Re: ファイターの小説・第二部 名前:ファイター・ドクトリン 日時: 2019/03/14 15:48 No. 88
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翌日。練習休日。昼間。横田はテレビを何となく見ていると。玉川が遊びに来た。そして,彼はこういった。 「横田。お前はお前の部屋に何しに来たのだ? 何の用があるのだ? わらわは来てみたのだぞ?」 いつもの事であるから,突っ込まないことにしておく。
チャンネルを回してみた。西武ライオンズに謎電撃入団した,例の怪物投手が映った瞬間。
玉川はけたたましいほどの,悲壮感がこもった万力な悲鳴をあげた。泣きじゃくっている。仔犬の声そのものなので,響く。耳が痛いが。横田は彼を介抱したが。彼はこう喚き散らしていた。 「アイツがなんで〜!! なんでだ〜〜〜!! 出ていけ〜!! 出ていけ〜〜〜!!」 テレビに映っているその男。玉川とは,うり二つだ。
名前は明神 陽(みょうじん よう)という。
160`を誇る「澪ストレート」という超怪物球威と,「悪魔のチェンジアップ」が持ち味である……。不遜極まる性格らしい……。実際もう,チーム内で問題を起こしている様だ……。
玉川修には,白系イギリス人の嫁がいる。
玉川修の矜持の一つはこうである。
人を虐める人は,嫌いだ。どのような立場の人であっても。
終
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