れ、ノックを受ける。

ちなみに、今回入学した選手のポジションは、中村がセンター、明司がショート、堺がキャッチャー、九条がピッチャー、そして靖也がライトである。


とにかく、1000球補球出来たら終わりというハードなノックである。


「っしゃー!こーい!」

魁はかなり声を出し盛り上げている。
まだミスを一度もしていない。さすがキャプテンである。
そのほかにも、長谷川に青星、四田もミスはしていない。


だが、1年もミスは少ない。
ちなみに、2年生の一岡や宮崎だが銭形のトスバッティングに付きあっている。
銭形はイップスに陥り、まともに送球などが出来ない状態なのだ。
だが、なんとか打つことは出来るのでトスバッティングをしている。


「おーし、あと500。」

一岡が指示を出し銭形がそれを承諾する。

そして、ノックだがラスト300ぐらいの所で1年に疲れが出てきているようだ。

ほとんどミスしていなかった中村や明司がだんだんとエラーをしていくようになった。


「よーし、声出せ!」

魁のこの言葉で皆に力が出てきたようだ。

…………………


ついにあと50球まで来た。

1年はかなり疲れていた。
もう気力がまったくない状態である。

しかし、魁達3年生は疲れをまったく見せない。

「うぐっ!」

打球が体に当たっても痛がらずに1塁に送球。
所山はボールをずっと捕っているので彼が3年のなかで一番疲れているのではないだろうか。


そしてラスト一球…

声を一番出した者にボールを打つ。

そして落合が放った場所…

それはセカンド…とショート…の間の二遊間だった。

その打球に明司が勢い付けて飛びこみ…


見事にキャッチした。
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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/06 10:59  No. 164    
       
「今北…」

今北は嫉妬していた。自分には出来ないことが後から入ってきた1年には出来るのだから。

「おーし、ほんなら15分休憩。」

落合がそう告げると選手が部室に戻って行った。
部室に戻ってくるなり、今北が明司に話しかけた。
「明司、凄いな!あんな打球を捕れるなんてよ!残念だけど…ショートはお前だ…俺には出来ねぇ」


そう言っただけで今北は部室を出て行った。

「今北…あいつ…」魁が今北が出て行った部室のドアを見て言った。


その後、皆が部室を出て行きグランドに皆が集まった。すると落合が…


「明後日練習試合するからな。1年中心でチームは組む。」


そして注目の相手は風上高校という学校である
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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/06 14:45  No. 165    
       
練習試合前日、オーダーが発表された。

1番 センター 中村
2番 キャッチャー 堺
3番 ショート 明司
4番 ライト 青星靖也
5番 ピッチャー 九条
6番 サード 長谷川  
7番 セカンド 魁
8番 ファースト 所山
9番 レフト 金子

というオーダーだ。


「やった!私ピッチャー!」

「わしは2番か…」

一年は高校になって初めての打順に感激しているものもいる。


「よーし、じゃあ練習始めるぞ。キャッチボールから!」


そして翌日…


「マネージャ、全員いるよな?」

魁がマネージャーの夏海に聞くと夏海からは「全員いるよ!」という返事が返ってきた。そして部員がグランドへ向かったて行く。

そこには、もう風上高校の部員達が集まっていた。


「あ!すいません!遅れてしまいました!」


すると…


「ったく…うちの兄貴は何してんだが…」

聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「わざわざ二遊間組みたいから打者転向したってのによ」

なぜか魁に注目が集まる。「あ!?何何!?」


「いい加減気づけよ…達也だよ!」
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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/06 16:45  No. 166    
       
「なに!?達也!?お前何してんだよ!」

「肩壊れた。風上高校入った。打者転向した。」

玄野は片言で言った。
その後、試合を開始すると言われたので魁はベンチに戻った。


さて、まず一回の表、清千学園の攻撃から。
バッターは中村。

まず一球目。アウトコースギリギリの速球を見逃しストライク。

2球目、ストライクからボールになるスライダーに手を出し2ストライク。


(次…打つ…)

そして3球目、中村に向かってボールが向かってくる。

(うわっ!)

しかし、その球は突然、速く曲がりストライク。見逃し三振。
これは、風上高校の新入生、藤野正人の伝家の宝刀、パワーカーブ、別名高速カーブである。


そして2番堺。

打席に入るとすぐバントの構えに切り替えた。
(何としても塁に出るんや!この試合、先に一点捕った方が勝ちや!)


藤野は振りかぶり、ボールを投げた。

またしてもパワーカーブ。堺に向かって飛んできた。だがさっきの速さはない。


(え!?)

