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ロックされています  青空に奇跡を願う  名前: 投手  日時: 2012/12/04 20:33    
      
初めての小説ですが、
よろしくおねがいします
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/25 18:02  No. 82    
       
明朝5時12分、目が覚めた。昨日から、嫌な予感しかしない。
鶴崎……この前、俺の目の前で消えた。本当に何者なんだ?。
陽介はベットから立ち上がると、オーブンに食パンを入れて焼きはじめた。
その間に冷蔵庫を開け、牛乳を取り出し、大体300mlくらいのコップに牛乳をついだ。
それからはパンが焼けるのを待つだけだ。
それから1分ちょっと待つと、パンが焼けおわった。そのパンに陽介はいちごジャムを塗る。
陽介はその間考え込んだ。
鶴崎と辞めて行った野球部員たちのことだ。陽介は自分の体の危険信号が点滅しているように感じた。
それからを色々なことを考え込んだ、気づけば6時、一体何分考え込んでたんだよ!。
だが皿の上のパンとコップにつがれていた牛乳はない、無意識の間に飲み食いしたのか……?。
自分をすごいと思うよ、まあはじめてじゃないが。

6時30分、陽介は家を出発した。集合は8時、早すぎると自分でも思うが気にしない。
家に居たって何もないしな。陽介は歩いて12キロ先の舞空高校へ向かった。ちなみに戸島区では12キロでも高校だと近い方だと覚えておいた方がいい。
なぜなら遠いやつはどの高校も30キロくらいはあるのだから。でもまあ平均は20キロいかないくらいだと思うけど。

何度も道草を食ったために結局舞空高校に到着したのは7時40分、途中本当に電車に乗ったのか? と疑問を持たれるスピードだろう。
実際乗った、が、道草を食いすぎてここまで時間がかかってしまった。
だが間に合っているのだからどうでもいい。陽介は部室のドアを開けると「ちーっす」と軽い挨拶。
そしたら部室にいた部員全員から返事が返ってくる。
「陽介ー今日先発どっちにするー?」
「俺が先発完封でいいんじゃないんですか?」
「はっはっはっー大した自信だ。さすが陽介」
「バカ、たとえ天海がパーフェクトで投げてても途中で信司に代えるよ」
藤井さんは漫画を読みながら言った。ページをめくると少し吹き出した。
何だよ、どんな話か少し興味がわくじゃねえか。
「拓巳、今日の相手ってどこ?」
「明蘭学園だ。10年前に夏の甲子園ベスト4まで進出する快進撃を遂げている」
「じゃあ強いってことか」
「ああ、強敵だ」
それからしばらくして一年組、田中、涼、金子が到着した。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/25 20:34  No. 83    
       
「うーっす。お! 俺らが最後か?」
田中は広い部室を見渡した。30人いた部員が今は10人、3分の1だ。
まったく、どうなってんだってんだよ。
「田中、サッサと着替えろよ」
藤井さんはそれだけいうと漫画のページをめくる。また吹き出した。
だから吹き出すな! 気になんだろ!。
「田中、着替えたら焼きそばパン買って来い」
涼だ。見た目はかなり穏やかだが実は全然違う。パシリはさせるは人は蹴るし。
人は見かけによらんな。と改めて実感したよ。
「こっからコンビニ遠いから」と田中はカバンを置いて言った。
「桐生、そこの歯ブラシとってくれ」
信司さん……部室に歯ブラシって何だよ……。
桐生さんは歯ブラシを信司さんに向かって投げた。信司さんはそれを難なくキャッチする。
信司さんは「サンキュー」と言って座っているパイプ椅子のシミを磨きはじめた。
何やってんだーーーーー!!!。バカなの? バカだよな? バカなんだよなーー!!。
それより誰かツッコめよ! 全員どんだけ自分勝手なんだよ!。まあ俺もだけど。
「うーし、全員着替えたな? アップ行くぞー」
藤井さんが立ち上がると一斉に全員が部室を出ようとしはじめた。
「藤井さん、ゴリ松は?」
「いねえ、だから今日は俺が指揮をとる」
「まじで? 指揮できるの?」
「天海、失礼だな、ゴリ松よかいい指揮すんぞ」そう言うと藤井さんは部室を出た。
舞空のアップは、普通だ。普通すぎて普通以外言葉が出てこない。
まあゴリ松のせいだろう。この普通すぎるアップは、アップに普通とかあるのかは知らないけどな。
アップもランニング、体操、ダッシュ、ラダーのダッシュに差し掛かったところで、名蘭学園のお出ましだ。
「いやー結構いいグランドだ。広さ完璧、だな。」
鶴崎はグランド内をジックリ見ていた。俺と金子を除く全員が鶴崎の引き連れているメンバーを見ていた。
「田中、どうした?」
「いや……だってよお……あいつが連れてるのって……」
何だ? 確かに全員少し見覚えがある。どこだ? どこだ!。
この時、鶴崎が陽介に近づいてきた。部員のメンバーは一塁側ベンチへ向かう。
「よう! 陽介」
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/26 00:01  No. 84    
       
