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ロックされています  青空に奇跡を願う  名前: 投手  日時: 2012/12/04 20:33    
      
初めての小説ですが、
よろしくおねがいします
記事修正  スレッド再開
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/01/22 03:54 修正1回 No. 29    
       
〜〜〜「11話 天神学園」〜〜〜

俺と金子が神宮球場に到着するとすでに全員が揃っていた。
言い出したやつが一番最後って…普通はダメだよな〜。
陽介「みなさんお揃いのようなので…入りましょうか?」
桐生「ちょっと待て天海……お前なんか言うことないか?」
桐生さんが俺の肩に手を置いた。
これは怒ってるな……それも激怒だ…。
三秒くらいたって俺が口を開いた。
陽介「中…入りましょうか?」
桐生「違うだろ! 遅れた事を謝れよ! 3分くらいなら許すけど俺達が待った時間は20分近かったぞ!!!」
陽介「それは金子が悪いんです。金子が財布を忘れたって言ってたんで取りに行くのについて行ってやったんです」
俺が瞬間的に言い訳をしたがこの人には通用しないようだ。それから1時間近く説教をされた。みんなが止めてくれなければまだ続いただろう。
球場に入ると残念ながら試合すでにに4回表。
藤井「う、嘘だろ…………?」
スコアは9-3…天神学園の6点リードで尚も一死二三塁の攻撃中。
俺が打者を見た直後に快音が響いた。打球はノーバウンドでライトスタンドへ飛び込んだ。
この後天神学園に点は入らなかったがふたたび西城学園がピンチに陥っていた。
天神学園……レベルが違う……。
?1「渡辺監督、そろそろ」
渡辺「そうだな」
4回裏の守備の前に投手交代のアナウンスが響いた。このとき出雲と聞こえた。背番号1今頃エース投入とは…。
それにしても懐かしい名前を思い出した。
出雲は中学時代、俺と同じチームに所属していた2番手投手だ。今はどの高校にいるか知らないが……。
田中「おい! 陽介! あの顔!」
陽介「えっ?」
田中「あのピッチャー! 茂(しげる)じゃねぇか!?」
陽介「茂って……出雲茂?」
出雲のストレートは120km/h出ていなかった…天神学園でエースになれる逸材じゃない!。
だが投げた球を見た時に茂だと認めざるを得なくなった。スリークォターから繰り出す精密なコントロールのスライダー、スローカーブ、ナックルを中心にした多彩過ぎる変化球、完全に茂だ……間違いない…。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/02/04 15:38 修正1回 No. 30    
       
田中「天神学園って120km/hでエースになれんの?」
藤井「う〜ん……ふつうはなれない…かな?」

まさか……あのバッティングピッチャーが天神学園に…見たところ球はたいして速くなっていない、いや…全く変わっていないかもしれない、つまり西城学院に対してでは「打たれる」が最有力の考えだと思うけど…。

茂の投げた球は打者のバットに引き寄せられるようだった。
9人に対して空振りはゼロ、だがボールは見事に野手の正面。いや、それ以前に外野まで飛んだ打球は木下のセンターライナーのみ、強打の西城学院がけちょんけちょんにされた……。
それよりまずいのが6回裏終了時でスコアが15-3、これ本当に決勝戦!? 2、3回戦辺りの強豪校対並の高校のスコアじゃねぇか?
この直後の7回表に木下が満塁弾を放ったが流れは変わらなかった。
試合結果は17-10完全な打撃戦だが内容的には天神学園の実践形式の練習に見えた。木下以外は完全に手玉にとられていた。ははは…終わってるよ天神学園…。

田中「あー半端なかったなー天神学園、そうだ! 陽介、腹減ったから肉まん奢って!」
こいつ…かなり呑気だ! それに「そうだ!」ってなんだよ! どんな思いつきだよ! 自分で買え!
信司「そうだな、確かに腹減ったな」
信司さんがちらっと俺を見て言った。この一言でみんなが「腹減った」と言い出した。そして視線は俺に向かっている。

陽介「えっなんでみんな俺のほう見るの?」
桐生「じゃあす○家にしません? 俺好きなんですよ」
藤井「よし! そうするか! 代金は全額天m」
陽介「ちょっと待てぇぇぇ!! なんでだあぁー! 口には出さないように踏ん張ってたけどもう無理だ! なんでだよ! なんで全額俺? 払えるかあぁー! せめて一割は払いやがれー!」
俺は今恐らく赤の他人から見たら変人だろう、いや恐らくじゃなくて確実に……。
桐生「じゃあみんな! 一割だけでいいからな!」

はぁ〜…もう溜め息しか出んわ!

出雲「おっ! あそこにいたか、陽介」
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/02/05 13:17  No. 31    
       
桐生「よーし、行こうぜ!」
きゅ、9割俺が払うのか……で、でも流石に少しは考えてくれるよな?