今度はスローカーブ。さっき藤野が投げたスローカーブは80`から90`ぐらいの速さだろうか。
これには、堺もついバットを引いてしまった。


(2種類のカーブ…しかも緩急が付いてる…どうすりゃいい…)


堺も結局は三振。

次は3番ショートの明司。
ミートはかなり得意な明司にあの緩急のある2種類のカーブは打てるのだろうか。


(カーブが来る時は…ほとんどインコース…)


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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/08 20:15  No. 167    
       
番外編、魁のある1日。

「っしゃぁぁ!行くぞぉぉぉ!」

現在の時刻は3時半を少し過ぎた所。
非常に魁は張り切っておりワクワクしていた。
何故か?それは、魁の好きなバンド、ゴールデンボンバーのライヴに行くからだ。

「おい、ちょっと待て。まだ行くのは速いだろ。」
長谷川も強制的に連れていかされる事になっていた。

「うるせえ!グッズが買えないだろうが!ほら、行くぞ!」

「くそ...わかったよ...」


ライヴ会場...

「キスミー!!!」


「............」

キスミーとはゴールデンボンバーのボーカル、鬼龍院翔がいつも言う言葉である。
これを、会場全体で無視するのがお決まりなのだ。


魁は、ゴールデンボンバーの曲の様々なパフォーマンスをしていく。
しかし、長谷川はただ突っ立ているだけだ。

「ラストォ!また君に番号を聞けなかったいってみよう!」

ちゃらららららーらーらーららららー....


................................

「あー楽しかった!また行こうな!」




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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/08 21:04  No. 168    
       
快音が鳴り響き、打球がセンターを超えて行く。

「おぉーっ!」

ベンチは明司の打球に目を向ける。

明司の打球はまだまだ伸びて行き、最終的にはセンターのフェンスを越えて行った。


明司が一周してベンチに帰ってくると手荒い歓迎を受ける。


「ナイスバッティング!カーブをやったんだな!」

特に魁が手荒く歓迎していた。


そして、4番の靖也。虚心坦懐を持ちながら左打席に入った。


しかし、初球を引っかけセカンド真正面。アウトとなりチェンジ。
実は、 この虚心坦懐は非常に扱いにくいバットだった。
無心で、平静な心とオープンな心でバットを振らないとバットと自分の能力を発揮できないのだ。

靖也にそのような心はまだない。
だから使いこなせないのだろう。
だが、長谷川の電光石火もかなり尺が長いため長谷川も背が大きくなるまでしっかりと使えてはいなかった。青星の百花繚乱もだ。このバットもかなり重いのでそれなりの力が必要なのだ。
この様に、どのバットでもその特徴があり完全に使えるようになるにはかなり時間が必要なのだ。


さて、風上高校の攻撃となる。マウンドに上がるのは一年の九条。


左のサイドスローから繰り出される鋭い七色の変化球。とらえるのは難しいだろう。



(ほなスクリューからいこか)

堺はスクリューのサインを出し九条は承諾。
サイドスローからスクリューを投げた。


相手の一番はそれを見逃した。ストライクゾーンにしっかり入りストライク。二球目にはボールからストライクになるスライダーでストライク。あっという間に追い込んだ。

(ほなVスラやな)

藤野とは違い九条の伝家の宝刀はVスライダー。

鋭く落ちるこの変化球はバッターもつい手をだし三振。
そのあとのバッターも打ちとり、いい立ち上がりとなった。
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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/08 21:44  No. 169    
       
1年生中心のメンバーなので打つのがあまり上手くはない九条が5番。その通りショートゴロに終わった。

そして6番の長谷川に回ってきた。
春のセンバツでは5本の本塁打を放っている。


(……狙いはストレートだな…)

ストレートには強い長谷川。だが、そんなことは春のセンバツの時からわかっていること。カーブしか投げて来ないかもしれない。


打席に入り球が来るのを待つ。そして投球に入ると頭の近くにボールが来た。

(カーブ…)

しかし、それが曲がらずそのまま長谷川の頭に向かってきた。


「!?」


ヘルメットがガコン!となり響き渡る。
なんと頭にボールが当たってしまった。

長谷川は膝を地面に付けている。


「長谷川!」

落合がは長谷川の近くに寄ってきた。


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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/09 07:38  No. 170    
       
「大丈夫です…行けます…」

「むぅ…わかった…何かへんなことがあったら代えるで…ええな?」

「はい…」


どうやら長谷川は大丈夫のようだ。
続くバッターは7番の魁。

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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/09 10:39  No. 171    
       
