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ロックされています  青空に奇跡を願う  名前: 投手  日時: 2012/12/04 20:33    
      
初めての小説ですが、
よろしくおねがいします
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/10 20:01  No. 9    
       
〜〜〜「3話 エースナンバー!!!」〜〜〜

?「何!?」
藤井「だから、エースナンバーを返してほしいんだよ」
?「なんでだよ!?エースは俺だろ!」
藤井「そうだけど事情があるんだよ。な? 頼むからわかってくれ!」
納得のいかない表情を浮かべているが渋々了承したのは大野 信司(おおの しんじ)舞空高校のエース。
最速では144km/hを計測している県内でもトップレベルの投手だ。
藤井「大松先生、お願いがあるんです。」
大松「どうした? 野球部の話か?」
藤井「はい、背番号のことなんですけど」



放課後PM5:20

俺はちょっとした用事がありしばらく学校に残っていた。そして偶然野球部の練習しているグランドを通ったときに心地よいボールがミットに収まる音が聞こえた。

田中「信司さん、エースナンバー返したのって本当ですか?」
信司「ああ、本当だ。なんか藤井がしつこくてな、折れちまった」
田中「へぇ〜そうなんですか。じゃあ1番は誰に……」

あの声は……間違いない田中だ! 田中もこの高校に来てたのか……でもまあ地元だから異常じゃないな。
このとき不覚にも田中に気付かれてしまった。
田中「ん? あの顔は……陽介!?」
陽介「げっ!」
俺はばれてしまったのに気がつくとダッシュでグランドからは見えないところへ走った。

信司「なあ田中、陽介ってだれ?」
田中「俺と中学時代にバッテリー組んでた奴です。」
信司「えっ! お前とバッテリー組んでたってたしか中学最高のピッチャーの?」
田中「はい、そうですけど」
信司「なるほどな、藤井そういうことか!」
このときようやく納得した表情を浮かべた。

この日背番号が配られた。藤井、大野、田中以外はみんな驚いていた。
チームの絶対的エースの大野信司が背番号10であり背番号1が誰にも渡されなかったこと。
そしてちゃっかり1年生の田中が正捕手の背番号2をもらったことだ。
実は田中はすごい選手である。中学通算打率.425盗塁阻止率.685
関東No.2の捕手であった。No.2だ。
No.1は他にいる。

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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/13 17:29  No. 10    
       
田中「やったぜー! 一桁背番号だ!」
信司「よかったな、お前の変化球の捕球には少しハラハラするけど打撃も肩も強いから期待してるぞ」
田中「やった! 俺って意外と期待されてるんだ! ガンガン打ちまくるぜ!」

翌日……

大松「よし! 今日の体育は100M走だ!」
今日の体育も軽く済ませる気だった。だがなぜか体が冴えている、そのせいでつい全力で走ってしまった。
陸上部の金子(かねこ)よりもはるかに前を走った。タイムは11秒09全く体は衰えていなかった。

金子「なあ天海、お前陸上入らねぇか?」
陽介「悪いな、無理だ」
金子は残念そうな表情を浮かべていた。

大松(なるほど、あれが天海か……)

放課後野球部の練習しているグランドの前で立ち止まる。
野球を捨てきれない思いで心の中に変な感覚が走る。
聞こえる快音、さまざまな声、そして……ボールが捕手のミットに収まる音。
1年生と思われる投手が「ナックル!」と言ってボールを投げるが全く変化せず打者に完璧にジャストミートされた。
こんな光景は……俺にもあった。



ただただ時間が進んだ、なにもせずとも時間は過ぎていく。
ついに……5月9日。

信司「どうした藤井? キョロキョロして?」
藤井「いや! なんでもない!」
藤井(やっぱり……来なかったか。)

藤井「今日は頼むぞ! エース!」
信司「ああ! もちろんだ!」
田中「信司さん! ノーヒットノーランやっちゃいましょう!」

そのころ俺は、ソラの病院にいた。

3話END
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/15 19:37 修正3回 No. 11    
       
〜〜〜「4話 ソラの部屋」〜〜〜

………………………………
ここに来た時はいつも無言だ。目も閉じている。
開こうとしても開けない……。
突然病室のドアが開いた。
?「あら! 陽介君!」
陽介「こんにちは、おばさん」
入ってきたのはソラの母の幸子(ゆきこ)さんだった。
幸子「丁度いい! 明後日暇だったら家に来てくれない?」
陽介「別にかまいませんけど……」
幸子「じゃあ、お願いね!」



〜〜〜明治神宮第二球場〜〜〜
田中「信司さん! あと一人!」

スコアは4−1舞空高校のリード、9回裏二死一塁、カウント1−2。
バックネットにはプロ野球のスカウトが数人。
信司「ここは全力で……」
投げた球は見事に打者のバットを避けてミットに収まった。
次の球も同じような軌道で進んでいたが打者のバットの目前で大きくスライスした。
この日13個目の三振で切って取った。
藤井(結局天海はこなかったか……)