俺が歩き出した時背後から誰かに肩を軽く叩かれた。俺は反射的に俺の肩を叩いた人の顔に目をやる。
その人物は出雲茂だった、俺は一瞬驚いた。一瞬だけだよ、一瞬だけ……。
陽介「茂、なにか用でもあるのか?」
出雲「ああ、この前は驚いたよ。おまえがまたマウンドに立つとはな」
この前…西城学院戦か。まさか見ていたとは……。
出雲「どうだ? 天神学園は? おまえがいても三流の高校じゃ勝てないだろ?」
陽介「……確かに三流じゃ勝てないな…でも二流なら勝てるかもしれないぜ、あいにく舞空は二流だぜ」
信司「陽介、それ褒めてんの? けなしてんの?」
陽介「信司さん今は黙って」
信司さんは「はい、すいません」と俺まで聞こえるか聞こえないかくらいの声で謝った。信司さんの後ろには笑いを堪える金子がいた。
出雲「おまえがいれば二流だよ」
陽介「二流三流とかどうでもいい、との人達は強い」
出雲「まっ、結果で表しな」
陽介「そのうち出すよ」
茂は今の一言を鼻で笑いたち去った。やはりあいつとは仲良くできない。
この後す○家へ行って俺の財布から10万円が消し飛んだのは別の話である。なぜ10万も持ってたかは触れないでね。


11話END
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/02/18 19:27  No. 32    
       
〜〜〜「12話 意外だな」〜〜〜

俺は今スパイクを買いに来ている。
だが悲しい事に財布を家に忘れてしまった。
陽介「やっちまったな…取りに帰るのめんどくさいしな」
この時俺の少し隣積まれてあったスパイクの山が崩れ落ちた。
俺は冗談抜きにびっくりした。
その崩れ落ちたスパイクの山に近づくと3人の店員が大急ぎで駆け寄って来た。
俺が一番に疑われたがその疑いはすぐに晴れた。
なんとスパイクの山の下から一人の男が「いや〜、やっちまった」と言いながら出てきたのだ!。
まだ床に膝を付いたままのその男に一人の店員が肩に手を置いて睨んでいた。
だがその男が睨み返した時に店員がかなりひるんだ。そしてその男が立った瞬間がトドメだった。
その男の身長が2m前後あったのだ。
気付けば店員は無言でスパイクを片付けていた。……可哀想だ……。
しかし、この男な〜んか見覚えがある。……どこで見たっけ?
陽介「あっ! 西城学院の!確か〜……」
俺が男を指差したまま考えていると、手を叩かれた。
木下「木下剛太だ、お前は舞空のやつだろ」
陽介「おっ! 知ってんの?」
木下「覚えてんの? の間違いだろ」
木下に飽きれたように言われた。だが気にしない。
陽介「まあ気にするな、ところで、何しに来たんだ?」
木下「スパイク買いに来たんだよ」
陽介「奇遇だな、俺もだ」
そう言って握手を求めるとしっかりと手を握ってくれた。………全力で……。かなり痛かった。
それより握手75で負けてるなんて絶っっっ対おかしい! どんだけすげえんだよ!
木下「どうした、表情が暗いな?」
原因が二つあるうちの一つはお前にあるんだよ! …………と言いたい! …が言えない……悲しいな…。
仕方なくもうひとつの原因を言ったら大笑いされた。
だが木下は笑うのをすぐにやめて携帯を取り出して誰か連絡した。
なんなんだ? いきなり?
連絡を終えたと思うと1分足らずで一人の男が小走りでやって来た。
木下「あの人は羽場 雅樹(はば まさき)、西城学院の野球部の人で三年だ、あっ! 背番号は18だ!」
羽場「背番号は言わなくて良くないか?」
うん、俺も少し思った。


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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/02/21 02:13  No. 33    
       
羽場「で、あったのか?」
木下「ああ、あったよ。それ抜き取ろうと思ったらミスって積み上げてる箱全部やっちまったよ」
木下が笑って話すとと三人の店員の視線が凄まじかったが木下は全く気にしてなかった。
陽介「ところでお前何cm?」
木下「30.5」
そんなサイズ置いてたのぉぉぉぉおぉぉおぉぉぉ!!? 半端な! この店もこいつも!
木下「それより羽場っち、こいつに金貸してやってくれ」
羽場「どうかしたの?」
俺が財布を忘れたことを言うとこの人も木下のように爆笑した。
羽場「あー腹いてーなー、ところでどんくらいいる?」
陽介「あれなんですけど……」
26400円!
羽場「OK」
陽介「え? まじでいいんですか?」
羽場「ああ、遠慮すんな」
羽場から26400円を貰うと俺はレジへ急いだ。
支払い寸前に木下、羽場コンビがゆっくり歩いて来た。
支払いを済ませると羽場に「ありがとうございました」としっかり言って帰ろうとしたが木下に止められた。
結果三人で店を出た、木下は500MLのコーラを買うと一気に飲み干した。
木下「ふぅ〜……なあ天海、夜霧 浩也(やぎり こうや)って知ってるか?」
陽介「や、夜霧!!?」
木下「なんだ、知ってるのか。なら話は早い」
木下「夜霧……今朝の新聞で見たんだが関東大会初戦で4打席連続ホームランだとよ」
夜霧! やはり出てきたか…俺から唯一ホームランを放った男。
恐らく全国屈指の捕手だ。田中がNo.2だったのはあいつがいたからだ……4連発? あの化け物が…。
木下「俺はお前から三振させられた時にとんでもねえ化け物がいるんだな! って思った。
けど、間違いだった……お前だけじゃなさそうだ」
陽介「分かってる、本当にずば抜けた人間がいる世代には、必ず強敵が多数いる。お前も含めてな」
陽介「それより意外だな、お前ってもっと取っ付きにくいやつかと思ってたんだけど」
羽場「わかるわかる! だよな〜、意外だよな〜この顔で」
木下「黙れ」
木下が羽場に肩パンをした。超痛そうだ……実際かなり痛いんだろう、肩ずっと押さえてるし。

どうやら俺は本格的にやばい世代に産まれちまったようだ。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/02/26 17:06 修正1回 No. 34    
       