「どうも、鶴崎さん」
鶴崎は微笑むと陽介以外のメンバーを見た。
「気がついてるよね? 彼等は、元舞空野球部のメンバーだ」
は? 何言ってんだ? 名蘭学園だろ? 何で舞空のやつがいるんだよ。
「なんで……名蘭に……」
鶴崎はははっと笑い衝撃の言葉を難なく言った。
「彼等を実験に使った。それだけだ」
「それともう一つ言っておこう。後からなんだかんだ言われるのめんどくさいからな」
鶴崎は間を開けずに言う。
「校長が退職になった理由は死んだからだ、それも世間が隠さないといけない理由でだ。その理由とは超能力、人によって特殊能力とも言われるがな、ちなみにこの前の巨大な光のニュースは能力者によるものだ。実は今は大変なことになりかけている。大変なこととは第三次世界大戦だ。」
第三次世界大戦というワードに全員が反応する。当然だ。しなかったら逆に異常だ。
「そんなの、ニュースでも聞いたこと無いですよ!」
藤井さんが声を張り上げた。
「ったくあせんなよ。これから説明するから。本来は裏の世界だけで収まる筈だった。だが、この前のニュースみたいに、俺のような能力者の存在が政府にバレかけている」
鶴崎は自分が能力者だと主張でもするかのように身体中に雷を走らせた。
この光景に全員が息を呑んだ。この男に、殺される可能性もある……。
「たぶん第三次世界大戦の主な戦闘地は南極だと思うけど、この辺にも被害が加わる可能性がある」
「あの〜日本は戦争しないんじゃないんですか?」
涼が小さく手を上げた。
「確かにそうだが、現実は、そうはいかない領域まできている。早ければ、今年中には第三次世界大戦がはじまっちまう」
陽介たちの後ろから足音が聞こえる。陽介は反射的に振り向いた。
「悠斗、いつまでしゃべっている」
「あせんなよ、ドクター」
この人は……ソラの病院の、院長。
鶴崎は一塁側ベンチへ向かいはじめたがすぐに足を止め、再び陽介たちの方を向いた。
「最後に一つ、言っとくわ。あのチーム、名蘭学園にまったく関係ねえから」
鶴崎は再び一塁側ベンチへ歩きだした。
まさかな、嫌な予感ってのはこれか?。

〜〜「22話 予感」〜〜〜
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/26 13:39  No. 85    
       
沈黙する舞空高校、そのどんよりしたムードのまま試合ははじまった。
投球練習を終えた陽介は、ロジンを手にとっていた。
「天海、嫌な予感しかしない。あいつら、この前と全然体つきが違う」
「藤井さん、知ってます? 俺って一試合3点以上取られたことないんですよ。
だからまあ、安心して見てて下さいよ」
藤井さんは頷くとサードの守備の定位置に歩いて戻った。
さーて、軽くひねってやりますか。陽介はロジンを地面に置くと、田中のサインに二度首を振り、三度目のサインに頷いた。
振りかぶった。

「悠斗、全員のスペックは限界値まで上げてある。9人で陽介に対抗出来るかはお前の采配にかかってるだぞ」
「わかってる」
鶴崎は先頭打者、左打席に入っている中野を見る。わかっているな。肉体改造で50m5秒台まで早くなったお前ならセーフになれる。
初球だ。必ず決めろ。
初球、陽介のボールはアウトロー、最もやりやすいコースだ。行け!。