田中「ナイスピッチーング! 信司さん!」
信司「おう! 次は完封するけどな!」
田中「お〜! さすがは信司さん!」
?「藤井さん、最近調子上がってきてますね。」
藤井「まあな、でも桐生(きりゅう)お前も相変わらずやるな〜4打数3安打」
桐生「一本はポテンですけど……」
藤井「相変わらず謙虚だな〜ポテンをアウトのしても打率.500だろ?」
桐生「そうですけど」

翌日の二回戦も5−0で舞空高校が勝利した。間違いなく舞空高校歴代最高の戦力がそろっている。
最速144km/hにキレの良いスライダーを武器にしているエース大野信司。
打撃守備ともに安定している主将の藤井拓巳(ふじいたくみ)。
巧打好守の打率.450の遊撃手桐生京介(きりゅうきょうすけ)。
強肩強打の1年生捕手田中勝。
今年がまず間違いなく最強のメンバー、甲子園に一番近いのが今年だ。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/17 17:18  No. 12    
       
田中「結構調子いいっすね!」
信司「たしかに調子はいい、だが次の相手は強豪の西城学院(さいじょうがくいん)だ」
藤井「クリーンナップは異常だ。1、2回戦ではクリーンナップだけで本塁打3本に14打点、エースは左のサイドスローでシュートが厄介。俺達でもせいぜい5点がいいとこだ」
信司「秋は6−3で負けたからな、今度は勝つぞ!」
田中「……強豪か」

翌日 5月11日

俺はソラの家に到着するとインターホンを押して幸子さんが出てくるのを待った。
数秒してから幸子さんが出てきた。そして言い放った言葉が「ソラの部屋掃除してくれない?」だった。
陽介「……えっ、掃除?」
幸子「そう、じゃあお願い。ハイこれ!」
渡された物は雑巾やマスクなどの掃除に関係するものばかりだった。
陽介「でも……入っていいんですか? ソラはいつも俺を部屋に入れてくれないんですけど……」
幸子「そりゃ汚いから入れたくないのよ」
陽介「そうですか……」


〜〜〜神宮球場〜〜〜

桐生「西城学院……やっぱりでかいですね」
信司「そうだな、まさに強豪って感じがする」

田中「今日勝ったらシード権獲得でしったけ?」
藤井「ああそうだぞ」
田中「信司さんの負担を減らすためにも勝たないといけませんね」
藤井「そうだな」
藤井「よし! もうすぐはじまるぞ! みんな、絶対勝つぞ!」
全員が返事をしてみんなのやる気は十分だ。と藤井は感じ取った。


〜〜〜ソラの家〜〜〜

陽介「あの……本当にいいんですか? なんかソラに悪いし……」
幸子「大丈夫! あの子からしたらあなたは特別だから」
なぜか特別という言葉が胸に響き渡る。そしてなにかが引っ掛かっている。なんだか頭が重い……
少し強引にいれられた感じだったが俺はソラの部屋に入った。
このとき衝撃が体中に走った。後悔をして、罪悪感も感じてしまった。
俺の考えは間違っている、そう思った。
ソラの部屋には野球関係のものばかりが置かれていた。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/18 20:06  No. 13    
       
陽介「これは……」
幸子「汚いでしょ」
たしかに汚い、だが野球関係の荷物が部屋の面積の半分程を占めている。

幸子「実はあの子、小学生の時は野球やってたの」
陽介「えっ、野球を?」
幸子「そう、あなたはわからないかもね、相手チームなんてあなたにとっては相手は踏み台でしょ」
俺は下を向いた、そのとき落ちていた写真が目に入った。
そしてその写真を拾うと俺の投げている姿が写っていた。
俺は唇を噛みしめていた。
陽介「……ソラにとって俺が特別ってどうゆういことですか?」
幸子「実はソラはあなたのことを少年野球のときから気にかけていたの」
小学時代から? ありえないまともに対面していないのに、絶対にありえない……

幸子「あなたと一回対戦しただけで顔を覚えたみたい、本当はあの子中学でも野球部に入ろうとか言ってたんだけどあなたと同じ学校だから辞めておくって、それ以外はなにも言わなかったけど」

………………………………………………
ソラにとって……俺は特別だった。
でも、俺にとってのソラは……当たり前だった。
当たり前の物は、初めて失って辛さを感じる。
つまりそうなるまでは……なにも感じなかったのかもしれない。

陽介「すいません、俺……行きます」
幸子「どこへ?」
陽介「全部終わったら、帰ってきます」
そしてダッシュで走りだした。
陽介「ごめん……ソラ俺間違ってたよ」
そのまま俺は病院へ向かった。


〜〜〜神宮球場〜〜〜

3回表二死二三塁スコアは1−0西城学院の攻撃。
信司「1点ビハインド……ここは抑えないと」
セットポジションから投じたボールはスライダー、スライスし始めたとこを叩かれた。
打球は伸びて行きライトスタンドへのホームランとなった。
これで4−0重く圧し掛かる失点となった。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/21 16:51  No. 14    
       
ついに俺はソラの病室の前まで来た。
ゆっくり、ゆっくりと扉を開ける。そこにはあの日からまったく変わっていないソラがいる。
陽介「ソラ……俺行くよ、……だからお前に誓う! 必ず、必ず甲子園で優勝する! だからお前も目を覚ましてくれ……ソラ」
そして俺はペンダントをちぎってソラの枕もとに置いた。
陽介「俺は……奇跡を願うよ、あの青い空に」