陽介「そう言えば西城学院も関東大会出たろ? どうだったんだ?」
この質問をすると、羽場は首筋を左手の人差し指でかきながら俺から目を逸らし、
木下はベンチに座り込んで腕を組んで下を向いた。
俺、何かまずいこと言った?
二人が口を開いたのは硬直が始まって40秒くらいは経過していた。口を先に開いたのは羽場だった。
羽場「え〜っと……な、負けたんだよ…一回戦に…………なあ、剛太!」
木下は「俺に振るなよ」と言いたそうな顔で羽場を睨んでいた。
羽場はまっすぐな視線で木下の目を見ていた……訳がない。完全に木下の後ろを見ていた。
木下「神奈川県の輝明学園(こうめいがくえん)に12ー8で負けた」
羽場「完全に打ち負けたよ……夜霧を敬遠してたら勝ってたかもな」
そう言って羽場は笑った。
陽介「あれ? 夜霧を敬遠?」
羽場「ああ、四連発打たれたの俺ら」
陽介「木下! 新聞じゃねえのかよ!」
木下「ああ、直接見た……」
俺は地面に転がっていたアルミの空き缶を拾うと握り潰して30Mほど先の空き缶を入れていいのか分からないゴミ箱へ向かって投げた。
空き缶はゴミ箱の中で一度だけカンッと音を立てた。
羽場「ナイスボール」
陽介「どうも」
俺は軽くお辞儀をした。
羽場「あっ! 剛太、時間だ。帰るぞ」
木下「まじか、じゃあな! 天海」
俺は、軽く手を振りながら二人の去る姿を見続けていた。

12話END
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/02/27 23:06  No. 35    
       
〜〜〜「13話 神!?とDr.A」〜〜〜

木下と羽場の二人に遭遇した翌日の月曜日、俺は昼休みに野球部の部室に呼ばれた。
俺まだ昼メシ食ってないのに……。
俺がタラタラとしていたら藤井さんからメールが届いた。
内容は「早く来やがれ! 俺の昼休み潰す気か!」だった。
呼んだのは向こうなんだから、理不尽だろ……。
それから俺は全速力で走って向かってやった。
部室の前に藤井さんだけではなく信司さんと……謎の男が一人。
?「じゃあ、練習試合は受けてくれるんだね?」
藤井「はい、是非お願いします。日曜日にうちのグランドですよね?」
?「そうです。よろしく頼むよ! 藤井くん」
二人の会話が少し聞こえた。練習試合するのか、うちのグランドで、相手はどこだ?
藤井「天海! 遅いぞ!」
藤井さんが俺の頭を軽くこずいた。痛くはないがうざい。
鶴崎「やあ! 君が天海陽介くんかい? 僕は鶴崎 悠斗(かくざき ゆうと)よろしく」
陽介「よろしくお願いします」
鶴崎「君に話があるんだ。いいかな?」
俺は無言でうなずいた。
鶴崎「なあ、超能力って信じるか?」
陽介「はあ!?」
この人は何を言っているんだ…話ってこれ? なんか、いたそうな人だな。
鶴崎「いきなり過ぎるかな、俺、何歳に見える?」
なんなんだ? この人、バカ? これは相手にするとロクなことないな……適当に答えよう。
陽介「24くらい」
鶴崎がいきなり笑いはじめた。何がおかしいんだ。
鶴崎「おしい! 54だ」
これはもう駄目だ! 何が54だ! 完全に20代の顔じゃねえか!
鶴崎「確かに肉体は24かそれくらいの時のだ、でも実年齢は54なんだ」
はあ……もう殴ってやりたい。あ、もしかするとただボケ倒してるだけかもしれない。めんどくさい人だ。
陽介「ちょっと、早く本題に入って下さい」
鶴崎「ん? これが本題だぞ?」
もう駄目だ!


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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/03/01 01:59 修正2回 No. 36    
       
田中「よ、陽介……大丈夫か?」
陽介「大丈夫じゃない……」
俺は力なく答えた。
今は教室に帰って来ている、が! あの鶴崎って人の所為で昼メシ食ってない!
たくっ、どうしてくれんだよ。
キーンコーンカーンコーン
お馴染みのチャイムが鳴り、遂に午後の授業がはじまってしまった……。
空腹は辛いよ……。


鶴崎「おい、A」
ここは謎に包まれた研究所、鶴崎ともう一人の男が住んでいる。
A「なんだ、何かようか?」
Aという男は鶴崎のほうを振り向き手に持っていた謎の実験道具を置いた。
鶴崎「天海陽介、スペックがとてつもない。まるで昔の俺を見るようだったよ」
A「昔って、むしろ新しいだろ」
Aは笑ながら再び実験を開始した。
鶴崎「また野球をプレイしてえよ、でも……もう無理なんだよな…………俺は…神になってしまった…」
A「気を落とすな、監督は出来るだろ」
鶴崎は口を尖らせた。
鶴崎「何作ってんだ?」
鶴崎は謎の道具が置かれてある机を見渡した。
鶴崎「超強化ハンドガン?」
A「M=4だ」
Aはキリッとした顔で鶴崎に言った。
鶴崎のが一瞬揺れた、何かが起きた。
鶴崎「半径50km圏内に50……いや、60人の超能力者含む精鋭部隊が突っ込んでくる…」
A「またこの研究所、どっかに飛ばすのか?」
鶴崎「いや、今回は潰す。」
鶴崎は一度首の骨を鳴らし研究所の外へ出た。

翌日の朝、田中からの電話が来た。6時頃かな?
田中「陽介! やばい! 神宮球場が……」
陽介「神宮球場が!」
田中「グランドが吹き飛んでるんだ……」
陽介「はあ!?」
何言ってんだ? こいつは…。
田中「陽介、神宮来い! 今すぐだ!」
俺はジャージに着替えてランニングも兼ねて神宮へ向かった。
20分くらいで到着した。
神宮球場はもはや原形をとどめていなかった。
看板は消し飛んでいて、窓ガラスはすべて割れていてグランドにはグランド丸々覆った大きな穴のなかに無数の穴があった。
陽介「いったい、何が起きたんだ?」
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/03/06 00:18  No. 37    
       