マウンド上と陽介は目を大きく見開いた。
中野はスイングしていない。
だがバットにボールは当たった。セーフティバントだ。
陽介は急いでマウンドを駆け降りる。だが三塁線上に完璧転がったゴロに陽介が追いつく筈がない。
藤井さんが処理したが、間に合わない。
くそっ、いきなりやられた。ノーアウトのランナーか。向こうはどう攻めてくる?。
強引にくるか? それとも丁寧に少しずつ点を重ねてくるか?。
バッターボックスを見ると2番佐伯が既にバッターボックスに入っている。
陽介は田中のサインを確認する。縦スラかまあこのサインに異論はない。
陽介はサインに頷くと一度ランナーを目で牽制し、セットポジションで本塁へ投球した。
またバント、一点ずつとってくる気か。バカだな、俺に対してじゃあ一個のアウトの無駄も残念な結果に繋がるんだぜ。
今度は藤井さんがもうダッシュボールに突っ込んで来ただが二塁は間に合わないと判断した藤井さんは一塁へ送球。アウト、ワンナウト二塁。
そして次打席に入るのは3番ピッチャー渡里 光(わたり こう)一年らしい。
陽介はセットポジションから渡里に対する初球を投じた。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/26 14:36  No. 86    
       
キインとバットは音を立てた。ふらふらと上がった打球はセカンド、ショート、センターのど真ん中に落ちた。
打球を処理したのはセンターの金子、金子は本塁へ送球しようとしていたが、
ランナーは既に本塁の手前まで来ていたため、あきらめた金子はボールを一塁へ送球した。
「は?」桐生さんがボールの行方に疑問を持っていた。
自分がボールを呼んだのに手元にボールは来ていないからという単純な理由だ。
金子の投げたボールはダイレクトでファーストのミットの中に収まった。
そしてタッチ。結果は驚きのアウト。桐生さんは金子の頭を「ナイス」と言いながらバシバシ叩いた。
「陽介! ドンマイたったの一点だ」
何がたったの一点だ。お前は知ってるだろ。俺が初回に点取られたことないことを!。
陽介は舌打ちしながら地面を蹴飛ばした。

「まさか、陽介から初回に点取れるとはな。よし! 思い切って振ってこい兼村」
鶴崎は兼村の背中を思いっきり叩いて打席へ送り出した。
だがこのとき鶴崎も天海陽介は本当に化け物だと実感させられた。
兼村のバットは一度もボールに当たることなく三球三振。しかもすべてど真ん中のストレート。
「A何キロ出てた?」
「初球148、、二球目も148、ラストが149」
鶴崎は笑ったが完全に苦笑いだ。
そして鶴崎は思った。
あいつは力の制御でもできるのか? 安定しすぎだろ。

「くっそが!」
陽介はベンチを蹴飛ばしてグローブをベンチの奥に投げつけた。
「そんなに荒れるなよ。点取られたのが別に今がはじめてじゃないだろ」
藤井さんは俺の投げたグローブを拾い、ベンチの奥に置いた。
「……はじめてですよ。初回に点を取られたのは」
「まじで!? 陽介、おまえ凄すぎ!」
信司さんはヘルメットを探しながら笑う。どうやら自分のヘルメットが見つかったようだ。
ヘルメットを左手で持ち、85cmのバットを右手に握りベンチを出た。
「まあ、安心しろよ。5点くらいとってやるから」
5点って4番の俺も協力しないととれないだろ。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/04/27 17:25  No. 87    
       