〜〜〜神宮球場〜〜〜

内野手がマウンドに集まっている。理由は大野がスリーランホームランを打たれた後に再びピンチに陥ってしまったからだ、しかも満塁の大ピンチである。4−0これ以上点を取られるまずい、必ずこのピンチをしのがなければならない。
田中「信司さん、自信持って行きましょう。満塁ですから守りやすいですから打たせて取りましょう!」
桐生「俺の所に打たせてください! どんな打球でも必ず捕ってアウトにしますから!」
藤井「信司打たせていいからな、みんなこんな場面だからって緊張してエラーするような奴らじゃねぇ」
信司「わかった、お前達に託したぞ」
内野全員が各ポジションに戻るとセットポジションからゆっくりと投球動作に入る、そしてボールを投じた。
投じたボールは低めからやや落ちてボールになった。フォークだ。大した変化量ではないが打ち取るには十分な変化量だ。
田中(このバッターいい選球眼してるな、この場面ではかなり厄介だ)

バッテリーでサイン交換が行われたあと、セットポジションに入る。そして投じた球はインローのストレート、打者はこの球をフルスイングして完璧に打ち返した。打球はサード藤井の2Mほど左横をライナーで抜けた……かと思われた。
だが打球に藤井が飛び込みグローブに当てた。ボールは軌道を変えてショート桐生の守備範囲へ向かい始めた。
その球を桐生はしっかりと捕球して正確に一塁へ送球した。
舞空高校は見事にこのピンチをしのいだ。

この後、5回表に再び1点を取られたがその裏に2点を返して5−2、そして7回裏に舞空高校にとっての奇跡が起きた!

突如ベンチの裏から足音が聞こえ、ある人物が入ってきた。
そう、その男は俺、天海陽介だ。

4話END
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/23 21:01 修正1回 No. 15    
       
〜〜〜「5話 再スタート」〜〜〜

田中「陽介!」
藤井「天海……お前、来るならもっと早く来いよ!」
俺はスコアボードを見上げた。
陽介「5−2……3点ビハインドですか」

田中「いいから早くこのユニフォーム着れ! キャッチボールするぞ!」
田中に投げつけられたユニフォームの背番号はエースナンバーの1だった。
陽介「背番号……1?」
信司「ああ、今日はお前がエースだ。」
俺はうなずいてからユニフォームに腕を通しはじめた。
陽介「よし! 行くぞ田中!」



?「エースナンバー? 今ごろ出てきても遅い、引導を渡すために8、9回で10点取ってやる。」
こいつは木下剛太(きのしたごうた)今日大野さんからホームランを打っている背番号15の1年生だ。
藤井「次は桐生→大野か、この二人今日あたってないからな」
2番打者の佐伯(さいき)は三振に倒れて一死ランナーなし。
3番の桐生さんは初球のシュートを打ち損じてライトフライ、4番の大野さんは外角のストレートを上手く合わせたが不運にもショートの真正面。

田中「出番だぞ! 陽介!」
俺はゆっくりとマウンドへ向かい始めた。

交代のアナウンスが行われている。このとき大野さんから何か言われたのだが俺は集中力を最大まで上げていたため全く聞く耳を持たなかった。

……俺はまた、このマウンドに戻ってきたのか……この神宮のマウンドが最後になったはずだったのに、また戻って来てしまった。
今度は逃げない、何があっても甲子園を優勝する。だからこのマウンドは……俺の再スタートだ!!!!!

俺はマウンドに到着するとマウンドを慣らし始めた。正直久しぶりのマウンドのため不安が積もる。
だが、俺はその不安を打ち消して投球練習を始めた。速球表示は悪くない、だが球威がまだイマイチだ。
西城打線は2番からの好打順、嫌な打順からはじまってしまった。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/25 13:15 修正1回 No. 16    
       
2番大城(おおき)がバッターボックスに入った。
陽介「先頭だし……まあいいか」
俺は思い切って第一球を投げ込んだ、だがボールは、右打席に立っている大城の背中の後ろを通り抜けた。
ボールはバックネットに一直線に進み最後はバックネットに当たり大きな音をたてた。
速球表示は147km/h、このまま俺は全力で投げ続けた。
第二球は田中の頭をはるかに越えるボール、三球目も四球目もストライクゾーンを通る気配のないボールだった。だがどのボールも145km/h以上の速球であった。
藤井「天海、お前大丈夫か? コントロールメチャクチャじゃねえかよ」
陽介「ええ、もう大丈夫ですよ」