A「ずいぶん派手にやったな」
Aはパソコンをいじりながら大笑いした、どこか嬉しそうな感じもした。
鶴崎「しょうがないだろ、天海 正樹(あまみ まさき)がいたんだ」
A「正樹が?」
Aは目を細めた。
鶴崎「そうだ、半減させる能力を持つ男だ。でもどうやら物理的な効果は発揮出来ないみたいだ」
A「……つまりお前の超能力のエネルギーを半分にされたから、
お前が無駄に本気を出して神宮をぶっ壊したということか?」
鶴崎「いや、少し違う。
俺のエネルギー自体じゃなくて、仲間に影響するエネルギーを半減されたんだ」
A「なるほどな、そう言うことか」
Aはわずかにヒゲの生えた顎を撫でた。
A「で、正樹は逃したんだろ?」
鶴崎「正解……あっ、それと…舞空校舎……ぶっ壊し…た」
A「はあ!?」
鶴崎は当然こうなるよな、っとゆう感じの表情で笑った。


俺はまだ無残な神宮球場を見続けていた。
どこか懐かしく、残酷な気分になる。
20年前にもこんなことがあったと田中に聞いたときは身体中に何か衝撃が走った。
今日はもう休もうと思い、俺は家へ向かった。
俺の家はアパートだ。家には豪邸を買えるくらいの金はあるのだが一人で住むにはかなしすぎる。
家は最上階の10階にある。しかし、階段で登ると途中に大量の鳥のフンがある。
そのため絶対に階段は使わずエレベーターを使う。
俺の部屋はとエレベーターはこの階で最も離れている場所にある。
不便だと思う事がたびたびある。
俺はエレベーターを降りるとポケットから鍵を取り出しゆっくりと部屋へ向かった。
扉の前に立つと鍵を開けて中に入った。
だがこの時異変に気が付いた。
新聞がない、俺は取り出してないのになくなっている。
だが、「別にどうでもいいや」的な流れでスルーした。
このアパートは6畳程の部屋が5部屋あるようだ。
でも一人じゃ悲しいよね……。
そんな事を考えていたらどうやら今日は一人ではなかった。
陽介「てめえ……」
俺は歯が折れるのではないかと思うほどの力で歯を食いしばっていた。
正樹「久しぶりだな、陽介。」
お前は邪魔なんだよ。
この時、俺の心は真っ黒だった。

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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/03/08 02:04 修正1回 No. 38    
       
正樹「まったく、親に対してえめえ、なんて言うようじゃロクな人間にならないぞ」
陽介「二年も家に帰って来ない奴は親じゃねえ」
正樹は溜息をついた。
正樹「陽介、鶴崎について何か知らんか?」
俺はこの質問を軽くシカトした。正樹はさっきより深い溜息をついた。
そして立ち上がり、玄関へ歩き出した。
正樹「陽介、鶴崎は……神に最も近い。いや、もう神そのものかとしれない、絶対にあいつには関わるな」
俺は、この言葉を全く聞き取れなかった。この先、重要になったというのに……。
正樹「金はまた金庫に入れた、好きに使えよ」
そう言って正樹は再び俺の前から姿を消した。
なんだかスッキリした気分だ。いや、さっきまでがおかしかったんだ。
あいつは……大っ嫌いだ。
帰ってくるのは大体1〜2年に一回、そして毎回少し血の匂いがする。
あいつは茂の父親と同級生らしい。最後の夏の決勝戦で二人が投げ合ったらしい。
茂の父も、あいつも、プロ野球へ行けたのに行かなかった。
何故行かなかったのかなんて俺には分からない、でも……何故か異常な程…ムカつく。
陽介「………ソラのとこへ行こう」
俺は見慣れた筈のこの最上階からの景色をカーテンの隙間から覗き込んだ。
今日の空は雲一つない、快晴だ。
こんな空の日……ソラはよくはしゃいでいた。
ソラはこんな青く澄んだ空が大好きだった。いや、ソラだけじゃない……俺も、こんな空が好きだ。
でもソラはこんな空の下で悲劇に見舞われた。
俺は理不尽にこんな空を嫌ってしまっていた。そして、野球も……。
でも、やっぱり野球を捨てきれてなかった。だから……トレーニングをやめれなかったんだ。
もう一度、野球をはじめれて……本当に良かった。
もう一度、この空を好きになれて……良かった。
俺は一度軽く微笑むとソラの病院へ向かいはじめた。