「あっれ〜こんなに速かったんだ〜」
信司さんは肩にバットを担いで投球練習をする渡利を見る。
だいたい140届かないくらいが平均か?。それにしてもサウスポーだからな。
「打てそうですか?」
涼がベンチの入り口あたりで座り込んだ状態で信司さんに話しかけた。
信司さんは涼を見ると微笑んだ。
「俺が期待を裏切ったことがあるか?」
涼は5秒くらい硬直すると、ソッポを向いた。
「後で藤井さんにでも聞いてみます」
信司さんがダイヤモンドのほうを見ると、慌てて打席へ向かった。
信司さんは打席に入ると地面を慣らし、バットを渡利に向け。
「お前らなんかしゃべれよおぉぉおお!!!」
と大声で叫ぶ。
だが全員スルー。洗脳でもされたか? 信司さんかわいそうだ。
やがて信司さんは構えた。渡利がノーワインドアップか初球を投じた。
インハイだ。信司さんはそのボールをきっちりとミートした。
キインと軽快な打球音がグランド内に響くと打球はショートの頭上。
ショートの西はジャンプした。するとボールは西のグローブの先に引っ掛かった。
アウトだ。この打球がアウトになると厳しいぞ。
2番の涼は5球目のチェンジアップを芯でとらえるも、打球は悲運にファーストの真正面。
両方ともヒット性の当たりだったんだが……ツーアウトか。
「なかなかの守備だな」
信司さん、の負け惜しみにも聞こえる発言を隣で金子は耳にした。
「陽介、落ちつけよ。そんな状態で打席回ってきたら三振するぞ」
田中が手でメガホンをつくり、この距離では無駄な音量の声をだす。
てか余計な御世話だ。
桐生さんが打ったのは3球目だろう。質のいい快音が響き、誰もがヒットと思ったが、
ピッチャーの渡利が右手を上に突き上げるとグローブの中にボールが入った。
スリーアウト、チェンジか。すべてヒット性の当たりだったんだが。
まあ、俺は俺の投球に集中するか。
そう考え陽介はネクストバッターサークルを立ち、ヘルメットを帽子に、バットをグローブに持ち替え、マウンドへ向かった。
〜〜〜「23話 VS舞空高校」〜〜〜
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/05/09 19:52  No. 88    
       
2回の表が終了した。なんとスコアは3対0となっていた。
また陽介が打たれたのだ。だがクリーンヒットは一本もないこのイニングはポテンヒットが2本、奪三振は3。
完全にとは言わないが抑え込んでいた。だがたったの1イニングで2失点、陽介にとっては屈辱だ。
陽介はベンチに歩いて戻ると本日2度目。
グローブを壁に投げつけた。
そしてポカリを一口のむとバットとヘルメットを持ち打席へ向かった。
丁度投球練習が終わった。そのため陽介は打席に入る。そして思った。
こいつら無表情でキモいな。
「陽介ーー! チェンジアップとスライダーには気をつけろよー!」
ベンチから声が飛ぶ、この声は信司さんか。てかあんた打席で一球しか見てないのによくそんなアドバイス出来るな!。
渡利は振りかぶった。どこにでも居そうななんの特徴もないフォームから投じられた一球は淀みのない軌道、回転で外角低めへ決まった。
ストライクだ。これはキツイな。140出てるわたぶん。
俺は足元を慣らすと構えた。その瞬間渡利が振りかぶる。
さっきと全く同じフォームから投じられたのはストレート。狙い球だ。
陽介のスイングがボールを捉える。その直後打球はぐんぐん加速してゆきグランドのライトのフェンスを越え、第二グランドまでボールは到達した。
あそこまで到達したということは飛距離は130m越えか。だが審判はファールのジャッジ。
いくら飛んでもファールじゃなあ。
ベンチを見ると田中が……なんだ? 発狂したか?。
3球目は、渡利のボールは俺の逆鱗に触れることとなった。
山なりの超遅球。見逃せばボールだ。だが、俺は手を出した。
だが力み過ぎている。打球が上がらなかった。ライナー。
一瞬だった。その一瞬で打球はライトのグローブにまで到達した。
この打球を見た瞬間、鶴崎の目の色が黄色と赤に変色した。
そして邪(よこしま)な笑みを浮かべる。
この瞬間は誰も気がついていなかった。
地球の歯車が狂ったことを、その狂わせた本人すら……。
第一章END
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/05/25 12:55  No. 89    
       
〜〜〜第二章〜〜〜

陽介がバッターボックスからベンチへ戻る最中、突如体験したことのないほどの巨大な地震に見舞われた。
陽介は地面に手をついてなんとか揺れに耐える。
揺れには耐えていた。だが、今度は何かが頭に直撃した。
陽介はそのまま倒れこむと起き上がらなかった。