西城学院の3番打者清水が左打席に入った。豪快なスイング、当たってしまえば140M級の本塁打になりそうだ。
俺は肩を回し深呼吸をしてからセットポジションに入った。
初球、投じた球は田中がジャンプしてギリギリだが捕球した。
もう一度深呼吸をしてセットポジションに入った。このとき清水からはスイングする気が全く伝わってこなかった。
初球、リリースの瞬間になにかを感じた。
その投じたストレートは俺の狙った外角低めに構える田中のミットに吸い込まれた。
清水は手が出る筈がなかった。完全に見逃す構えだったからだ、審判は「ストライク!」とコールした。
このときようやく俺は自分のリズムを掴みはじめた。
藤井「とんでもないな、あれがストライクゾーンに入ったのを見ると……148km/hか……やっぱり化け物だな。天海陽介」
二球目は高めのボールだったが清水はスイングしてきた。快音が響き渡り、打球はライトポールのわずかに右横、ファールだったが飛距離は130M近く飛んだだろう。
西城学院のクリーンナップは伊達じゃなかった。こんな打球を打つ打者がまだ二人も控えているとなると体中に寒気が走る。
約九ヶ月ぶりの試合でのマウンドが都内最強打線……運が悪すぎるなこれ……

5話END
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/26 10:46  No. 17    
       
〜〜〜「6話 VSクリーンナップ」〜〜〜

第三球は内角高めへのストレート、清水はフルスイング。
打球はファーストベースの横を通って行きファール。
信司「まさか天海でも抑えれないのか? あと1点でも入れられれば……確実に負けだ、頼む天海!」

木下「大した球じゃないな、たしかに速い。だが打てる」
第四球、俺は足を上げた時に笑みをこぼした。
陽介「西城学院……たしかにすごい打撃みたいだ、だけど俺には……届かない!!!」
投じたボールは清水のバットの上を通って田中のミットにおさまった。
清水「何!? 速くなった?」
田中「速くなってねぇよ、スピードガン見たら146km/hだろ?」
清水「あいつ……何者だ?」
田中「化け物だよ、20年に一人のな」

木下「喜田内さん! コンパクトにいきましょう!」
喜田内「1年が指図するんじゃねぇよ!」
イライラの表情を見せながら右打席に入った喜田内……デカイ、190cmはでかすぎるな……でもそれくらいあるな。
外野が下がり始めた、やがてフェンスまでわずか5Mほどの距離まで下がった。
…………そこまで打つのか?
陽介「藤井さん! 喜田内のデータは?」
藤井「なぜ俺に聞く!?」
桐生さんがマウンドにかけよってきた。
桐生「高校通算本塁打45本、長打率.764実績は関東No.1の打者だ」
関東No.1……清水よりもはるかに上だな。緩急で打ち取るか、でも合わせられた時は悔いが残ってしまう。ストレート一本だ!
桐生「ちなみに喜田内はセンバツで151km/hをホームランにしてるからな」
              ・・・
陽介「ありがとうございます、きりうさん」
          ・・・・
桐生「……天海、俺はきりゅうだ!」
陽介「すんません次から気をつけます」
桐生「なんで棒読みなんだよ!!!」

桐生さんとの喧嘩? が落ち着き、俺はセットポジションに入った。
ゆ〜くりと足を上げて最後は鋭く腕を振る。喜田内は清水よりも豪快なスイングだった。
だがバットは空を切る。145km/h、なんとバットの出るタイミングが早かった。145km/hなのに……とんでもないスイングだ……。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/26 14:35  No. 18    
       
喜田内を空振りさせることができた。だがまだ全然気を抜けない。
喜田内は打席を外して2、3回スイングする。やがて打席に入ると地面を慣らし始めた。
空振りしたのに落ち着いている。喜田内……この人は確かにすごい、甲子園でもスターになれそうな選手だ。
この人を打ち取れないと甲子園優勝なんて夢で終わってしまう。たとえ相手が自分より上でも打ち取らなければ勝っていけない。
1年VS3年であっても関係ない、勝たなきゃいけないときは絶対に勝つ! 西城のクリーンナップ? 全員三振で抑えれるくらいじゃないとまたあいつに打たれる。
西城学院は強い! でも俺はもっと強いはずだ! 絶対抑えれる!
喜田内(こいつ、すごい気迫が伝わってくる。だが必ず打つ! 打ってとどめを刺してやる!)
第二球、内角高めへストレートを投じた。ボールは田中がキャッチャーミットの中にしっかりとおめていた。ツーストライク、追い込んだ。
陽介「この球で決める」
第三球、投じた球は真ん中に向かっていた。
喜田内はスイングを始動する。だが喜田内のバットは初球とは異なり振り遅れての空振り、見事に三球三振で抑えた。
信司「関東No.1に対して……三球ストレートで、バットに当てさせなかった……すげぇな天海」

渋々喜田内はベンチに戻ろうとしていた。だが5番の木下が喜田内の肩を掴んだ。
喜田内「痛っ!」
木下は喜田内をまるで獣のような目で見ていた。
木下「なんでコンパクトに振らなかったんですか? 結果三振じゃないですか。肩の骨折りますよ?」
喜田内「ぐっ! すまん次からは気をつける! だから離してくれ!」
木下は手を離し打席に向かった。
田中「…………審判……タイム……」
田中が青ざめた顔でこっちに向かってくる。
田中「マジで怖い……木下やべぇやつだ……」
陽介「どんな感じだ?」
田中「肩の骨折るとかそんなこと言ってた」
陽介「藤井さん、木下のデータ」
藤井「知らねえよ! なんで俺に聞く!?」
外見ではあまり怖気づいてない俺だが、実はかなり怖気づいていた!