13話END
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/12 06:09  No. 52    
       
〜〜〜「14話 球技大会 1」

翌日、明後日に球技大会があることを知った。
だいぶ前から知ってるやつもいたみたいだから、どっかで聞き逃したのか?
種目はさまざまだ、舞空高校は以上なほど生徒数が多い。
たぶん、いや間違いなく全国でトップだ。
かなり強引にまとめて一年6クラス、二年5クラス、三年5クラスだ。
ちなみに、種目は男女分かれて4種目。つまり合計8種目だ。
こんだけやったら何日かかるんだ? って思う人が圧倒的に多いだろうけど、と言うか思わなかったら逆に異常。
まあでも舞空は設備も全国屈指じゃないかな? なんと舞空高校には多目的グランドが3つ、体育館が5つある。無駄だと思うだろう?
だか、まったく無駄ではない。なぜなら休み時間などに体育館を使用する人数は、本気で桁が違う。
大体…5つの体育館すべてが人で埋め尽くされることはないが、4つの体育館は大概埋め尽くされる。
ちなみにグランドも同じだ。
?「天海!」
委員長、笹巻 賢太郎(さまき けんたろう)が俺の耳元で叫んだ。俺は両手で耳を塞いだ。
隣の席のメガネ野郎、江橋(えはし)が「うるさい」と言って笹巻の頭を軽くこずいた。
笹巻は殴られた頭をさすりながら俺に問いかけた。
笹巻「いててっ……天海、お前何にする? 種目」
陽介「なんでもいい」
俺は欠伸をしながら答えた。
陽介「じゃあ……バレー! ……は6人バレー部いるし…バスケもバスケ部揃ってるしー……サッカーは……希望者オーバーだし……うん、野球しかねえな」
陽介「え〜野球は日常的にやり出したし〜……他のにしてくれよ」
笹巻「そんなこと言わずにやってくれよ!」
笹巻が俺の肩に手を置いた。
陽介「でもな〜」
笹巻「よ、よし! サッカーと野球はくじ引きで決めよう! それでいいな? みんな?」
少し反対の意見が出たが、笹巻はそれを拒絶した。
やがてくじ引きがはじまった。
俺は先頭、引いたくじは……?。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/12 06:16  No. 53    
       
俺は、自分の席に着席してから四重に折られた紙を開こうと思ったが、寸前で手を止めた。
正直……自分だけで先に開くと野球になっていそうな気がする。
自分で先に開くのも、みんなの結果がすべて出るのを待っても、結果は変わらない。
ただ、なんとなくだ、本当になんとなくだ。
着々とくじ引きは進んだ。
20人全員が引き終えた。現在、結果を公表した人数が16人野球8人、サッカー8人、確率は4/3ほぼ決まった。
17人目、サッカー。18人目サッカー。
19人目の江橋は、黒板にサッカーと大きめの文字で書かれた10人のネームプレートの下に、江橋は自分のネームプレートを張り付けた。
笹巻「天海、残念だったな」
笹巻はニヤリと笑った顔をこっちの向けた。
そして俺はようやく引いたくじを開く、
俺はため息をついて野球と書かれた、自分の引いた紙くずを丸めて軽く笹巻に投げた。
投げた紙くずは、一直線に俺の右手から笹巻の右手まで突き進んだ。
おれは笹巻がそれを右手に当てて下に落としたのを確認すると、椅子の背もたれに体の全体重を掛けた。
最近思い始めた、俺は…運がない。
くそっ! くじ運にまで逃げられたか!。
最近いいことまったくない、ドーベルマンに追いかけられたり、コンビニで弁当やらなんやら買おうと思ったら、金が5円足りないし……この前知らないガキにサインをせがまれたら連鎖的にサインせがんでくる人が増えて疲れるわ……てか途中から流れで来てる人ばっかりだろあれ! 行列には並びたいタイプってか?。
ホーント…いいことなくて、疲れるな〜……。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/12 16:40 修正1回 No. 54    
       
?「陽介くん……大丈夫?」
声優か! とツッコミたくなるほどの美声の持ち主であり、たぶん、激戦区舞空高校で学年トップの美少女、皆沢 悠莉(みなさわ ゆうり)が俺の方を向いたと思うと今度は椅子の反対向きに座り俺と正面から向かい合う体勢になった。
陽介「大丈夫に見えるか?」
俺は無愛想に皆沢につぶやいた。
悠莉「だめだよ! 陽介くんみたいなイケメンくんがそんな、ネガティブな顔してたら!」
陽介「お前にイケメンって言われたらなんか逆にヘコむ、そして名前で呼ぶな、馴れ馴れしいんだよ!」
悠莉「ヘコむって何!? ちょっと失礼でしょ! それに…いいじゃん、別に名前で呼んだって、あっ、なら平等に! わたしを悠莉って呼んで!」
陽介「何が平等かさっぱりわからん!」
俺は右手で頬杖をついて皆沢を眺めた。
誰かに似てる……顔とかそういうんじゃなくて、雰囲気が、誰かに似てる。
悠莉「悠莉って呼んでよ!」
皆沢が頬を膨らませた。
陽介「うるさい、もう平等とかそう言うのいいから話しかけんな」
俺は前を向かせようとするがなかなか動かない。
悠莉「わたしの言うことは絶対」
皆沢は俺の机に両腕を置いた。
陽介「絶対じゃない、それと俺の机に腕を置くな、俺の使える面積が減る」
俺は皆沢の両腕をパチンと、いやバチッだったかもしれない、とにかくはたいた。
陽介「痛い……」
皆沢が顔をうずめた。
声がなんか弱々しくなって来た。まさか…泣いた? えっ、嘘だろ? それよりやばい、周りの男子の視線がやばい、なんか目が光って見える。
陽介「え〜っと……とりあえず…ゴメン、お願いとりあえず泣き止んで、周りの視線が辛い」
俺は頭を抑えていた。なんか俺の頭にレーザーが飛んで来てる感じがするからだ。
悠莉「泣き止むかわりに……約束」
陽介「えっ、何?」
俺はなぜか身構えた。自分でもなぜかはよく分からない。
悠莉「悠莉って呼ぶのと……えっと…その〜…きょ、今日、一緒に帰ろ」
皆沢の顔が赤いのが確認できた。
その直後無数の物が俺に飛び掛かって来た。
シャーペンやら消しゴムやらなぜか栄養ドリンクの空ビンまでもが飛び掛かった、痛い、痛いな。視線より遥かに痛過ぎる、やはり物理的ダメージの方が俺には効くようだ。
瓶が悠莉に向かった軌道をしている。これは絶対痛いと思いつつその瓶を左手で地面へはたき落した。
その瓶は指に当たり俺に激痛をもたらした。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/12 16:55 修正1回 No. 55    
       