「チッもう来やがったのか、Aこのグランド、ちゃんと守れよ」
鶴崎はベンチから立つと次の瞬間、姿が消えた。
鶴崎は舞空校舎の屋上に移動した。そこには2人の大柄な日本人が立っていた。
「なんだ? お前ら、見た事ねえ面だな」
「貴様が鶴崎悠斗か? 俺は、馬場拓郎。そんでこいつは、通称ダブルSだ」
ダブルS、天海正樹、Aと同等か。これは手強いな。
鶴崎は軽く体操をすると馬場に突っ込んだ。
「悪いけど、一瞬で終わらせる」
その言葉の直後に全方位に稲妻を走らせたがなんの手ごたえもない。外した? いや、この距離では回避不可能。つまりこれは、
「振動か」
「正解、俺は振動を発生させれる。物理攻撃は振動でどっかに流せる」
馬場はけらけら笑いながら話していた。
まずいな、相性最悪だ。俺の攻撃の9割は物理攻撃、性質上こいつには効果がないものばかりだ。
鶴崎は馬場の目を見た。その次の瞬間鶴崎はしゃがんだ。
その直後鶴崎の頭上を見たことのない色の野球のボールくらいの大きさの金属が越えて行った。
鶴崎の目には舌打ちをする馬場が目に映った。
「なんだそれ?」
鶴崎は馬場に金属のことをたずねた、すると馬場は鶴崎にその金属を投げつける。
鶴崎はそれをキャッチするとジッとその金属を眺めた。
「ダブルSの能力は空想」
空想、どんな能力だ。意味がわからない。くそっ、わからないと戦いようがない。
「まあいい、馬場、時間だ」
鶴崎は15mほどあった馬場との間合いを一瞬で詰めると背中に手を当てた。
その直後馬場は背中に大きな振動をおこした。だが無駄だ。
「馬場、これでどっちが優秀かがわかるんだぜ」
鶴崎は馬場の背中に振動を流した。いや正確には、背骨に流した。
馬場が吐血した。その瞬間を狙って鶴崎は馬場の腹に手を当てて推定25万ボルトの電流を馬場の体に流した。
鶴崎が馬場に電流を流し終えると馬場は膝から地面に崩れ落ちた。
これで馬場拓郎は完了。これであとは、問題のダブルSだけか。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/06/05 01:42 修正2回 No. 90    
       
地震発生から3時間46分。

陽介は目を覚ました。だが起きた際に目に入ったのは見たことのない天井だった。
見えたのは冷たいコンクリートの天井、そしてなぜか体が動かない。
陽介は首、腰、両腕、両足を固定されてなにか実験に使われるような机の上に大の字で寝かされていた。
「どこだよここ」ずっと思っていたワードが陽介の口から漏れた。
するとドアを開けた音とともに一人の男が入ってきた。
「やあ、気分はどうだい。天海陽介くん」
「ここどこだ! この鎖外せ!」
そう陽介が言って腕に目一杯の力を込めて右手を上へ上げると陽介の手を固定していた鎖が千切れた。
その男より陽介のほうが驚いた。思わず「えっ」と口から漏れた。
陽介は解放された右手で鎖を触った。
新しい、全然老朽化はしていない。自力で千切れるっておかしい、絶対何かある。
陽介は試しに左腕でも同じことを試した。すると、こっちでも鎖は千切れた。
今度は両腕を使って首の鎖を千切った。自分が怖くなってきたがこの縛られた状況から早く脱したいと思う気持ちで足、胴の鎖を手で引き千切った。
「それが君の本性だ」
男は陽介の目をジッと見ながら言った。陽介は目を逸らすと「あんた、名前は」とつぶやいた。すると男は「Aと呼んでくれ」と言った。
「試してみよう」そうAは言うと陽介の腹を貫いた。

えっ……死ぬ? ……のか? ……ここで? っざけんなよ。この歳で、死ねるかよ!。
陽介がそう考えた刹那、腰の辺りから赤っぽい色をした陽介の身長の1.5倍くらいの長さで電柱くらいの太さの爪のようなものが8本飛び出てきた。
陽介はそれを見て息をのんだ。
「なんだ……これ……」
Aは空いている左手でわずかに生えているヒゲを触りながら難しい顔をしていた。
そしてこう思った。
これは、悠斗がいなければ…やられるかもしれんな。
「いってえ……さっさと……病院行かねえとな……腹に穴空いちまったよ、塞がんのかな……この穴」
この爪が陽介の意思で動かせることに気がついた陽介はその爪でAの右手を肘の辺りから切り裂いた。
Aの右手は陽介の腹に刺さったままだった。陽介は痛みに耐えながらその腕を抜いた。
そして傷口を見ながらボソッとつぶやいた。
「なんだよ…これ…傷が、塞がってく」
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/06/08 01:27 修正1回 No. 91    
       