デケェェェェェェエェェェェエェ!!!!! 2Mくらいあるよな? しかも何? あの顔! 殺人鬼? 嫌だぁぁぁ! こんなやつに投げたくねぇ!
こんな内心であった。

6話END
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/28 14:47  No. 19    
       
〜〜〜「7話 脅威!木下!」〜〜〜

田中「陽介? どうしたんだ?」
陽介「いや、なんでもない」
ぜぇぇぇぇぇたい!!! 殺人鬼だよあいつ! どうしよう……歩かせるか? でもそうしたらなんか超カッコ悪いし……どうする?

桐生「とりあえずこいつに長打を打たせなければいい、お前と同じ一年だ頼むぞ天海!」
陽介「えっ一年?」
田中「ああ、じゃ頼むぞ!」
内野が自分の各ポジションに向かった。
俺は一球牽制をした。そしてじっくり時間をかけてセットポジションに入る。
もう吹っ切れたような顔で俺は初球を投じた。
内角高めへのストレート、一瞬で快音が響いた。
打球はレフト線へのライナー、俺からはフェアかファールかわからない、打球はワンバウンドしてフェンスに到達した。だが審判のジャッジはファール、助かった。
第二球、外角低めへのストレート。
木下はこの球を狙っていたかのような笑みを見せた。
まるで光のようなスイングで俺の投じた球を捕らえた。
打球はライトポール際に遠く高く飛んでいった。西城学園側のスタンドからは歓声が響いた。

田中「どうだ? 陽介の球の感想は?」
木下「とてつもない、ただの148km/hじゃないな振り遅れた」
打球は場外に消えたがファール。
陽介「木下……お前とはもっと別の状況で勝負したかったよ」
第三球、俺は外に外した。

第四球を投じる前に俺はタイムをとって田中を呼んだ。
陽介「田中あいつを三振にとるには」

大松「あいつらタイム多いな、何を話してんだか」
信司「重要な場面なんだよ、わかんねえのかよゴリ松」ボソッ
涼「ちょ!? 信司さん! 聞こえますよ! ゴリ松に聞かれちゃまずいでしょ!」ボソッ
信司「ああ、すまん! でもお前よくベンチ入り出来たな1年なのに」
涼「田中はレギュラーじゃないですか」
信司「まあそうだが」
涼「ところで信司さん……天海? 彼は?」
信司「試合終わったら説明するから今は待ってくれ……」

陽介「わかったな」
田中「ああ、任せろ!」
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/30 14:54  No. 20    
       
俺はロジンを拾い上げた。
手に大量の白い粉が付いた、俺はロジンをプレートの斜め後ろに置き、手に付きすぎたロジンの粉を軽くフッっと吹いた。
田中はもう戻っている。いつでも投げれる状態だ。
俺がセットポジションに入ると木下が大きく構えた。
ただですらでかいやつだ、大きく構えられると異常な威圧感を感じる。
やがて第四球を俺は投じた。ボールにスピードがない、チェンジアップだ。
木下は態勢を崩した。だがバットに当てた、田中の5Mくらい後ろに飛んだ。田中はボールに飛び込んだが届かずファール。
予定ではこれで空振るはずだった、でも大丈夫だ次は確実に振り遅れる。
第六球は当然ストレート、振り遅れの三振! とはならなかった。
振り遅れるどころかタイミングはドンピシャだった。紙一重でバックネットへのファールとなったが今のファールでストレートは封じられた。だが無理に緩急で打たせようとするとミートに徹されて上手くはじかれる。
だが俺はこいつにも勝てる、絶対の自信がある。
カウントは2-1完全に俺が完全に有利なカウント状況的にも今なら問題ない。
俺は再びロジンを拾った、この時木下から野次が飛んできた。
木下「おいコラてめぇーーー! ささっと投げろ! このチキンが!」
陽介「安心しろよ! 今投げってやっからよッ!!!」
俺はロジンを地面に投げつけた、白い粉がマウンドに舞い上がる。
そして俺は振りかぶった
信司「おぉ〜キレてんなあいつ」
涼「それよりいいんですか? ワインドアップで!?」
信司「いいんだろ……たぶん」
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/30 20:12 修正1回 No. 21    
       
俺の投じた球に球威はなかった。
木下の口元に笑みがこぼれ、木下はスイングを始動した。
おそらくスピードは130km/hほど、木下からしたら絶好球なはずだ。
俺の投じた球は木下のバットに吸い込まれていた……バットに当たる寸前までは!
俺の投じた球は木下のバットの寸前で大きく落ちた。
だが木下も並みの打者ではなかった。
木下は落ちたボールに反応した、完全に頭にない球を投げたのに反応した、かなりの打者だ。
陽介「でも、残念」
ボールは木下のバットをかわしてワンバウンドで田中のミットの中、俺は木下との勝負に勝った。
木下「縦のスライダーか……」
田中「ど〜ん〜まい! ハゲ!」
田中はダッシュでベンチに逃げて行った。
俺は木下と目があってしまった。目がかなりこわい……。
陽介「え〜っと……その頭って、天然ハゲ?」
木下「だれが天然ハゲだぁぁぁぁぁ!!!!!! スキンヘッドじゃぁぁぁ!!!!! 覚えとけこのチキン!」
木下「……って! もういねえし!」
藤井「天海! やるなお前! 西城クリーンナップを三者連続三振! すげぇじゃねぇか!」
陽介「どうも」
木下にはまじでびびったけど…………。
信司「なんだお前木下に対しての最後ストレートだと思ったのに……変化球? しかもキレてたし」
田中「サインですよ」
信司「えっ?」
田中「ラストの変化球はサインです。4球目の前に俺が呼ばれたのはラストの変化球のことなんです」
陽介「木下はストレートだけでは抑えれないと思ったんで田中に俺がロジンを地面に投げつけたらスライダーって伝えたんです」