悠莉「ごめん……陽介くん」
皆沢…じゃなくて悠莉が俺に頭を下げていた。俺は今は保健室で治療した。なぜかは結構簡単だ。
こいつの嘘泣きの所為で俺は指を突き指してしまった。
しかもこいつをかばって!。
悠莉「でも本当に悪いのは陽介くんだよ、わたしのことまったく名前で呼ばないんだもん!」
陽介「お、なんだ! 逆ギレか? 逆ギレなのか? 喧嘩売って来たら買ってやるぞ」
悠莉「売らない! 売らない!……絶対」
急に皆さ…悠莉の声が小さくなった。最後だけ聞き取れなかった。
陽介「もう帰るか、今日は」
俺はパイプ椅子から腰を上げた。
陽介「で? さっき言った二つ目の条件はどうすんだ?」
皆…じゃなくて悠莉顔を覗き込むとニッコリと笑って頷きこう言った。
悠莉「もちろん従ってね! だってわたしの言うことは絶対…」
陽介「じゃない」
?「ちょっと、ちょっと、悠莉ちゃん」
保険の先生、見える水樫(みずがし)先生が手招きした。
なんだろう? 一体? 盗み聞きするか。
保健室の中の会話に耳を傾けたが……なん、にも! 聞こえん!!!

「ねえ、悠莉ちゃん、ところで彼ってあなたのこれ?」
水樫は小指を立てて耳まで真っ赤にしてあやふやな事を言う悠莉を見てクスクスと笑っていた。
悠莉「な、ななな、なんでそう思うんですか!!」
水樫「慌て過ぎ慌て過ぎ、理由は簡単、悠莉ちゃんがすごく楽しそうだから」
悠莉「確かにすごく楽しいですよ、でも……違いますよこれじゃないです」
悠莉は小指を立てて笑った。
悠莉「それでは、もう帰ります」
水樫「じゃあ」
俺は悠莉が保健室から出てきたところをよ〜く狙い、横からおどかした。
悠莉は拳を固く握り、冷や汗をかきながらその場に座り込み縮こまった。
陽介「そんなに、ビビるか?」
悠莉「わたしは……するの……」
涙目で言われて少し罪悪感を感じた。
だがすぐに気持ちを入れ替えて、思いっきり! 悠莉の腕を引っ張って、無理矢理立たせた。
陽介「ほら、さっさと帰るぞ!」
悠莉は俺の言葉に大きく頷くと俺の左隣に立った。そして俺らは校舎から少しずつ、少しずつ遠くなっていった。

14話END
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/12 17:08 修正1回 No. 56    
       
〜〜〜「4話 球技大会 2」〜〜〜

球技大会当日。
笹巻「よう、天海!」
陽介「笹巻か」
俺は下駄箱から上靴を取り出た。
その時、下駄箱から何かが落ちた。それを拾い上げると笹巻が絶句した。
陽介「なんだこれ? ラブレターか?」
陽介「なんて書いてる? F?」
笹巻が俺の左隣からラブレターをぶんどり、びりびりに破いた。
笹巻「腐れえぇぇぇ!!! 外道があぁぁぁ!!!」
笹巻が叫んだことでこの付近に視線が集まった。
陽介「落ち着け笹巻、腐れ外道はお前だ」
笹巻「すまん……取り乱した……」
笹巻の言葉を聞くと、俺は上靴を履くと教室のある三階に上がった。

教室のドアを開けると何か悲惨な光景が俺の目に飛び込んで来た。
床に画鋲が飛び散っていて、数名がその画鋲を踏んでいた。
陽介「どうしたんだ!? 江橋!」
江橋「い、いや……ただ悪ふざけで俺が画鋲を床にばら撒いたら…なんかあって、こうなった」
なんかってなんだよ? 笑えるな〜こいつ。
笹巻「なんだ! この画鋲は!?」
笹巻も教室に到着したようだ。
まあいい、江橋はバカで面白い俺の辞書に新たな知識が植え付けられた。
悠莉「おはよう、陽介くん、ってこの散らばってる画鋲は何?」
陽介「皆さ…悠莉か、おはよう。画鋲は江橋だ」
悠莉「わたしはそんなに苗字の方がしっくりくるの?」
悠莉がなんだかそわそわしてるなんだ?聞いてみるか。
陽介「なんだお前、そわそわして」
悠莉「これだけ変わってて分からないって何?」
何が変わった……なんだかさっぱりしてるような? ここは……髪、切った? で行くか。
陽介「髪、切った?」
悠莉「そう、切った」
えっ……? まじで?。
あ〜、そういえばロングだったな、セミロングになったのか。
こんなのわかるわけないだろ普通。
?「いや、普通はわかると思いますが……?」
声の主を探したが見つからない、一体どこだ?。
?「こっちです」
うおおぉぉぉ!!! なんだ!? 七宮(ななみや)か、ビビったー。
陽介「わ、わるい…小さ過ぎて見えなかった」
確か七宮は身長152cm、俺より30cmくらい低い。
悠莉「ねえ陽介くん、それはわたしも普段見えてないの? わたし155cmだよ」
陽介「いや、見えてる」
七宮「それでは僕は君をぶん殴ります」
ぶん殴ると言うより、もはや拳骨だ。
こ、これは……痛いぞ…瓶よりも。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/12 17:13  No. 57    
       