「おまえも、刃向かって来るタイプか」
Aがそう言った。しかし陽介はその言葉を完全無視してAに飛び込んだ。
そして8本の爪を一つに束ねてAの腹部を貫いた。
Aは血を吐き出した。が……。
「それにしても珍しいな、その爪は、普通の爪は腰からではなく腕や足から出現するのだが……まあいい、見方にすれば頼もしい」
陽介が気がつけばAの腹部には爪は刺さっておらず、Aの腹部は完全に塞がっていた。
本当にどうなっている。
Aはドス黒い笑みを浮かべると目の色が紫に変色し、尾てい骨のあたりから尻尾のようなものが出現した。
そして次の瞬間、陽介の視界から消えた。そう、死角に消えた。
陽介が再びAを発見したときは金属のようなもので左肩を叩かれた。
バキバキと骨の砕ける嫌な音がする。
しかし陽介は御構い無しにAに突っ込む、そしてAを爪でぶっ叩き、壁へ吹き飛ばした。
「ははは、実に面白い、なかなか…やるな!」
「やるな!」と同時にAの尻尾が飛んで来た。陽介はそれをジャンプし、体を地面と平行にすることにより躱した。
それに加えて陽介は体を回転させた。そしてその威力を利用してAを爪で地面に叩きつける。
Aはかなり地面に減り込んだがまったくひるむことなく陽介に攻撃する。
Aは防戦一方となった陽介をじっくりと攻める。やがて、Aの尻尾は陽介の胸部を貫いた。
「ぐあああああぁあぁぁああぁぁああぁぁああぁ!!!!!!」
陽介の叫び声は断末魔にも聞こえるかもしれない。が、これは終わりには程遠い状況となった。


陽介の爪は腰のあたりから8本の生えていただけだったが、気がつけば各腕から4本、各足から2本、肩甲骨のあたりから2本、そして炎に包まれた翼のようなものが右側からだけ生えていた。
「なんだこりゃ? 中二病か?」
陽介は自分の姿に自分でツッコミをいれた。
「これは……どうにもならん」
そう、本当にAはどうにも出来なかった。陽介が完全不利だった状況が一変した。


やがて、この部屋に立っているのは陽介だけになっていた。
そして、突如ドアが開いた。

入って来たのは、ボロボロの鶴崎悠斗だった。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/06/11 06:22  No. 92    
       
「おいおい、冗談キツイぞ。Aを倒すかよ」
鶴崎の目に映ったのは自分たちと違い、右目だけ眼の色が変色している陽介と仰向けに地面に倒れこんだAの姿だった。
「鶴崎、どけよ。帰る」
「まったく、調子こくな。ひよっこが」
鶴崎の体の傷が再生し始めた。すると右目が黄色、左目が赤に変色する。
そして巨大な雷翼が出現し、左手は陽介の爪に似たような物質に包み込まれた。
刹那、鶴崎は翼を包む雷の破片を全方位へ飛ばした。
それを陽介はほとんどを爪と翼で弾き返したが一部が体に突き刺さった。
陽介は反撃に出た。腰の辺りの爪をすべて束ね振り回した。
が、鶴崎はそれを躱し陽介の背後に立った。そして、左腕で陽介の後頭部をを殴った。
陽介が覚えているのは、そのパンチで壁に叩きつけられたことまでだ。
このあとは何が起きたかは、覚えていない。





「くっそ! 傷が塞がんねえ!」
鶴崎は壁を蹴った。そして足を押さえる。
「陽介のやつ……! 次は手足もいでやる」
Aは鶴崎の周りにどす黒いオーラが見えた。
「こら、キレるなバカ」
Aはそう言うと鶴崎の頭を叩くと地面に落ちていた陽介の爪と翼の破片を見た。
この破片は鶴崎との戦闘の際に剥がれたものだ。
「まさか、おまえが特殊能力を使うとはな」
「そうしねえと、殺されてたよ。」



次陽介が目覚めたのは、自分の部屋のベットの上だった。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/06/15 15:08 修正2回 No. 93    
       