魁は、打席に入るとバントの構えをした。


1球目…アウトコースに大きく外れボール。ここでバットを引いた。

そして2球目。ストライクコースへのストレート。魁はバットをそのまま寝かしつけるのではなく、バットを引き打ちに行った。


その打球はショートへ。


「うぉ!」

ショートは、魁の双子の弟、達也が守っている。しかし、ショートは肩が重要になるポジション。達也は、肩の爆弾が爆発しもう投げれなくなっていた。なぜショートを守っているのか。それは少し前に遡る……




それは、双葉第三高校との試合の終わり…
玄野はある人物と出会っていた。


(もう…無理か…)
久しぶりにボールを投げ、自分の今の実力を知った玄野…もう右肩が使えないという事を実感した。
すると…

「チョっとソこの貴方、何カ悩ンデまスネ。私の実ケ…イヤ、治療を受けテマミマセンカ?」

達也に、ドイツ人のような白衣を着た、男性が話し掛けてきた。


「あんた誰だよ!ったく…」

「申し遅れたのでース。私は、ダイジョーブ博士デース。貴方、肩を壊シテイマスネ。私が治シテアゲマショーウ。」

「何っ!?」

このダイジョーブ博士という男性は玄野の完全に壊れた右肩を治すと言っているのだ。

「わかった…その治療を受ける。やってくれ。」

「ワカッタのデース。では、ゲドー君、お願いしマース。」

「ギョギョ」

玄野は何かで眠らされてしまった。
そして、次に起きると…


「どこだ、ここ…」

「貴方ハ右肩の治療デシタネ。特別大サービスで貴方の野球能力も改造シマショーう。ではヤリマース。」


「ちょ、やめろ!おい!うわぁぁぁぁぁぁ!」


この改造手術が見事に成功していた。

結果、玄野の能力はこのようになっている。

3 75 85 70 65 70 70
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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/10 19:56  No. 172    
       
「らぁ!」

「アウト!」

玄野の肩は完全に治っていた。しかし、なぜ投手をやらないのか。
それには、理由があるのだ。その理由はただ単に兄の魁と二遊間を組みたいだけだった。


「ショートになったら、セカンドの兄貴とその内ニ遊間組めるんじゃないかと思ったので。」

これは、数年後にある雑誌のインタビューに玄野が答えた言葉である。


この後、チェンジとなり相手の4番、玄野に回ってきた。


「………………」

九条を睨みつける玄野…これに対抗するのか九条も睨みつける…


(あいつら何してんだ…はやく投げろ九条!)

魁もこの様子に気づいていた。

そして第一球…

スクリューを九条は投じた。
ストライクからボールになるスクリューに玄野は食らい付いていく。バットの先っぽで当たったボールはライトの方向に飛んで行った。

ライトを守っている靖也はその打球を見逃した。ファールになると予想したのだ。
しかし、打球はなかなか切れない。


「おい!靖也バック!」

和弥がセンターから指示をする。


しかし、風が吹いたのか打球が戻ってくる。
ボールは見事にグラブに入った。アウトだ。

だが、なんというパワーだろうか。バットの先に当てたのに入るギリギリの打球。改造手術によってこれ程にまでなってしまった玄野。
自分が一番驚いていた。


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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/11 09:03  No. 173    
       
試合は0行進のまま7回となった。
ヒットこそ出ているが両チームそれを生かしていなかった。
しかし、清千の方は藤野の失投をヒットとしただけ。いまだに、あのニ種類のカーブを打ち崩せていなかった。

そして清千の攻撃。バッターは今日ホームランを放っている明司からだ。



…………

「バッターアウト!」

明司は簡単に三振してしまった。しかし、それもしょうがないだろう。カーブの切れがかなりのものになっていたのだ。
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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/11 21:45  No. 174    
       
「ゲームセット!」

試合が終わった。だが、清千が勝ったわけではない。負けたわけでもない。引き分けである。

だが、清千は勝っていた。なのに、なぜ?…
それは9回の裏、抑えれば勝ちという展開。
イップスに陥った銭形が登板。キャッチャーも四田に代わっていた。

……………

(ら!)