かと思ったが七宮のげんこつはリーチが短かったのと、高さが足りないなどの理由で、
難なくかわした、次は右ストレートが飛んできた。
俺はそれをバックステップ一回で軽くかわした。
隣で拍手する悠莉が見えた。
こいつ身長低いだけじゃなく腕も短いな。
七宮「今腕が短いって思いましたよね? ぶち殺しますよ?」
冷静に言うのが、逆に怖い。真顔で人を軽く一刺ししてしまいそうな態度だ。そ、それより……。
陽介「って、何なんだ? お前? 俺の考えてることわかるの?」
七宮「なんとなくです」
悠莉「じゃあ今わたしが何考えてるか当てて!」
そう言うと俺の背中に飛び乗った。そして俺の首を絞める。
陽介「ちょっと待て! こんな遊びって中学までじゃないのか? 確かに中三までこんなバカげたこと周りがやってたぞ、こ、高校でもこんなことがあるのか? じゃあ俺も遠慮なくいくぞ! いいのか? 悠莉、いいのかぁ!?」
七宮「皆沢さんは絶対だめ、って思ってますよ」
七宮は俺が首を絞められているのだが、まるでなんにも起きてないような口調で言った。
陽介「それより! 悠莉! 体重かけるな! お前体重何キロだ!?」
俺のギリギリ絞り出せた声に答えたのは、質問を問われた悠莉ではなく、七宮だった。
七宮「デリカシーがないって皆沢さんが思ってますよ。でも僕もデリカシーないと思いますよ」
悠莉も興ざめしたのか、俺の首から手を離した。
それにしても人の首にぶら下がるって人としてどうかな?。
悠莉「もういいよ、七宮くん……このままじゃわたしの心が他人にも知れ渡ったちゃうじゃん」
七宮は一度悠莉にお辞儀をすると、自分の席に座った。
笹巻「陽介ーー! お前ポジションどこがいい?」
陽介「ライトかレフト、それと陽介って呼ぶな」
笹巻「よーし、3番ショートな!」
今ポジション聞いたの何?
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/12 17:29 修正1回 No. 58    
       
笹巻に反論しても無駄か……。俺の一番苦手なタイプだし。
笹巻「陽介、お前二番手な」
笹巻のこの発言にはさすがに反論しないと駄目だ。絶対俺が投げたら駄目だ。
陽介「それは無理だ! キャッチャー死ぬぞ!」
そう俺が言うと笹巻が俺に近づいてきて俺に人差指を当てた。
笹巻「なんだお前、150キロくらい投げれんのか? そんくらい出ないと死なねえぞ」
笹巻が俺の机を一度バンッと叩いた。
俺が本当にそれくらい出るのを知らないのか? 知っとけよ……。
陽介「出るぞ、147くらい知らねえのか?」
とりあえず言って見たが信じるか?。
悠莉「うわ〜、すごい! 野球部入れば! エースになれるよ!」
陽介「入ってるよ! いや、正確にはこの前入ったよ!」
まったく……情報の回りが悪すぎる……あれ? なんか変だ、悠莉と笹巻の身長差が。
陽介「七宮、こっち来い。」
七宮は無言で立ち上がると俺の目の前に立った。
俺は七宮の頭を押さえた。
あっ、やっぱり……。ねばっとする。ワックスか。
笹巻「あれ? 七宮? 背が縮んだ」
必死に笑いを堪える笹巻だが、もう無理だろ。
瞬間的に笹巻のネジがすべて吹き飛んだ。笑い声は校舎中に響いたかもしれない。
その笑いと共にゴッと鈍い音がしたのは七宮の鉄拳が笹巻にクリーンヒットした音だ。
だが笹巻は殴られても笑いを止めれず笑いが止まったのは気絶したからだ。
七宮「この立てた髪のおかげで8cm高く見せています」
あっ言っちゃうんだ。七宮。
陽介「なら悠莉、お前の本当の身長は」
悠莉は頬を人差し指で掻いていた。
悠莉「163cm……」
力なく答えた悠莉だが、なぜ落ち込む? 身長なんてどうでも良くないか?。
担任のゴリ…じゃなくて大松が教室に入ってきた。
ゴリ…じゃなくて大松「お前等、そろそろ着替えとけよ!」
それだけ言うと教室を出て行った。って、それだけかよ!。
悠莉「じゃあ! わたしの出るバスケ、絶対見にきてね。」
悠莉はそれだけ言うと教室を出て更衣室に向かった。
「覗き行くか?」
笹巻の顔はキモくてウザい顔だった。
「バカ!」
俺は渾身のボディーブローを笹巻に喰らわせた。

4話END
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/12 17:33 修正1回 No. 59    
       
〜〜〜「5話 球技大会 3」〜〜〜

「起きろーーー!!!」と物凄い大音量で笹巻が耳元で叫んだ。鼓膜が破れる……。
笹巻「おはよう」
そう言うと笹巻は俺の耳を引っ張り、俺を引きずった。
陽介「全く、誰が教室で堂々と寝てたなんて予想がつくか! バカか!実はバカか!? 開会式とかすっぽかしやがって! あと30分で俺らの試合開始だぞ!」
陽介「イテテテテテテテテテテ!!!!!! 耳が!耳が! 裂ける!!! 裂ける!!!」
そんな俺の絶叫にも動じず笹巻は俺の耳を引っ張って第三グランドに向かった。