この時バックネット裏が騒がしかった。
?1「見たか? あの変化球あれが中学時代陽介を支えていたが速球の陰に隠れていたボールだが、並のキレじゃなかったな」
?2「ああ、140台後半とあのスライダー……簡単には打てんな……それよりお前敬語使えよ! 1年のくせに!」
この二人の着ているユニフォームの胸には天神学園っと漢字で迫力のある文字が記されている。

天神学園……高校野球界最強のチーム、甲子園出場は春夏合わせて85回優勝38回……最古で最強、何もせずとも全国からスーパープレイヤーがやってくる。
今や神秘化した高校、天神学園!
残念なことに地区は……舞空高校と同じ……西東京だ……。
7話END
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/30 22:37  No. 22    
       
〜〜〜「8話 勢いの恐ろしさ」〜〜〜

8回裏の攻撃は5、6、7と三人で終わってしまった。
西城学院エース松島のシュートを詰まらされて凡退していく、西城学院のエース……やはり簡単には崩せそうにない。
俺は小走りでマウンドへ向かった。
久しぶりのマウンド……2イニング目に入ると心地よく感じる。
俺は9回表を8回に続き三者連続三振で抑え込んだ、つまり六者連続三振。
藤井「ナイピッチ天海!」
陽介「どうも……最後の攻撃ですか」
藤井「ああ、4点取らねぇとな」
先頭打者は8番竹田さんどちらかというと打撃より守備に傾いている人のようだ、あまり期待はできない。
竹田さんは5球目のシュートを空振って三振、次は9番田中だ。
こいつはこんな場面では強い、絶対打つだろう。
田中は軽く体操をして打席に入った。
そしてバットを突き上げてから構える。動作は中学時代とまったくかわらない、田中はあのシュートをどう打つだろう?
初球はカーブだった。だが田中はお構いなしに振って行った一塁線のわずかに横でファール。
陽介「やっぱりまったく変わってないわけじゃないのか」
信司「どうだった? 久しぶりのマウンドは?」
陽介「え〜っと8回表はちょっとあれでしたけど9回表は心地よかったです」
信司「そうか、それは良かったよ」
陽介「大野さん、打線は上位まで繋がりますかね?」
信司「繋がるよ絶対、まだだれもあきらめてないからな。それと気安く信司でいいよ堅苦しいのは嫌いだからさ」
このとき快音が聞こえた。打球は右中間を抜けてツーベースヒットふつうの足ならスリーベースだけど……。
陽介「わかりました、用意しときます逆転には俺まで回ってこないと出来ませんからね」
信司「当然だ頼むぞ陽介!」
ゴリ松「よし! 涼行け! 代打だ!」
涼「えっ?」
舞空ベンチ「えっ?」
涼「僕ですか?」
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2012/12/31 17:20 修正1回 No. 23    
       
涼「でも僕はまだ一年だし、あんまり打てないしぃ」
信司「涼ぉぉぉ! お前なら大丈夫だ! 自分を信じろぉ!」
陽介「二人ともなんか壊れてね?」


?2「なんか舞空ベンチもめてね?」
?1「気にするな、おそらく勝つのは西城学院だ」

陽介「お前、名前は?」
涼「鈴木涼です」
陽介「じゃあ涼、8回の向こうの守備を見たところ三遊間は他のメンバーに比べると下手だ。狙って来い」
涼「三遊間……」
涼は三遊間、三遊間ぶつぶつ言いながらエルボーガードとバッティング手袋を付けていた。
三遊間ってなにかの呪文? 怖いよ。

木下「代打みたいですね」
松島「みたいだな、160cmくらいか?小せぇ代打だな〜」
木下「シュート中心でしっかりね」
松島「わかったよ」
涼がバッターボックスに到着した。まだぶつぶつ言ってるようだ、理由は捕手の喜田内がなんか気味悪がってるから。
涼「転がす……転がす……コロガス…………」
喜田内(なんだこいつ超気味わりぃんだけど! しかもなんか途中からカタコトになってるし!)
喜田内(……とりあえず……シュートで行こう)
信司「それよりさ、三遊間が下手ってマジ?」
陽介「いえ、バリバリの嘘ですね、むしろ上手そうです」
信司「……そんなとこ狙わせていいのかよ……」
陽介「駄目ですね」
信司「うおぉい……まじかよ」
そんな話をしている間に投手の松島が投球動作に入っていた。
初球はシュート、手を出す気配もなかった。左の涼からしたらシュートは内に食い込んでくる。打ちにくいはずだ。
桐生「狙うならカーブだ」
信司「うお! 桐生!」
陽介「同感です。きりうさん」
桐生「うん、もういいよ」
第二球はまたもやシュートだった。それを平然と見送る涼。
桐生「狙いはあいつもカーブっぽいな」
陽介「もしかしたらストレートかも」
桐生「てめっ! 突っかかってくんじゃねぇよ!」
第三球もシュート、内に食い込んでくるシュート。それをバックネットへのファール。
ゴリ松「シュート来るぞ! しっかり叩け!」