陽介は飛び起きると辺りを見回した。鶴崎も、Aもいない。
時計を確認した。午前10時24分。
着ていたのはユニフォーム。そしてボロボロ。あれは現実なのか?。
陽介はカーテンを開けると同時に伏せた。なにかが飛んでくる。
数秒後、窓を割って人が飛び込んできた。
身長155cmくらいの女の子だ。
「やあ、天海陽介くん」
その女の子は俺に左手の手のひらを向けた。
そして「バーンッ」と言うと無数の氷の塊が陽介に向かって飛び交った。
体中に氷が突き刺さる。陽介はその娘の目が黄色くなっていることに気がついた。
この女、邪魔だ。
陽介の背中から4本の爪が出現する。その爪を操り体中に刺さっている氷を抜いた。
「へえ〜本当に片方だけ変わってる」
女はけらけら笑っている。うざい。消す。
「笑ってる余裕なんてないぞ」
この瞬間が、地獄の始まりだった。

「それにしても、あんたって昨日覚醒したのよね? なんでそんなに躊躇なく戦ったり出来んの?」
女の腕には指先から肘までを氷が覆った。指先はかなり鋭い。あれで引っ掻かれたらまずいな。

陽介がどう戦りあうか考えていと突如左肩に激痛が走った。
次に瞬間肩から血が噴き出した。そこにはなにかで斬られたかのような跡があった。
「ふふふ…こりゃ瞬殺だね」
女が陽介に飛び込んだ。

速すぎて俺は見えなかった。

気がつくと……女の氷の覆われた指が……俺の首に刺さっていた。
大量の血が流れる。死にそうだ。いやこれ…もう……死んだか……?。
意識が途切れた。

そう、俺の意識は完全に途切れた。それと同時に、俺の何かが目覚めた。
天海陽介は立ちあがった。左目が赤く染まっている。
腰の辺りから生えている爪は8本、炎に覆われた翼が右側のみから出現。
どうやらこれの状態は陽介では制御出来ないようだ。
制御するには、天海の力が必要だ。
天海陽介が意識を集中させた。刹那、女の胴体から首が切り離された。

天海陽介の耳に多数の足音が聞こえた。バンッと大きな音とともに10人ほどの目の色が変色していて爪や翼などが出現している者たちが天海陽介の前に立った。
そして一人がこう言った。「天海、協力してほしいんだ。話を聞いてくれ」それに天海陽介は「断る。死ね」
その直後9人の首が宙を舞った。
〜〜〜「24話 モンスター」〜〜〜
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/06/15 16:31  No. 94    
       
「言っただろう。鶴崎に関わるなと」
たった一人、天海陽介の一撃を耐えていたのは、天海…正樹だった。
「おまえは、野球をやれ!」



「なあA、なんで時を操れる能力は存在しないんだ?」
鶴崎はRevival stoneで傷を治していた。
「存在していないわけではない。ただ、使えない。なんせ自分が死ぬ可能性があるんだからな」
「へえ、じゃあ、陽介はあきらめるか」
「なにを言っている!」
Aは鶴崎を怒鳴った。だが鶴崎はまったくきにしなかった。そしてこう言った。
「天海家には、それに似た能力が存在する」



「陽介、おはよう」
「はあ!?」
「おまえの変えたいことを強くイメージしろ、変えてやる」
天海陽介は真っ先に、ソラの事故をイメージした。
正樹はそれに気がついたのか。「よしいいぞ」と言った。
そして

陽 介 の 脳 を 吹 き 飛 ば し た。

「すまない、過去で出会おう。陽介」

俺は今この瞬間、この空間から存在が消えた。
















なんだ……? ここは? そうか……俺死んだんだ。
へえ、死ぬってこんな感覚なんだ。
ブレーカーが落ちるようにブツンと意識が切れるのかと思ったけど、全然違った。
少しずつ、少しずつ、体が消えていくのか。
妙だな。頭がブッ飛んでるのに全然痛くねえ。体は、ピクリとも動かせねえな。
なんだ? この水玉みたいだな。いくつもあるし、ん? これは映像? なんか見たことあるな。
あ! シニアでの初完封だ。この時はーまだ1年だったな。

これは、鶴崎とAだな。何話してんだ。
「陽介は20、いや30年単位の天才だ。そんなやつを逃がすのか!」
「ちょっと冷静になれよA。いくらなんでもあいつは凄すぎる。運動能力が高すぎるのは危険だ! 俺ですらこんなことなってんだ! あいつからは未来を奪うな!」

鶴崎、Aのやりとりを聞くとどうやら運動能力の高いやつは100%の確率で覚醒させれるし能力も良いものがつく。
だから俺は、あんな化け物になっていたのか。

なんかやばい…体中が熱くなってきた。
これはもう最期の刻を迎えるのか。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/06/15 16:58  No. 95    
       