陽介「あ〜、耳、千切れるかと思った〜」
「ちっ! 千切れろよ!」ボソッと誰からもれた声が、いや一つじゃなかった7つくらい聞こえた。
……てことは……俺と笹巻以外のここにいる全員の意思じゃねえか!。
悠莉「陽介くん、応援に来たよ」
悠莉か……。もういいよ。
それより何故ベンチにいる? よく入って来れたな。グランド内に。
七宮「なんでここに居るんですか? 皆沢さん?」
七宮がベンチから立ち上がり悠莉に質問した。俺の思ってる事と同じだったから手間が省けた。
悠莉「う〜んとね……普通に入れたから」
今日、女子はこのグランド内にには普通に入れねえんだよ!。
七宮「そうなんですか? わかりました」
そして七宮は再びベンチに座り込んだ。
今ので納得すんな! 七宮!。
悠莉「そう言えば、忘れてた。陽介くん、これ」
悠莉が一歩前に出ると踏み出した足元にボールがあった。
悠莉はそれを踏んで転倒した……かと皆が思ったが、転倒してない、俺が受け止めた。
悠莉は3秒くらい俺の胸元で下を向いていたが、顔を俺の顔に近づけた。
悠莉「ありがと」
それだけ言うとニコリと笑った。
こ、こいつ……この距離で見ると……メチャクチャかわい……この感覚はソラには無かった。
なんか……やばい……悠莉の吐息がかかる。近すぎる……だろ……やばい…死にそう……。
悠莉「顔、赤いよ。熱でもあるの?」
悠莉は俺の前髪と自分の前髪を手で上に上げて顔を更に近づけてきた。
その進行を俺は手で止めた。指が唇に当たり思った、唇って柔らかいんだ〜。
帰ってこーい!!! 俺!!! 起きろー!!!。
「や、やめろ……人がいるし……それに…なんかちょっと……」
なんとか我に戻った俺は声をひねり出した
悠莉「じゃあ、わたしスタンドから見てるから。試合終わったらわたしのとこに来てね!」
悠莉は微笑むとベンチを駆け出した。
なんか……視線が……。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/13 15:41  No. 60    
       
「天海ーーー!!! てめえーーー!!!」
なんだ!? って……怖っ! 目、超怖っ!。
「俺たちに残っていた僅かな希望を目の前で消しやがってぇぇぇぇ!!!」
笹巻「横槍いれるけど希望って何?」
笹巻がまさに横槍な一言をぶち込んだが誰も答えなかった。
笹巻「しゃあねえな、七宮! テレパスだ!」
七宮「すでに実行済みです。それとテレパスじゃないです。皆沢さんとの恋愛ですね、そんな夢物語を描いていたようです」
たぶん一瞬だけだが矛先が俺から七宮に移った。
「何が夢物語だ? 可能性は____」
七宮「なんだよ? 深層心理まで読まれたいのか? ロックしてる力解放するぞ? 読んでから恥ずかしい記憶とか考え学校中に広めるぞコラ! あん!?」
小さいから全然怖くねえ……それに相手が全部言い切る前に七宮は反論したから……ビビってんのか。
はあ……30秒も経ってないぞ。矛先戻るの早いな。
「ちくしょーーーーーー! 悠莉ちゃんが天海みたいなボソが好きだったなんて!」
「ちくしょーーーーーー! 悠莉ちゃんが天海みたいな帰宅部が好きだったなんて!」
「ちくしょーーーーーー! 悠莉ちゃんが天海みたいなデカイだけの男が好きだったなんて!」
陽介「お前等……死ぬ覚悟は出来てんだよな? それに俺もう帰宅部じゃねえし!」
「あぁ!? こっちが殺してやるよ!」
陽介「質問に答えればいい」
俺は不敵な笑みを浮かべて、全然笑えない状況にこのベンチを包みこんだ。
「な、ないです……」
6人の声が見事にハモった。
陽介「な〜ら、俺に……文句を言うな」
俺の威圧の所為か? 一人が尻餅をついた。
「それでも! せれでも! まだ! 認めたくない! お前と悠莉ちゃんが付き合ってるなんて……悠莉ちゃーーーん!」
一人の男が空に、いやベンチの天井に向かって叫んだ。
陽介「いや、勘違いするな。付き合ってない」
七宮「えっ? そうなんですか?」
七宮、お前、心を読めるんじゃないのか?。
七宮「読めますけど、本来プライドベートなどは読まないようにしてるんで」
くっ! 心を読まれるのはやはりつらい。読まれたと気が付かなければ効かないが、読まれたと分かると大ダメージだ。
だが、七宮ってその辺は配慮してんのか少しは……偉いな。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/13 15:51  No. 61    
       
七宮「何が偉いんですか教えてください!」
読むな! 心を! てかそんなお前の嬉しそうな顔はじめて見たぞ!。
七宮「はじめまして、嬉しそうな七宮です」
そう言うのいらないから、七宮、時計見える? 今何時?。
七宮「えっ〜と……8時56分ですね」
笹巻「なんだ? この状況、七宮が一方的に話してるようにしか見えないのに何か会話が発生している……」
シリアスになってんじゃねえ! 笹巻!。
七宮「同感です。天海くん」
笹巻はついに吹き出した。まあ、普通の反応だけど、こんだけ七宮が独り言言ってるように見えたら笑うだろ。
陽介「笹巻……は駄目か、七宮、試合開始何時だ?」
七宮「9時ですけど」
陽介「なら、もう始まるな」
俺はベンチに置かれていたポカリを手に取り、一口飲んだ。
そしてポケットに手を突っ込むと色鮮やかな石が入っていた。
陽介「なんだ? これ? すげえ石だな……」
俺が感心していると、審判(球技大会実行委員)が出て来たので整列した。
相手は……2ーCか。野球の出来そうな風格がある奴はいない。以外だな。
うーし! 今日は本気で勝ちに行って、絶対に優勝する!。
第三グランドの「お願いします」とだらしない声と共に花火が一つ、二つ、空に咲いた。
やっぱり時間が時間だし、全然綺麗じゃなかった。
まあ、花火は普通夜だからな。朝とか昼は専門外ってか?。実際そうだけど。
俺にとってはじめての球技大会の1日が、本格的に、はじまった。

5話END
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