藤井「ゴリ松のやつ、本当に試合見てたのか? 涼の判断正しいだろ、みんなシュートを引っかけて凡退してるのに」
第四球もまたシュート、今度はライト線へ強い打球が飛んだがファール。
陽介「今のでシュートは投げにくくなった、バッテリーどうする?」
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/01/01 22:26  No. 24    
       
松島(シュートを綺麗に打ち返された、これ以上シュートの連投は危険だが……明らかにシュート以外を狙ってる、どうすればいい……)
喜田内(ボール気味でいい、外にカーブだ)
松島は喜田内のサインにうなずいた、だが表情は冴えてない。決まった。
陽介「おそらく外にカーブです。ボール気味を狙ってね」
藤井「勘か?」
陽介「100%的中ですよ」
桐生「お前、未来予知できるわけじゃねぇだろ? 決めつけるなよ」
陽介「でも、高校生にボール気味に投げれるコントロールなんて……ないんですよ」
松島は涼に対しての五球目を投じた。外のカーブコースは外に外れていない。
涼はこの球を三遊間へ打ち返した。
ショートの水瓶は深い位置で打球に追いつく、その後一瞬で態勢を立て直し一塁へ好送球。
だが涼も速い、判定はギリギリになる……かと思われた。
突然ファーストの2Mくらい前でボールの威力が失われてファーストはボールをショートバウンドで捕球した。
少し涼のほうが速くセーフの判定、これでランナー一塁二塁。
正直今のはサード行けてたと思う。田中の鈍足には悩まされる。
まあなにはともあれチャンスを広げた。打順は上位、俺までになんとか2点取っておいてほしい……まじで。
だが俺の願いが弱かったのか2番の宮内さんは三振。
陽介「桐生さんってすごいんですか? なんか大したことなさそうなんですけど」
藤井「あいつはすごいよ、イマイチパワーには欠けるけどバットコントロールの精度は相当なものだ」
陽介「へぇ〜そうなんですか」
ツーアウト、もうあとがない……負ける可能性が一気に高くなった。
信司「桐生が打てば、お前も打つと思うぜ!」
陽介「えっ?」
信司「あいつは、打線に火をつける打者だ。勢いを舐めたら怖いぞ! 俺が4番だった理由は桐生がいたからだ」
初球から快音が響いた。
打球はライト前クリーンヒット。
陽介「どうやらあの人は1番タイプですね」


8話END
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/01/04 16:11  No. 25    
       

〜〜〜「9話 光の一打!!?」〜〜〜

二死満塁、一発逆転のチャンス。
ベンチからはたぶん「あいつピッチングはすごかったけどバッティングはどうなの?」的な声が上がっているだろう。
本来は今打席には絶大な信頼感を誇っているはずの信司さんがいたはずだが……。
まあ代打を出さないことは気にしないで行こう。
普通の監督なら出すはずだけどね……。
この打席は一発狙おう! そう思った俺は細めのバットを持って打席に立った。

信司「えっ! 陽介って左打ちだったんだ」
藤井「ピッチャーなのに……左か、少しは期待してもいいかな?」

俺に対しての初球、松島が投じてきた球はシュート。
インコースに食い込んでくる。
フルスイングしたがボールは喜田内のミットの中。
俺は一度打席を外して一回、二回スイングした。
狙い球は絞らない、絞ったところでブランクのある俺に狙い球が来るまでカットできる保証はない。
それ以前にしっかりバットに当たるかが問題だけど……。
第二球は外角、俺は再びフルスイング。
……だが見事に空を切った。
追い込まれたあと一球で終わってしまうかもしれない。
だけど、俺じゃあ終われない!。
?1「陽介は……チャンスに強かったはずだ……」
田中「陽介ーーーー! 絶対打てよーーー! 中学時代のバッティングだ!」
陽介「やかましいわ! 黙ってろ!」
田中(やっと叫んだよ、少しは元気戻ってんな、良かったよ)

松島がセットポジションに入った。このとき俺の昔の光景が頭の中を掛け向ける。
初ホームラン、サイクルヒット、三打席連続ホーマー、このような記憶が脳内で映像となって見えてくる。
そうだ! 俺は打てる! 今まで打ってきたんだ!
でもはっきりいって……スタンドまで飛んだら……奇跡だな…………でも! 俺は俺の一振りに賭ける!
マウンド上の松島はセットポジションに入る。そしてインコースのショートを投じた。
俺は全力でこの球をフルスイング! 
自分的には最高級の快音が響いた。
打球は低い、セカンドの頭上……。

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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/01/06 22:00  No. 26    
       