ソ…ラ……。最後に…もう一度……あ…いた…か…た……。
俺の存在が消えかけたとき、何かが俺を引きとめた。
ソラだった。
「っぷ……陽介…頭がない……」
ソラは笑いを堪えていたためかプルプル震えていた。
「一方的に言って悪いけど陽介、能力者全員殺してきて」
この直後、俺の体に力が戻った。
「ソラ……なのか?」
「ごめん、もう時間ないや、じゃあ…奇跡を願いながら待ってるよ」
ソラはそう言うと闇のなかに消えた。
わかった。待ってろよ。ソラ。もう一度だけでいい。ゆっくり…何気ないことを……話そう。




「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
俺が負けることは、ありえない。
陽介が、再び、この残酷な世界に顔を出した。
「陽介ッ!」正樹が俺を見て飛び上がった。
陽介はなんのモーションもなく、消えた。そして、Aの前に姿を現した。
「A、俺さー、おまえら全滅させるから」
俺は悪だろう。だが、それでやる。もうこれ以上、俺のようになるやつはいらない。
「陽介、知ってる? 善の反対は悪、でも、正義の反対は、正義なんだよ」
この声は聞き覚えがある。それに、ついさっき聞いた。ソラ。
「やっぱり、あなたにハッピーエンドは…似合わない」
爆発音が響いた。
さようなら。今の世界。

第二章END
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/06/15 17:05 修正1回 No. 96    
       
〜〜〜第三章〜〜〜

俺の名前は天海陽介。2050年、8月24日生まれ。
中学3年、シニアで野球をやっていた。
もう一度、歯車が動き出す。



「ってなるぞ」
田中が人差し指を立てて言った。すると信司さんが「なんだそら、つまらんぞ」と田中をけなした。
「おい田中、ちょっとベンチ裏来い」
俺は出来るだけドスの効いた声で言った。そして田中の胸ぐらを掴みベンチ裏に引きずった。
数分後、ボロ雑巾のようになった田中とスッキリした表情の陽介が戻ってきた。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/07/14 18:51  No. 97    
       
「このグランドどうする?」
信司さんは荒れ果てたグランドを見てつぶやく。
「試合再開は無理だな」っと藤井さん。
そんなことより頭が痛い……何かズキズキする……。
俺は額の汗を拭った。
「よ、陽介、血が!」
田中が俺の手を指差してそう言ったので汗を拭った手を見てみると血がべっとりと付いていた。
体が……言うこと聞かねえ……。
陽介は地面に倒れこんだ。





「なにが起きた……」
Aは茫然としてグランドを見る。この真相を知るのは鶴崎のみだ。
だがその鶴崎は右腕がない。これは代償だ。
陽介を蘇らせるために右腕を神…いや魔王に売った。自らに住まう怪物に売ったのだ。
あの田中の話は実際に起きている。
実際に起きた現象を誰かの思考に送り無かったことにして自分の好きなようにリアルを塗り替える。
それが鶴崎に宿りし禁能力、絶対的効果を持つが、その分代償は大きい…いや大きすぎる。
乱発可能なのが危険な点だ。同時に10のリアルを塗り替えれる。
だがこの能力は自らの体の一部を崩壊させることによってはじめて使用可能となるだ。
その代償は無論変える内容、使用数によって変わる。
代償は変えた内容に特殊な人間の関わった数やその人間の存在価値が多ければ多いほど膨れあがる。
本来人の生死や運命を塗り替えることなんて産毛一本で出来る。
だが、天海陽介の生死と運命を捻じ曲げるのには腕が一本消滅した。それで健康な状態で蘇生出来たのなら構わない、なんせ俺は片手でも無敵だ。
だが、ヤツ(陽介)はあの爆発の怪我を引き継いでいる。
俺を臓器なしでも行動可能にするのにかかった代償は腎臓だった。
陽介の蘇生はそこまで困難なものなのか?。

〜〜〜「25話 リボーン」〜〜〜
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/09/06 13:53  No. 98    
       
いいね!
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:あっそ。  日時: 2013/09/06 14:08  No. 99    
       
興味ねー(笑
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/09/06 14:42  No. 100    
       
ああありがとうございました。
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ロックされています   Re: 青空に奇跡を願う  名前:投手  日時: 2013/09/07 00:11  No. 101    
       
>>98-100

消去よろしくです
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