ノビのあるいい直球を投げていた銭形は、強打者玄野になった所で目の色が変わった。
四田のサインも見ない。下ばかり見ていた。

「すいません、タイム…」

ここでマウンドに向かう。当たり前だろう。


「おい、何やってんだ。サイン見ろ」

「…あ、すいません…」

少し話した後、四田はホームに戻った。


四田が出したサインはスラーブ。銭形はサインを確認するとすぐに投げ始める。


だが、まったく曲がらずど真ん中へ。

この結果がホームラン。その後、小南に代わり何とか抑え、練習試合なので試合終了となった。



銭形は非常に申し訳なさでいっぱいだった。九条は、無四球で、勝利投手の権利を取得していた。
高校での参考記録だが初勝利を銭形が帳消しにしたのだ。


「おし、じゃあ解散。また明日な」

魁が解散を告げると皆が帰っていく。


だが、四田と銭形だけが、魁に呼び止められた。

「すまない。監督が呼んでるんだ。一緒に来てくれないか?」

「ああ、わかった。(なんだろ…)」

四田と銭形、そして魁が監督室へ向かう。


魁が監督室のドアを二度ノックすると中から「入れ」という落合の声が聞こえてきた。


「失礼します…」

魁がそう言い他の二人は少し頭を下げ入った。



「銭形…お前、どうや? 怖かったやろ、玄野との対決の時」

銭形は小さく頷きそれを見た落合がひげをさわり「うーん…」と言った。

「ほな四田。銭形を見ててどうや?マウンドでの様子とかや」

「えっと…玄野が打席に入ったら突然変わりました…サインもちゃんと見なくなったし…」

「じゃあ次伊藤。明日からの練習、投手陣にボールは触らせるな。とにかく明日から2週間、投手の練習は走りこみや。ただ、ちょっとでも九条や小南に異変があったらすぐやめさせろ。銭形もやで。あ、お前も一緒に走れ。監視役や」


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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/12 12:41  No. 175    
       
「おし、ちょっと休憩…」

魁と投手陣達はとにかく走りこみというかなりキツメな練習を行っている。
投手陣には足腰が鍛えられるだろう。しかし、銭形も投手で同じく足腰が鍛えられるがイップスは心の病。意味はあるのだろうか?


「由香ちゃん…大丈夫? 無理はだめだよ…?」

「はい!まだまだ大丈夫です!」

「ならいいけど…」

女子投手二人が話していた。九条はまったく疲れていなさそうだし、心配はなさそうだ。


「よーし、やるぞ」

魁がそう言ったら、投手の3人が魁の下へ集まってくる。

「次は…そうだな…どうしよ。……よし、決めた。ポールの間10往復するか。よし、行くぞ」


九条はイキイキと、小南は、無表情、銭形も無表情とした表情で走っていく。
魁は、ゆっくりと後ろから走る。

そんなこんなで今日の練習は終わった。
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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/12 21:16  No. 176    
       
過酷な走りこみを開始して、ついにラストの日が来た。とにかく走り続けていた投手陣と魁だが超人的なスタミナが作られていた。

そして、フリーバッティングをやることになった。これには銭形が登板する。これは落合が勝手に決めたことである。


「おし、頼む」

最初に打つのは和弥だ。ここ最近は調子が良い。和弥も長打も打てる強打者。銭形のイップスの病状が出てくるかもしれない。だが、それは違った。イップスに陥る前よりも銭形は良い球を投げている。キレのよいスラーブ、ノビのよいジャイロボール。何もかもが前よりも良くなっていた。

しかし、なぜイップスの病状が良くなっているのか。走りこみしかしていないのに…それは、その走りこみに答えがあった。


2週間にも及ぶ走りこみを終えるには相当な精神力が必要だった。銭形もセンスが良い選手なので多くの精神力は持っていたのだ。しかし、イップスによって一部の精神力が無くなった。だが、走りこみで自然と治っていたのだった。
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ロックされています   Re: King nine  名前:魁斗  日時: 2013/08/13 12:46  No. 177    
       
教室の窓をのぞくと雨が降っていた。
(なんだよ、また雨か…)
ここ3日ずっと雨。魁も呆れていた。ついに梅雨に入ったのだろうか。だが雨が降ろうと清千野球部には関係がない。室内練習場がある。しかし、せまいので行える練習も限られる。



「暑いなぁ…湿気がすげぇや…」

授業が終わり、部室に直行した魁はその湿気での暑さに少しだけ尊敬していた。


その後、すぐに着替え室内練習場に向かった。
室内練習場へ入るドアを開けるとそこには部室以上の暑さがあった。

「暑…」

室内練習場にはまだ魁以外は来ていなかったのでそこにあるベンチに座った。

すると、ドアが開き誰かが入ってきた。

「おう、もう来とったんか」

それは監督、落合だった。魁が一礼すると落合の元へ向かった。

「監督、今日の練習は…」

「どうしよ…いつも同じ練習やっとるしな…今日はちょっと変えよか。あ、まだ誰も来いひんしノックでもしよか」

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