打球は低い、ジャンプ捕球できる高さだ……。
だがセカンドはジャンプしなかった、いや…できなかった。
打球はわずか二秒たらずで右中間最深部のフェンスにライナーで直撃した。
ガシャンッっと大きな音がすると観客が打球の行方に気がついたようだった。
観客1「なんだ……今の打球……一瞬でフェンスまで」
観客2「ああ、とんでもねえ……」

?1「正直……驚いたよ、こんな打球が打てたとは……」
?2「やべぇよ……まるで…光の打球だ……」
外野手がボールを拾いに行く、だが拾った時には既に二人目のランナーが生還しようとしていた。

桐生さんが三本間の中間に到達するのと中継のセカンドにボールが渡ったのは同時、微妙の位置だ。
セカンド東は急いで送球する。わずかに送球がそれた。
桐生さんは回り込んでのスライディング。
タッチをかわした! と思ったが桐生さんをキャッチャーの喜田内が豪快なブロック。
タッチアウト、舞空高校は敗れた。
田中「負けた……か」
藤井「5−4…よく戦っただろ」

舞空ナインは足取りが重い中整列した。


9話END
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/01/07 13:23  No. 27    
       
〜〜〜「10話 えっ?」〜〜〜

西城学院に敗北して5日間が過ぎた。
俺はいまごろだが野球部に入部。
今の状況は最悪だ、理由は校長がある理由で退職が決まった。
なぜかその怒りを野球部にぶつけた。
ほとんどの部員が退部、31人いた部員が今はわずか8人……試合も出来ない人数になってしまった。
藤井「……本格的にやばいな、呑気にキャッチボールなんかしてらんねぇよ」
陽介「でも、やることないでしょ」
田中「あと一人残ってくれていれなぁ〜」
涼「最低あと一人……探します?」
信司「でもなぁ〜、評判ガタ落ちしたんだぞ」
幸いなのが主力メンバーが残ったこと、不幸中の幸い?
桐生「メンバー探したほうがよくないですか? 8人って試合も出来ませんよ」
藤井「そうだな…探すか! いいな! 一週間で絶対一人は引き込めよ!」


陽介「そんなに簡単じゃないと思うけどな…」
田中「ま! ガンガン行こうぜ!」

ただ黙々と勧誘する……………………………が誰一人として連れてこれない……。
陽介「終わってる…もう勧誘初めて5日目だぞ……」
金子「ん? 天海じゃん! なに? 野球部入ったの?」
陽介「そうだけど…あ! どうだ! 野球部入らねぇ?」
金子「う〜ん……弱いとこでやりたくないんだよなぁ〜俺、悪い! 無理だ!」
陽介「大丈夫だ、今年から強くなるよ」
金子「でもこの前の三回戦負けたんだろ? 結果が出てないし…証明出来たら入ってやるよ」
陽介「証明なら簡単だ、グランドに来い」

そのころ…………

藤井「信司! どうだ?」
信司「未経験の帰宅部を2人…顔を出すのは試合だけだとよ、で、お前は?」
藤井「少年野球をやってたやつを1人」
信司「これで最低ラインはクリアだけど……・」

俺と金子はグラウンドにやってきた、俺は金子にヘルメットとバットを渡して打席に立たせた。
金子「なんだなんだ?」
陽介「俺の球見ればわかるよ」
俺は全力で投げ込んだボールはベースの上を通ってバックネットへ。
金子は構えた態勢のまま動かない。
金子「もう一球…」
陽介「ok…」
次も全力で投げ込んだ。だが次は金子がスイングした、キィィィンと心地よい打球音が響いた。
陽介「えっ?」
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/01/07 13:50  No. 28    
       
金子「当たった…145くらいか?」
ボールは実際ならキャッチャーフライだが俺の球を当てたことに問題がある。
陽介「…………え〜…当てられたぁ〜」
金子「そう落ち込むなよ! 俺経験者だし」
陽介「まじで!?」
金子「ああ、中学の軟式で全国ベスト16の1番打者だ!」
全国ベスト16……たぶん向こうは俺が驚くと思っているだろう。
でも驚かんぞ俺は! なぜなら全国優勝経験5回だからな。
陽介「よし! 入部決定な」
金子「勝手に決めるなよ!」
金子「それより驚けよ! 全国出たんだぞ!」
陽介「俺はシニアで優勝5回」
金子「……すいません……」
金子「ん? でもシニアで優勝って中学No.1の天海がいたから無理じゃね?」
俺は自分に人さし指を向けてニッコリ笑った。
金子「……天海…陽介? あの…天海?」
俺はうなずいた。
金子「………………入ります…野球部…」

陽介「よ〜し! もう敬語といていいぞ」
金子「お、おぅ…」
こいつ…バカだな、田中クラスの、扱いやすいなこういうやつは。
陽介「で! ポジションは?」
金子「センターだ!」
俺は残っている野球部のメンバー全員に連絡をした。「神宮球場に今から1時間以内に来るように」っと。
陽介「金子神宮へ行くぞ」
金子「えっ? なんで?」
陽介「都大会決勝、天神学園対…西城学院、この試合を見に行く」
金子「えっ?」   


10話END
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